山岸風花（ペルソナ3）の徹底解説・考察まとめ

風花が通う月光館学園高等部の生徒。風花をいじめていた女子4人グループの1人。ガングロギャルの女子高生で、さばさばとした物言いのドライな性格をしている。
影時間による事件をきっかけに、風花に謝罪、和解する。その後、父親が病気で倒れた為に転校してしまうが、風花とはメールでのやり取りを続けている様子。

山岸風花の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「逃げてっ！！ ここは危ないからっ！！」

大型シャドウに操られる形で、ダンジョン「タルタロス」にやってきてしまった夏紀に向かって風花が言ったセリフ。

夏紀率いる女子4人組にいじめられていた風花。その結果、ダンジョン「タルタロス」に閉じ込められる事態にまで発展してしまったわけだが、それでも風花は大型シャドウに操られていた夏紀に駆け寄り、「逃げてっ！！ ここは危ないからっ！！」と彼女の身を案じるセリフを口にする。風花の持つ寛容さ、優しさがよく伝わるセリフだと言わざる得ない。
作中に初登場して間もない時の風花のセリフだが、この一言で彼女がどういった性格の人物であるかを理解する事ができるセリフである。

「私のペルソナは…”結ぶ者”。…私が願う”絆”そのもの。」

タルタロスでの事件を通して夏紀と友だちになった風花。しかし10月になったある日、その夏紀が家の事情で転校する事態が発生する。夏紀と転校前最後の会話を屋上でした風花は、そこで夏紀から「離れていても繋がっている」という言葉を貰う。その言葉に勇気づけられた風花は、そこで自分がどうしてサポートに特化したペルソナを召喚する事ができたのか、という「本当の理由」に気づく。このセリフは、風花が気づいた「本当の理由」を彼女が口にしたものとなっている。
実は風花は今までずっと、自分がサポートに特化したペルソナを召喚できたのは「他人の目をうかがって生きてきた自分」の性質が現れた結果のものだと思っていた。しかし夏紀と話している内にそれは違っていた、という事に気づく。風花は自分が「皆が仲良くしているだけで嬉しい」、「自分はそれをずっと見ていたい」と心の底で願っていた事を知り、自分のペルソナはそんな自身の願いを叶える為に生まれたのではないか、と己の考えを改める。
風花が述べる「私のペルソナは…”結ぶ者”。…私が願う”絆”そのもの。」というのは、「誰かと仲良くなる事で”結ばれる皆の絆”をずっと見ていたい」、「その絆を守る為の力が自分のペルソナ」だという意味なのだろう。

このシーンは、今までずっと自分の事を卑下し続ける傾向があった風花が、初めて己の事に対して前向きな考えを見せるようになった瞬間でもある。風花が人として一皮むけた事がわかるセリフだといえるだろう。

「今のこの思いに、正直でいたいの」

やってくる「世界の滅び」を前に恐怖する順平と話した風花が、順平と話した際に述べたセリフ。

物語後半、「世界の滅び」がやってくる事を綾時から教えられた風花達、特別課外活動部（S.E.E.S.）。各メンバーが今後どのような行動をどるべきか悩んでいる中、風花は一度実家に帰省する。家族との仲があまり良くなく、寮に入寮してからはなかなか実家に帰省しなかった風花だったが、「世界の滅び」を前にした彼女は家族と向き合う事を決め、家族に会いに行く事にする。これは特別課外活動部（S.E.E.S.）や夏紀と共に過ごした日々を通して、「内向的な自分から変わりたい」と思うようになった風花ゆえの行動であった。
そんな風花の行動を知った順平は「凄い」と風花の行動を褒める。しかし風花は順平に「そんなことはない」と返す。そうして「今のこの思いに、正直でいたいの」と伝える。
今まで他人の目をうかがい、ずっと自分の本音を抑えて生きてきた風花。しかしそんな風花だったからこそ、今までの自分から変わる為に、自分の「したいと思ったこと」に正直にいきたいと思うようになったのだろう。作中での出来事を通して、風花が大きな成長を遂げた事がわかるセリフとなっている。

山岸風花の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

山岸風花がダンジョン内で使う通信用のイヤフォンは自作のもの

サポート特化型ペルソナを使役する風花は、他の特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーとは異なり、戦闘が開始しても戦線にはその姿を現さないという特徴がある。代わりにその場にいるメンバーと「通信」をする形で風花は、敵に関する情報をメンバーに伝えるという手段を取っている。その際、風花は通信用のイヤフォンとして、風花自身が自作したイヤフォンを装着している事が公式により明らかにされている。
サポート特化型ペルソナを使役するペルソナ使いなだけあってなのか、風花は機械に強い。さらには手先が器用という一面も併せ持っており、その結果、通信用のイヤフォンを自作するまでに至ったのだと思われる。
またP3主人公が周囲の人々と交流を深める事で発生するシステム「コミュニティ」を通して見る事ができる風花とのイベントの中にも、P3主人公が彼女から自作のイヤフォンを貰えるというシーンが存在している。実際に使ってみたP3主人公曰く「これまで（使っていたイヤフォン）と比較にならないほどクリアなサウンドだ！」とのこと。風花の機械に対する強さがよくわかるエピソードだといえるだろう。

ファンの要望から風花の参戦が決定した家庭版『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』（P4U）

『ペルソナ3』の次作『ペルソナ4』のその後の物語を描いたゲーム『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』。『ペルソナ』シリーズ初の格闘ゲームとなったこの作品は、アーケード版としての展開が行われた後に家庭版の発売が行われた。さらに『ペルソナ4』の世界線が『ペルソナ3』から続くものであった為に、『ペルソナ3』のキャラクター達もこの作品に登場する次第となった。物語の時間軸は『ペルソナ3』本編から2年後の2012年の為、2年の月日を経て成長した姿で登場する事が決まり、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』は多くのファンを歓喜させる作品となった。
ただし、登場したのは一部のキャラクターのみであり、登場していないキャラクター達も存在している。山岸風花もその内の1人であった。
しかしアーケード版が展開されると、プレイしたファンから「山岸風花の（戦闘中の）ナビゲーションも聞きたい」、「『ペルソナ4』のサポートキャラである久慈川りせがいるのだから、『ペルソナ3』のサポートキャラであった山岸風花も一緒に出てほしい」といった要望が殺到。その結果、家庭版『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』にて風花の参戦、戦闘ナビゲーションの追加が決まる次第となった。
なお作中の風花は、すでに月光館学園を卒業しており、大学に通っている設定になっている。学業を行う傍ら、美鶴が月光館学園卒業後に作った特務部隊「シャドウワーカー」の非常勤メンバーとしても活躍しており、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』ではシャドウワーカーの1人として、本作で起きる事件の解決を手伝ってほしい美鶴に召集される形で物語に登場する事になる。
容姿も『ペルソナ3』の頃ことは異なり、ショートカットだった髪が伸び、三つ編みをしている等前作よりも大人びた姿に変化。風花の参戦に喜んだファンを驚愕させる事となった。