リン・ヤオ(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ

リン・ヤオとは『鋼の錬金術師』に登場するキャラクターで、物語の舞台であるアメストリスの東側にある大国・シンの第12皇子。次期皇帝争いで優位になるべく、臣下のランファン、フーを連れて伝説の賢者の石を求めてアメストリスに入国した。主人公のエルリック兄弟、国家錬金術師のロイ・マスタングらと協力する中、アメストリス国内で暗躍するホムンクルスと遭遇。その内の1体であるグリードに取り込まれるも自我を保ち、利害の一致や相互理解を経て共闘。ホムンクルスの黒幕である「お父様」の野望を阻止するために活躍した。

バリー・ザ・チョッパー

画像右がバリー

かつて世間を震わせた殺人鬼で元死刑囚。ホムンクルスの手で鎧に魂を移されて、リンと出会う前はセントラルにある極秘錬金術研究所である第5研究所の護衛を務めていた。

第5研究所崩壊後に居場所をなくしたバリーは、マスタングの部下であるリザ・ホークアイを通り魔的に襲うも返り討ちにされる。これにより彼女に首ったけになったことがきっかけで、マスタング一派による「殺人の濡れ衣を着せられたまま軍部の都合で処刑されそうになっているマリア・ロスの救出作戦」に協力することになった。

その作戦の一環で留置所に襲撃をかけた際、不法入国の容疑で拘留されていたリンと出会う。アメストリスの人間でないこと、出身国がマリア・ロスの逃亡先にふさわしいと判断して彼とともに行動する。

バリーと出会ったことにより、リンはマスタング一派やホムンクルスらに存在を認識されるようになった。

ロイ・マスタング

アメストリス国軍の大佐であり国家錬金術師。バリー経由でマリア・ロス逃亡の手引きを行い、最初は名前だけは聞いたことがある関係だった。

直接会ったのはグラトニーの捕獲に成功したタイミングである。ここでキング・ブラッドレイがホムンクルスのラースであることを聞かされた。この情報により、彼の親友であるマース・ヒューズがなぜ殺されたのか、彼の遺言ともいえる「軍がやべぇ!」の言葉の意味を察することができた。これ以降、マスタングはブラッドレイはじめ軍上層部と対峙する場面が増えている。

公ではないもののアメストリス国軍の有力者と接点を持ったことで、リンが皇帝になって以降はアメストリスとの国交を深めている。

バッカニア

瀕死の状態のバッカニア

アメストリス国軍大尉。アメストリス北部にあるブリッグズ要塞所属で、右腕は機械鎧(オートメイル)をつけている。

「約束の日」に向けてブリッグズからセントラルに密かに移動しており、中央司令部を襲撃。一時は制圧した瞬間にキング・ブラッドレイが現れ、彼の手により重傷を負う。機械鎧を破壊されながらも戦闘に再度参加したタイミングで、グリードが身体の主導権を握った状態のリンと出会う。

ブラッドレイが得意とするサーベルを腹筋で抑えて彼の手から奪い、致命傷を負いながらもリン、リンを追って合流したフーとブラッドレイの戦闘に参加。フーがブラッドレイに対し決死の突撃を行った後に、フーの後ろからブラッドレイの腹を刺す。ブラッドレイに致命傷を負わせて戦線から離脱させることに成功させた。

その後リンに「中央司令部の扉を開けないでほしい」と頼み、絶命。この約束がきっかけでリンとグリードの協力体制がより確固たるものとなり、国土錬成陣発動までバッカニアとの約束を守ることに徹していた。

キング・ブラッドレイ

戦闘では右手にとっているサーベルを愛用している

アメストリス国軍のトップ・大総統であり、ホムンクルスのラースでもある。シン国のトップを目指す彼の帝王学と、ブラッドレイが考える帝王学がぶつかる場面が多かった。

それが最もはっきり出ているのが、セントラルで初めて戦闘をした際のやりとりである。

エルリック兄弟と共にホムンクルス捕獲作戦を行い、ブラッドレイとグラトニーと戦闘をした際に「己が考える王とは」という会話をしている。

ブラッドレイは傷つき弱った部下は切り捨てるべき存在だと考えるが、リンはそれを否定した。「人民あっての王」という彼の考えを聞いたブラッドレイは、彼の考え方を「唾棄すべき青臭い理想論」とし、真の王は存在しないと冷徹な考え方を提示した。

「王は弱いものを助けるべき」というリンの考え方を再度目にしたのは、「約束の日」における戦闘である。重傷を負ったフーを庇うリンを見て、捨てられない部下のために自分を危機にさらしていると批判。それに対して自分を捨てろというフーに対し、リンはブラッドレイのような王にはならないと話している。

リン・ヤオの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「王は民の為に存る者 民無くして王は在りえなイ」

画像一番右がキング・ブラッドレイ

エルリック兄弟をともにセントラルでホムンクルスを捕獲するためにタッグを組み、実際に対峙したホムンクルスのラースことキング・ブラッドレイ。ブラッドレイがアメストリス国を統べる「王」であることを知り、また部下や弱者が犠牲になることを厭わないことを知った際に放った言葉である。

この言葉は、彼が考える「王」としてあるべき姿でもある。原作者の荒川弘はリン自身がブラッドレイとの問答の中でこの考えを見出していると話している。

「手ぶらで帰ったら腕ぶった斬ってまで尽くしてくれた臣下に合わせる顔が無いだろうがッッ!!!!」

この言葉を叫んでいるのは魂状態のリンである

グラトニーの腹の中から現世に戻り、お父様の手によりグリードが自身の身体に入ってくる際、グリードの魂と会話をしている。

あっさりと自身を受け入れると話したリンに対し、疑問を呈したグリードに対してこの言葉を言っている。「腕」を「ぶった斬った」「部下」とは、グラトニーとブラッドレイとの戦闘で彼らを切り離すために左腕を犠牲にしたランファンのことを指している。

この行動に関して、原作者の荒川弘はブラッドレイとのやり取りを経て器が大きくなったことが影響しているとコメントしている。

「忘れる訳ないだろうガ!!!仲間ってのは魂で繋がってんだヨ!!魂に染みついちまっているものをすすいで落とす事なんか出来ないんだヨ!!」

右側の黒い影が魂状態のグリード

グリリンとなって以降、しばらくはお父様の近くで過ごしていた。しかし、セントラルの地下にかつての仲間であるビドーが侵入した際に殺害したことをきっかけにグリードが錯乱。その際にグリードの魂に対してこの言葉をかけている。

記憶の中に埋もれていた初代グリードだった頃の仲間たちの顔が頭の中に浮かび、そして彼らをブラッドレイが殺害したことも思い出してしまった。その後、仲間の敵討ちとしてブラッドレイと戦闘し、ホムンクルスから離反するきっかけとなった。

リン・ヤオの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

よく食べ、よく行き倒れ、臣下に心配される皇子

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