機動戦士クロスボーン・ガンダム(クロボン)のネタバレ解説・考察まとめ
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』とは、『月間少年エース』1994年12月号から1997年3月号にかけて連載された漫画作品。『ガンダムシリーズ』の中でも『クロスボーン・ガンダムシリーズ』と呼ばれるシリーズの第一期作品である。
交換留学生として木星圏を訪れたトビア・アロナクスは、地球圏侵攻を目論む木星帝国、そしてそれを阻止せんと戦う宇宙海賊軍の存在を知る。宇宙海賊軍の一員となったトビアは、木星帝国の野望を阻む大きな力へと成長していく。
貴族主義
かつてベラ・ロナの祖父であるマイッツァー・ロナが提唱した、「正しい指導者(貴族)の下に政治を委ねるべき」という思想。
何をもって正しい指導者とするか曖昧だが、あまりに長く続いた民主政治とその問題点に辟易していた人々から熱狂的に支持された。
往年の勢いは失われたものの、今でも一定の支持層は健在で、ベラは戦力を集めるための題目としてこれを利用している。
クロスボーン・ガンダムX1・X2
宇宙海賊軍の主力MSで、キンケドゥとザビーネの愛機。木星の高重力に対応するためにフレキシブルに稼働する大型バーニアを背部に装備しており、全身にナイフやビームシールド発生器など様々な武器を装備している。
その高い機動力を活かしてMSに接近し、高出力のビームサーベルで相手をビームシールドごと叩き切るのが基本戦法。X1は白、X2は黒を基調としているが、宇宙海賊軍に所属しているためか海賊をイメージした装飾が多い。
クロスボーン・ガンダムX3
物語後半、トビアが戦場のドサクサに紛れて奪取するクロスボーン・ガンダムの三号機。
ビームを防ぐのではなく一方的に弾くIフィールドなどX1、X2にない装備を持つが、実験機としての意味合いが強くピーキーな性能となっている。
最終的に機体そのものを犠牲にする形でドゥガチのモビルアーマーを大破させ、その野望に終止符を打った。
木星帝国
クラックス・ドゥガチを総統に掲げる、木星圏の統一国家。表向きその存在は秘匿されている。
水も空気も自分で作るしかない厳しい環境にあり、その貧しさから逃れたい一心で豊かな資源に溢れた地球圏への侵攻を目論む。それは前述の通りドゥガチの方便に過ぎないのだが、末端の兵士はこの題目を信じている。
ドゥガチの指示ひとつで自らの命すら投げ出す狂信的な集団だが、一方で少なくない者たちが現在の独裁的な体制に不満と疑問を抱いている。
死の旋風隊(デス・ゲイルズ)
宇宙海賊軍を始末するために結成された、攻撃力特化のクァバーゼ、防御力特化のトゥトゥガ、機動力特化のアビジョの三体のMSとそのパイロットから成る特殊チーム。
いずれの機体もクロスボーン・ガンダムを研究し尽くして開発されてあり、得手とする分野においてはクロスボーン・ガンダムを上回る性能を誇る。それぞれの強みを活かす三位一体のチームワークで、トビアたちを苦しめた。
地球上での戦いでMSを撃破されるも、パイロットは三名とも生存。後のシリーズでそれぞれに大きく活躍していくこととなる。
ディビニダド
スペイン語で“神”を意味する名を持つ、木星帝国の大型機動兵器(モビル・アーマー)。ドゥガチの用意した最終兵器であり、大量の核ミサイルと複数の核融合炉を搭載している。キンケドゥ曰く「一匹でも充分に地球を死滅させられる毒虫」。
宇宙海賊軍との決戦の中、劣勢に立たされたドゥガチが自ら搭乗して出撃。単体でも驚異的な戦力だが、ドゥガチはこれを8機同時に戦場に投入。歪んだ野望を成就せんとした。
その内の7機はドゥガチの人格をコピーしたバイオ脳が操縦しており、ドゥガチ本人が操る機体は密かに地球へと侵入。ひとり追撃してきたトビアと最後の戦いを繰り広げる。
ドゥガチ本人は戦いのプロではなく、自分の手で地球を滅ぼすことにこだわり過ぎて7機を囮にするという采配ミスを犯し、結果としてその性能を十分に発揮することなく全機が撃破された。
コスモ・クルス教団
宇宙海賊軍のパトロンである、ブッホ・コンツェルンが創設した宗教団体。元々は貴族主義を効率的に世に広めるために作られたが、その信奉者たちに支えられて活動を続けている。地球連邦軍と取引するなど、今なお強大な権力を持つ。
教祖シェリンドン・ロナは今の人類を「戦争を繰り返す愚かな存在」と考えており、ニュータイプによる人類そのものの変革を望んでいる。
