からくりサーカス(Karakuri Circus)のネタバレ解説・考察まとめ

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

元ストローサーカスの団員で、諸美の息子。
アクロバットな芸を得意としており、勝のことを芸で助けたことをきっかけに仲町サーカスの仲間となる。
途中人間ではなく自動人形側につくも、しろがねの言葉で両親が目ざめ、最後はしろがねを助ける。

しろがね

「柔らかい石」から造りだされた「生命の水」(アクア・ウイタエ)を飲み不死の体となった人々。5年に1歳しか年を取らず、自分の生に満足するか、体内の「生命の水」が溶けた血を大量に失うことでしか死なない。その他、作中ではバラバラに切り刻まれたり、頭部、腹部を一撃で砕かれることで死亡している。

ギイ・クリストフ・レッシュ

CV:佐々木望
演:金澤洋之(劇団熱血天使)、(2012年)/越智友己(2019年)

「オリンピア」というマリオネットを操るフランス出身のしろがね。
端正な顔立ちをしているが、重度のマザコン。ロケットの中に母親の写真をいれており、なにかあるといつもその写真を見ている。
優雅でおっとりとした見た目と性格をしているが、戦いのときは他者を寄せつけない圧倒的な強さを見せる。「オリンピアの恋人」や「伝説の人形200体破壊者」などの異名を持つ。

左腕を失った鳴海を助け、しばらくの間一緒に自動人形を倒す旅に出ていた。互いに相いれない性格であったが、旅を通じて互いに信頼し合う関係となっていった。
また、エレオノールの育ての親でもあり、昔二人で自動人形を倒してまわったりもした。

最後の四人の1人カピタン・グラツィアーノ率いる3000体の自動人形相手に1人で挑み、敵を巻き添えにした自爆という壮絶な最期を遂げた。その際勝に対して自分が成すべき事を諭し、最後の最後まで周りの人を慈しむ彼の姿勢を崩すことはなかった。

ルシール・ベルヌイユ

CV:朴璐美
演:石神まゆみ(2012年・第1弾)/田中良子(2019年・第1弾)

エレオノールの祖母であり、最古のしろがねの1人。また、アンジェリーナの母でもある。
「ムジンニィ」というマリオネットを操り、多くの戦闘をこなしてきた歴戦の猛者。
ムジンニィを失ったあとは、サーベルや銃などの一般的な武器を使って戦った。

ギイや鳴海と共にしばらく世界をまわって多くの自動人形と対峙した後、真夜中のサーカスとの最終決戦にのぞんだ。
鳴海やミンシアのことはどこか息子娘のように思っていたが、性格上なかなか表に表すことは無かった。
ただミンシアがゾナハ病にかかりそうになった時は、自らの血を分け与え彼女のことを救うなど、心から彼女たちのことを想っていた。

また、フランシーヌのことより、ドットーレのことを恨んでいた。それは彼女の息子を殺されたからであり、彼女はドットーレの破壊を一心に願っていた。
そして最終決戦の際ついに宿敵ドットーレと対峙した彼女は、フランシーヌの命令によって動けなくなったドットーレに向かって「フランシーヌなんて関係ない」と言えば動けることを教えた。しかし人形たちにとってフランシーヌは生きる意味であり、彼女の存在を否定することは自分を否定することを意味していた。
ドットーレはその言葉を口にしてしまい、遂に朽ち果ててしまうのであったが、その際彼女も命を落としてしまう。
こうして長きに渡り伝説として生きてきた彼女の人生は幕を閉じた。

才賀 アンジェリーナ(さいが アンジェリーナ)

