宇宙兄弟の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『宇宙兄弟』とは小山宙哉によって執筆された、夢を諦めた兄が宇宙飛行士の弟と「兄弟で月に立つ」という夢をもう一度実現するべく宇宙飛行士目指して奮闘する、宇宙を題材にした漫画作品である。夢を叶えた弟に劣等感を抱く兄六太(ムッタ)や、ともに宇宙を目指す仲間達、弟の日々人(ヒビト)などが発した名言・名セリフの数々は「もう一度立ち上がろう」という小さなきっかけをくれる原動力を、多くの人々に与えている。『宇宙兄弟』の心にしみる名言・名セリフ、印象深いシーンなどをご紹介する。
NEEMO訓練からムッタとケンジどちらか一人しかミッションに選ばれないと知らされ、二人の関係が一時的に悪くなってしまう。空気に耐えられなくなってきたムッタが流されようとしていた時に、アンディと会話し迷いがなくなる。開きなおったムッタが目の前の仕事に取り組んで効率化を図り、無理だといわれて諦めかけた月面望遠鏡に再び挑戦しだした。風佳からの言葉で前向きに取り組みだすようになったケンジに、ムッタが「ちょっとだけ無理なことに挑戦しよーぜ」と声をかけケンジも決心。二人の友情はより強固なものへと変わった。
「先のこと考えるのやめたんだ わかってたけど…大事なのは結局…”今”だ」
月ミッションに選ばれるのは、ムッタかケンジのどちらかになった。その関係でムッタはケンジと気まずくなってしまうが、「先のこと考えるのやめたんだ わかってたけど…大事なのは結局…”今”だ」と伝える。ムッタは選ばれるかどうかではなく、訓練について考えようと決めたのである。
「We are ”Space brothers”(僕たちは“宇宙兄弟”です)」
月面でヒビトとの再会を果たしたムッタは、一息遅れてジョックやフィリップと医師のクジョーが遠隔操作するブギー、「マクシム4」のメンバーと合流する。そして改めてヒューストンに「無事会うことができた」と伝えると、キャプコム(管制官)のビンスから今の心境を尋ねられた。ムッタは「なんて言ったらいいのか」と前置きしつつ、「宇宙に来てから地球を眺めるたびに、関わってきたたくさんの人たちに仲間以上の気持ちを抱えてきた。それが今ヒビトと再会し、マクシム4と出会えたことによって何なのか分かりました。”We are space brothers”(僕たちは”宇宙兄弟です”)」と述べたのである。ムッタの言葉を聞いた管制室のメンバーたちは笑顔と拍手で盛り上がり、”兄弟”たちを祝福した。
念願であった弟ヒビトとの再会を地球が見える場所で果たし、作品タイトルでもある「宇宙兄弟」がムッタの口から語られた感動の一言である。
南波日々人(ヒビト)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「宇宙に行くの夢なんだろ。諦めんなよ。もし諦め切れるんなら、そんなもん夢じゃねえ」
「日本人初の月面着陸者に選ばれたヒビトの兄」というプレッシャーは想像以上に大きなもので、ムッタは思うように実力が発揮できないまま第二次審査を終了する。そして宇宙でミッションをこなす飛行士のために用意された支援プログラムにより、ムッタはヒビトに呼ばれてヒューストンでしばらくの間生活することとなった。様々な訓練をこなしてたくましく成長するヒビトの一方で、自信の持てないムッタは暗澹たる気持ちで毎日を過ごす。
さらに追い打ちをかけるようにJAXAの選行員がムッタの元職場に電話を掛け、上司に頭突きをして退職した事を知られてしまった。後輩からその事実を知らされ落ち込むムッタは、ヒビトに「92%俺落ちた。日本に帰ったら別の仕事探すわ」と告げる。続けて「昔JAXAの髪がふさふさした人が言ってたろ。強い運が必要だって。ドーハの悲劇生まれの俺に運はないんだよ」と諦めていた。
ヒビトは「何万人といるドーハの悲劇生まれの人は誰も願いが叶わないっていうのかよ。宇宙に行くの夢なんだろ。諦めんなよ。もし諦めきれるんならそんなもん夢じゃねえ」と言葉を返す。ムッタの合格を信じて疑わないヒビトが放った、印象深い深いセリフだ。
ヒビトがムッタに送ったメール
