からくりサーカス(Karakuri Circus)のネタバレ解説・考察まとめ

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

フランシーヌ

CV:林原めぐみ
演:大西桃香、飯田里穂(2019年・第2弾) ※ダブルキャスト

白兄弟が愛した女性。ルシールの伯母にあたる人物。どんな人へも愛情を持って接する聖女のような女性で、屈託の無い笑顔をふりまく。同じ裏町に住む孤児や貧しい人々に対し、自分も食べ物がなく困っている中、少ない食べ物を分け与えるような心の優しい人であった。貧しい人々に食べ物を分け与えるため、食べ物を盗んでしまったことで、背中に泥棒の烙印を押されてしまっている。
白銀の愛を受け入れ結婚するも、優しすぎた性格が仇となり白金を見捨てる事が出来ず、彼に無理矢理連れ去られ、彼とともに各地を放浪し、結果的に彼の暴走を助長させてしまう。最後は故郷のクローグ村で病を患い、伝染病を怖れた村人たちの手によって低い牢に押し込まれて鎖で足を繋がれるという家畜のような扱いで隔離されて、衰弱しきっており死ぬのは時間の問題であった。そんなとき、白銀と9年ぶりに再会を果たす。
しかし、病に伏し先が短いということと、無理やりとはいえ白金と9年もの年月を過ごしてしまったことへの負い目が、彼女の罪の意識を増長させてしまい、ついには自ら牢に火を放ち自害してしまう。
彼女の存在と「死」がすべての物語の始まりであり、逆に彼女が白銀・白金と出会っていなければ、残虐なことも起きてはいなかった。白銀から貰った指輪は終始大事に持っており、白金に連れ去られてからは捨てられないように隠し持っていたが、死ぬ時にはそれを指に付けており、心はずっと白銀の妻であり続けたのであった。

自動人形

パンタローネ

CV:中田譲治
演:谷口洋行(2012年)/唐橋充(2019年・第1弾)/塚本拓弥(2019年・第2弾)

自動人形最古の4人のうちの一人。長いあごひげをたくわえ、帽子を被った老人のような姿をしている。
最古の4人のうちでも実力は折り紙付きで、なんでも球状にしてその上に乗り攻撃をしかけてくる。
空気や地面を吸い込み圧縮して打ち出す「深緑の手」という技を持つ。
他の最古の4人もそうだが、フランシーヌへの忠誠心が深く、フランシーヌからもらった衣服を傷つけられたり馬鹿にされると激昴する。
サハラでの戦いで鳴海に敗れたあと、フェイスレスによって修復されるが、その後は新たに作られた自動人形「最後の4人」の実力に遠く及ばず、辛酸を舐めることとなる。
その後、フランシーヌそっくりなしろがね(エレオノール)と出会い、彼女に尽くすことを誓い、しろがねから人間を傷つけるなと命令されそれを守る。
また最後のハーレクインとの戦いにおいて、圧倒的な実力差の中敗れる間際まで相手の角を攻撃し、その事が一端とたり鳴海の勝利へと繋がる。
ハーレクインに体を破壊され、最後はアルレッキーノに抱えられながら、しろがねが笑っていることを告げられる。そのとき、パンナローネの顔はこれ以上ないくらいの笑顔であった。

アルレッキーノ

CV:福山潤
演:田中精(2012年・第1弾)/船戸慎士(2012年・第2弾)/松本寛也(2019年)

リュートを手に持ち、右目に瞳が2つあり、左頬には三日月のような模様がある長髪男性の姿をした自動人形。最古の4人のうちの一人。
常に自分の体を改造し、「気」が通用しない身体になっている。
細長い触手のようなものから火炎を発射する「緋色の手」(レ・マン・スカラティーヌ)を使う。
鳴海がギイと行動を共にするようになり、その噂を聞くと彼に興味を持ち、部下を引連れ実力を測りにくるかど、終始鳴海のことを気にかけていた。
サハラでの戦いで敗れたあと、フェイスレスに修復された、しろがね(エレオノール)の護衛のような役割を担い、彼女に鳴海のことを語った。
彼もパンタローネと同様に、しろがねの言葉は忠実に守り、フェイスレスの下につきながらも、しろがねOから生方涼子のことを守ったりもした。
その後、仲町サーカスや鳴海たちと行動を共にし、スペースシャトルを打ち上げ基地まで送り届ける際、襲ってきた最後の4人と戦うことになる。
プリゲッラを相手に善戦するが、最後は相手のミサイル攻撃をうけ敗れる。
その後、同じように戦いに敗れたパンタローネの顔をかかえ、しろがねの笑顔を見て最期の瞬間を迎えた。

コロンビーヌ

CV:悠木碧
演:周晴奈(2012年)/大湖せしる(2019年・第1弾)/花奈澪(2019年・第2弾)

