レオーネ・アバッキオ(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
レオーネ・アバッキオとは、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』Part5『黄金の風』に登場するスタンド使いである。汚職警官として社会的制裁を受け、ギャングの世界に堕ちた。警官時代の経験から人を中々信用しない性格となるが、一度信じた人物にはどこまでもついていく。ブチャラティが組織を裏切った時は、真っ先に彼についていくと名乗りを上げた。口は悪いものの根は優しく、警察官になった頃の強い正義の心が残っている。主人公側で初の死者となったが、その遺志は仲間たちに受け継がれた。
ジョルノがチームに加入することになり、他のブチャラティチームのメンバーとの顔合わせとなった場面。忠誠を誓ったブチャラティが認めた男とはいえ、カタギの新人が加入することをよく思っておらず、アバッキオはジョルノに嫌がらせを行う。
その内容は、自身の尿をティーポットに入れ、お茶としてジョルノに振る舞うという常軌を逸したものだった。ファンからは「アバ茶」と呼ばれている。
ジョルノは機転とスタンド能力を駆使して、アバッキオの面子を潰さずに尿を飲まされることを回避してみせる。このことがきっかけでアバッキオはジョルノを敵視するようになるが、次第にジョルノの強さ、覚悟に触れ、認めるようになっていく。
「なぜ悪い?」
正義漢から警察官になったアバッキオだが、実際には悪事や景観への賄賂が横行し、治安は悪かった。そんな折逮捕しようとしたチンピラから、闇に賄賂を受け取るよう要求される。アバッキオは「なぜ悪い?こんなクソどもからカネを受け取るのがなぜ悪い?この街は全て丸く治まっている…!オレがこいつらを逮捕したとしても、こいつらは保釈金を払って出てくるだけだ…カネを払うのが、"オレへ"か"裁判所と弁護士"かの違いだけだ…!オレが命がけでこの街を守ってることにはかわりないんだからな!!」と考え、賄賂を受け取った。
この時のアバッキオの目つきは、警官になりたての頃と比べてどこか暗い。職務をまっとうしつつも、現実に対する失望が現れている。
「『鍵(キー)』だけは… 絶対に… 渡さねえ…『誇り(プライド)』と『面子(メンツ)』にかけて… この『鍵』だけは…」
ボスの娘トリッシュの護衛任務の最中、アバッキオはジョルノ、フーゴと共にポンペイの遺跡を訪れる。ボスが遺跡の中に隠した「鍵」を手に入れるためだ。
遺跡にはトリッシュの身柄を狙う暗殺チームのひとり、イルーゾォが潜んでいた。鏡の世界を作り出し自由に出入りするイルーゾォのスタンド能力によりフーゴが無力化され、速やかに鍵を回収しようとしたアバッキオも術中にはまってしまう。
アバッキオは「『鍵(キー)』だけは… 絶対に… 渡さねえ…『誇り(プライド)』と『面子(メンツ)』にかけて… この『鍵』だけは…」と呟くと、鍵を握った自分の手首を切り落とし、ムーディー・ブルースの能力で「逆再生」してジョルノのもとへ届ける。
自身の腕を切断しながらも任務を遂行しようとする、アバッキオの誇りと覚悟の強さがチームを救った名場面だ。
「オレももともとよォ~~~行く所や居場所なんてなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォー俺が落ち着ける所は…ブチャラティ、あんたのいっしょの時だけだ」
アバッキオは、ブチャラティがボスを倒そうとしていることを知らずにいた。トリッシュの護衛の任務を終えて戻ってくるはずが、トリッシュと共に現れたブチャラティは、自身の今までの考え、ボスのしようとしたことを皆に伝え組織を裏切ったと話す。
「自分についてくれば裏切り者として追われることになる。どうするかは自分で決めろ」と言われたメンバーの中、アバッキオは「俺は組織に対して忠誠を誓ったんだ。あんたに対してじゃねえ」と冷たく言い放つ。直後、アバッキオは「しかし、だ。オレももともとよォ~~。行く所や居場所なんてどこにもなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォー落ち着ける所は…ブチャラティ。あんたといっしょの時だけだ」と続け、ブチャラティと共に「裏切り者」になることを選んだ。
ブチャラティと元より裏切るつもりで入団したジョルノの他、初の裏切り者として名乗りを上げたアバッキオは、信頼したブチャラティにどこまでもついていくことを決めたのである。
アバッキオの作ったデスマスク
15年前のボスの姿を再現している最中、アバッキオは当のボスにより殺される。ナランチャは涙し、ブチャラティはアバッキオの遺体を置き去りにし、この場を立ち去るという苦渋の決断をした。ジョルノ、ミスタも哀しみをこらえそれに従う。
ジョルノは、アバッキオの手に岩の破片が握られていることに気付く。ゴールド・エクスペリエンスで破片をテントウムシに変え、元あった場所へ飛んでいかせると、そこには岩肌に押し付けられた顔があった。ムーディー・ブルースの再生は終わっており、最後の力を振り絞ってボスの顔と指紋を押し付け、デスマスクとして残したのだった。
