東方仗助（ジョジョの奇妙な冒険）とは【徹底解説・考察まとめ】

吉良吉影との最終対決

誰かに化けた吉良探しに進展があった。川尻浩作（かわじり こうさく）というサラリーマンが吉良である可能性が高い。杜王駅を利用するサラリーマンを観察、調査していた露伴がビデオカメラを持った少年・川尻早人（かわじり はやと）の存在に気付き、彼にマークされていた浩作と同じ苗字であることから父親を観察しているのではないかとの結論に至ったのだ。
仗助たちは、登校途中の早人に接触し、彼の父親について聞こうとしたが、何故か「鼻血が出た」などとごまかしてくる。仗助は自分も含めた皆を紹介し、優しく「この写真について教えてほしい」と声をかけるが、「それ以上聞くな！」と言われた。
カッターを持ち出した早人は自分の喉を突こうとしたが、小型のキラー・ウイーンがその自殺を止めた。キラー・クイーンを知る承太郎、康一により仗助たちは攻撃を始める。しかし、仗助、承太郎、康一、億泰は爆発してしまった。

早人はスタンド使いでもなんでもないただの小学生だが、機械に詳しく、自身の両親の冷めた関係を冷ややかに見る暗く冷静な一面があった。そんな中、最近の父・浩作の行動を奇妙に感じ、それとなく寝室に仕掛けたカメラ等で観察をしていた。結果、父と思っていた者が父の姿を借りた別人であり、殺人鬼であることを突き止める。屋根裏で猫と植物の中間のような生物「ストレイ・キャット」を飼い、それが空気を圧縮した空気弾を放つ能力を持っていることも知った。
遂にはビデオカメラを持って「父」を尾行し、駅から追っていたカップルを死体も残さず爆殺するところもビデオに収めた。カメラを持って走り去るところを吉良に目撃され、カマをかけられた早人は「僕も殺すのかい？今だって撮影しているのに」と言う。自分と母に手を出さないよう強い口調で言った早人を、吉良は殺してしまう。
写真に居つく自身の父・吉廣とすでに接触していた吉良は、吉廣から逃げるように言われるが、「それはできない」と言う。この時、吉良の腕にスタンド能力を引き出す矢が刺さった。

吉良に第3の爆弾「バイツァ・ダスト」が発現する。それは、早人を一種の爆弾にし、彼が口伝や筆記などどんな形でも「吉良吉影が自分の父親である川尻浩作に化けている」ことを伝えると、伝えられた人物が爆死するというものだった。爆死の瞬間に時間はその日の朝に巻き戻り、その人物は早人に接触せずとも同じ時間に爆死する運命が固定化される。吉良自身が死ぬか、バイツァ・ダストを解除しない限り逃れられない運命となってしまうのだった。バイツァ・ダストは解除しない限り自動的に早人を守るため、自殺もできなかった。
既に露伴を爆死させ、仗助たちをも消し去ってしまった早人だが、運命を変える為吉良を殺そうと猫草を持ち出して学校を出る。

