ポケットモンスター（ポケモン）のタイプまとめ

飛行タイプのポケモンや技は、鳥や空をモチーフとしたものが多い。
ただ立派な羽がついていてもポケモンには2つのタイプしか付加できない関係上、飛行タイプではなく特性「ふゆう」が与えられ、飛んでいることを示しているポケモンも存在する。例としてはフライゴンやラティアス、ラティオスなど。

飛行タイプのポケモン

飛行タイプのポケモンは鳥類がモデルのデザインが多い。だが鳥類だけでなく、飛んでいれば綿毛だろうが気球だろうが飛行タイプに分類されている。ただし念力などの超常的な能力で浮いているものは飛行タイプではなく、特性「ふゆう」が与えられていることが多い。

ストーリーを進める上で重要な技「そらをとぶ」（空を飛び、任意の街や施設に移動する技）をほぼすべての飛行ポケモンが覚えるため、ストーリーにおいて飛行タイプのポケモンは重宝される。

『ブラック・ホワイト』まで単一でのタイプが存在せず、必ず何かしら（たいていはノーマルタイプ）のタイプと複合していた。第8世代でも飛行単タイプのポケモンは少なく、タイプ可変のアルセウス、シルヴァディを除くとココガラとアオガラス、そして準伝説ポケモンのトルネロスしかいない。ココガラとアオガラスは最終進化でアーマーガアとなり鋼が複合するため、実質的にはトルネロスのみとも言える。
複合相手は多岐にわたり、ノーマルタイプをはじめとしたすべてのタイプを網羅している。
飛行タイプの弱点である電気、岩、氷は他タイプに対しても弱点をつきやすく、飛行タイプのポケモンは複合によって4倍弱点を抱えやすい。特に強力なポケモンは4倍弱点を抱える傾向にあり、強力なポケモンの弱点を増やすために飛行タイプが付与されたのではないかという話もある。

また、まともな飛行技を覚えられない飛行タイプのポケモンも多く存在する。特に初代では立派な羽があるリザードンやカイリューが「そらをとぶ」を覚えられなかった。以降も扱いにくい「そらをとぶ」「とびはねる」が飛行技の最大打点というポケモンも少なくなかったが、世代を経るにつれて特殊飛行技の「ぼうふう」が広く配られたり、「ダブルウイング」という扱いやすい飛行技が教え技になったりなど、改善されつつある。

飛行タイプの技

一度行った街であれば瞬時に移動できる「そらをとぶ」もこのタイプの技に分類される。
街だけでなく重要施設の前にも移動することができるため、「そらをとぶ」技は非常に便利。ファストトラベルに相当するため、どのプレイヤーも必ず「そらをとぶ」の技を覚えている飛行タイプのポケモンを手持ちに加えている。だが『サン・ムーン』のアローラ地方では「ポケモンライド」という手持ちのポケモンとは別に専用のポケモンを呼び出すことでファストトラベルでき、『ソード・シールド』のガラル地方ではそらとぶタクシーという公共交通機関で他の街に移動できる。そのため「そらをとぶ」を覚えたポケモンを手持ちにする必要性がなくなっている。

『ブラック・ホワイト』『X・Y』では飛行タイプの技「フリーフォール」にバグがあった。
「フリーフォール」は1ターン目で相手を持ち上げ、2ターン目で地面にたたき落とす技である。持ち上げられている間、相手はまったく動けなくなるため、一方的に攻撃することができる技であったのだが、持ち上げている最中に、重力を増して宙に浮いているポケモンを地面に下ろす技「じゅうりょく」を使われるとゲーム自体がフリーズしてしまうという致命的なバグがあった。
このため、通信対戦などでは「フリーフォール」が禁止技に指定され、これらを習得しているポケモンは参加させることができず、一部の飛行ポケモンは不遇の時代を過ごすことになった。
『サン・ムーン』ではこれらのバグは解消されたのだが、「フリーフォール」に関して新たにバグが見つかったため、やはり禁止技に指定されてしまった。

威力の高く扱いやすい飛行技は特殊技の「ぼうふう」、物理技の「ブレイブバード」程度。他は溜めが必要だったり威力が低かったりと、やや扱いにくい。
しかし『ソード・シールド』ではダイマックス時、飛行タイプの攻撃技が「ダイジェット」に変化するため、溜め技の「そらをとぶ」「ゴッドバード」「とびはねる」などが使いやすくなった。さらに「ダイジェット」には素早さのランクを1段階上昇させるという強力な追加効果があり、飛行タイプのポケモン以外でも素早さ上昇を目的として飛行技を搭載することが増えている。

飛行タイプのタイプ相性

草、格闘、虫タイプの相手に効果抜群になる。
電気、岩、鋼タイプの相手に半減される。
電気、氷、岩タイプの技を効果抜群で受ける。
草、格闘、虫タイプの技を半減し、地面タイプの技を無効にする。
その他、「地面にいない」状態となるため、「まきびし」や「どくびし」といった地面に設置する技、「グラスフィールド」や「サイコフィールド」などのフィールドの効果を受けない。

基本は地面タイプの技、地面に設置する技などの影響は受けないが、技や道具などによって接地すると影響を受けるため、場がどういう状態なのかを確認することは大事である。

エスパータイプ

エスパータイプのポケモンや技は不可思議な現象や超常現象、神秘的な能力、超能力といったものをモチーフとしている。
このタイプを専門にしているトレーナーは大体トレーナー自身も超能力を使える。