大勢の支えと努力によってPD(パニック障害)を克服し、宇宙飛行士に復帰することができたヒビトだったが、復帰からしばらくたっても次の指令が来る気配が無かった。宇宙飛行士たちをまとめ上げる室長のバトラーはヒビトを信じていたが、その他の上層部が「また問題を起こすのではないか」と考えミッションを回していなかったのだ。
このままNASAに居てもこれ以上自分が宇宙へ行くことはできないと悟ったヒビトは、誰にも告げず突然失踪する。ムッタはヒビトが心配で訓練に身が入らない状態に陥るが、失踪してからしばらくしたころようやく「月で会おう」というメールが届く。どん底に陥っていたヒビトが立ち直ったことを悟ったムッタは、気持ちを切り替えて自分にできることをこなしていった。
そしていよいよムッタたちが乗ったロケットが打ち上げられて宇宙についたころ、ヒビトから一通のメールが届く。そこには「楽しいだろ?宇宙って」と一言だけ書かれていた。メールを見たムッタは一瞬驚いた後に嬉しそうな笑顔を見せ、「ああ、そりゃもう。最高。バクバクだ」と返事を返す。そのころヒビトはロシアで空を見上げ、ムッタがいるであろう場所を笑顔で見守っていた。心から宇宙が大好きな兄弟の絆が伝わる名シーンである。
ムッタを救いに行くヒビト
PDを克服したにもかかわらずいつまでも任務に指名(アサイン)されない状況を理解したヒビトはNASAを辞め、もう一度月に行くためにロシアの宇宙飛行士「ロスコスモス」になるべく訓練を続けていた。当初は不愛想に見えるロシア人たちに気後れしてうまくいかなかったヒビトだが、徐々に打ち解けてついに宇宙飛行士試験に合格する。
その頃月面にてシャロン天文台の建設を始めとしたさまざまなミッションに取り組んでいたムッタだが、仲間の一人ベティが大怪我を負てしまった為、ムッタたちのチーム「ジョーカーズ」はムッタとフィリップを残して月を離脱した。ところが離脱したチームの帰還船がトラブルを起こしてやむなく予備の帰還船を使用したため、ムッタたちの帰還船がなくなってしまう。
こうして月に取り残されたムッタとフィリップを救うべく様々な案が出され、ロシアの帰還船を譲り受けて日本からロケットで打ち上げるという計画が決定した。そのロシアの帰還船に搭乗することになったのが、ヒビトの同期であるマクシムとフランツ、そしてヒビトに月面着陸を譲ってくれた日本人の先輩飛行士吾妻だった。
こうして結成されたチーム「マクシム4」は記者会見に臨むと、ヒビトは記者から兄が待つ月に行く今どんな心境なのかと尋ねられる。ヒビトは初めての記者会見の時と同様の癖でマイクを握りながら、笑顔で「訓練を続けていく中、いつもどこかにフワッと兄の存在を感じることがありました。兄は宇宙飛行士としてダメになってた僕をフワッと救ってくれました。今度は僕が兄を救いに行く番です」と堂々と答えたのだった。
PDの辛さを乗り越え、ロシアの宇宙飛行士になったヒビトの表情が印象的なシーンである。
「お待たせ」
ヒビトたち「マクシム4」を乗せたロケットは順調に月に向かっていたが、いざ着陸という瞬間にロシア側の地上トラブルが原因で中継が途切れてしまう。NASAやJAXA、ロスコスモスなどは一気に騒然となるが、「マクシム4」はヒビトの提案によって情報が無いままマニュアル作業で着陸していた。
一方NASAから着陸寸前にトラブルがあり現在位置情報がつかめていないという情報を聞いたムッタは、着陸している可能性を信じて手分けして捜索を始める。日本人宇宙飛行士の先輩ムラサキが遠隔操作するジョックと着陸予定ポイント周辺を探していたムッタだが、「小高い丘に登って上から見てみる」と提案し、急坂を回避するため遠回りするというジョックと別れて、一人丘の上に立った。
その途端ロシア側の工事の処置が終わり、通信が回復する。突然ヒビトから呼びかけられたムッタは驚いて慌てるが「うしろ、うしろ」と言われ振り向くと、そこには宇宙服を着こみ満面の笑みを浮かべたヒビトが立っていた。
ムッタは驚きと喜びで固まってしまうが、ヒビトは何事もなかったようにピースして「お待たせ」と元気に声を掛けたのである。ムッタの今までの苦労やもやもやをすべて吹き飛ばす、ヒビトらしい一言だ。
金子シャロンの名言・名セリフ/名シーン・名場面
「今のあなたにとって、一番金ピカなことは何?」
