猫又育史(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

猫又育史(ねこまた やすふみ)は、古舘春一の高校バレーを題材にした漫画作品『ハイキュー‼』の登場人物で、音駒高校のバレーボール部OBであり、監督を務めている。音駒高校は東京都の古豪であり、レシーブ力に定評があるため「護りの音駒」として名高い。主人公チームの烏野高校前監督である烏飼一繋(うかい いっけい)とは古くからの付き合いで、ライバル関係にあたる。一時期、監督を引退したが復帰し、音駒高校を全国の舞台へと導く。そして、長年の夢であった烏野高校との試合、通称「ゴミ捨て場の決戦」を実現させた。

梟谷戦

タイムアウト中、弧爪(手前)に指示を出す猫又

春高こと「春の高校バレー 全日本バレーボール高等学校選手権大会」の東京都代表3枠をかけて、予選を勝ち抜いた4校による試合が開催される。その4校とは、音駒高校、梟谷学園、井闥山(いたちやま)学院、戸美(のへび)学園である。音駒の初戦の相手は、お馴染みの梟谷学園。試合開始前、猫又は選手たちに「何本でも拾ってやんな。」と声をかけてチームの士気を高める。梟谷は全国5本指のエースとして有名な木兎光太郎(ぼくと こうたろう)を中心に強烈なスパイクを仕掛けてくるが、音駒も負け地と得意のレシーブで粘る。しかし、音駒はリードを許したまま逆転できず、第1セットは25対21で梟谷が先取する。1セット目終了後、猫又はベンチに戻ってきた選手たちに「守備は理想のカタチになってきている。ここからはガマン比べだ。お前たち得意だろ?」と発破をかける。

第2セット開始。序盤、木兎の調子が崩れ、音駒が優勢で試合は展開される。だが、赤葦が頭脳を使った賢いプレーで木兎を立て直すと、再び梟谷に流れが向く。そして、一進一退の攻防が続き、30対28で梟谷がストレート勝ちを決める。

戸美戦

東京都代表の残り1枠をかけた試合が始まる。相手は戸美学園。音駒同様、粘り強さが武器のチームである。第1セット、戸美にペースをかき乱され、音駒は本来の実力を発揮できず戸美優勢の試合展開になる。そして試合後半、守備のエースである夜久が捻挫し、やむを得ず退場するピンチに直面する。しかし、黒尾鉄郎(くろお てつろう)や控えリベロの芝山優生(しばやま ゆうき)活躍により、28対26で音駒が第1セットを取得する。

続く第2セット。互いに点を譲らず、シーソーゲーム状態になる。第1セット同様デュースまで持ち込まれたが、セット終盤で灰羽リエーフ(はいば リエーフ)と芝山のチームワークがはまり、26対24で音駒はセットを獲得する。そして、見事春高出場の切符を手にする。猫又は優し気な笑みを浮かべて、チームの勝利に拍手を送る。

春の高校バレー

早流川戦

無事、春高初戦を突破した音駒の2回戦の相手は早流川(さるかわ)工業。早流川の監督である鹿尾有敬(ししお ありたか)は、猫又の元教え子にあたる。堅い守備は猫又譲りで、あえて一発で決めずに音駒のリズムを崩すことで、セッターの弧爪を走らせる作戦で挑む。一方で音駒は、早流川の狙いが弧爪を疲労させることだと気づく。猫又は、相手の根気と忍耐の策を破るには、こちらも同じだけの粘りが要るだろうとアドバイスをする。そこで、音駒メンバーはあえてレシーブを乱したように見せることで、相手のブロックを翻弄する作戦を実行する。その甲斐あって、第1セットは25対23で音駒が取得した。

続く第2セット。早流川の作戦通り、第1セットから動き回っている弧爪の疲労はピークに近づき、足が縺れてしまう。試合は両者一歩も譲らぬ状態でデュースになり、32対30で音駒が粘り勝つ。

烏野戦

試合開始前の猫又と烏飼

春高3試合目の相手は、待ちわびていた烏野高校。直井は、いよいよゴミ捨て場の決戦が現実になることを嬉しそうにする。猫又も「烏野と戦う事を目標に全国へ来たわけはない。ただ少しこの試合を楽しみにしている人間が多いだけだ。俺も含めてな」と、やはり全国大会で烏野と試合ができることを喜んでいるようだ。試合開始前、「勝ちに来た」という繋心に、猫又は笑顔で「受けて立つ」と返す。それはかつて、猫又と一繋が繰り返した定番の掛け合いであり、テレビ越しの一繋は笑顔を見せる。

第1セット。序盤から怒涛のラリーが繰り広げられる。初めて出会ったGW合宿と比較し、急成長を遂げた烏野を見て、「雑食も雑食。よりでっかい相手を喰らって育ってきた。最早あの頃の雛はいない。」と表現する。そして、音駒と烏野の選手たちについて、「畏怖ではなく興味と尊敬。強い相手と戦える事への高揚と尊重。」と、良好な関係性を築いていることを嬉しく思っている。烏野は多彩な攻撃で攻める一方で、音駒は守備で粘り続けるため、1つ1つのプレーが長くなる。苦闘の末、第1セットは27対25で音駒が先取する。

