からくりサーカス(Karakuri Circus)のネタバレ解説・考察まとめ

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

フランスに住む自動人形。老人の風貌をしており、普段は穏やかな性格をしているが、実は剣の達人。最古の四人であるアルレッキーノとパンタローネと戦った時も、秒殺するほどの腕前であった。
フェイスレスのゲームにて勝と対決することとなり、人間はなぜ群れたがるのかという問いかけを勝にした。その疑問は、実はシルベストリ自身が寂しさを抱いてことが心の奥底にあったから出たものであった。
フランスに住んでいるころは、街ですずらんを売る少女が不良に金を奪われたのを助けたことが縁で、その少女と交流を持つなど本当の老人のような心の優しい一面を持っており、自動人形の中では異質な存在である。

ブロム・ブロム・ロー

CV:佐藤健輔

自動人形の攻撃部隊リーダー。アメリカにあるレイ研究所を襲いに行き、鳴海たちと対峙することになる。ミンシアを瀕死に追い込み、研究所の博士たちを死傷させたが、最終的に鳴海に倒される。

ワイルド・ウエスト・ジェーン

CV:鶏冠井美智子

銃とナイフを使う自動人形。アメリカにゾナハ病をばらまいた張本人で、アメリカで弟をゾナハ病で亡くしたヴィルマから相当恨みをかっている。最終的に、ヴィルマとの決闘で相打ちとなり最期をとげる。

グリュポン/グリポン

CV:永澤菜教
演:石神まゆみ(2012年・第2弾)/三浦海里(2019年・第2弾) ※声のみの出演

フェイスレス(貞義)が、ダウンロードした後の自分が何らかの理由で完全に覚醒しなかった場合に備えて作られた小型の自動人形。
架空の幻獣「グリフォン」をモデルとしており、空を飛ぶことができる。ギイとは馬が合わないのか、よく言い合いになるが、「このクソイケメン野郎め」などとなぜか微妙にほめた言い方になってしまう癖を持つ。名前は「グリュポン」が正しいが、勝は「グリポン(君)」と呼ぶようになり、それが定着してしまった。
不完全なダウンロードにより「貞義」として覚醒しない勝に付きそい、貞義様と言って慕っていたが、結局勝は勝のままであった。その後、黒賀村にフェイスレスがやってきた際、別の貞義がいることを知り、フェイスレスのことを「マスター」として寝返ったが、フェイスレスから「もういらない」と見捨てられ分解される。その後、勝によって治されたこともあり、それ以降貞義ではない勝のことを「マスター」とする。
物語の終盤、勝とともに白金と対峙し、最終決戦の後、落下する宇宙ステーションから脱出する際に、創造主である白金を置いて行くことができず、「独りぼっちで寂しい奴だから」という理由で勝だけを脱出させ、白金と共に死ぬことを選んだ。

ケニスとアノス

かつてアルレッキーノに仕えていた二人組の自動人形。頭部をジャイロの要領で回転させて飛び回る。鳴海がしろがねになったばかりのころ、アルレッキーノと共に鳴海たちの前に現れており、その時鳴海の力に知りごんだ。
「新・真夜中のサーカス」ではフェイスレスに仕え、アルレッキーノを嘲笑し、彼の武器を投げ捨てるようにして渡すなど、かつての上下関係はなくなっていた。最終対決で両名とも勝に倒される。

ナイア・スティール

CV:木下紗華
演:神里まつり(2012年・第2弾)

「新・真夜中のサーカス」O部隊隊長。「しろがね-O」時代はフェイスレスの片腕としてサハラでの最終決戦で最初にテントに入り、サーカスの自動人形によって一度殺されたが、それは演出であり実際は生きていた。その後は勝達の敵となったが、勝によってモン・サン・ミッシェルに保管されていた老いた本体を発見されてしまう。実は、クローグ村の生き残りの一人で、その時に惨劇で家族を失っていた。自分の真の姿を勝に知られたことで狂気し、勝を倒そうとするが、勝が「あるるかん」を操り、返り討ちとなってしまう。最古のしろがねの一人イヴォンヌによれば、本名は「クレール」。なお、勝との戦いの後、どうなったかは不明。

