斎藤一(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

斎藤一(さいとう はじめ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する帯刀の警察官である。明治に入ってからは警視庁の密偵として活動しており、職位は警部補。公には藤田五郎と名乗っている。元新選組三番隊組長であり、これらの経歴も史実に沿っている。妻の時尾がおり、妻帯者である。平突きの昇華技である「牙突」を軸に戦い、作中でも屈指の実力を誇る。元は維新志士だった主人公の緋村剣心とは因縁があったが、明治政府転覆を目論む志々雄真実討伐のため、「悪・即・斬」の信条のもと剣心と共闘する。

服部武雄(左)に立ち向かう斎藤一

新選組の中でも尊王攘夷の考えをもった伊藤甲子太郎(いとう かしたろう)は、御陵衛士(ごりょうえじ)を名乗る分派を結成し、新選組を離脱していた。

当時の斎藤は御陵衛士に潜り込んでおり、彼らが新選組局長の近藤勇(こんどう いさみ)暗殺を企てているという情報を得て、密告した。
斎藤は新選組内でも表向きには御陵衛士に加入したことになっており、一部の幹部しかそのことを知らない状況であった。そのため、御陵衛士の粛清の作戦が始まっても斎藤としては顔を出すことはできず身を隠していた。

新選組は御陵衛士の首領である伊藤を殺害し、遺体を七条油小路の辻に放置して、御陵衛士らがそこに集まるのを待った。
そして両者の全面戦争となった。
御陵衛士側には二刀流の使い手、元新選組剣術師範である服部武雄(はっとり たけお)もついていた。服部はとても大きな体をしており、身長は常人の2倍あろうかという大きさである。
一般隊士ではまるで歯が立たず、二番隊長であった永倉が相手をしていた。そこに身を隠していた斎藤が背後から牙突で突っ込んで仕留めようとするも、服部はこれを防いだ。永倉の二の太刀"崩し"を起点に斎藤が牙突を仕掛け、さらには十番隊組長の原田左之助(はらだ さのすけ)が服部の左肩の上から槍を刺し、決定打となった。
服部は最期に「斎藤君 御陵衛士は悪でしたか…?攘夷の志士は悪でしたか…?」と問いかけ、”悪・即・斬”に対して異議を唱えた。そのことは明治の世となった斎藤の記憶の中に、深く刻まれている。服部が倒れたことにより、新選組の優勢が決定的となり、御陵衛士はこの油小路事件にて壊滅状態になった。
その後、新選組局長の近藤が御陵衛士の残党に右肩をライフルで撃たれ重傷になったところから、新選組は壊滅へ向かった。この事件がなければ当時最強と謳われた新選組が負けるはずなかったと後の斎藤は語る。

神谷道場偵察

左之助は神谷道場に立ち寄っていたが、神谷道場の面々は留守にしていた。道場の玄関先で待っていた左之助のもとに薬売りの藤田五郎を名乗る人物が訪ねてきた。その人物こそ斎藤一であった。挨拶もそこそこに、斎藤の掌にある竹刀だこをみて手練れの剣士であることに気付いた左之助は何者かと問うた。斎藤は左之助の名前を言い当て、背中に隠していてた仕込み杖を取り出した。
それを見た左之助は拳打を繰り出すが、斎藤には全く効いていない様子であった。斎藤は事前に左之助の情報も仕入れており、喧嘩で名を上げていることも知っていた。しかし、斎藤は「それも明治という泰平の世での話 幕末の京都に於いてはこの程度の拳打は全く通用しない」と語り、自分の脅威と見なすには程遠いと断言した。そこから平突きの昇華技「牙突」を左之助の右肩に食らわせた。
その威力は左之助の右肩を貫きながら神谷道場の壁を粉砕し、一瞬で道場内を突破して奥の壁に串刺しにするほどのものであった。左之助は負傷しながらも応戦するが、斎藤に圧倒され意識不明の重体となった。

斎藤は黒笠事件の黒幕でもある元老院議員管書記である渋海に近づき剣心の暗殺依頼を受けて、神谷道場を訪れた。
黒笠事件とは、元新撰組隊士の鵜堂刃衛(うどう じんえ)が、辻斬りと化して様々な政府要人を暗殺したというものだった。ここに関わった剣心によって刃衛は敗れ、彼が自害することで一連の事件は収束。詳細は闇へと葬られた。
渋海の依頼を受け入れて、剣心を殺そうとしているというのは表向きの目的であり、京都で暗躍している志々雄真実討伐に向けて、剣心の実力がそれに見合うかを測るためだった。

緋村剣心との闘い

牙突参式から空中で緋村剣心(右)を蹴り飛ばす斎藤一(左)

斎藤は警察の隊服で再び買いや道場を訪れた。神谷薫は署長部下の藤田五郎ということで、中へ迎え入れ緋村剣心の帰りを待っていた。斎藤により深手を負わされた左之助はこの時意識不明の重体であり、薫は左之助に深手を負わせたのが斎藤であることを知らなかった。
剣心は神谷道場に戻り、その後姿を見るなり斎藤が自分を待ち構えていたことに気付いた。

