南波日々人(宇宙兄弟)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『宇宙兄弟』とは、2007年に講談社『モーニング』にて連載がスタートした小山宙哉による漫画及び、原作をもとにしたアニメ、実写映画作品である。「兄弟二人で宇宙飛行士になる」という幼いころの約束を守って宇宙飛行士になった弟・日々人と、夢を諦めた兄の六太。兄思いの日々人は、大人になってからも六太が宇宙飛行士になることを心待ちにしていた。『宇宙兄弟』には、目標へ向かって一直線に進む日々人の熱いセリフが数多く登場する。

『宇宙兄弟』の概要

『宇宙兄弟』とは、2008年から『モーニング』(講談社)で連載された小山宙哉による宇宙を題材とした漫画、およびそれを原作としたアニメ、実写映画作品である。2012年から2014年にかけてテレビアニメが全99話放映されている。また2012年には監督森義隆、小栗旬(南波六太役)と岡田将生(南波ヒビト役)主演で実写映画『宇宙兄弟』が公開され、2014年にはアニメ映画『宇宙兄弟#0』が公開された。
宇宙飛行士の訓練の様子や科学技術など専門的な内容も多く含まれるが、ギャグテイストも含め分かりやすく面白く書かれている。また第56回小学館漫画賞一般向け部門、第35回講談社漫画賞一般部門を受賞するなど高い人気を誇っている。

幼いころに「二人で宇宙飛行士になる」という約束を交わした兄の南波六太(ムッタ)と、弟の南波日々人(ヒビト)の兄弟。ヒビトは夢をかなえて宇宙飛行士となるが、ムッタは夢を諦め自動車関連の技術者として働いていた。更にムッタは宇宙飛行士であるヒビトの事を馬鹿にした上司に頭突きを喰らわせ、クビになってしまう。ヒビトの成功を眩しく思いながら劣等感に苛まれ堕落した生活を送っていたムッタだが、もう一度夢を思い出してほしいヒビトの計らいによって、再びムッタの前に宇宙飛行士への道が示される。
紆余曲折を経て「今度こそ宇宙飛行士になって月へ行く」という強い想いを抱き、ムッタは宇宙飛行士の道を目指す仲間と共に様々な試練に挑むのであった。
『宇宙兄弟』には、目標へ向かって一直線に進む日々人の熱いセリフが数多く登場しており、人々の心を揺さぶっている。

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『宇宙兄弟』は、本気で夢に挑む多くのキャラクターが登場する大人の青春ドラマである。主人公の南波兄弟だけでなく、作品に登場するキャラクター一人ひとりに名言や名セリフ、名シーン、名場面が存在している。

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南波日々人(ヒビト)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「宇宙に行くの夢なんだろ。諦めんなよ。もし諦め切れるんなら、そんなもん夢じゃねえ」

ムッタ(左)の合格を信じて疑わないヒビト(右)はあえて強い言葉で発破を掛ける

「日本人初の月面着陸者に選ばれたヒビトの兄」というプレッシャーは想像以上に大きなもので、ムッタは思うように実力が発揮できないまま第二次審査を終了する。そして宇宙でミッションをこなす飛行士のために用意された支援プログラムにより、ムッタはヒビトに呼ばれてヒューストンでしばらくの間生活することとなった。様々な訓練をこなしてたくましく成長するヒビトの一方で、自信の持てないムッタは暗澹たる気持ちで毎日を過ごす。
さらに追い打ちをかけるようにJAXAの選行員がムッタの元職場に電話を掛け、上司に頭突きをして退職した事を知られてしまった。後輩からその事実を知らされ落ち込むムッタは、ヒビトに「92%俺落ちた。日本に帰ったら別の仕事探すわ」と告げる。続けて「昔JAXAの髪がふさふさした人が言ってたろ。強い運が必要だって。ドーハの悲劇生まれの俺に運はないんだよ」と諦めていた。
そんな宇宙飛行士になる夢を諦めかけていた兄に対して、ヒビトは「何万人といるドーハの悲劇生まれの人は誰も願いが叶わないっていうのかよ。宇宙に行くの夢なんだろ。諦めんなよ。もし諦めきれるんならそんなもん夢じゃねえ」と言葉を返す。本当に大切な夢であるならば諦めずに追い続けろという、ムッタの合格を信じて疑わないヒビトが放った印象深いセリフだ。

「そうだな世の中には”絶対”はないかもな でもダイジョウブ 俺ん中にあるから」

「絶対に宇宙飛行士になる」と言ったヒビトに対して、兄のムッタは「世の中に絶対なんてない」と発言する。その言葉に対してヒビトが言い放ったのが、「そうだな世の中には”絶対”はないかもな でもダイジョウブ 俺ん中にあるから」という言葉である。このセリフは、ヒビトの強い意志と夢に向かって突き進む覚悟を表している。幼少期から接待に宇宙飛行士になるという夢を疑わずに努力を重ねたヒビトの性格をよく表したセリフである。

