ガラスの仮面（美内すずえ）のネタバレ解説・考察まとめ

【背景】
桜小路優の友達の先輩が通う大学の演劇サークルでアルバイトをすることになったマヤ。幼稚園の公演の手伝いをすることになり、サークル員よりも早く来て舞台の準備をしていた。
サークル員たちが渋滞で遅れることになり、退屈し始めた園児たちをなだめるため、マヤは白雪姫のセリフを語り始めた。
やがて、サークル員が到着し、マヤは話をやめようとするのだが、子供たちにせがまれて結局最後まで話すことになった。
その後、サークル員たちによる「白雪姫」を上演したのだが、公演後、子供たちに人気があったのはマヤだった。サークル員たちはプライドを傷つけられ、マヤにもう来なくてもいいと言い渡した。

【あらすじ】
昔、あるところに、雪のように白い肌を持つとても可愛らしい姫がいた。名を白雪姫といいみんなから愛されていた。ところが新しく来た継母は魔法使いで魔法の鏡にいつも「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰？」と聞いていた。ある日、いつものように鏡に問いかけると、鏡は「それは白雪姫です」と答えた。
嫉妬に狂った王妃は白雪姫を城から追い出し、白雪姫を暗殺する為に動き始めた。
城から追い出された白雪姫は七人のこびとに助けられ、リンゴ売りに化けてやってきた王妃に騙されて、毒りんごを口にしてしまい、仮死状態になってしまった。
しかし、やってきた王子様の口づけを受けて生き返り、幸せになるというお話。

【出演】
演劇サークル・自由人

嵐が丘

【背景】
栄進座での舞台が東洋劇場の会長の目にとまり、マヤは「嵐が丘」のキャサリンの子供時代役のオーディションを受けることになった。「嵐が丘」の原作を知らなかったマヤの演技は目を引くものではなかったが、会長の後押しもあり、見事合格となった。
マヤは、ヒースクリフを情熱的にひたむきに愛するキャサリンを熱演し、その演技は、本当に相手役である真島良を思っているのではと勘違いさせるほど、熱いものだった。
共演者の真島は、舞台が終わった後も、マヤの面影を追い求めるようになり、交際を申し込むのだが、優しくしてくれる桜小路のことを思っていたマヤは、交際を断った。

【あらすじ】
原作：エミリー・ブロンテ

英国文学の名作として名高い作品。
小高い丘の上で両親とともに暮らすヒンドリーとキャサリン兄妹のところに、ヒースクリフという少年が拾われてきた。
キャサリンはヒースクリフと次第に仲良くなり毎日荒野でのびのびと過ごすようになる。兄のヒンドリーはそれを憎々しく思っている。
やがて両親が相次いで亡くなり、ヒースクリフの運命が変わってきた。
ヒースクリフとキャサリンの愛憎と復讐の物語。

【配役】
子供時代
キャサリン：北島マヤ
ヒースクリフ：真島良

大人時代
キャサリン：夏江梨子
ヒースクリフ：加川英明

石の微笑

【背景】
「おんな河」「嵐が丘」の舞台後、劇団つきかげで行われる公演で、マヤに与えられた役は「人形」だった。自分の意志では動くことも表情を出すことも、瞬きすらできない役。人形としての動きができないマヤに、月影は竹の物干し竿を装着させて、人形の関節の動きを学ばせた。
教会での稽古中、病院を抜け出した月影を迎えに来た速水は、マヤの体に物干し竿が装着されていることを知り、そこまでして芝居にかけるマヤの情熱に驚愕した。

舞台初日、姫川亜弓、真島良らが舞台を観劇する中、マヤは動かない人形の演技を見事演じることができた。動かない人形を演じることによって、周り（共演者）との調和、呼吸をマヤは学ぶことができた。
回を追うごとに、評判は高まり、観客数も増える中で、マヤは母・春が行方不明との知らせを受け取った。千秋楽、母を思うあまり人形の仮面が外れ、涙を流してしまったマヤに月影は「役者失格」とし、謹慎処分を言い渡した。

【あらすじ】
両親を飛行機事故で亡くした少女マリサは、そのショックに耐え切れず、幼い頃から可愛がっていた人形に全ての遺産を譲るという遺言状を残し、死亡してしまった。
莫大な遺産を受け取ることになった人形を巡って巻き起こる騒動を描いた物語。

【配役】
フレデリカ：沢渡美奈
イザベラ：春日泰子
ピオ・ヴィクトリア（二役）：青木麗
マリサ・ハンナ・謎の老女（三役）：水無月さやか
人形：北島マヤ
ジョージ：細川悟
プレビュー：田部はじめ
ギリンソン：堀田太一
マーゴ：二の宮恵子