斎藤としては平和ボケをしている剣心にがっかりしており、咬ませ犬の赤末有人(あかまつ あるんど)に気を取られている間に、神谷道場の人間に手を掛けることもできたと発破をかけて、さらに「お前のすべてを否定してやる」と牙突の構えを見せた。
剣心は一撃目を躱したものの、二撃目の対空の牙突で右わき腹を貫かれ、深手を負ってしまう。
しかし、これを起点に剣心の中の人斬り抜刀斎が呼び起されていく。剣心の集中力は増し、互いに常人離れした闘いを繰り広げていく。
斎藤との戦いで過去の己を、人斬り抜刀斎としての自分を完全に取り戻してしまうことで“今の剣心”が消えてしまうことを恐れた薫は、剣心の前に立ち仲裁に入った。しかし、剣心は聞く耳を持たず薫を制止した。
剣心が「立て。10年ぶりの戦いの決着がこれしきではあっけないだろ」や「もう殺すのはこっちの方だ」と言ったように、すでに斎藤の猛攻を受けて人斬り抜刀斎に立ち戻っていたためである。
このタイミングで意識が回復した左之助もその闘いの場に現れ、「剣心達は完全に明治の東京ではなく幕末の京都で戦っている いくら呼んでも俺たちの声はもう届かない」と言ったように、斎藤と剣心は戦いに興じるあまり、周りの声が聞こえていない様子であった。

しかし、そこに駆けつけた川路利良が「やめんか!」と叫ぶと二人は止まり、決着はお預けとなった。
川路は幕末の動乱を共有した一人であり、その声は二人に響いた。
その後、斎藤が剣心を訪ねた理由が同行していた明治政府内務卿の大久保利通から明かされる。幕末に剣心の後を継いで暗殺者として実力を振るった志々雄真実が、京都で着実に勢力を拡げて暗躍しており、その勢力は明治政府を転覆させることができるくらいのものであった。志々雄の暗殺に向けて白羽の矢が立ったのが、それに匹敵する強さを持つ剣心だった。斎藤は剣心の実力を測る目的で神谷道場への接近を繰り返していたが、その剣心と剣を交える中で互いに幕末時代の闘志と戦意が蘇り、彼と命懸けの死闘を繰り広げるまでにヒートアップしてしまっていた。

相楽左之助の京都行き阻止

斎藤も剣心の実力を測るために神谷道場へ密偵として送られていたことがわかり、依頼の大元である大久保利通から志々雄の暗殺を依頼された剣心であったが、その答えは保留の状態にしていた。
大久保利通が剣心に約束していた1週間後に答えを聞きに馬車を走らせていたところ、志々雄側近の瀬田宗次郎(せた そうじろう)によって大久保利通は殺されてしまった。
剣心はこれを受けて、京都に行き志々雄を倒すことを決心した。また、志々雄一派の組織力をもってすれば神谷道場の面々を個別に狙うことは容易であり、自分の都合でそんな危険に巻き込むわけにはいかないと考えた剣心は同時に仲間たちの下を去ることも決心した。

斎藤としても、抜刀斎としての剣心の戦力が必要と考えていたが、不殺は邪魔になると考えていた。
不殺とは、「例え相手がどんな悪であろうと殺さない」という剣心の誓いである。人斬り抜刀斎と呼ばれていた幕末時代、剣心は「新時代を拓き後世の平和を作るため」と信じて維新志士として剣を振るっていたが、その強さゆえに幕府側から狙われ、刺客として送り込まれた闇乃武という組織の剣士との壮絶な死闘の中で、当時妻だった雪代巴(ゆきしろ ともえ)を意図せず斬り殺してしまう。この痛ましい事件を機に剣心は人斬り家業から距離を取り、鳥羽伏見の戦いの後に維新志士としての仲間たちからも離れて不殺を誓うようになった。

さらには現在では家族のような存在となっていた薫や弥彦、左之助、高荷恵(たか にめぐみ)などは剣心にとっては守るべきものであり、守りながら相手できるような敵ではないため、一緒に来させないようにすることは必須であった。

そんな中、弥彦の後を付けていた斎藤は、左之助がかつて赤報隊で共に過ごした月岡津南(つきおか つなん)に炸裂弾を貰って京都行きの準備をしている現場に出くわした。
斎藤は京都行きを止めるように一方的に要求したが、左之助は応じなかったため、実力行使で止めようとした。
斎藤は左之助の負傷している右肩を執拗に攻撃した。それを見た弥彦はそれを卑怯だと言ったが、斎藤はそれを論破する。相手の弱点を突くのは戦術の基本であり、この先の戦場はそんなに甘いところではないと説いた。

しかし、左之助はそこからまた立ち上がったため、斎藤は左之助が得意とする素手で勝負することを提案する。左之助は連打で押すが、斎藤は全てガードして、左之助に有効打を与える。拳打においても斎藤が優位にあることを見せつけたが、眉間にとどめの一撃を加えようとしたところ、左之助はその左腕を両拳で挟みへし折ろうとした。斎藤は右で殴り、一蹴したが、実力差がはっきりしていても折れない左之助の心にあきれて、京都行き阻止を断念した。

