ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』とは、映画三部作の興行収入が全世界で3,000億円を超える大人気シリーズ『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』三部作の完結編で、2003年に公開された。原作はJ・R・R・トールキンの小説『指輪物語』で架空の種族や架空の地が舞台である。すべての指輪を統べる強大な力を持つ「一つの指輪」を葬る旅に出たフロドは目的地の滅びの山があるモルドールの目の前まで来ていた。アラゴルン達は人間の国ゴンドールに加勢し、サウロン軍に勝利、とうとう最終決戦を迎える。

フロド・バギンズ(演:イライジャ・ウッド)

出典: arda.saloon.jp

灰色港から西方の神々の国に旅立つ船に乗り込み、陸地にいるサム、メリー、ピピンに微笑むフロド

中つ国のホビット庄に住むホビット族の青年。映画では年齢は不明だが、原作によれば生年月日は第三紀2968年9月22日で、50歳の時にホビット庄を旅立った。12歳の時に両親を事故で失い、一度は母方のブランディバック家に引き取られる。フロドの母はビルボの姪であり、子供がいなかったビルボは、フロドが21歳の時に養子とした。フロドは、ビルボの111歳の誕生日に彼から指輪を譲り受けた。その指輪は冥王サウロンが自分の魂を込めて作った「一つの指輪」で、この指輪を手にするものが世界を支配すると言われていた。強靭な精神や意思を持つものでなければ「一つの指輪」を手にしたとき闇の世界に落ちてしまう。サウロンに勝って中つ国に平和をもたらすにはサウロンの「一つの指輪」を破壊するしかない。フロドはガンダルフに助言を受け、破壊のための旅に出る。途中でサウロンの手下であるナズグルに襲われモルグルの短剣で刺されて瀕死の重体となるが、裂け谷のエルフの領主エルロンドの娘、アルウェンに助けられる。エルロンド主催の指輪の処遇を決める会議で皆が争うのを見かねて、自らが指輪保持者となると立候補した。私欲のないフロドが保持者となり、魔法使いのガンダルフ、人間のアラゴルン、ボロミア、エルフ族のレゴラス、ドワーフ族のギムリ、そしてフロドについてきていたサム、メリー、ピピンが同行することとなった。9人の仲間は指輪を破壊することができるモルドールの滅びの山の火口を目指すが、人を惑わす指輪の強力な力やオークの襲撃がきっかけでサムと二人で旅することとなった。後を付けてきていたゴラムを道案内とし、モルドールへと向かうが、何度も指輪の魔力に屈しそうになるところをサムに助けられる。唯一「一つの指輪」を破壊できるサウロンの国モルドールの滅びの山の火口にたどり着くが、指輪の魔力に屈してしまう。

サム(演:ショーン・アスティン)

出典: arda.saloon.jp

大蜘蛛シェロブに立ち向かうサム

本名はサムワイズ・ギャムジー。
中つ国のホビット庄に住むホビット族の青年。映画では年齢は不明だが、原作によれば誕生は第三紀2980年で、フロドより12歳下、38歳の時にホビット庄を旅立った。バギンズ家に仕えている庭師で、主人であるフロドを慕い、旅立つことになったフロドに付いていく。旅では調理器具を持参し、フロドのために料理をした。また、指輪の魔力に屈しそうになるフロドを何度も救い、献身的に支えている。道案内として連れて行ったゴラムの策略により、フロドに疑われ追い返されるが、自分をフロドから引き離そうとする策略だと気づき、追いかけてフロドを助ける。指輪の力により衰弱し、歩くこともできなくなったフロドを背負い、最後まで尽くす。ホビット庄に戻った後に、幼馴染のロージーと結婚する。

メリー(演:ドミニク・モナハン)

出典: arda.saloon.jp

人間の国ローハンの姫エオウィンの馬に乗せてもらい、戦に行くメリー

本名はメリアドク・ブランディバック。
中つ国のホビット庄に住むホビット族の青年。映画では年齢は不明だが、原作によれば誕生は第三紀2982年で、フロドより14歳下、36歳の時にホビット庄を旅立った。ホビット族の大家系のひとつ、ブランディバック家の一人息子。メリーの父親の妹がフロドの母。頭が良く、明るいしっかり者でピピンと仲が良い。ピピンとはいとこ同士。フロドと共に旅に出るが、冥王サウロンの手下ウルク=ハイにフロドと間違われ、ピピンと一緒にさらわれてしまう。オーク同士が揉めている時に通りかかったローハンの騎馬隊がオークを倒している間に、隙をついてファンゴルンの森へ逃げ込んだ。ファンゴルンの森に住む木の守り神であるエント族の長老である木の鬚に中つ国の現状を話し、サルマン軍と戦うよう説得する。アラゴルンたちと再会後は、ローハンの戦士としてゴンドールの戦いに参加する。

