『いとしの猫っ毛』とは、雲田はるこによるBL漫画である。北海道出身の幼なじみである花菱美三郎(みいくん)と沢田恵一(恵ちゃん)の恋愛を描いたほのぼのラブコメディ。高校時代に恋心を抱くも、東京と北海道の遠距離恋愛となり、年に数回キスをするだけの一歩進まない関係が続いていた。関係消滅の危機感を覚えた恵一はすべてを捨てて上京を決意。美三郎が管理人のアパート「またたび荘」で同棲を始め、個性的な住人に囲まれながら真の恋人、そして家族へと絆を深める軌跡がノスタルジックな画風で温かく描かれる。
『いとしの猫っ毛』の概要
『いとしの猫っ毛』とは、雲田はるこによるBL(ボーイズラブ)漫画作品である。本作は北海道(道産子)で育った幼なじみの男性二人が織りなす恋愛模様を描いたラブコメディであり、ほのぼのとしたカップルの日常が綴られている。
主人公である「みいくん」こと花菱美三郎(はなびし みさぶろう)と「恵ちゃん」こと沢田恵一(さわだ けいいち)のカップルが醸し出すふんわりとした優しい空気感が特徴であり、作者である雲田はるこのノスタルジックな画風とマッチしている。
物語は、遠距離恋愛を経て恵一が上京し、美三郎が管理人を務めるアパート「またたび荘」で同棲生活を始めるところから展開され、個性豊かな住人たちに囲まれながら、二人が真の恋人、そして家族としての絆を深めていく軌跡が温かい筆致で描かれている。
物語の主軸となるのは、幼なじみとして育った北海道出身のゲイカップル、沢田恵一(けいちゃん)と花菱美三郎(みいくん)である。二人が恋愛を意識し始めたのは高校時代だったが、卒業後に美三郎は東京の大学へ、恵一は北海道の大学へと進学し、遠距離恋愛を余儀なくされる。その後、恵一は地元の企業に就職したため、二人の関係は年に数回しか会えず、軽い抱擁やキスを交わす程度の一歩進まない状態が続いていた。
このまま関係が消滅してしまうのではないかという岐路に立たされた際、恵一は大きな決断を下す。すべてを捨てて北海道から東京へと移住し、美三郎と同棲を始めることから物語の幕が開く。
『いとしの猫っ毛』のあらすじ・ストーリー
「またたび荘」の日常
幼なじみとして育った北海道出身のゲイカップル、沢田恵一(けいちゃん)と花菱美三郎(みいくん)。二人がお互いを意識し始めたのは高校時代だったが、卒業後に美三郎は東京の大学へ、恵一は北海道の大学へと進学し、遠距離恋愛を余儀なくされる。その後、恵一は地元の企業に就職したため、二人の関係は年に数回しか会えず、軽い抱擁やキスを交わす程度の一歩進まない状態が続いていた。
そんな中、恵一が北海道から上京し、美三郎が管理人を任されている一軒家のアパート「またたび荘」で一緒に暮らすことになる。またたび荘は、美三郎の友人であるニューハーフBARの店長・阿佐ヶ谷(あさがや/通称:ぽんちゃん)や、シングルマザーの小暮蓉子(こぐれ ようこ)とその息子の健太(けんた)、大学先輩で劇作家の蛭間(ひるま)など、個性豊かで騒がしい住人たちが集う場所だった。美三郎は東京で官能小説を執筆して生計を立てており、冷徹な編集者・火野(ひの)に原稿を催促される日々を送っていた。
遠距離恋愛の期間が長かった二人は、付き合って6年が経過しているものの、未だに肉体関係を持っていなかった。元々は異性愛者であった恵一に対し、美三郎は嫌われることを恐れて臆病になっており、恵一もまた美三郎の愛を信じきれずに不安を抱えていた。
しかし、雨の日の密やかな時間や、またたび荘の住人たちとの交流を経て、二人の心の距離は少しずつ縮まっていく。美三郎が離れている間に知り合っていたゲイの友人、北原千冬(きたはら ちふゆ)や土屋春樹(つちや はるき)のカップルとの出会いを通じて過去のわだかまりを乗り越えた夜、恵一と美三郎はついに本当の意味で恋人として結ばれる。
すれ違いと「家族」へのアプローチ
無事に関係を進展させた二人だったが、周囲へのカミングアウトや将来への展望など、同性カップル特有の現実的な課題に直面していく。美三郎の看病を通じて再び恋に落ちる感覚を覚えた恵一は、二人の絆を確固たるものにしたいと願うようになる。
そんな中、またたび荘の所有者であり、美三郎の唯一の肉親である資産家のおばあ様が来訪する。おばあ様は当初、二人の関係を「友人」として頑なに片付け、恵一に別れを迫る。しかし、恵一の誠実な人柄や「寂しかったら自分も孫だと思ってほしい」という言葉に心を動かされ、次第に恵一を家族の一員として認めるようになる。
さらに、恵一の姉であるなつみが北海道から息子を連れて上京した際、恵一は自身が東京へ来る前に母親へ美三郎との関係を打ち明けていたことを明かす。美三郎の両親はすでに亡くなっていたが、二人は互いの家族に対して誠実でありたいと、一歩一歩進んでいく。ある日、恵一が女装を試みたことをきっかけに二人は「結婚」の話題に触れ、海外での婚姻や養子縁組の制度を見据えた将来の誓いを共有する。
過去のトラウマとの対峙と死別の克服
季節は秋から冬へと移り変わり、二人の時間はいっそう深く進んでいく。北原と春樹がかつて教師と生徒の関係であったことが発覚するなど、周囲の人間模様にも変化が訪れる中、美三郎は自身の心に巣食う暗い過去と向き合うことになる。