煉獄の阻止

京都に着いた斎藤は、剣心との戦いの末に捕縛された志々雄の十本刀の一人である刀狩りの張を尋問していた。ライバル視している斎藤を追っていた左之助も喧嘩騒動を意図的に起こして捕縛され、刑期を過ぎてもその場に居座ることで、斎藤との再会を果たし、その場に居合わせていた。最初は口を割りそうになかった張だが、小競り合いになった左之助が張の手枷を破壊してから戦おうとしていたことに気が変わったのか、志々雄が画策している京都破壊計画について話し始めた。幕末に志士たちが京都で大放火を行って、その騒動の最中委に要人暗殺をしようと秘密裏に画策していたところを新選組が襲撃し、志士たちを殲滅したとう池田屋事件を模倣して京都の町中に火を放つ計画していると張は話す。明治においても日本の象徴的都である京都を焼野原にするのは、京都を守り切れない明治政府の信頼を失墜させることに繋がる。斎藤個人としても、かつての新選組の同朋達の鎮魂のために絶対阻止すると意気込む。
その後警察が京都を警邏していたところ、志々雄の工作員が出没しており、怪しい動きが見られた。その工作員から得た情報によると夜11時59分に町中に一斉に火を放つというものであった。しかし、斎藤は違和感を覚えていた。
志々雄一派にしてはあまりに簡単に情報が入ってきており、まるで情報をわざと開示しているように感じたのである。剣心も飛天御剣流師範である比古清十郎(ひこ せいじゅうろう)との修行から帰ってきており、剣心にもこの内容を伝えて、志々雄の真の狙いは何かと二人で話し合っていた。かつて、戊辰戦争・鳥羽伏見の戦いの際に将軍徳川慶喜が見方を欺いて大阪湾から舟で江戸に逃げ帰ったことが官軍の勝因となったと剣心は話し、皮肉を込めてこれをまた模倣して、大阪湾から舟で東京に打って出ると予想した。斎藤もこの予想に、京都大火の情報漏洩の理由に合点がいった。京都大火が実行される夜に斎藤は剣心、左之助とともに大阪湾へ向かった。
斎藤や剣心が予想した通り、そこには志々雄が全財産の3/5をつぎ込んだという、大型甲鉄艦「煉獄」があり、まさに東京に向けて出発しようとしていた。
剣心は自身と斎藤が煉獄の砲弾を引き付けている間に左之助が小舟で煉獄に回り込み、炸裂弾にて機関部を破壊する作戦を瞬時に立てた。剣心が煉獄の甲板に上がるが、志々雄は剣心の策略を読んでおり、回り込んできた左之助に対してガトリングガンを放った。しかし、左之助はこれを二重の極みで海水の壁を作って防ぎ、煉獄の装甲に炸裂弾を投げ穴を空けることに成功した。結果的に斎藤が整えた事前策、剣心の読み、そして左之助の意外性によって、煉獄の出航を阻止した。

志々雄は煉獄作戦失敗の原因は自身が剣心と斎藤、そして左之助を甘く見ていたことにあると認め、国盗りのためにはこの三人が一番の障害になると考えた。交戦の構えをしていた剣心と斎藤に対して、後日比叡山にあるという志々雄のアジトにて志々雄と十本刀対剣心、斎藤、左之助の決戦することを提案し、剣心はこれを受け入れた。剣心としてはこの場で戦い、敵側とは言え多くの犠牲者が出てしまう可能性があるのであれば、一騎討での決戦をする方がよいと判断した。斎藤は、志々雄の提案を受けた後もを聞いても交戦する構えであったが、剣心に制止されて甘んじて受け入れた。

魚沼宇水との闘い

斎藤は剣心、左之助と共に志々雄一派との決戦の場所、比叡山にある六連の鳥居のある洞に来ていた。
初戦は悠久山安慈(ゆうきゅうざん あんじ)との戦いとなり、左之助が安慈を下したのち、一行は駒形由美に次の部屋へと案内される。そこには志々雄真実十本刀の中でも三強の一人とされる魚沼宇水(うおぬま うすい)が待ち受けていた。
剣心は他の仲間が襲われているとの報せを受けていたこともあり、急ぐ必要があった。早く決着をつけるため剣心は前に出ようとするが、斎藤がそれを制止し、斎藤が一人で相手をするため先を急ぐように剣心を促した。
不殺を考えをもつ剣心がいると宇水を殺せないというのが、本心であった。

宇水はかつて志々雄と対峙して失明した経緯があり、生死をさまよっていたところ、はるか遠くの流水の音を聴きつけて水にありついた。そのとき異常聴覚が発現し、人間の心臓の動きからはその人の心理状態、筋肉や骨の擦れる音から、次の動作まで読み取ることができる。
この異常聴覚から、一般人の目より多くのモノを見れることから、人の心や動きを読み取るその能力を自ら「心眼」と呼んでいる。
戦闘スタイルは「心眼」を用いて相手の先読みをすることはもちろんであるが、琉球国に伝わる亀の甲羅を模した盾「ティンペー」ともう一端が鉄球で作られている槍「ローチン」を使ったものである。基本的にはティンペーで相手の目を隠して、動きを封じたのちローチンで刺すというものである。
単純な戦術であるが、警察官50人を一人で全滅させてしまうなど、その戦術は狡猾でかつ卓越したものであることが窺える。
序盤は得意の戦術で、ティンペーで目隠しをして、ローチンで刺す攻撃を斎藤に加えていくが、傷を負ってもなお斎藤は冷静に相手を分析し、精神的にはむしろ終始優位に立っていた。
宇水の戦略として、相手の心理を読んでそれを言い当てたりしながら心理を揺さぶることも含まれている。しかし、それは斎藤には嵌らなかったのである。
宇水は斎藤が昂っているのは同朋である警察官50人が殺されたからであると読んだが、斎藤はその答えを聞いて心理は読めても思考までは読めていないことを指摘する。
なぜなら、斎藤は死んだ50名の警察官は職務中の死を覚悟の上で任務にあたっているはずと考えており、自らが昂っている理由は悪即斬の自分自身の正義のためである。
斎藤は逆に数多の死線を潜り抜けた経験から培かわれた「洞察力」にて宇水の真意を読んでいく。志々雄に失明させられたことを語る宇水が薄っすらと笑っていることから、志々雄を殺すことは実際にはあきらめていて、体よく立場を利用しているという。
宇水は本心を見抜かれてしまったことに激高し、斎藤を攻撃していくが、斎藤の牙突零式で胸を突かれ、その勢いで上半身下半身を切り離され、上半身は壁の上の方に刀と一緒に張り付けられた。
宇水は志々雄一派でも屈指の剣士だったが、斎藤は剣士としての技量でも戦士としての器でも相手を大きく上回り、敵の心身をまとめて叩き潰す完全な勝利を収めた。
斎藤が剣心との決着のためにとっておいたという牙突零式を初めて披露したシーンとなった。