ピピン(演:ビリー・ボイド)

出典: www.cinematoday.jp

サウロン軍の攻撃を受けているミナス・ティリスで、生きたまま焼かれようとしているファラミアを助けるため、ガンダルフを探しに行くピピン

本名はペレグリン・トゥック。
中つ国のホビット庄に住むホビット族の青年。映画では年齢は不明だが、原作によれば誕生は第三紀2990年で、フロドより22歳下、28歳の時にホビット庄を旅立った。フロドの親戚でメリーとはいとこ同士。おっちょこちょいだが、機転が利くときもある。メリーと一仲が良い。フロドと共に旅に出るが、冥王サウロンの手下ウルク=ハイにフロドと間違われ、ピピンと一緒にさらわれてしまう。オーク同士が揉めている時に通りかかったローハンの騎馬隊がオークを倒している間に、隙をついてファンゴルンの森へ逃げ込んだ。ファンゴルンの森に住む木の守り神であるエント族の長老である木の鬚にサルマン軍と戦うよう決起を促し、攻撃を決意させた。アラゴルン達と合流後は、ガンダルフと共にゴンドールに行き、城の衛兵となる。生きたまま焼かれようとした執政デネソールの次男ファラミアの危機を救う。

ガンダルフ(演:イアン・マッケラン)

出典: www.crank-in.net

ゴンドールの執政デネソールに援軍を求めることを拒否され、モルドールを見ながら思案するガンダルフ

以前は灰色の長い髪とひげに灰色のとんがり帽子、灰色のマントを着ており、灰色の杖を持っていた「灰色のガンダルフ」と呼ばれていた魔法使い。エルフからは「ミスランディア」と呼ばれている。映画でも原作でも生年月日は不明。5人の賢者がサウロンに対処するために結成した白の会議の一員。
「力の指輪」のうち、エルフに贈られた「三つの指輪」の一つ「炎の指輪ナルヤ」の所有者。紅玉石(ルビー)が付いており、人々の心を奮い立たせる力を持つ。元々エルフに贈られたものだが、中つ国にガンダルフが来た時に譲られた。「三つの指輪」は「炎の指輪ナルヤ」のほかにエルフの国ロスローリエンの奥方ガラドリエルが所持する「水の指輪ネンヤ」、裂け谷のエルフの領主エルロンドが所持する「風の指輪ヴィルヤ」がある。
人間の老人のように見えるが、実際は人間ではなく、魔法使い(イスタリ)である。冥王サウロンに立ち向かう勢力をまとめてかれらを助ける使命を受け、西の海の果ての神々から遣わされた。深い知識を持ち、剣や魔法などの戦闘能力に長けている。花火の製造やパイプの煙など、火、煙に関する技に熟達しているが、それが魔法によるものなのかは不明。ローハンの戦いでは北へ向かった騎馬隊を連れ帰った時、敵に向かい白い杖から白い光を発しているがこれも魔法の力によるものか不明である。
ガンダルフは以前から、ビルボが魔法の指輪を持っていることに気づいてはいた。しかし、ビルボの111歳の誕生日にビルボの指輪への執着ぶりを見て、それが「一つの指輪」ではないかと疑い、古書で「一つの指輪」の見抜き方を調べる。ビルボからフロドに譲られた指輪を燃える火の中に放り込むと指輪の表裏に文字が浮かび上がった。それはエルフ文字で書かれたモルドールの言葉で、一つの指輪についての記述だった。これが「一つの指輪」だと確信したガンダルフは、サウロンの手下が奪いに来ると考え、フロドにすぐに旅立つように告げた。ガンダルフはフロドたちに同行するが、旅の途中でバルログと戦い、谷底へ落ちて死亡したと思われていた。しかし落ち続けた地の底から山の頂上にたどり着き、そこでバルログを倒した後、使命を成し遂げるべく黄泉の国から送り返され、より強いパワーと知恵を持った「白の魔法使い」になって甦った。白くまっすぐな髪とひげ、白衣を身につけ、白い杖を持った「白の魔法使い」として蘇った後、ファンゴルンの森でアラゴルンたちと合流し、人間の国ローハンに向かう。サルマンの魔力で衰弱し判断力を失っていたセオデン王を解き放ち、サルマン軍と戦い勝利する。その後は、ピピンと共にゴンドールに向かい、サウロン軍と決戦に挑む。