美三郎の誕生日やクリスマスが近づく中、恵一は若くして亡くなった美三郎の母・美夜子のお墓参りを提案する。美三郎はかつて、母の知人であった大人の男性・清水充(しみず みつる)と肉体関係を持っており、清水との歪な繋がりや、母が事故で亡くなる直前に喧嘩別れをしてしまったことに深いトラウマを抱えていた。お墓参りで再会したおばあ様から、恵一の物腰が美三郎の亡き父に生き写しであると告げられ、恵一は美三郎を強く抱きしめて「大好きだ」と伝える。
正月、二人は小樽の恵一の実家へと帰省する。そこには、生前の清水を忘れられずにいた元恋人の男性が訪れており、長年の未練に区切りをつける姿があった。恵一の母親は、小さい頃から息子を支えてくれた美三郎を笑顔で温かく出迎え、父親からは二人に等しくお年玉が手渡される。周囲の理解と温かさに触れた美三郎は、これまでの孤独な人生が恵一の存在によって救われてきたことを強く実感する。
絆の結実と「結婚式」
東京に戻った二人は、またたび荘での日常をさらに積み重ねていく。蛭間の劇団の手伝いで「ロミオとジュリエット」の代役衣装を身にまとい、シェイクスピアの美しい台詞で言葉を交わすなど、二人の絆は揺るぎないものとなっていた。
ある日、おばあ様が倉庫の掃除に訪れ、恵一に古い写真を託す。そこには美三郎の両親の若き日の姿があった。さらに、倉庫で見つかった亡き父からのラブレターには「いつか美三郎とその恋人、母親の4人で旅行に行きたい」という夢が綴られていた。恵一の存在によって、その夢が形を変えて既に叶っていたことに気づいた美三郎は深い感動に包まれる。
その後、恵一の祖父の葬儀を終え、またたび荘の庭に桜が咲き誇る春が訪れる。二人の前に、高校時代の友人であり同性のパートナーを持つ久保が結婚報告に現れたことで、恵一と美三郎の中に「自分たちも結婚したい」という強い願いが芽生える。
またたび荘の中庭で、住人や友人たちに祝福されながら、二人は正装をしてささやかな結婚式を執り行う。おばあ様から頭上に花輪を授けられた二人は、皆の前で生涯の愛を誓い、誓いのキスを交わした。同時に、火野から美三郎の純文学小説が入選し、単行本化されるという朗報がもたらされる。その本のタイトルこそが、二人の愛の軌跡を綴った『いとしの猫っ毛』だった。
それぞれの愛の形
物語の後半では、これまで語られることのなかった二人の空白の期間や、周囲の人々の過去が描かれる。
美三郎が大学進学のために上京した直後、寂しさに耐えながらまたたび荘の管理を始め、蛭間との出会いを経て生活のために官能小説を書き始めた苦難の日々が明かされる。また、北原と春樹の強固な関係性の裏側や、ゲイを毛嫌いしながらもニューハーフのぽんちゃんに対して複雑な感情を抱き、やがて看病を通じて関係を持ってしまう編集者・火野の不器用な大人の恋愛模様も活写される。
さらに、高校時代、父を亡くした美三郎が寂しさを埋めるように清水と関係を持った経緯、そして寝ている恵一に思わずキスをしてしまったことで自身の恋心に気づいた夜の記憶が紐解かれる。美三郎の母・美夜子が事故で亡くなった日のディテールや、その直後に美三郎が東京へ発つ際、恵一と交わした切ない別れの抱擁、そして遠距離恋愛中の寂しさから荒れた生活を送っていた美三郎を救うため、恵一が「あと2年待って。東京に行くから」と涙を拭った約束の瞬間が描かれる。
新婚旅行としておばあ様や北原、春樹と共に再び北海道を訪れた二人は、夜の露天風呂で甘い時間を過ごし、これまでの全ての苦難が現在の幸福な日々に繋がっていることを確認し合うのだった。
『いとしの猫っ毛』の登場人物・キャラクター
主要人物
花菱 美三郎(はなびし みさぶろう)
CV:鳥海浩輔
通称・みいくん。攻め。北海道小樽市出身の24歳。
両親を事故で亡くして東京の祖母に引き取られ、大学卒業後祖母の所有するアパートまたたび荘の管理を任されるようになる。官能小説家。ゲイ。
沢田 恵一(さわだ けいいち)
CV;鈴木達央
通称・恵ちゃん。受け。北海道小樽市出身の24歳、猫っ毛ヘアーの天然どさんこボーイ。
地元小樽で会社員として働いていたが、東京支社への転勤を機に上京。恋人であるみいくんの住むまたたび荘で暮らすことになる。みいくんは好きだが基本ノンケ。
友人
土屋 春樹(つちや はるき)
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目次 - Contents
- 『いとしの猫っ毛』の概要
- 『いとしの猫っ毛』のあらすじ・ストーリー
- 「またたび荘」の日常
- すれ違いと「家族」へのアプローチ
- 過去のトラウマとの対峙と死別の克服
- 絆の結実と「結婚式」
- それぞれの愛の形
- 『いとしの猫っ毛』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 花菱 美三郎(はなびし みさぶろう)
- 沢田 恵一(さわだ けいいち)
- 友人
- 土屋 春樹(つちや はるき)
- 北原 千冬(きたはら ちふゆ)
- その他
- 清水 充(しみず みつる)
- 美夜子(みやこ)
- 阿佐ヶ谷(あさがや)
- 小暮 蓉子(こぐれ ようこ)
- 蛭間(ひるま)
- 火野(ひの)
- 『いとしの猫っ毛』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 初心者からマニアまで楽しめるファンブック『まるごとねこっけ』が発売
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