志々雄真実への奇襲

牙突で扉を突き破り、志々雄真実に奇襲する斎藤一

魚沼宇水に快勝したものの、その闘いの中で、膝上を負傷していた斎藤一だったが、志々雄真実との最終決戦場へ向かった。

一方で瀬田宗次郎を倒した緋村剣心と相楽左之助は志々雄の待つ決戦場へ向かった。
剣心が応戦していたが、志々雄の実力は想像を超えるものであり、技の威力スピードともに剣心を圧倒していた。
志々雄はごく小さなのこぎりのような刃がついた剣を使用しており、そこに脂(それまで斬ってきた人間の脂)をしみこませて、それを摩擦により発火させることで、焔玉(ほむらだま)などの技へと昇華させていた。
剣心は何とか技を見切りながらも応戦していたが、胸ぐらをつかまれた瞬間、火薬の匂いに気付いたが時すでに遅し。志志々雄は腕の手甲に仕込んだ火薬を剣先の摩擦で爆発させる「紅蓮腕(ぐれんかいな)」で剣心を攻撃し、大きなダメージを負わせた。剣心は胸の辺りを焼かれ、その衝撃で気絶してしまった。
頼みの綱であった剣心が倒れ、万事休すかと思われた矢先だった。突然決戦場の扉が突き破られ、そこから斎藤が飛び出してきた。牙突で扉を突き破りその勢いで、志々雄に向かっていった。
斎藤は志々雄の額を目がけて牙突をしたが、なぜか刃が通らず、負傷している膝上に一太刀もらってしまう。志々雄は自身がかつてやられたという額を重点的に防御するため、包帯を巻いているだけに見せかけたが、そこに鉢金が仕込まれていた。
斎藤は志々雄と合間のない状態から秘儀の牙突零式を繰り出すも、これを躱されてしまい、剣心と同様に紅蓮腕をくらってしまった。
剣心も斎藤も前の闘いがあり手負いだったとはいえ、どんな強敵が現れようとも、それぞれ圧倒的な実力で沈めてきた二人だったため、剣心一行としては絶望的な状況となる。

しかし、もう一度立ち上がった剣心との闘いに興じる中で、やけどの後遺症で体温調節のできない志々雄の体は異常な高温を宿していき、最期は発火して自滅していった。
それを見て、自暴自棄になった側近の佐渡嶋方治(さどじま ほうじ)によりアジトの炉のようなものの配管を破壊し暴走させて、爆破させてしまった。

雪代縁一行との対戦

志々雄の事件の後、しばらく剣心や神谷道場の面々に姿を見せることはなかったが、斎藤は起爆されてた志々雄のアジトから脱出して生き延びていた。
そして、志々雄に甲鉄艦「煉獄」を売りさばいたのは誰かということを追っていた。

剣心には悲しい過去があった。闇乃部の策略などにより不運にも剣心自身の刀で妻の巴を斬り付けてしまった。剣心はその時、五感を奪われた極限状態にあり、巴が敵との合間に入ってくることは思いもよらないことであったため、不運な事故である。巴の弟である縁は、この現場を目撃しており、剣心に対して激しい復讐心を持っていた。
その後、縁は上海にわたり、剣術を身に着け武器商人としても力をつけており、最大の目的である剣心に対する復讐を「人誅」と称して、実行し始めていた。
同じく剣心に対して私怨を持つ者を集めて、剣心の周りの者から攻めていくという、剣心が一番苦しむであろうやり方である。

斎藤は警察の仕事として、志々雄真実に甲鉄艦「煉獄」を売りさばいたのは誰かということを追っており、元志々雄一派の十本刀で警察官へ転身した張とともにその人物のアジトを特定した。その人物こそ縁であった。斎藤は縁を追って神谷道場へ赴き、志々雄との対戦後、初めて剣心達の前に姿を現し、左之助に驚かれていた。
私闘には協力しないと言っていた斎藤だが、八ツ目無名異(やつめ むみょうい)と闘うことになった。斎藤は縁の行方を追っており、捕らえることは目的ではないと言っていたが、八ツ目が倒れない限りは姿を現さないという理由をこじつけ、結果としては剣心に協力することになった。斎藤は八ツ目を「化け物]と呼んで執拗に挑発し、標的を剣心から自身に変えさせた。八ツ目の手足は異常に長く、左腕は特に常人の1.5倍程度とみられる。八ツ目は佐渡金山の金掘り衆に伝わる人体精製(金属の輪を嵌めて矯正する)により長い手足を手に入れた。左手の先には5本の刃物が仕込まれている。そこから、繰り出される攻撃の破壊力は一撃で、地面に濠のようなものを作ってしまうほど強力であるが、斎藤は終始余裕の表情であり、牙突零式を左手の先から腕に向かって刀を貫いた。その後も異常な執念を見せる八ツ目であったが、斎藤はその考えを読みとどめを刺そうとしたところ、剣心に制止された。

その後、剣心と縁の闘いが始まり、闘いは拮抗しているように見えたが、剣心の奥義である天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)をもってしても、縁には攻撃が届かなかった。逆に剣心はそのカウンターを食らう形で、深手を負ってしまった。縁の標的は神谷薫で、彼女の死によって剣心を苦しめることが最終目的であった。剣心は執念でそれを止めようとするが、鯨波兵庫に動きを封じられてしまった。その間に縁は薫のもとへ向かい、「人誅」を完成させようとしていた。斎藤は手出しはしないと言っていたが、その状況に見かねて鯨波兵庫に攻撃を加えて、剣心を開放した。しかし、時は既に遅く、薫の死という結果がもたらされており、これに絶望した剣心は世捨て人と化してしまった。
剣心は落人群と呼ばれる浮浪者の集落で座り込んで、弥彦や左之助が帰ってくるように呼びかけても、「もういい」としか答えなくなってしまった。斎藤はその間、淡々と警察官と仕事を進めており、剣心に干渉する様子はなかった。
後に、薫の死体が精巧に作られた人形であることが発覚し、神谷道場の一同は薫は生きているという確信を持った。弥彦と操が斎藤にそのことを知らせたが、斎藤は驚く様子もなく、まるで知っていたかのような返答だった。部下の張が集めた情報により、縁の一行が薫の外見について詳細に調べていたことが分かり、薫はどこかに拉致されているであろうという予測をしていたためである。剣心に対してはもう決着は望んでおらず、最終的に生き残っていた方が勝者と執着を見せなかった。