最古の4人のうちの1人で唯一の女性型の自動人形。
ゾナハ病の病原体であるアポリオンを自在に操ることができ、触れたものを高温の熱で溶かしてしまう純白の手を持つ。
人間の書く恋愛小説に興味を持っており、人間の男に抱きしめられたいという願望を抱く。
サハラでの決戦でティンババティの捨て身の攻撃によって敗れる。その後、ファティマと対峙した時、ファティマから鳴海から抱きしめられたことの喜びを聞き、人間の感情により興味を抱くようになる。
その後、フェイスレスの手によって復活し、容姿がこれまでの大人の女性から子供のような姿へと変わる。
フェイスレスが自分達を戦力としてみて復活させたのではなく、滑稽な存在だと思い復活させたことを知り絶望し、しろがね(エレオノール)に忠誠を誓う。
その後、勝とフェイスレスのゲームの仲裁役をしたり、捕えられた勝の世話をする中で、勝の人間性に惹かれていく。
そして、勝の行く手を阻むディアマンティーナと対決することとなり、善戦するがロケットから落下する勝としろがねを助けるために、自らが盾となりディアマンティーナの一撃を受け敗れ敗れる。
消えゆく意識の中、自分のことを助けてくれた勝から抱きしめられ、人間に抱きしめられることの喜びを感じながら朽ちていった。

ドットーレ

CV:大友龍三郎
演:瀬谷和弘(2012年・第1弾)/和泉宗兵(2019年・第1弾)

フランシーヌ人形を笑わせるために作られた、最古の4人の一人。
鋭い刃のついた帽子で人を切り裂き、伸縮自在の腕を持つ。
クローグ村での事件では、ルシールの息子を含めた子供たちの首を斬って惨殺するなど、残忍性は4人の中でも折り紙付きで、ルシールとは因縁の関係である。

サハラでの決戦では司会進行役を務め、始めに交渉しに来たしろがねOの首を斬って殺すなど、そこでも絶対的な強さをほこった。
また、ルシールと久々の再会を果たした際もわざと息子の話をして嘲笑するなど、人を嘲笑うような特徴を持つ。
最後は、ルシールが用意したアンジェリーナ人形を見て活動不能になる中、ルシールの挑発に乗りフランシーヌを否定すること言い、自動人形としての存在意義を否定してしまい、ルシールを倒したのと相討ちする形で最期をむかえた。

フランシーヌ人形

白金がアクア・ウイタエによって作った唯一の人形。本物のフランシーヌの代わりに作られたため、少しでも本人に近づけるため、髪の毛はフランシーヌのものが使用されている。
見た目はフランシーヌにそっくりではあったが、人形であるがゆえに、笑うことができず、そのことに白金は失望し捨てられてしまった。その後は、造物主である白金にまた戻ってきてもらうため、白金の残した錬金術の資料から擬似体液を生み出し、それによって自らの手で他の自動人形を作り上げた。そんな自動人形たちとともに、笑うための方法を目つけるべく共に旅に出るのであった。
そんな自動人形たちを率い世界中を巡るが、笑う方法はなかなか見つからず、動作や思考速度の遅延を「疲れ」と認識するようになった。そして、真夜中のサーカスを、もともと自分の身の回りの世話をしていた人形を偽フランシーヌ人形として彼女に託しサーカスを去った。
その後、日本にやって来たフランシーヌ人形は、正二とアンジェリーナのもとへといき、自分を破壊してもらうように頼むが、身体能力の弱体化の改造に留められ、なりゆきで一緒に生活するようになる。そんな中、アンジェリーナの出産にも立ち会い、そして生まれてきたエレオノールの子育てを手伝いながら生活をするようになり、人間の繁殖機能に興味を持ち、いつしか子供を産みたいと思うようになる。
しかし、突如自分の言うことを聞かない自動人形たちの襲来にあい、アンジェリーナからエレオノールを守るように託された。しかし、追手から逃げ回る中で力尽き井戸に落ちる。その時エレオノールの心臓についた「柔らかい石」が井戸の水を「生命の水」に変えてしまい、フランシーヌ人形はエレオノールがアクア・ウイタエに溶けないように庇いながらそれに溶けて死んだ。死ぬ寸前までエレオノールをあやし続け、エレオノールの笑顔を見た時についに彼女自身笑うことが出来た。その時、既に“心”が芽生えており、それによってフランシーヌ人形の記憶の一部はアクア・ウイタエに溶け、それを吸収したエレオノールに受け継がれた。

偽フランシーヌ人形

元々はフランシーヌの世話役として作られた自動人形。
見た目はフランシーヌと瓜二つであり、サハラでの戦いではフランシーヌの代わりとなっており、最後の鳴海に倒されるまで周囲を騙し続けた。

フラーヴィオ

最古のしろがねマリーとタニアを殺害した自動人形。
くさりで子供たちを繋ぎ、タニアを串刺しにするなど性格は残忍。
最後は覚醒した鳴海に倒される。

アプ・チャー

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