宇宙飛行士選抜試験の書類選考に合格したムッタだが、長らく宇宙への情熱を忘れて自己評価が低いムッタは一時筆記試験を受けるつもりはなかった。幼いころからムッタと日々とを見守ってきた天文学者のシャロンは、ふいに「久しぶりにセッションしようか」と声を掛ける。
ムッタとヒビトが子供の頃、シャロンはトランペットやピアノ、ギターや太鼓など様々な楽器を用意して「どれをやってみたい?」と尋ねた。するとムッタは「全部。だって全部やってみなきゃわからない」と答え、一時間かけてすべての楽器を鳴らして回ったのである。そして最終的にムッタが選んだのはトランペットであり、理由は「この中で一番音が出にくい」ことだった。
シャロンは当時の事を思い返しながら、ムッタに「昔のあなたってそんな子だったよ。何にでも挑戦して難しいことを選んだ」と伝える。それでも自信の持てなかったムッタは「トランペットが一番金ピカだったからじゃないかなぁ」とはぐらかしたが、シャロンはそれを否定せず「それならそれでいいのよ。今のあなたにとって一番金ピカなことは何?」と応えた。ハッとしたような表情になったムッタを満足そうに見たシャロンは、「さあドランペット持って。音を出して。うまくなくても、間違ってもいいのよ。まずは音を出して。音が無ければ音楽は始まらないのよ」と諭す。
シャロンの家を後にしたムッタは宇宙への情熱を取り戻し、仕事に対しても意欲的に取り組み始めたのである。悩むムッタの背中を押してくれた名言だ。
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目次 - Contents
- 『宇宙兄弟』の概要
- 南波六太(ムッタ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「グーみたいな奴もいて、チョキみたいな奴もいて、パーみたいな奴もいる。誰が一番強いか答えを知っている奴はいるか」
- ヒビトの打ち上げを見守るムッタ
- 「本気の失敗には価値がある」
- 「死ぬまでに宇宙に行けないのはもっと嫌だ」
- 「本当は 死ぬ覚悟……………できてません」
- 「ところが実は……一番なりたがってるのは……俺です」
- 「宇宙服は俺らの味方だ」
- 「ちょっとだけ無理なことに挑戦していこーぜ」
- 「先のこと考えるのやめたんだ わかってたけど…大事なのは結局…”今”だ」
- 「We are ”Space brothers”(僕たちは“宇宙兄弟”です)」
- 南波日々人(ヒビト)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「宇宙に行くの夢なんだろ。諦めんなよ。もし諦め切れるんなら、そんなもん夢じゃねえ」
- ヒビトがムッタに送ったメール
- ムッタを救いに行くヒビト
- 「お待たせ」
- 金子シャロンの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「今のあなたにとって、一番金ピカなことは何?」
- 「迷ったときはね、どっちが正しいかなんて頭で考えちゃダメ。どっちが楽しいかで決めなさい」
- 「It`s a piece of cake!」
- ムッタの月面着陸中継を聞きながら手術を受けるシャロン
- 伊東せりかの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「私の名前は伊東せりかです。名前に意味はありません!」
- 宇宙飛行士合格を父に報告するせりか
- 「星加さんおっしゃいましたよね。『チャンスがある方に賭けるしかない』って。チャンスは今ここにあります」
- 真壁ケンジの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「何の引っ掛かりもなく堂々と言えるか?『これが俺の一生の仕事です』って」
- 次女の命名シーン
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- 「死ぬ覚悟はあるか?」
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