雪代縁との決着と斎藤一のその後

斎藤一は神谷道場での雪代縁一行との対戦後、姿を消した縁の行方を追っていた。神谷薫が生きていることは確定的であったが、どこに拉致されているのかはわからない状況だった。しかし、張らの調査から、縁が上海から武器や兵器を仕入れるルートとして、人目につかないことが第一条件であり、東京湾の孤島に縁が潜伏しているというところまで突き止めた。

斎藤は薫の救出は剣心らで行うことと、警察の邪魔をしないことを条件に、警察の艦船に一行を同乗させて縁が居る絶海の孤島に上陸した。
上海からの武器密輸をしている組織のトップは縁であるが、そのNo.2の呉黒星(ウーヘイシン)が現れ、彼が要する武力である4人組、四星(スーシン)との交戦になる。蒼紫、左之助、弥彦と共に斎藤自身も参戦し、快勝すると、剣心と縁の最終決戦が始まった。
剣心は傷が癒えぬままの状態であったが、何とか戦い抜いた。縁は神経を血管のように浮き上がらせ、技の精度やスピート、反応速度を上げていくことで剣心を追い詰めていくが、これは諸刃の剣である。縁は神経が過敏になりすぎていることが原因で、剣心が繰り出した「龍鳴閃(りゅうめいせん)」の納刀音で、三半規管を狂わされた。これが実質の決定打となり、縁が戦意喪失して決着した。
斎藤は縁と呉黒星を連行して、本件は一件落着となった。

剣心は恵からあと数年で飛天御剣流は打てなくなることを告げられると、今のうちにということで、斎藤に対して決闘申し入れの手紙を送るが、斎藤は応じることはなかった。
斎藤はなぜ決闘に応じないのかと聞いた張に対して、「俺が決着を望んだ相手は人斬り抜刀斎であってあの男などではない」と話している。剣心が「人斬り抜刀斎」では無くなってしまったことを悟り、決戦を拒否したのだ。
暫くして、剣心達は「”藤田五郎”が別の部署に異動した」という知らせだけを受けて、その後どこにいるのかわからなくなった。

凍座白也(いてくら びゃくや)との対戦

縁一行との戦いから6年が経ち、斎藤は劍各兵器の筆頭の凍座白也(いてくら びゃくや)が居る函館山の山頂に来ていた。
劍客兵器とは、鎌倉時代に二度に渡る元寇を戦い外敵の侵略を阻止した武士団の末裔である。元寇以降は国内の戦争には関わっておらず、来るべき外国勢力との戦争に備えており、実検戦闘による破壊行為にて戦力を集めることを目的に北海道を拠点として活動していた。

斎藤は凍座を捕らえるため、牙突の構えを見せて向かっていた。
凍座はライフル銃の弾丸であれば素手で掴むほどの動体視力や腕力を備えている。その言葉通り、斎藤がライフル銃の速さを凌ぐという牙突零式を含む連撃を加えても、凍座のダメージは少なく、直後斎藤は飛んできた砲撃を受けて利き腕の左腕に重傷を負ってしまった。
凍座には対戦相手の力量などを動物や鬼などに模した「闘姿」として視る能力を持っており、斎藤に対しては刀を咥えたオオカミの姿を見て、極上の闘姿をもつ猛者と評価している。凍座はその実力を買って劍客兵器への勧誘をするが、斎藤は断り、負傷を押して交戦に臨む。凍座の背後から栄次がライフルで援護したが、決着がつかなかった。それでも、凍座を捕らえて特設牢に入れた。凍座を捕らえられたのは、この闘いの中で栄次の中に異形の小鬼の闘姿を見、それをより近くで見届けるために自らが劍客兵器のメッセンジャーになることを考えたからである。

対劍客兵器の戦力招集

斎藤は永倉と共に劍客兵器討伐のための戦力招集に奔走していた。
剣心一行は薫の父が生存しているという情報を掴み、薫の父親を捜すため薫や神谷道場の門下生の長谷川明日郎(はせがわ あしたろう)、久保田旭(くぼた あさひ)、井上阿爛(いのうえ あらん)を連れ、函館に来ていた。左之助との再会も果たし、栄次から斎藤と凍座の対戦の顛末を聞いたところに斎藤が現れた。
斎藤は剣心一行についてくるように言うと、碧血碑へ案内した。そこに元志々雄一派十本刀、刈羽蝙也(かりわへんや)、本条鎌足(ほんじょうかまたり)、沢下条張が現れる。彼らは斎藤が招集した対劍各兵器用の戦力だった。さらに、永倉が連れてきた瀬田宗次郎、悠久山安慈が加わり、劍客兵器が目論む実検戦闘の阻止に向け決起した。

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るろうに剣心(るろ剣)の新撰組まとめ

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『るろうに剣心』とは、和月伸宏による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品である。幕末の動乱期に人斬り抜刀斎と恐れられた剣客・緋村剣心が、明治の世に不殺(ころさず)を誓い戦う。本作では、実在の人物や組織も多く登場する。新選組もまた、史実の組織である。剣心と新選組は幕末では敵同士だったが、明治となってからは元新選組三番隊隊長・斎藤一と共闘することが増えた。『北海道編』では永倉新八も登場し、仲間に加わっている。