夢宴桜

【背景】
行方不明の母を探し歩いたマヤは疲れ果て、大都プラザ劇場の前で座り込んでいた。劇場では、本日出演予定の役者が一人舞台に立てなくなり、その代役を探している最中だった。劇場前でマヤを見つけた速水は、マヤに出演を依頼し、マヤはその舞台に立つことになった。
いきなり現れたマヤを快く思わない共演者が、マヤに嫌がらせをし、マヤに渡された台本を古い物とすり替えてしまった。
舞台の幕が上がり、順調に進むものの、古い台本にはなかったシーンが追加されていて、マヤには筋が全くわからない状況になってしまった。それでも、舞台上で役名を呼ばれ、マヤはなにも分からないながらも舞台に立った。嫌がらせをした共演者は、マヤが出てくるとは思わず、自分のセリフに合わせ演技をするマヤに戸惑い、演技が続けられなくなってしまった。そこに助けに入ったのは、共演者であった亜弓だった。亜弓は自分の出番ではないにも関わらず、マヤを無事に退場させるため、舞台を壊さないためにアドリブで芝居を続けることにした。
マヤは、亜弓にリードされながら、役になりきり、亜弓に合わせることで、この舞台に絶対に必要なセリフ「出てってやる」を言うことができ、芝居は元の流れに戻ることができた。

【あらすじ】
時は明治、鹿鳴館華やかなりし時代。海堂寺男爵一族の栄枯盛衰を描いたドラマ。海堂寺男爵の5男で放蕩息子・行麻呂が芸者との間に作った娘・千絵は、海堂家のシミと言われ、虐げられていた。
食事も一族と一緒に取ることを許されず、一族からの暴言、数々の嫌がらを受け、感情がたかぶった千恵は、自分も父のもとへ行くと叫んだ。
この話を聞いた海堂寺男爵は、大事を起こされる前に千恵を嫁にやってしまおうと計る。
しかしそのことがやがて一族の崩壊につながるもとになる。

【配役】
月代：姫川亜弓
千絵：北島マヤ

奇跡の人

【背景】
人形の演技が評価され、「奇跡の人」のヘレン役の候補者に選ばれたマヤ。しかし、亜弓も候補者に選ばれていると聞き、「夢宴桜」での亜弓の素晴らしい演技を目の当たりにして、マヤは亜弓と競うことに恐れを抱くようになっていた。そのため、一度はオーディション参加を拒んでいた。
謹慎中に「夢宴桜」に出演したことで、マヤは月影から破門を言い渡されたしまったが、「奇跡の人」のヘレン役を勝ち取ることができたなら、破門も謹慎も解くと言われ、オーディションを受けることになった。
劇団つきかげが稽古場としていた古い教会が改装されることになり、稽古場を失ってしまったマヤに、紫のバラの人から長野の別荘を芝居の稽古に使ってくださいとの招待状が届いた。
長野の別荘で、ヘレンを掴もうと音と光を遮断して1人で生活するマヤのもとに、管理人から連絡を受けた速水が様子を見にやってきた。耳栓と目隠しのため、速水の姿を見ることができないながらも、来てくれてた人が紫のバラの人だと理解したマヤは、喜びのあまり速水に抱きついた。速水もマヤを抱きしめるが、正体を明かさず、「あなたのヘレンを楽しみにしています」とマヤの手のひらに指で書いて伝え、マヤのもとから去った。
オーディション当日、最終審査まで残った亜弓とマヤで決選投票が行われたのだが、結果は同票。アニー・サリバン役の姫川歌子が2人と共演したいと熱望し、ヘレン役は亜弓とマヤのダブルキャストとなった。

亜弓のヘレンは「完璧なヘレン」まさに誰もが描く「奇跡の人」のヘレンだった。マヤのヘレンは新鮮、斬新なヘレンで観客は日を追うごとに増えていった。
マヤの演技は歌子の本気を引き出し、素晴らしい舞台を作り上げた。
そして、マヤは亜弓を抑えてアカデミー芸術祭で助演女優賞を授賞。
さらに、その会場で月影からマヤと亜弓を「紅天女」候補とすることが発表された。

【あらすじ】
三重苦を負ったヘレンのもとに家庭教師としてアニー・サリバンがやってきた。
サリバンは野生の動物のようだったヘレンに文字を教え、人間として生活できるように全力を注ぐ物語。