通学路で猫草を使って吉良を抹殺することには失敗したが、勝ち誇り自ら名を名乗った吉良の言葉を、通りがかった仗助に聞かせることができた。何度も同じ朝を経験した為、仗助が通る時間も分かっていた早人は、朝早くに仗助の自宅に電話をかけて起こし、前のループより早い時間に仗助が通学路を通りかかるように仕組んでいたのだった。スタンド戦の為、吉良はバイツァ・ダストを解除する。露伴は爆死を免れ運命は変わった。
吉良は「自分は逃げていたわけではない。争いが嫌いなだけだ」「他人と争うのはキリがなく虚しい行為だ」と言う。仗助は、「おめーが重ちーを殺したから追ってんだろうがこのボケェ！」と返す。億泰は早人を庇い、仗助が吉良を攻撃する。一対一では、また触れなければキラー・クイーンはあまり強いスタンドではないように思われた。
しかし、キラー・クイーンはいつの間にか腹部にストレイ・キャットを収納していた。ストレイ・キャットを飼っていたのは、空気の爆弾を作る為だった。億泰は爆弾化した空気弾で吹き飛ばされてしまう。仗助は石畳で壁を作ってガードする作戦をとるが、空気爆弾は壁の隙間をすり抜けて仗助を攻撃してくる。起爆そのものは吉良の意志で、キラー・クイーンが親指でスイッチを押すことで行われる。
吉良自身に爆撃が及ばなければ爆発はさせられないと見抜き、仗助は億泰に近づいて彼を治療しようとする。しかし、吉良によって億泰が爆弾にされている可能性があり触れられない。億泰に触れたのは、早人だった。死亡する前に爆発した早人をクレイジー・ダイヤモンドで治した早人は「マジに小学生かよお前」と仗助に感嘆される。スタンドこそ見えないが、そのバトルを間近で見て実感した早人は、クレイジー・ダイヤモンドの能力を信頼し、自ら億泰に触れたのだった。
その治癒能力が自分にとって邪魔だと認識した吉良は仗助を倒そうとする。億泰は、体の傷を治されても目を覚まさなかった。仕方なく、億泰を担いだまま他人の家に入る。億泰を部屋に起き、仗助は自分が吉良を倒すことを決意する。空気弾がどこからか入り込み、仗助を追ってくる。吉良からは見えないはずだが、空気の爆弾は確実に仗助を追っていた。
クレイジー・ダイヤモンドは自分の怪我は治せない。しかし、体の外に出た血はただのものとなる。ガラスの破片に自分の血を集めて閉じ込め、吉良の服に着いた血に向けて飛んでいくように仕向け、ダメージを与えることに成功した。

家の窓から、携帯電話を使う吉良が見えた。仗助は、家にあったライターで早人の服に火をつける。吉良が、見えない自分の位置を突き止められた理由が分かったのだ。早人の服のポケットに吉廣が隠れており、息子に仗助の居場所を教えていたのだった。
吉廣から奪った携帯電話で嘘の誘導をし、仗助は吉廣を始末する。仗助が吹っ飛んだと喜ぶ吉良だったが、電話から帰ってきた声が仗助のものであることを知り、愕然とする。
ボロボロになりながらもクレイジー・ダイヤモンドの射程圏内に入った仗助は、吉良とのラッシュで優勢に立つ。それでも、ストレイ・キャットが空気の壁を作り防御していた。それは、ストレイ・キャットの強い生存本能によるものだった。吉良は、自分は強い運命に守られていると感じる。
空気弾を爆弾に変えた吉影だが、空気爆弾は仗助の場所までいかなかった。空気爆弾を引き寄せたのは、死んだはずの億泰だった。ザ・ハンドで空気爆弾を空間もろとも消した億泰は、「夢の中で兄貴に会った」「『お前が決めろ』と言われた」と言い、「『杜王町へ行く』と答えて戻ってきた、寂しい夢だった」と億泰は語る。
仗助は泣きながら「生きてんならよーさっさと目を覚ませコラぁ！」と叫んだ。吉良はストレイ・キャットの空気弾を食らわせようとしたが、億泰によりストレイ・キャットを抜き取られる。康一、承太郎、露伴が「大きな物音がした」と言って集まってきた。

川尻早人がいること、大けがをした人物が川尻浩作である点、仗助と億泰もいる点から、承太郎たちにも吉良が川尻浩作に化けていることが露見した。早人は「お前に味方する運命なんて…お前が乗れるかどうかのチャンスなんて、今ここにある正義の心に比べれば、ちっぽけな力なんだ！」と豪語する。
大きな爆発音が立て続けにした為、救急車と消防車が訪れる。倒れた吉良は救急隊員の女性に触れて彼女をバイツァ・ダストの爆弾に変える。女性隊員の手に触れて、美しい女性の手に対する思いを述べる吉良は、女性隊員をバイツァ・ダストにすべく起爆スイッチを押そうとする。承太郎が時を止めようとしたが、吉良はスイッチを押すことに成功した。
気が付くと、吉良は見知らぬ場所にいた。そこは、かつて自分が殺した杉本鈴美と愛犬のアーノルドがいる小道であった。吉良はバイツァ・ダストの起爆スイッチを押そうとした瞬間に康一のエコーズact3の能力で右手を重くされて動けなくなり、承太郎のスタープラチナで時を止められてラッシュを食らって敗北した。吹き飛ばされた先に救急車のタイヤがあり、頭部を巻き込まれて即死したのだった。吉良はアーノルドに襲撃されて小道のルールである「振り向く」行為をさせられてしまい、「安心なんかないところ」へ送られる。