第2セット開始。第1セットのミスを引きずらず、冷静に対応していく烏野に対し、「強い奴や強くなる奴は、常に新しくなりつつも“芯”は持っている。烏野の芯は攻撃意志。簡単には揺らいでくれない」と烏野の強さの秘訣を説明する。音駒は、烏野の攻撃の主軸である日向を機能させないために、サーブで牽制したり、烏野メンバーの心理状態まで利用して地道に点を重ねる。音駒の作戦が功を奏し、日向はポイントゲッターとしての役割を果たせずにいた。この状況を打破するために、影山はあえて日向にオープンという高いトスを託す。日向の武器はスピードであるため、今までオープン攻撃を使うことはなかったが、もう1つの武器であるバネを最大限に生かすには相応しい攻撃である。日向の跳躍力に、猫又は感心する。ハイセットという一つの手段が増えた日向の攻略法を練る弧爪は、なにか閃いたように猫又の顔を見る。猫又は、弧爪の思考が読めたようで、「言われるまでもない」と微笑み、犬岡をコートに投入する。再び日向の動きを止めようとするが、24対26で烏野に第2セットを取られる。

ファイナルセット。このセットでいよいよ勝敗が決まる。両校とも、互いに今出せるベストをぶつけ合う。白熱する試合の中で、今までバレーボールに対しどこか冷めていた弧爪が、初めて「楽しい」と言葉を漏らす。そして、ついに烏野が24点目を取得し、王手をかける。熾烈を極めるラリーの末、弧爪が汗でボールを滑らせ、ボールを落とす。そして21対25で烏野が勝利し、それと同時に音駒の3年生の引退が決定した。

試合終了後、猫又はまず武田と握手する。そして次に、繋心と握手をすると、テレビ越しに一繋も手を差し伸べる。こうして、猫又と一繋の長年の夢であった、全国でのゴミ捨て場の決戦は、烏野の勝利で幕を閉じたのだった。コートから返ってきた選手たちに向かって、「具体的な反省は後でするとして、ナイスゲーム。ありがとう」と感謝の言葉を伝えたのだった。

猫又育史の関連人物・キャラクター

弧爪研磨(こづめ けんま)

弧爪研磨

CV:梶裕貴

音駒高校2年生のセッター。プレーに派手さはないが、目線によるフェイントや相手から自分がどう見られているかを考慮するなど、頭脳を活かしたセットアップを組む。猫又曰く、他人の目を気にする故に、人をよく観察するため予測が上手い選手だ。常に冷静で、情に流されることはない。多くの人間が、春高の舞台で「ゴミ捨て場の決戦」が行われることに心を躍らせていた中、唯一ただ目の前の相手を倒したいというシンプルな気持ちで試合に臨んでいた。また、猫又自身もかつては静かに相手を観察し、頭を使ったプレーを得意としている。昔の自分と似た雰囲気を持っているため、弧爪をよく気にかけている。

黒尾鉄郎(くろお てつろう)

黒尾鉄朗

CV:中村悠一

音駒高校3年生の主将。ポジションはミドルブロッカー。攻撃と守備のバランスがとれた選手。特にブロックが得意で、烏野高校の烏飼繋心から高く評価されている。8歳の頃に参加した小学生バレー教室で猫又と出会い、バレーボールの面白さを教えてもらう。その経験からか、猫又が監督を務める音駒高校に進学。卒業後にはバレーボール協会競技普及事業部に就職し、バレーボールの面白さを発信する仕事に勤しむ。

直井学(なおい まなぶ)

直井学(左)

CV:山本兼平

音駒高校バレーボール部コーチ。かつて、自分も音駒高校のバレーボール部に所属していたが、レギュラーではなかった。烏飼繋心とは、高校時代からの知り合い。試合前のウォーミングアップや、選手が怪我した時に対処するなど、選手たちのサポートに徹している。見た目に反してお酒が弱いことを悩み。

烏飼一繋(うかい いっけい)

烏飼一繋

CV:中博史

烏野高校バレーボール部の前監督。また、烏野高校バレーボール部のOBである。かつて烏野高校を全国大会に導いた名監督である。一繋を目当てに烏野への進学を決める生徒も多い。指導は相当厳しく、ついていけなくなる部員も出るほどだった。現在は、体調を崩してため監督を引退しているが、個別で日向に指南している。猫又とは中学2年生の頃からのライバルであり親友という仲。猫又との夢である「ゴミ捨て場の決戦」が行われた時には、病院で嬉しそうに観戦する。