【配役】
アニー・サリバン：姫川歌子
ヘレン：姫川亜弓
ヘレン：北島マヤ
ヘレンの父：神野克彦
ヘレンの母：松山道江

天の輝き

【背景】
アカデミー芸術祭助演女優賞を獲得したマヤは、NBA大河ドラマへの出演が決まった。舞台で時系列通りに進む芝居ではなく、シーンごとに撮影されるテレビの仕事にマヤは戸惑う。マヤの成長のために、月影は自分からマヤを離して大都芸能に預けることに決め、自らは演劇研究所の講師になることにした。
撮影が始まると、戸惑いながらも、マヤの演技は光り始め、評判が上がり始めた。
大都芸能は、マヤを売り出すチャンスとして強引に仕事を取るようになってきた。そのため、マヤを恨むものが数多く現れ、マヤは撮影中に嫌がらせを受けるようになってきた。自分の芝居を邪魔する者たちに怒りを覚えながら、マヤはそれをものともしない演技でさらに評判を高めていく。
マヤは、共演者の里美茂に惹かれ、やがて付き合うことになった。マヤに惹かれ良い友達として付き合ってきた桜小路は、自分の気持ちがマヤに届かなかったことを知り、マヤに別れを告げた。
そんな中、マヤに馴れ馴れしく接してくる少女が現れた。何処へ行くにもついてきてまるで付き人のように振舞う少女。熊本の天才少女と呼ばれた田代鈴子（芸名・乙部のりえ）だった。彼女は、マヤに心酔しているように見せかけて実は、マヤを陥れてマヤの役を狙っていたのだ。
行方不明になったマヤの母の所在を突き止めた速水は、マヤ売り出しのため、劇的に再会させるために、春を監禁していた。
監禁に気づいた春は逃げ出し、途中交通事故に会い、マヤの映画が上映されている映画館でマヤの声を聞きながら絶命した。
これを知ったマヤは演技ができなくなり、春を監禁していたのが速水と知ると速見への憎しみを募らせるようになった。
母の死のショックで隙ができたマヤを乙部のりえは罠に嵌め、マヤを芸能界追放に追い込み、マヤの役全てを奪い取った。

【あらすじ】
物語は明治初期。田舎の下級武士の4男で、近所でも有名な悪童だった森平四郎は継母と父に反発して東京に飛び出した。
その途中、藤沢の豪農・三觜八郎右衛門に見込まれて、陽明学者・小笠原東陽の村塾へ連れて行かれた。
3年後、西洋医・小野十兵衛の共として東京へ行った。
そして途中立ち寄った横浜で、黒船と出会い、異人と出会い、生涯の恋人となるおりんと出会った。
おりんが敵と狙う田沼虎二郎伯爵と、令息・満、令嬢・沙都子。
主人公・一本松新が、様々な人物と出会い、運命的な恋人と出会い日本中、そして世界を股にかけ文明開化を生きる波乱万丈の物語。

マヤ演じる沙都子は、勝気で気位の高いそれでいて進歩的な物の考え方をし、文明開化を的確に捉えている少女。

【配役】
一本松新（森平四郎）：川村鉄
おりん（村松楓）：姫川歌子
田沼虎二郎：前田洋一
田沼満：川原悟郎
田沼沙都子：北島マヤ
水品彩子：斉藤陽子
小笠原東洋：中村草太
三觜八郎右衛門：春川俊
増村多吉：戸塚守章

虹の記憶

【背景】
マヤが出演する大河ドラマ放映後の夜9時から、姫川亜弓が出演する「虹の記憶」が放送開始された。
亜弓演じる聖子は、恋人のいる男に激しく恋をする役どころだが、共演者から「恋をしている目ではない」と言われていることを知り、演技のために脇役の俳優・間進と付き合い始める。
間とのつきあいから「恋をしている表情」を習得した亜弓は、舞台やドラマに出演するたびに演技のための恋人を作るようになる。

【あらすじ】
ある事件のために、一切の記憶がなくなってしまった少女・聖子。
家族と名乗る一家にひきとられ、作り上げられた過去の記憶を受け入れて生きようとするが、なくしてしまった記憶の中で、ただ一つ意識に残るものを探すうちに、真実が解き明かされるサスペンスロマン。

【配役】
聖子：姫川亜弓

朱の彼方

【背景】
姫川亜弓が「虹の記憶」の次に出演するのは、舞台「朱の彼方」
ここでは、自分の叔父に恋をする女性の役を演じる亜弓は、演技のために共演者の俳優と付き合うことした。
演技のために、俳優たちを利用している亜弓と初恋を実らせ里美茂と付き合うマヤに月影は「あなた方の経験する全てに無駄はなにひとつない」と言った。

【あらすじ】
自分の叔父に恋してしまう大人の恋の物語。

【配役】
アーニャ：姫川亜弓
アルバート：田口剣

白いジャングル

【背景】
大河ドラマ「天の輝き」と同時期に撮影が進められた作品。人気歌手・巴麻里が主演として内定していたのだが、大都芸能の力によって、主演はマヤに変わった。それにより巴麻里のファンは激怒し、マヤに嫌がらせをするようになるのだが、巴麻里がマヤの演技にかける執念を認め、ファンたちに嫌がらせをやめさせ、マヤに謝罪をさせた。
試写会の席で、マヤに日向電機のCMを取られた山崎竜子が嫌がらせをしようと待ち構えていたのだが、速水から、より良い仕事を紹介されマヤへの態度を改めた。
そんな中、ドラマで共演した里美茂が会場に現れ、マヤに「好きです」と告白をし、それは後に「初恋宣言」と呼ばれるようになる。この告白にマヤも応え2人は付き合うことになった。

【あらすじ】
行方不明の父がいるかもしれない伝説の「白い魔境」。明るく勇敢な少女・未央が元気いっぱいに秘境探検の旅に出発する。

【配役】
藤村未央：北島マヤ
父：早瀬丈
女神サリア：広川令奈

シャングリラ