CV:林原めぐみ
演:永峰あや(2012年・第2弾)/大西桃香・飯田里穂(2019年・第2弾) ※ダブルキャスト

エレオノールの母であり、才賀正二の妻でる。またクローグ村の惨劇を味わった1人であり、その際母であるルシールとともにしろがねになった。
彼女の身体には柔らかい石が隠され、そのことを餌に人形をおびき寄せては倒すということを繰り返した。このことに母ルシールは心を痛め、ついには彼女のことを戦いの場から突き放した。それはルシールが「いつか、しろがねであるアンジェリーナのことを愛してくれる男性と出会い、幸せに暮らせるように」とアンジェリーナのことを思うがゆえのことであった。
その後ヨーロッパを回ったあと、日本の長崎にやって来た。時は江戸時代、彼女は遊郭で「遠野太夫」として生き、しろがねとしての身分を隠しながら生きた。その中で何人もの男と出会い恋に落ちたが、皆なかなか歳を取らないアンジェリーナに対し、嫌悪感を抱いたり奇異の目を向けるなどして彼女と寄り添うことは無かった。

そんな中、才賀正二と出会う。自分のためにしろがねなってくれた正二と一緒になることを決めたアンジェリーナは、その後子供を1人みごもる。
そんな時、アンジェリーナの中にある「柔らかい石」を奪うためにギイがやって来た。当初ギイは彼女のことを敵対視していたが、彼女はその有り余る母性でギイを包み込み、最終的にはギイと親子のような関係となった。
しかし、ギイの元に攻め込んできた大量の自動人形と戦った際、ギイをかばい亡くなった。

マリー

最古のしろがねの1人。
フランスキュベロンにあるクローグ村の出身で、ルシール、タニアと共に自動人形と戦った。
まだ幼かったギイに対して、「このまま死ぬか生きるか」を迫り、彼をしろがねへと導いた。

そんな彼女は、自動人形に襲われ大量の血を流してその生涯を閉じた。
最期をギイと鳴海に看取られた際、「告白するけど、ずっと後悔してきたのです。ゾナハ病になったときに、アクアウェイタなど飲まなければよかったて…」と言った。

タニア

元クローグ村の女性教師。ルシール、マリーとともに最古のしろがねとして長年活躍をしてきた。
フラーヴィオの襲撃の際、ルシールらと共に迎え撃つが及ばず、フラーヴィオにとらえられてしまう。その際フラーヴィオの肩に串刺しにされたまま耐えていたが、一緒に囚われていた子供たちとその教師を救う隙を作るため、自らの体を犠牲にした。その際、フラーヴィオへの恐怖で動けなくなっている教師を叱咤激励して彼女の背中を押し、子供たちともども逃がすことに成功した。死ぬ間際、礼を言う彼女に「こんな体になる前は私も先生だったからね」と言って微笑んだ。

イヴォンヌ/アルメンドラ

演:小林美穂(2012年)

ルシールと旧知の中である、「最古のしろがね」の1人。しかし既に「しろがね」であることをやめ、「アルメンドラ」という名を名乗って真夜中のサーカスにて占い師をやっている。
サハラでの最終決戦の後も引き続き自動人形と行動を共にし、フェイスレスが繰り広げる舞台の観客という立場から、しろがねや勝たちの動向を見守っている。
しかし、最期はフェイスレスと勝の戦いの中で、傍観者をやめディアマンティーナの攻撃から勝をかばう。
その時彼女は、「サーカスのショーに興奮した馬鹿な客がフィナーレ直前に自分も芸人のつもりで舞台に飛び出しちまったのさ」と言った。
最期はしろがねとして、人間として取るべき行動をとったことで、満足そうな顔で逝った。

ミッシェル

長きに渡りしろがねの議長を務めてきた男性のしろがね。
サハラの決戦ではミンシアの決意に折れ、テントに入る権利を彼女に譲った。その後外にいるほぼ全ての「しろがね」が自動人形に一斉攻撃をうけ、ほとんどが倒されたことに絶望しかけていたが、ジョージがルシールの「アンジェリーナ人形」を持ってきたことで希望を取り戻す。
最期は、人形使いの阿紫花英良をかばって死ぬ。

真夜中のサーカス

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