カール・シュナージー

CV:てらそままさき

常に無表情で、「ハリー」争奪部隊の「O」代表を務める。基本的に人を見下した態度をとっている。
戦闘のスタイルは、ジョージと同様に球の中に入り、中から球を自在に操るクロスカーボン製「驚異の球」(ヴンダー・クーゲル)を使う。ジョージと基本的に同じスタイルではあるが、ジョージのものより性能が上だと言い、ジョージのことを侮辱している。(ジョージの毎分300回転に対し、毎分1000回転と回転数が多い)。
移動中の船内で、旧式の自動人形と侮辱していたパンタローネの「深緑の手」の一撃で、「驚異の球」のクロスカーボン製の刃に穴を空けられてしまう。ジョージ・ラローシュとの戦いでも彼の持つ武器の性能が劣っていることを嘲笑し、彼を苦しめるが、最終的に子供たちの支えを心の武器に、自分自身の限界を超えたジョージの攻撃を受け、倒れる。
また、他のOとは違い彼は「地球を穢す人間の抹殺」という攻撃的な思考を持っており、そういった人間を卑下し自然を守るために白金についたというのが本音だった。

その他

エリ・アダム・ドゥ・ランベール・ティローム

ヨーロッパにあるローエンシュタイン大公国という小さな国の公女。
父の大公が、才賀正二と親しかったことから、体内に柔らかい石がある可能性が高いとされ、鳴海とギイとルシールが訪ね、そこへ自動人形が襲いに来たところを鳴海たちに助けられた。大公の厳しい管理下にあったことから、人間らしい優しい心を無くしていたが、鳴海との触れ合いの中で心を取り戻していく。その後、体内を調べた結果あ柔らかい石が無いことが分かったが、自動人形アプ・チャーと手を組んだギュンター候(伯父)によって拉致されてしまい、自分の姿そっくりのアプ・チャーにとって代わられてしまう。アプ・チャーは何食わぬ顔で鳴海とパーティ会場でダンスを踊っており、そこへエリ本人がやってくる。どちらが本物のかと大公ですらわからない状況になってしまい、鳴海が「戦わせて勝ったほうが自動人形」という提案をしたことでアプ・チャー素手で戦うことになるが、事前に鳴海から護身術をしこまれていたこともあり、わざと負けようとしていたアプ・チャーにエリ勝ってわざと負けた方が偽物だということが分かった。その後、鳴海によってアプ・チャーは倒され、伯父もアプ・チャーと共に炎の中へと消えていった。鳴海に惹かれ、公国に残ってくれるよう願うが、鳴海は自動人形との戦いを続ける道を選び、彼を見送った。
その後は「しろがね」達に陰ながら手を貸すようになり、その過程でフウ・クロード・ホワローとも親しくなった。フェイスレスが世界中にゾナハ病をばら撒くことを予期したフウは、エリに自分の血を混ぜたワインを飲ませた。それにより、エリはゾナハ病におかされることなく、またその他生き残った人を自国で保護し、しろがねたちの戦いに協力する。フランシーヌにそっくりなことで公国の人から嫌われていたエレオノールを励ましたり、エレオノールのことをよく思っていなかったミンシアに対し、エレオノールが献身的に公国の人々のため、自身の血を与えていたことを伝え、二人の雪解けをはかった。
自動人形との戦いが終わったあとは、公女として働く。

シャロン・モンフォール

CV:半場友恵

フランスのカルナックで教師をしていた女性。
自動人形・フラーヴィオたちに襲撃された時、恐怖で体が動かなかったがタニアに励まされ、子供たちを助けるが、その際フラーヴィオから攻撃を受け重傷をおう。そのこともあり、一時は心肺停止となってしまうが、鳴海がルシールとギイが止めたにも関わらず、自身の血を飲ませたことで息を吹き返し生還した。鳴海が初めて命を助けることができた人であった。
後に、ゾナハ病が世界中にばらまかれた時も、鳴海の血を飲んでいたおかげでゾナハ病にはかからなかった。その後、偶然エレオノールたちと合流しようとローエンシュタイン公国に向かっている勝とグリュポンに会う。その際、おなかが空いていた勝に対し、食事をご馳走して自身がゾナハ病にならなかった理由を話す。その時、勝から命の恩人である鳴海が「しろがね」になって生きていることを知り、嬉しさのあまり涙を流した。

ビースト

リーゼの双子の姉を殺した凶暴なトラ。
サーカス団を経て日本でやってきたが、檻を破って逃走する。凶暴なだけではなくとても賢く、銃弾や麻酔弾、毒薬などが効かない屈強な体を持ち、エレオノールの人形繰りでは追いつけないほどのとてつもない速さで走る。なんと、トラックの運転のしていた。また、ガス爆発の中でも死なないなど驚異的な生命力を見せたが、最後はリーゼの魔眼に屈し、ドラムの尻尾の毒によって死んだ。実は、自動人形のドクトル・ラーオが幻獣を作るに当たり、脳を改造された虎であった。

ドラム

ビースト退治のためにリーゼと共に日本へと来たライオン。額にある切り傷は、昔ビーストとの戦いでつけられたもの。尻尾に猛毒が仕込まれた棘を持っており、それによってビーストを仕留めた。

『からくりサーカス』の用語

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