地球連邦
地球統一政府。宇宙世紀に置いて最大の軍事力を持つ組織であり、また時代によって程度に差はあるが宇宙へと進出した人々を虐げる圧政者でもある。
宇宙世紀を扱った『ガンダムシリーズ』の作品は、地球連邦の圧政に苦しむ宇宙移民が、独立や権利拡大を目的に戦争を起こす物語が多い。
作中の地球連邦の描かれ方は様々で、時に圧政者、時に被害者と多くの側面を持つ。悪しき組織であろうとその中で生きる者には無数の主義があり、生き様がある。一方を単純な正義、もう一方を単純な悪としないリアルな世界観こそが、『ガンダムシリーズ』を長寿作たらしめた大きな理由のひとつである。
量産型ガンダムF91
地球連邦軍が使用する量産型MS。
かつて小型MSの集大成として軍事会社サナリィが開発した高性能機であり、その性能を十分に引き出すことができるのは一部のエースパイロットのみだった。量産するために調整されており、試作された当初のガンダムF91ほどの性能は無いとされるが、それでも驚異的なスペックを誇る。
特に背部に装備された可変型ビームライフル“ヴェスバー”は、現代のMSの基本兵装であるビームシールドを造作も無く貫通するほどの威力を持つ。
なお、試作された当時のガンダムF91のパイロットだったのがシーブック・アノーこと十年前のキンケドゥであり、戦場で再開したかつての愛機に対して複雑な感情を抱いていた。
ニュータイプ
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目次 - Contents
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の概要
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のあらすじ・ストーリー
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の登場人物・キャラクター
- 宇宙海賊軍(クロスボーン・バンガード)
- トビア・アロナクス(CV:山口勝平)
- ベルナデット・ブリエット / テテニス・ドゥガチ(CV:夏樹リオ)
- キンケドゥ・ナウ(CV:辻谷耕史)
- ベラ・ロナ(CV:冬馬由美)
- ザビーネ・シャル(CV:梁田清之)
- ウモン・サモン(CV:宮澤正、田中和実)
- ヨナ(CV:滝田樹里)
- ジェラド(CV:森貞文則)
- オンモ(CV:根谷美智子)
- 木星帝国(ジュピター・エンパイア)
- クラックス・ドゥガチ(CV:永井一郎、麦人)
- ベルナデット・ドゥガチ
- カラス(CV:茶風林)
- ギリ・ガデューカ・アスピス(CV:真柴摩利)
- バーンズ・ガーンズバック(CV:飯塚昭三)
- ローズマリー・ラズベリー(CV:まるたまり)
- コスモ・クルス教団
- シェリンドン・ロナ(CV:木村亜希子)
- 地球連邦軍
- ハリソン・マディン(CV:青羽剛、平川大輔)
- その他
- 木こりの爺さん
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の用語
- 宇宙海賊軍(クロンボーン・バンガード)
- 貴族主義
- クロスボーン・ガンダムX1・X2
- クロスボーン・ガンダムX3
- 木星帝国
- 死の旋風隊(デス・ゲイルズ)
- ディビニダド
- コスモ・クルス教団
- 地球連邦
- 量産型ガンダムF91
- ニュータイプ
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- トビア「ならば海賊らしく…いただいていくっ!」
- ハリソン「こちら連邦軍第17機動中隊ハリソン大尉だ!貴君の意図は理解した!」
- X1vsX2 Round2
- カラス「敗者の分際で、勝者の行く手を阻むでないわーっ!」
- トビア「安心したよ! ドゥガチ! あんたまだ人間だっ…心の歪んだだけの、ただの人間だ!」
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「若造の言うことかああっ!」(原作:富野由悠季と作画:長谷川裕一との衝突)
- キンケドゥ=十年後のシーブック
- クロスボーン・ガンダム、アニメに登場