風立ちぬ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。

九試単座戦闘機を原型として開発された、日本海軍最初の全金属単葉戦闘機。連合軍のコードネームは「クロード(Claude)」。
ほぼ同時に設計・製作された本庄季郎設計の九六式陸上攻撃機と並び、欧米各国の模倣を脱して、日本独自の設計思想の下に制作された最初の機体となっている。

雷電

雷電は、太平洋戦争後半に実戦投入した局地戦闘機/乙戦。機体略号はJ2M1~7。連合国側のコードネームは「Jack」。
雷電は当時の最新の航空力学に基づいた機体に大馬力エンジンを装備していた。更に大火力を併せ持つ雷電は海軍の大きな期待を集め、1943年頃には零戦に替わる海軍の主力戦闘機として大増産計画が立てられていた。もともとの計画によると、雷電の増産にあわせて零戦は減産し、昭和19年(1944年)には三菱では零戦の生産を終了し、雷電のみを生産する予定となっていた。

烈風

日本海軍が零式艦上戦闘機の後継として試作した艦上戦闘機。機体略号はA7M。連合国のコードネームは「Sam」。
開発開始時から終戦までにさまざまなエピソードを持つ機体となっている。また、大型ながら全体を流線型で纏めた機体形状に零戦の影響が感じ取れることや、日本海軍最後の純粋な艦上戦闘機であること、さらにその勇ましい名称などにより、比較的人気の高い機体となっている。

YS-11

YS-11は、日本航空機製造が製造した双発ターボプロップエンジン方式の旅客機である。第二次世界大戦後に初めて日本のメーカーが開発した旅客機となっており、設計者は堀越二郎である。
正式な読み方は「ワイエスいちいち」だが、一般には「ワイエスじゅういち」、または「ワイエスイレブン」と呼ばれることが多い。

幻の零戦後継機「烈風改」

2005年2月に堀越二郎の親戚宅の「蔵」にて500枚に渡る堀越二郎が残した資料が見つかり、2013年2月には「烈風改(A7M3)」の詳細な設計図17枚があることがわかった。
堀越の長男である雅郎は、戦後、堀越が烈風について振り返っていたことを覚えているという。
「烈風が日の目を見られなかったことには後悔があったようです。『最初から、あちらのエンジンを使っていれば実戦に出ることができたのになあ』とこぼしていました」

実在のジャンニ・カプローニが設計した機体

Ca.48

Ca.3よりもさらに大きいCa.4。3発3葉機の大型爆撃機としてオーストリア・ハンガリー帝国の攻撃に用いられた。写真は旅客機版のCa.48。乗客23名が搭乗できた。初飛行は1919年。

Ca.64

カプローニが設計した機体。しかし写真は一枚も残っていない。

『風立ちぬ』の用語

結核

作中で菜穂子は、自分にキスをした二郎に「うつります」と注意する場面が印象的だが、結核とは果たしてどのように感染するのだろうか。結核と結核菌により引き起こされる感染症で、明治初期までは労咳(ろうがい)とよばれ、不治の病として恐れられていた。大正時代になっても決定的な治療法は確立されておらず、感染患者を隔離・治療するために療養所(サナトリウム)があった。感染経路は飛沫感染で、結核患者からの咳、くしゃみ、唾より感染する。現在では医療の発達で「解決済みの病気」と言われてきてはいるが、現在でも発症者は少なくはなく、発症者は抵抗力のひくい高齢者や、ステロイドなどの免疫抑制剤を服用している患者に多い。

関東大震災

地震によりうねる大地。関東大震災の絵コンテを描き終わったのは2011年3月10日で、東日本大震災が起きる前日だったという。

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