救急車に轢かれて死んだ吉良は、顔の皮が剥がれていた。女性隊員に名乗ったため「川尻浩作」ではなく「吉良吉影」として事故死処理されることとなった。ある意味で、吉良は街によって裁かれたこととなる。
仗助たちは、この世にいる理由がなくなった鈴美とアーノルドの成仏を見送る。川尻家では、帰らぬ浩作を待つ妻のしのぶが「パパは遅くなるだろうから、先に夕食を食べちゃって」と言っていた。もう父が帰ってこないことを知る早人だが、それでも「僕もパパが帰ってきてから一緒に食べる」と泣きながら言った。そんな息子に、しのぶは「あんた、背伸びた？」と声をかける。
しのぶ、重ちーの両親は帰らぬ夫や息子を待ち続けるだろうことが示される。吉良により傷つけられた者の心の痛み、街の傷は、クレイジー・ダイヤモンドでも癒せないように思われた。

黄金の精神

承太郎は、ジョセフと共にアメリカに戻ることになった。ジョセフは「仗助たちを見て一つだけ言えることを見つけたよ。この街の若者たちは、黄金の精神を持っているということを」と口にした。この街はもう心配ない。その為、承太郎もジョセフと共に帰ることにしたのだった。
既に港から出る船に、仗助が声をかける。今一度、誇り高き息子に声をかけようとしたジョセフに、その息子は「お袋の写真はちゃんと持ったか」と聞いた。「お前の言うとおりに財布に入れた。会わずに行くが、幸福を祈っとるよ」と聞いた仗助は、写真の切れ端を手ににやりと笑った。
クレイジー・ダイヤモンドで写真を直し、ジョセフの財布を手に入れた仗助は「もらっとくぜ～。父親ならよぉ～。息子に小遣いくれてもいいもんね～」と言った。一見するとスタンドの悪用だが、もし自身の母の写真を持ち帰ったら、ジョセフが妻ともめる結果になるとも言っており、仗助なりの気遣いにも思われた。
「元気でなぁ～！」と仗助は明るく声をかけ、ジョセフも穏やかにほほ笑んだ。気まずかった親子の仲は修復されたようだった。

東方仗助のスタンド能力：クレイジー・ダイヤモンド

スタンドとは

「スタンド」とは、Part3から登場した「目に見える超能力」である。生まれつきスタンドを持つ者もいるが、大抵は特殊な矢の先端についた鏃によって傷を負うことで能力が発言する。まれなケースとして、修行の果てに開花するパターンもあり、Part4では修業の結果として能力を得たスタンド使いも登場する。スタンドを持つ者を「スタンド使い」と呼ぶ。スタンド使い以外には、スタンドを見ることも触れることもできない。
スタンドと本体は一心同体で、スタンドが傷を追えば本体もダメージを負う。能力のタイプによって近接戦闘に向いた近距離パワー型、隠れた場所から操作する遠隔操作型などがある。

ステータス

破壊力‐A / スピード‐A / 射程距離‐D（2m） / 持続力‐B / 成長性‐C

（A‐超スゴイ B‐スゴイ C‐人間と同じ Dニガテ E‐超ニガテ）

能力：怪我を治し、壊れた物を直す

クレイジー・ダイヤモンドの能力は、一言でいえば「なおす」ものである。怪我人を治し、壊れた物を直す。圧倒的な破壊力で一旦対象を破壊し、直すという作戦が作中ではしばしば取られている。バイクを破壊し、着地する前に元通りに直す、壊した車を直して敵スタンドを車内に閉じ込めるなど、修理や修繕能力は非常に高い。
一方、治療や治癒に関しては瀕死の状態からの回復に時間がかかることもある。また、病気や死人を治すことはできず、仗助自身の怪我も治せない。それでも重症患者を一瞬で完治させることもできる。殺人鬼・吉良吉影が自身の左手を切断して逃走した際、手を治すことで本体の場所まで飛んでいかせ、傷をつけられた場合は決まった角度で反撃エネルギーを打ち出すスタンド「スーパー・フライ」戦では鉄塔につけられた傷を直してエネルギーを元の傷に逆行させることで本体を撃破しており、使いようによっては戦闘や追跡にも活躍する能力である。
単に治すだけではなく、人体と他のものを一体化させることもある。作中では強盗の体内にナイフを埋め込む、殺人鬼アンジェロを岩と一体化させる、敵スタンド使い宮本輝之助を紙と一体化させて本にするといった描写がある。