ヒビトがムッタに送ったメール

宇宙についたベストタイミングに送られてきたヒビトのシンプルなメール

大勢の支えと努力によってPD(パニック障害)を克服し、宇宙飛行士に復帰することができたヒビトだったが、復帰からしばらくたっても次の指令が来る気配が無かった。宇宙飛行士たちをまとめ上げる室長のバトラーはヒビトを信じていたが、その他の上層部が「また問題を起こすのではないか」と考えミッションを回していなかったのだ。
このままNASAに居てもこれ以上自分が宇宙へ行くことはできないと悟ったヒビトは、誰にも告げず突然失踪する。ムッタはヒビトが心配で訓練に身が入らない状態に陥るが、失踪してからしばらくしたころようやく「月で会おう」というメールが届く。どん底に陥っていたヒビトが立ち直ったことを悟ったムッタは、気持ちを切り替えて自分にできることをこなしていった。
そしていよいよムッタたちが乗ったロケットが打ち上げられて宇宙についたころ、ヒビトから一通のメールが届く。そこには「楽しいだろ?宇宙って」と一言だけ書かれていた。メールを見たムッタは一瞬驚いた後に嬉しそうな笑顔を見せ、「ああ、そりゃもう。最高。バクバクだ」と返事を返す。そのころヒビトはロシアで空を見上げ、ムッタがいるであろう場所を笑顔で見守っていた。心から宇宙が大好きな兄弟の絆が伝わる名シーンである。

ムッタを救いに行くヒビト

「ムーンウォーカー」に選ばれたときの会見でも、ヒビトはマイクを握って注意されていた

PDを克服したにもかかわらずいつまでも任務に指名(アサイン)されない状況を理解したヒビトはNASAを辞め、もう一度月に行くためにロシアの宇宙飛行士「ロスコスモス」になるべく訓練を続けていた。当初は不愛想に見えるロシア人たちに気後れしてうまくいかなかったヒビトだが、徐々に打ち解けてついに宇宙飛行士試験に合格する。
その頃月面にてシャロン天文台の建設を始めとしたさまざまなミッションに取り組んでいたムッタだが、仲間の一人ベティが大怪我を負てしまった為、ムッタたちのチーム「ジョーカーズ」はムッタとフィリップを残して月を離脱した。ところが離脱したチームの帰還船がトラブルを起こしてやむなく予備の帰還船を使用したため、ムッタたちの帰還船がなくなってしまう。
こうして月に取り残されたムッタとフィリップを救うべく様々な案が出され、ロシアの帰還船を譲り受けて日本からロケットで打ち上げるという計画が決定した。そのロシアの帰還船に搭乗することになったのが、ヒビトの同期であるマクシムとフランツ、そしてヒビトに月面着陸を譲ってくれた日本人の先輩飛行士吾妻だった。

こうして結成されたチーム「マクシム4」は記者会見に臨むと、ヒビトは記者から兄が待つ月に行く今どんな心境なのかと尋ねられる。ヒビトは初めての記者会見の時と同様の癖でマイクを握りながら、笑顔で「訓練を続けていく中、いつもどこかにフワッと兄の存在を感じることがありました。兄は宇宙飛行士としてダメになってた僕をフワッと救ってくれました。今度は僕が兄を救いに行く番です」と堂々と答えたのだった。
PDの辛さを乗り越え、ロシアの宇宙飛行士になったヒビトの表情が印象的なシーンである。

「お待たせ」

ついに再会を果たしたヒビト(左)とムッタ(右)

ヒビトたち「マクシム4」を乗せたロケットは順調に月に向かっていたが、いざ着陸という瞬間にロシア側の地上トラブルが原因で中継が途切れてしまう。NASAやJAXA、ロスコスモスなどは一気に騒然となるが、「マクシム4」はヒビトの提案によって情報が無いままマニュアル作業で着陸していた。
一方NASAから着陸寸前にトラブルがあり現在位置情報がつかめていないという情報を聞いたムッタは、着陸している可能性を信じて手分けして捜索を始める。日本人宇宙飛行士の先輩ムラサキが遠隔操作するジョックと着陸予定ポイント周辺を探していたムッタだが、「小高い丘に登って上から見てみる」と提案し、急坂を回避するため遠回りするというジョックと別れて、一人丘の上に立った。
その途端ロシア側の工事の処置が終わり、通信が回復する。突然ヒビトから呼びかけられたムッタは驚いて慌てるが「うしろ、うしろ」と言われ振り向くと、そこには宇宙服を着こみ満面の笑みを浮かべたヒビトが立っていた。

ムッタは驚きと喜びで固まってしまうが、ヒビトは何事もなかったようにピースして「お待たせ」と元気に声を掛けたのである。ムッタの今までの苦労やもやもやをすべて吹き飛ばす、ヒビトらしい一言だ。

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