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るろうに剣心(るろ剣)の御庭番衆まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の御庭番衆まとめ

『るろうに剣心』とは、和月伸宏による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品である。幕末に最強と呼ばれた人斬り抜刀斎こと緋村剣心が、不殺の信念の下に戦う物語で、明治時代を舞台に剣劇バトルが展開される。阿片の密売に加担していた女医の高荷恵を巡り、剣心は仲間たちと共に隠密御庭番衆の四乃森蒼紫とその部下たちと戦うことになる。御庭番衆の面々は、後に剣心最大の敵である志々雄真実や、剣心を仇と狙う雪代縁との戦いにも関わるのだった。

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るろうに剣心(るろ剣)の六人の同志まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の六人の同志まとめ

『るろうに剣心』とは、和月伸宏による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品である。時は明治、かつて人斬り抜刀斎の異名で怖れられた剣客・緋村剣心が、不殺(ころさず)を誓い平和の為に剣を振るう。『週刊少年ジャンプ』連載版の最終章に当たる『人誅編』では、雪代縁を始めとする抜刀斎を恨む六人の同志と交戦する。平和の為に戦ってきた剣心だが、縁らとの戦いの中で過去に数多の命を奪ったことへの贖罪に改めて直面することとなる。

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るろうに剣心(るろ剣)の武器・兵器・防具・装備・道具まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の武器・兵器・防具・装備・道具まとめ

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)とは、人斬りとしての過去を悔いる剣士の緋村剣心が弱者を守るために剣を振るう様を描いた和月伸宏による漫画作品である。 本編には多くの武器、兵器、防具や装備、道具が登場する。不殺を誓う剣心が人を斬れない「逆刃刀」を、弱肉強食を唱える志々雄真実が刀身の燃える「無限刃」を使うように、武器や兵器、防具、装備、道具には各々の信念が垣間見える。 ここでは、『るろうに剣心』に登場する武器、兵器、防具、装備、道具を紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の劍客兵器まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の劍客兵器まとめ

劍客兵器(けんかくへいき)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』に登場する組織で、元寇以来1000年の時を研鑽に費やした剣客集団である。 その目的は海外の侵略から日本を守ることだが、幕末の動乱には加担せず、さらにその先に起きるだろう海外勢力との衝突に備えていた。明治16年、潜伏していた北海道にて活動を開始すると、諸外国に対抗するための「猛者」とそれを育てる「地獄のごとき戦場」を求めて破壊と惨劇を繰り返す。主人公・緋村剣心とその仲間たちにも興味を示し、接触を重ねていく。

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るろうに剣心(るろ剣)の闇乃武まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の闇乃武まとめ

闇乃武とは、和月伸宏による漫画作品『るろうに剣心』に登場する組織で、江戸幕府直属の暗殺集団である。幕末に人斬り抜刀斎と呼ばれていた緋村剣心の暗殺に乗り出すが、リーダーの辰巳を始めとするメンバーが戦死し、失敗に終わった。幕府の瓦解も相まって信頼を失った闇乃武は、明治維新後は金次第で兵を派遣する傭兵部隊となり果てた。構成員には戦闘や殺害を好む者が多いが、久保田旭のように仕方なく働かされている者もいる。

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るろうに剣心(るろ剣)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『るろうに剣心』とは和月伸宏によって描かれた、幕末から明治にかけてを舞台にした剣客漫画、およびそれらを原作としたアニメ作品だ。主人公である緋村剣心はかつて「人斬り抜刀斎」として暗躍し、幾人もの人を切り殺してきた伝説的な人物である。その後「人斬り」をやめて「不殺」の誓いを立てた剣心は、流浪の旅の途中神谷薫と知り合い、様々な事件や出来事を乗り越えて夫婦となる。作中では剣心・薫を含めて様々なカップルや夫婦が登場する。この記事では『るろうに剣心』に登場したカップルや夫婦をまとめた。

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るろうに剣心(るろ剣)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

『るろうに剣心』とは和月伸宏によって『週刊少年ジャンプ』に連載されていた、幕末から明治にかけて活躍した剣客たちを主人公にした漫画、およびアニメ作品である。作中では主人公の緋村剣心や神谷薫たちは、「赤べこ」という料理屋で食事をしているシーンがよく登場する。また薫や高荷恵の手料理、剣心のライバル・斎藤一の好物の蕎麦、剣心の師匠・比古清十郎があおっている酒など様々な料理・飲み物が登場しているのだ。当記事では『るろうに剣心』に登場した食べ物や飲み物を紹介する。

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ジャンプの歴代ヒロインまとめ

ジャンプの歴代ヒロインまとめ

日本でもっとも発行部数の多い漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』は、人気でも知名度でも漫画という文化の頂点に位置する存在であり、幾多の傑作を生み出してきた。少年漫画であるだけにほとんどの作品の主人公は男性キャラクターだが、彼らを盛り立てるヒロインもまた魅力的な造形の人物ばかりである。 大人に子供、主人公に守られるだけの存在から共に戦う相棒、正規のヒロインを蹴散らして主人公と結ばれた者、“少年漫画”の常識を超えたヒロインかつ女性主人公というタイプ。ここでは、ジャンプ作品を彩ったヒロインたちを紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の原作・新旧アニメ・劇場版・OVA・実写版・舞台・ゲームの違い・相違点まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の原作・新旧アニメ・劇場版・OVA・実写版・舞台・ゲームの違い・相違点まとめ