東方仗助の関連人物・キャラクター

東方良平（ひがしかた りょうへい）

CV：宝亀克寿（TVアニメ版）
演：國村隼（実写映画版『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』）

仗助の祖父。出世こそなかったが、35年間杜王町の平和を守ってきた、正義感あふれる警察官である（しかし、ナンパ男を殴った朋子を「わしの娘だから逮捕しない」と言う一面もある）。普段はおちゃめな面も見せるが、時折町を守る男の顔となる。娘の朋子、孫の仗助と同じように杜王町を愛している。
アンジェロを初めに捕まえた警官であり、逆恨みでアクア・ネックレスの襲撃を受け絶命する。クレイジー・ダイヤモンドによる蘇生は間に合わず、祖父を救えなかった後悔、アンジェロへの怒りから、仗助は杜王町を守る決意を固めることとなる。

東方朋子（ひがしかた ともこ）

CV：豊口めぐみ（TVアニメ版第1話-第15話）→伊藤静（第31話ー第39話）
演：観月ありさ（実写映画版『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』）

仗助の母で、教師。37歳だが、路上でナンパされるほど若々しい容姿を保っている。非常に勝ち気でナンパ男を殴り飛ばし、仗助に対しても容赦をしないことがある。激怒すると手が付けられなくなる仗助を「誰に似たのかしらね」と評したが、彼女からの遺伝によるところも大きい模様。尚「仗助のヤロー」「ムカつくわッ！」と口が悪い一面もある。
ジョセフが65歳の時に不倫をした相手だが、朋子自身は真剣にジョセフに恋をし、仗助を産んだ。今でもジョセフを愛しているらしく、家に訪れた承太郎をジョセフと勘違いして抱き着いた。

ジョセフ・ジョースター

CV：石塚運昇（TVアニメ版 / ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』）、杉田智和（TVアニメ版 / ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』）

仗助の父。79歳。Part2では主人公で、知略や能力に優れた戦士であった。手から茨状のスタンドを出し、念写をする他、物をからめとるなどするスタンド「ハーミット・パープル（隠者の紫）」を持つ。ニューヨークの不動産王として、巨万の富を築いた。
朋子との間に仗助が生まれたことは、つい最近まで知らなかった。難聴を患い、歯は総入れ歯となっている。年の為に耄碌した印象が強いが、いざという時には他者の為に体を張ることもある。仗助曰く「褒めると調子に乗るタイプ」で、若い時からのお調子者的な一面は変わっておらず、仗助にも受け継がれた模様。
「妻以外は愛さない」と公言していた為、仗助の一件がばれた時は妻のスージーQが怒り狂ったと承太郎は語る。
レッド・ホット・チリ・ペッパーの本体を探す為に来日するが、本体の音石明は上陸前に捕縛された。その後も日本にとどまるが、仗助からは「お袋には会わないでほしい」と言われる。また、仗助との仲もぎくしゃくしていた。透明な赤ん坊の一件で一度仗助に「あんた」呼ばわりされ見放されたが、自身の手首を傷つけて血を流し、赤ん坊が落ちた池に色を付けた。血の色が透明になる中心に赤ん坊がいることを示して救出成功し、仗助から見直された。それまでは仗助を君付けで読んでいたが、「カッコつけたかったんだじゃよ。おまえの前で」と言っている。
透明な赤ん坊の一件以降、仗助と距離が縮まる。最終的には「父親なら息子に小遣いをくれるもの」とスタンドを悪用して財布を奪われた。透明な赤ん坊の親を探していたが結局見つからず、自身の養子にした。