アラゴルン(演:ヴィゴ・モーテンセン)

出典: arda.saloon.jp

ゴンドールからモルドールの黒門へ向かうアラゴルン

長寿を誇る人間の種族ドゥーネダイン。生年月日は第三紀2931年3月1日で87歳。父親は北方のドゥーネダインの族長アラソルン。アラゴルンはかつて冥王サウロンの腕を切り落とし、サウロンの肉体を滅ぼした人間の王イシルドゥアの正当な世継ぎと言われる。イシルドゥアはサウロンを滅ぼし、強大な力を持つサウロンの「一つの指輪」を手に入れた。一緒にサウロンと戦った裂け谷の領主エルロンドが指輪を破壊するよう説得したにもかかわらず、イシルドゥアは指輪を破壊せず王家の宝とした。「一つの指輪」の魔力に負けて破壊せず自分のものとしたイシルドゥアだが、その後オークに襲われ、指輪は彼の手から抜け落ち、行方不明となっていた。
アラゴルンは幼少の頃、父親を亡くし、母と共にエルロンドに引き取られ、彼の養子となる。裂け谷で育ち、エルロンドの娘アルウェンと恋に落ちる。この頃から北方の野伏として、諸国を旅する。ガンダルフと出会ってからは、彼の旅に同行し、サウロンの勢力と戦いを続けた。ガンダルフの依頼によりサウロンのスパイが増えているホビット庄を見守っていたが、フロドが指輪を持ち裂け谷に向かうことをガンダルフから聞き、フロドを守ることになった。卓越した剣術の持ち主で、フロドとはブリー村で出会い、始めは野伏を意味する「ストライダー」と呼ばれていた。エルロンドの指輪の処遇を決める会議で人間の王国・ゴンドールの唯一の王位継承者であることが明らかになった。戦いではリーダーシップを発揮し、サルマン軍に攻撃されたローハンを勝利に導く。続くゴンドールとサウロン軍の戦いでは、イシルドゥアの折れた剣を鍛え直した王の剣「アンドゥイル」をエルロンドからもらい受け、ゴンドールの王として、山の死者の軍団を味方に引き入れ、サウロン軍に勝利する。モルドールの黒門の決戦では、自らを餌として、サウロンの目をフロドから引き離すことに成功する。

レゴラス(演:オーランド・ブルーム)

アラゴルンの戴冠式でお祝いするレゴラス

エルフ族の闇の森の王スランドゥイルの息子。生年月日は不明だが映画での設定は2931歳。裂け谷の領主エルロンドの指輪の処遇を決める会議に父の代理として参加し、9人の仲間の一人となった。弓の名手で常に弓矢と矢筒を身につけ、遠くの敵も射倒すことが出来る。エルフは体も精神も極めて強靭かつ繊細である。見た目も美しく、病気にもかからず、老いもせず、寿命もない。長い間走り続けても疲弊することもなく、高い身体能力を持つ。エルフの能力として人間には見えない非常に遠くのものを見ることができる。エルフとドワーフは通常仲が悪いが、旅を続ける中でドワーフのギムリとは固い友情を育んでおり、倒した敵の数を競い合っている。

ギムリ(演:ジョン・リス=デイヴィス)

出典: cinemazuki.com

レゴラスと倒した敵の数を競い合うギムリ

ドワーフ族の男。映画では年齢は不明だが、原作によれば誕生は第三紀2879年で139歳。常に兜と鎖帷子を身に付け、斧を武器に戦う勇敢な戦士。父のグローインと一緒に裂け谷の領主エルロンドの指輪の処遇を決める会議に出席し、9人の仲間の一人として旅を共にすることになった。グローインはフロドの養父ビルボと冒険に出たドワーフのうちの1人である。エルフとドワーフは通常仲が悪いが、旅を続ける中でレゴラスとは固い友情を育んでおり、倒した敵の数を競い合っている。

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