人斬りだった過去を悔い、弱き人々を守る贖罪の旅を続ける剣士の活躍を描いた漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)は、様々なメディアミックスを果たした人気作品である。しかしこれらのメディアミックス作品には、媒体ごとの特徴の違いなどから原作との相違点が存在する。 オリジナル長編エピソードが作られた旧アニメ版。少年漫画風アクションが排されたOVA版。エピソードが整理された実写映画版。ここでは、『るろうに剣心』の媒体ごとの相違点を紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の流派まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の流派まとめ

贖罪のため、弱き人々を守るため不殺の剣を振るう伝説の人斬り緋村剣心の活躍を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)には、チャンバラ活劇としての魅力に溢れる数々の流派が登場する。 神速の古流剣術飛天御剣流。活人剣を掲げる神谷活心流。催眠術で相手の動きを封じる二階堂平法。調査、潜入、戦闘までをこなす御庭番忍術。少年漫画的なアレンジが加えられた一刀流。破壊の極意二重の極み。ここでは、『るろうに剣心』に登場した流派を紹介する。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 相楽左之助」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 相楽左之助」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 相楽左之助」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。剣心と左之助の過去が明かされるボリューミーな内容となっている。 剣心に退治された悪党が、仕返しのために名うての喧嘩屋“斬左”こと左之助に仕事を依頼。相手が維新志士と聞いて左之助がやる気になる一方、剣心はなぜ彼が維新志士を憎むのか分からず戸惑う。秘められた過去を背負い、左之助は剣心に真っ向勝負を挑む。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。物語序盤の勝負ではあるが、人気キャラクターである蒼紫の最初の戦いとして高い知名度を誇る。 江戸城の守備を担っていた隠密御庭番衆は、維新の成立と共に戦うことなく敗者となる。その長である蒼紫は、部下たちと共に自分たちに見合う戦場を探し続けていた。伝説の人斬り緋村剣心と戦う機会を得た蒼紫は、我らこそ幕末最強との証明のため死力を尽くす。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 般若」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 般若」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 般若」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。般若の実力と狂気にも等しい忠誠心を描くことで、隠密御庭番衆の力を剣心と読者に知らしめるものとなった。 剣心が出会った女医の高荷恵は、悪徳商人の武田観柳に強要されて阿片作りに加担していた。囚われた恵を救うべく観柳の屋敷に乗り込んだ剣心の前に、隠密御庭番衆の般若が立ちはだかる。不可思議な伸腕の術と絶対の忠誠心を武器に、般若は剣心に襲い掛かる。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。作品のテーマにも深く関わる人斬り同士の対決であり、剣心の心に苦いものを長く残す決着となったことでも知られる。 明治政府の高官の下に刃衛から斬奸状が送りつけられ、剣心はこの護衛を依頼される。やがて現れた刃衛は、剣心の正体に気付くと標的を彼に変更。剣心が世話になっている神谷道場の神谷薫を拉致し、彼の内に潜む人斬りとしての本性を暴こうとする。

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るろうに剣心(るろ剣)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

明治時代を舞台に幕末の人斬り緋村剣心の生き様を描く時代劇漫画。宿敵志々雄誠との死闘を描いた「京都編」では、少年漫画の王道である「正義は勝つ」というセオリーに対し「勝負に勝った者が正義、というのは正しいのか」という疑問を読者に投げかけた。様々な信念を持って生きる魅力的なキャラクターたちが残した名言は少年漫画ならではの「かっこよさ」に留まらず「正義とは何か」を考えさせるものも多い。

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るろうに剣心(るろ剣)の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』とは、和月伸宏による和風バトルアクション漫画及びそれを原作としたアニメや実写映画などのメディアミックス作品。この記事では、『るろうに剣心』のアニメで使用された歴代オープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、実写映画の主題歌を紹介する。当時アニメの主題歌といえばその内容に沿って作られたものが主流だったが、本作ではアニメの内容に関係なく流行のJポップが取り入れられ、その結果多くのヒット曲を生み出した。

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瀬田宗次郎(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

瀬田宗次郎(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

瀬田宗次郎とは、『るろうに剣心』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心と相対する志々雄真実が擁する十本刀の中でも、トップの実力を誇る剣客である。武力ににおいては志々雄一派の実質ナンバー2である。齢16にして“天剣の宗次郎”の異名で敵味方に恐れられている。見た目は主人公である緋村剣心とも負けず劣らずの優男であり、常に穏やかな表情である。生い立ちが原因で感情欠落しており、表情とは裏腹に平然と仲間を捨て駒にするなど冷酷な面もある。作中最速といわれる剣術で、剣心たちの前に立ちはだかる。

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雪代巴(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

雪代巴(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

雪代巴(ゆきしろ ともえ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、本作の主人公、緋村剣心の前妻である。元々は闇乃武の差し金であり、幕末当時、維新志士・人斬り抜刀斎として暗殺を請け負っていた剣心の弱点を探ることが目的で剣心に近づいていた。しかし、巴自身も剣心と籍を入れて暮らしている中で、惹かれていく。このことが災いし、闇乃武の戦いの中に自ら身を投じ、不運にも剣心の剣によって斬殺されてしまう。この一件はその後の剣心の運命を大きく変えた。

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悠久山安慈(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

悠久山安慈(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)とは、『るろうに剣心』の登場人物で志々雄真実一派・十本刀の一人。明王の安慈という異名を持ち、十本刀の中でも瀬田宗次郎、魚沼宇水に並ぶ実力を誇り、志々雄から高く評価されている。鍛え抜かれた肉体を持つ巨漢であり、10年の修行の末編み出した破壊の極意「二重の極み」はあらゆる物体を粉々に粉砕する凄まじい威力を持つ。元々は心優しい瘦身の僧侶であったが、過去の悲惨な事件以来、明治政府を激しく憎んでおり、政府の打倒という共通の目的から、志々雄一派に協力することとなった。

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相楽左之助(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