岩の破片を握りしめていたのは、ジョルノの洞察力とスタンド能力を信じたアバッキオのダイイング・メッセージであった。新入りのジョルノを中々信じなかったアバッキオだが、最後の最後に自分の仕事の仕上げを彼に託したことが分かる。
同僚とアバッキオの会話
ボスにより致命傷を受けたアバッキオは、今わの際に警官時代の同僚と再会する。初めは自分が死んだことに気付かず、同僚のことも一警察官と思い話しかけたアバッキオだったが、声を掛けた理由は好奇心というより自分の過去の後悔からであった。
正義感に燃えて警官になったのに街の腐敗に失望し、他の警官と同じく賄賂を受け取るようになり、結果同僚を死なせた。それは、アバッキオにとって決して外せない十字架だった。目の前の警官は「真実に向かおうとする意志」を持って途方もない作業を続けており、アバッキオはそんな彼と比べて自分を駄目な男だと評する。
警官は、「そんなことはないよアバッキオ。お前はりっぱにやっているじゃないか。意志は同じだよ。お前が警官になったばかりの時抱いていたその意志は、今お前のその心の中に再び戻っているのだよ」と口にした。アバッキオは、自分が既に死んでいることと、目の前の警官が自分のせいで殉職した同僚であることに気付く。
「アバッキオ…。お前はりっぱにやったのだよ…そう…私が誇りに思うくらいりっぱにね」との同僚の言葉でようやくアバッキオは救われたのだった。
ボスの正体という真実に向かう意志を、ムーディー・ブルースの最後のエネルギーとして岩肌に押し付けてデスマスクとして遺すことに成功した。アバッキオの意志はジョルノによって皆に伝えられた。
レオーネ・アバッキオの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
TVアニメ版のアバッキオに手向けられた花は「イエローサルタン」
志半ばで倒されたかに見えたアバッキオだが、最後のスタンドエネルギーでボスの素顔を残した。TVアニメ版では遺体の周りを黄色い花が囲んでおり、ファンに感動を与えた。この花が何なのか、ファンの間でも議論が割れていたようだが、「イエローサルタン」という名の花であることが判明した。花言葉は「強い意志」で、アバッキオの最期を表すにふさわしい花である。
イエローサルタンはゴールド・エクスペリエンスにより咲いたもので、「意志を受け取った」とのメッセージにもなっている。
アバッキオのスタンド「ムーディー・ブルース」の名前はイギリスのロックバンド「The Moody Blues」から
アバッキオのスタンド「ムーディー・ブルース」のスタンド名は、イギリスのロックバンド「The Moody Blues」から来ている。プログレッシブ・ロックと呼ばれる新たなロックの元祖として知られる。
喧嘩の強さはチーム1
アバッキオのスタンドは戦闘向きではなく、作中で直接戦闘するシーンはほぼない。しかしアバッキオ本人の喧嘩の強さはチーム1であり、ファンの間では「スタンドより本体の方が強い」と言われている。
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目次 - Contents
- レオーネ・アバッキオのプロフィール・人物像
- レオーネ・アバッキオのスタンド能力:ムーディー・ブルース
- スタンドとは
- ステータス
- 能力
- 任意の人物の行動を再生する
- 早送りサーチ
- 一時停止(ポーズ)
- レオーネ・アバッキオの来歴・活躍
- 堕ちた警官
- 遺産争奪戦
- ボスの娘
- マン・イン・ザ・ミラー戦
- 追撃とメッセージ
- 裏切り
- ノトーリアス・B・I・G戦
- 再現中の出来事
- 最後の再生
- レオーネ・アバッキオの関連人物・キャラクター
- ブローノ・ブチャラティ
- ジョルノ・ジョバァーナ
- ナランチャ・ギルガ
- グイード・ミスタ
- パンナコッタ・フーゴ
- トリッシュ・ウナ
- ペリーコロ
- ディアボロ / ボス
- アバッキオの同僚
- レオーネ・アバッキオの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ジョルノとの出会い
- 「なぜ悪い?」
- 「『鍵(キー)』だけは… 絶対に… 渡さねえ…『誇り(プライド)』と『面子(メンツ)』にかけて… この『鍵』だけは…」
- 「オレももともとよォ~~~行く所や居場所なんてなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォー俺が落ち着ける所は…ブチャラティ、あんたのいっしょの時だけだ」
- アバッキオの作ったデスマスク
- 同僚とアバッキオの会話
- レオーネ・アバッキオの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- TVアニメ版のアバッキオに手向けられた花は「イエローサルタン」
- アバッキオのスタンド「ムーディー・ブルース」の名前はイギリスのロックバンド「The Moody Blues」から
- 喧嘩の強さはチーム1
- 物語の途中で誕生日を迎えている可能性