初代では氷タイプと並んで最強タイプの1つだった。しかし第2世代で弱体化されて以降、目立ったテコ入れがあまりない。

エスパータイプのポケモン

エスパータイプのポケモンのモデルとなったものには、超能力といった不可思議な現象だけでなく、細胞や遺伝子といった科学に関するものもある。外見では亜人のようなポケモンが多く、また伝説のポケモンもエスパータイプが多い。中でも遺伝子実験によって生み出されたという逸話を持つミュウツーは『赤・緑』からエスパータイプのポケモンの頂点に君臨している。

エスパー単タイプのポケモンが数多く存在しているが、他タイプとの複合も多く、『ソード・シールド』にて全てのタイプとの複合を果たした。
ステータスの傾向としては「超能力＝賢さ、精神」といったイメージがあるためか、特攻、特防に秀でたポケモンが多い。逆に物理面に優れたポケモンは少ない。素早さはミュウツーやエーフィなど速いポケモンからランクルス、ムシャーナといった遅いポケモンまで様々。

エスパー技の威力を上げ、エスパータイプが苦手とする物理技が多い先制技を無効化するサイコフィールドと相性が良い。しかしエスパータイプには特性「ふゆう」を持つものも多く、「ふゆう」だとフィールドの効果を受けることができない。

エスパータイプの技

エスパータイプの攻撃技は威力に乏しい。汎用的な技は「サイコキネシス」のみであり、威力が90と他タイプの技と比べると控えめ。弱点をつける相手も少なく、火力不足に陥りやすい。
その一方で変わった効果を持つ技が多く、受けたダメージを倍にして返せる「ミラーコート」や、特殊技でありながら相手の特防ではなく防御でダメージ計算を行う「サイコショック」、自分と同じタイプの相手にのみダメージを与える「シンクロノイズ」、自分の能力ランクが上昇している分威力が上がる「アシストパワー」など個性豊か。なおこれらはすべて特殊技であり、物理技は4つしかない。加えて「サイコショック」の存在により影が薄い。

変化技も豊富で、5ターンの間素早さが低い方から行動できる「トリックルーム」や、飛行タイプのポケモンや特性「ふゆう」を持っているポケモンに地面タイプの技が当たるようになる「じゅうりょく」、自分がひんし状態になる代わりに次に出すポケモンのHPと状態異常を全て回復する「いやしのねがい」といったユニークな技がある。

単純な火力押しではなく、豊富な変化技を駆使して相手を撹乱するというのがエスパータイプの技の特徴である。

エスパータイプのタイプ相性

格闘、毒タイプの相手に効果抜群になる。
エスパー、鋼タイプの相手に半減され、悪タイプの相手に無効になる。
虫、ゴースト、悪タイプの技を効果抜群で受ける。
格闘、エスパータイプの技を半減する。

エスパータイプが虫、ゴースト、悪タイプを苦手としているのは、「エスパーは精神的な能力であり、虫、ゴースト、悪は恐怖で心をかき乱す存在であるから」とする説がある。

虫タイプ / むしタイプ

虫タイプのポケモンはその名の通り虫をモチーフとしている。技は「いとをはく」「むしくい」といった虫の生態や特性を表すものが多い。
『仮面ライダー』の影響なのか、虫タイプは悪タイプに強いなど、一部には正義のイメージがついているかのような設定がある。

虫タイプのポケモン

虫タイプのポケモンは進化に達するまでのレベルが低く設定され、少しレベルを上げるだけであっという間に最終進化系になる。そのため、ストーリー序盤では即戦力としてお世話になることが多い。だが序盤で捕まえられる虫ポケモンは軒並みステータスが低く設定されており、他の手持ちが育ってくると見劣りてしまう。それゆえにプレイヤーたちには「虫ポケモンは弱い」という印象がついてしまっている。

ステータスなどはある能力に極端に偏ったポケモンが多い。特に素早さに秀でたポケモンが多く、種族値が130を超えるポケモンがメガシンカ含めて4匹もいる。他にも攻撃に優れたメガヘラクロス、防御・特防が非常に高いツボツボなどが存在する。
特性の面ではヌケニンというポケモンが虫タイプのポケモンの中でもひときわ異彩を放っている。
セミの抜け殻をモチーフにしたこのポケモンは、特性「ふしぎなまもり」によって弱点となるタイプの技以外のダメージを一切受け付けない。
ゴーストタイプも複合して持っているため、炎タイプ、飛行タイプ、岩タイプ、ゴーストタイプ、悪タイプの技しか受け付けない。ダメージを与えられるタイプが限られているため、相手の攻撃を完全に無効化し完封できてしまうこともある。その逆も然りなので、ヌケニンがバトルに出てきた際は注意しなければならない。

虫ポケモンの欠としてはHPが低いこと。種族値が100を超えるポケモンは3匹ほどしかいない。ヌケニンに至ってはHPが1固定であり、弱点技の他、天候ダメージなどでもすぐに倒れてしまう。

虫タイプの技

7つのタイプに対し半減されるため、アタッカーには向いておらず、攻撃技もそれほど豊富ではない。「メガホーン」「シグナルビーム」「むしのさざめき」など有用な技も増えてきたが、他のタイプと比べると威力不足な点が目立つ。
しかし威力は低いが攻撃と同時に後続のポケモンに交代する「とんぼがえり」は優秀な技である。通常、交代するとターンを消費してしまう（相手の反撃を受ける）が、「とんぼがえり」はそのついでにダメージを与えることができる。威力が低いゆえに相手を倒すほどにはならないが、HPをある程度削ることによって後続のポケモンが相手を倒しやすくなるため、虫ポケモンに限らず多くのポケモンに採用されている。

変化技には有用なものが多く、特攻・特防・素早さが1段階ずつ上昇する「ちょうのまい」やそのターンの相手の技を全て使用したポケモンが受ける「いかりのこな」などは他のタイプには見られない。

虫タイプのタイプ相性