相楽左之助(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

相楽左之助(さがらさのすけ)とは、『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』に登場するキャラクターで、主人公・緋村剣心の友人であり戦友である。馬ごと切り倒すほどの巨大刀剣、斬馬刀を使用して戦うことから、裏社会での異名は斬左。少年期に所属していた隊がニセ官軍汚名を着せられた絶望から、喧嘩に興じることで日々を過ごしていた。剣心と出会うまで喧嘩では負け知らずであったが、剣心に敗北し明治維新はまだ途中と諭される。それからは明治維新が生んだ軋轢に巻き込まれながら剣心らと共闘し、その中で戦術を身に付け成長していく。

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志々雄真実(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

志々雄真実(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

志々雄真実(ししお まこと)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心(抜刀斎)と相対する志々雄一派の首魁にして剣客。剣の力量は剣心と互角で、その内に強大な野心と支配欲を秘める危険人物。かつて自身を裏切った維新志士への復讐を兼ねて明治政府転覆を目論み、大久保利通暗殺など様々な事件を主導する。「弱肉強食」を信念としており、一番の強者である自分が国の覇権を握り、国を強くすることが「正義」だと信じている。京都編の大ボスとして剣心達と激しい闘いを繰り広げる。

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神谷薫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

神谷薫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

神谷薫(かみやかおる)とは『るろうに剣心』シリーズのヒロインであり主人公緋村剣心の妻、亡き父・越路郎が創り上げた神谷活心流の師範代である。あるとき、神谷活心流が人斬り抜刀斎を生み出した剣術である、と容疑がかけられていたときに剣心と出会う。剣心とともに父の生み出した流派の再建をするべく奮闘し、弟子となる明神弥彦を迎える。師範代として教えを説く日々であったが、ある日喧嘩屋の相楽左之助と出会い仲間となる。出会った仲間たちとともに剣心の命を狙ってくる刺客たちを倒すべく成長する。

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明神弥彦(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

明神弥彦(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

明神弥彦(みょうじん やひこ)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで東京府士族の少年。明治維新の混乱によって孤児となった。集英組というヤクザに拾われ、スリ等雑用をさせられていたが、緋村剣心(ひむら けんしん)達と関わり、士族としてのプライドを取り戻し、ヤクザと手を切った。その後剣心の計らいで神谷道場に入門、神谷薫(かみや かおる)の下、神谷活心流を学び剣心達と共に戦う。幼いながらも常人離れした精神力や身体能力、剣才を発揮し成長していく。

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石動雷十太(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

石動雷十太(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

石動雷十太(いするぎ らいじゅうた)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物で、実戦剣術流派「真古流」の隆盛を目論む剣豪。 次々と新しい兵器が生まれる中、剣術の意義が失われていくことを憂い、「兵器に負けないほど強力な剣士」たちによる剣術の再興を目論む。自身も古流剣術「飯綱」を修得した凄腕の剣士だが、言動のわりに中身は小物で、作中では「愚物」と吐き捨てられている。真古流のパトロンにするために刀剣商の塚山由左衛門に近づき、やがて主人公緋村剣心と対峙する。

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魚沼宇水(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

魚沼宇水(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

魚沼宇水(うおぬま うすい)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで、明治政府転覆を目論む志々雄真実配下の精鋭部隊「十本刀」の一員。その中でも最強格の戦闘能力を持つ剣士で、盲目であることから「盲剣の宇水」と呼ばれている。琉球王家秘伝の武術の使い手であり、かつて対人斬り用暗殺者として腕を振るっていた。志々雄に敗れて光を失い、「隙あらばいつでも斬りかかって構わない」という条件で彼の仲間になっている。しかしすでに復讐を断念していることを斎藤一に見抜かれ、死闘を繰り広げる。

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武田観柳(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

武田観柳(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

武田観柳(たけだかんりゅう)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する悪徳実業家。 表向きは町外れに住む青年実業家だが、裏では医師と結託し「蜘蛛の巣」という阿片を売りさばいていた。仲間割れにより協力者であった医師を殺害してしまい、その助手を務める高荷恵を監禁し無理矢理阿片の製造に協力させた。四乃森蒼紫を御頭とする御庭番衆や私兵団を従え、阿片で得た利益を利用して武器商人となり、更なる財を築こうと企む。実写や舞台の要素を取り入れて深みが増していったキャラであり、『北海道編』で再登場する。

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四乃森蒼紫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

四乃森蒼紫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

四乃森蒼紫(しのもりあおし)とは、『るろうに剣心』の登場人物でかつて江戸城の警護を務めた御庭番衆(おにわばんしゅう)最後の御頭であり、15歳という若さでその座に就いた天才である。小太刀を用いた防御力に優れる剣術と御庭番式の格闘術を融合させた戦法で戦う。整った顔立ちの美男子だが、幼い頃より隠密として厳しい修行を受けていたため、冷静沈着な性格で表情の変化に乏しい。幕末最強と言われていた人斬り抜刀斎(現在の緋村剣心)を倒し、御庭番衆こそが真の最強である事を証明する為、剣心の前に立ちはだかる。

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エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

エルダー=ピーベリーとは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 第零幕』の登場人物で、外国人居留地に在住する西洋人の女性医師。 若輩かつ女性ということで、西欧では信用も仕事も得られず、やむなく自分の技術を活かせる場所、必要としている人を求めて日本にやってきた。困窮する者からは金を取らない高潔な医師だが、日本においても“若い娘”というだけで色眼鏡で見る者が少なくないため、普段は男装している。主人公緋村剣心と交流し、協力して外国人居留地で起きた事件を解決した後、アメリカへと渡っていった。

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緋村剣心(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

緋村剣心(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

緋村剣心(ひむらけんしん)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。 動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺(ころさず)」の信念を掲げて旅をする「流浪人(るろうにん)」を名乗っている。

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