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木兎光太郎(ぼくとこうたろう)とは『ハイキュー!!』シリーズの登場人物で東京都の梟谷学園高校3年生で主将でありエースである。 真っ直ぐで攻撃的なプレイは敵味方関係なく圧倒し、士気を高める。得意なスパイクコースは超インナークロス。 常にテンションは高いが、意外なところでメンタルがやられ気分の浮き沈みが激しい。 高校卒業後はVリーグDivision1の「MSBYブラックジャッカル」に所属。

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星海光来(ほしうみ こうらい)とは『ハイキュー!!』に登場する、「鴎台高校」のウィングスパイカーだ。169cmと小柄でありながら、高い技術力をもち空中戦を制していた「小さな巨人」に憧れた世代であり、1番近いと言われている。初登場は漫画24巻の影山も参加したユース合宿である。全ての技術においてトップクラスである。この影山との出会いが、日向を更に成長させるきっかけとなる。高校卒業後、プロリーグである「シュヴァイデンアドラーズ」でアウトサイドヒッターとして活躍。日向との再戦を果たす。

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佐久早聖臣とは『ハイキュー!!』に登場する井闥山学院の2年生エーススパイカー。全国3大エースの中で唯一の2年生で異常な手首の柔らかさを活かした強力な回転がかかるスパイクが武器。性格は潔癖で神経質。また何かをやり始めたら中途半端に出来ず、最後までやり遂げないと気が済まない。 高校2年生のインターハイではチームを全国優勝に導いている。高校卒業後は大学に進学しMVPを受賞している。その後V1チームのMSBYブラックジャッカルに入団しアウトサイドヒッターとして活躍、また日本代表にも選出される。

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宮治(みや おさむ)とは、古舘春一の高校バレーを題材にした漫画作品『ハイキュー!!』に登場する稲荷崎高校の2年生でウィングスパイカー。主人公の日向翔陽(ひなた しょうよう)、影山飛雄(かげやま とびお)の在籍する烏野バレー部が“春の高校バレー”全国大会に出場した時、2回戦の対戦相手として登場する。宮治の在籍する稲荷崎高校は、その大会で優勝候補と目されていた。宮治には双子の弟で「高校生ナンバーワンセッター」と言われる宮侑(みや あつむ)がいる。

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谷地仁花(やち ひとか)とは、漫画『ハイキュー!!』に登場する烏野高校バレー部のマネージャー。主人公の日向翔陽(ひなた しょうよう)、影山飛雄(かげやま とびお)と同じ1年生で、進学クラスに在籍している。インターハイ予選終了後、後任を探していた3年生の清水潔子(しみず きよこ)にスカウトされて入部した。デザイナーの仕事をしている母親と同様デザインの仕事が好きで、烏野高校バレー部が遠征する際の支援寄付用ポスターを制作するなどして、陰ながら部を支える。

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田中龍之介(たなかりゅうのすけ)とは、『ハイキュー!!』に登場する烏野高校の2年生。パワフルなスパイクで、チームの得点を叩き出す。烏野の元気印として試合のファーストポイントを任されることが多い。ポジションは、ウィングスパイカー。スパイクの技術も安定感もある優秀なスパイカーと周囲から称されている。烏野バレー部の時期エースとして期待される。一見パンチの強いタイプだが、後輩の面倒見が良く、後輩から慕われている。マネージャーの清水潔子(しみずきよこ)に絶賛片思い中。

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山口忠(やまぐち ただし)とは『ハイキュー!!』に登場するキャラクターで、「落ちた強豪、飛べない烏」と呼ばれている「烏野高校」のミドルブロッカー。身長が高くクレバーな月島、天才の影山、最強の囮日向と同期であり、レギュラーに入ることもできず、当初は目立たない存在であった。しかし、自分だけの武器を見つけるべくサーブを特訓し、チームで欠かせない選手に成長。変人だらけの烏野1年の中で一番まともな性格をしており、よくツッコミ役に回る。しかし幼馴染の月島のことになると熱くなってしまう一面も持つ。

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灰羽リエーフ(はいば りえーふ)とは、『ハイキュー!!』の登場人物で、東京の強豪、都立音駒高等学校男子バレー部に所属する1年生。日本人とロシア人のハーフだが日本生まれ日本育ちのため、ロシア語は話せない。名前のリエーフはロシア語で”獅子”を意味する。 バレーは高校に入学してから始めたため、周りから下手だと言われているが、生まれ持った高身長、身体能力、バレーのセンスを兼ね備えている。 主人公の日向翔陽がいる宮城県立烏野高等学校と”ゴミ捨て場の決戦”を実現させるため全国大会への出場を目指していく。

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夜久衛輔(やく もりすけ)とは『ハイキュー!!』内で登場する音駒高校のリベロ(R)。主人公日向翔陽(ひなた しょうよう)の所属する烏野高校とは因縁の関係であり、何度も試合を行っており、互いを高め合うよきライバルである。リベロとしての能力が非常に高く、その存在だけで相手のスパイカーにプレッシャーを与えるほどの存在感がある。個性豊かなチームメンバーをまとめるおかん的な役割をしていることが多いが、後輩を叱ったりする一面から鬼先輩と呼ばれることもある。

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