ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』とは、2001年~2003年に公開された、J・R・R・トールキン作の『指輪物語』を原作とした『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』三部作映画の第一作目。中つ国(ミドル・アース)を舞台に、主人公のフロドを含む9人の旅の仲間が、冥王サウロンを完全に滅ぼすため、全てを統べる「一つの指輪」を破壊する物語である。

力の指輪

サウロンが助力し、エルフの金銀細工師達によって作られた指輪。強大な魔力を秘めており、『一つの指輪』『三つの指輪』『七つの指輪』『九つの指輪』計20個の指輪が存在している。
元来、力の指輪はエルフの願いである、中つ国の荒廃を癒し、美しく価値あるものを時の流れから保護する目的のために作られたため、全ての力の指輪には共通して、時による老いや衰えを遅延させ、またそのものが生来持っている力を高めるという効果がある。
『一つの指輪』をサウロンの元へ、『三つの指輪』は空の下なるエルフの王の元へ、『七つの指輪』は岩の館やかたのドワーフの君の元へ、『九つの指輪』は死すべき運命さだめの人の子の元へ渡った。
全ての指輪の制作にサウロンが関与しているため、指輪の所有者はサウロンの意思に影響され、不幸な運命を辿ることとなる。しかし、『三つの指輪』は金銀細工師達のケレブリンボールが独自に制作したもので、サウロンの影響を受けることはない。但し、全ての指輪を統べる『一つの指輪』がサウロンの元へ戻れば『三つの指輪』の所有者もサウロンの支配下に置かれる。

一つの指輪

冥王・サウロンが所有していた指輪。
サウロンの元を離れてから、多くの所有者のもとを渡り歩く。指輪はサウロンの意思を宿しているため、所有者はその影響を受けて性格が変貌し、最終的にはサウロンの奴隷となる。強靭な意思を持つ人物であれば指輪を制御することもできるが、指輪は確実に所有者を蝕んでいる。そのため、最終的にはサウロンの奴隷となり、新たな冥王となってしまう。ガンダルフなどの賢人も指輪を防衛のために使うことを拒否し、破壊しなければならないと考えた。
物理的に破壊することは不可能とされている。サウロンを上回る力の持ち主による破壊、もしくは、指輪を作った『滅びの山』にある『不滅の炎』による破壊しかできないとされている。

指輪を装着すると透明になる能力があるが、それは指輪の一つの能力に過ぎない。指輪に逆らうことなく意思を委ねれば、サウロンが所有していた能力を使うことができる。
『主なる指輪』『支配する指輪』『指輪の中の指輪』とも呼ばれており、サウロンが『一つの指輪』を所有すると、他の指輪の所有者はサウロンの支配下に置かれる。

三つの指輪

エレギオンの領主エルフ族のケレブリンボールが単独で作り上げた、エルフ族のための三つの指輪『風の指輪(ヴィルヤ)』、『水の指輪(ネンヤ)』、『火の指輪(ナルヤ)』のことを指す。
一つの指輪を除いた十九の指輪の中で、最大の力を持っていた三つの指輪は、エルフの最後の拠点や、自由の民を守るために密かに使用されていた。
だが同時に、その者が抱いている願いや欲望をも強くするという危険性をはらんでおり、定命の者にとっては破滅的に危険なものであった。
三つの指輪はサウロンの手には触れられていないため、他の力の指輪とは異なり所持者が堕落することはない。しかし、これらも一つの指輪によって支配されるため、
一つの指輪がサウロンの手に渡れば、三つの指輪の作用と所持者はサウロンに支配されてしまうことになる。また一つの指輪が滅びれば、三つの指輪の力も消失すると考えられている。

七つの指輪

ドワーフ族に与えられた。
ドワーフ族は非常に頑強な種族であり外部からの影響をほとんど受け付けない性質を持っていたため、寿命が引き延ばされることも、サウロンに仕える指輪の幽鬼・ナズグルに変えられてしまうこともなかった。
ドワーフ族達はただ富を得る手段としてのみ指輪を使用し、これらを元にして七大財宝を築き上げたと言われている。
だがサウロンの悪意のこもった指輪であったために、ドワーフ族達は飽くなき欲望に身を落とし錯乱するなどして、最後には富によって破滅することになる。
その後、七つの指輪はすべてサウロンに奪われる、又は竜の炎で焼かれて消滅した。
物語の中でサウロンの使いは、ホビットの指輪を渡せば“昔ドワーフの諸侯のものであった三つの指輪”をダイン達に返すと話しており、この言葉やガンダルフの発言から、サウロンが取り戻した現存する七つの指輪は、三個であると思われる。

九つの指輪

力の指輪のうち、人間に与えられた指輪。
力の指輪に共通する効果に加え、使用者の姿を不可視にし、同時にその者が本来見ることのできない領域の物事を目にすることができる効果をも併せ持っていた。だがそれはサウロンの影響下にある「幽界」に身を置くことであり、使用者が目にする物事もサウロンによる惑わしであることが非常に多かった。

この指輪を与えられたのは人間の偉大な王や妖術師達であり、彼らは指輪から力を得てその絶頂期には強大な権勢を振るうに至ったが、やがては全員が遅かれ早かれ影の下に入って永遠に不可視の存在となり、サウロンに隷属する恐るべき指輪の幽鬼ナズグルと化した。

種族

ホビット族

身長60~120cmで、足裏の皮が厚いため靴を履くことがなく平均寿命は100歳。
性格は平和的で穏やか。農業、食事、酒、タバコが大好き。
起源は不明だが、人間の支脈であると言われている。
ビルボ、フロド、サム、メリー、ピピンがこれにあたる。

エルフ族

身長は人間と同じか高い。中つ国(ミドル・アース)に生きる全ての存在の中で、最も美しくかつ優れた資質を与えられている。
疲れを知らず、病気にならず、感覚が鋭く聴覚視覚に優れ、頭が良く善良。
寿命がなく、死因としては、「肉体の損傷」と「生きることへの疲れ」の二つがある。

エルフ族には民族があり、移住を試みる大いなる旅でどのように行動したかによって分類が決まる。
大いなる旅に出た者はエルダールと呼ばれ、その中で第一陣はヴァンヤール、第二陣はノルドール、第三陣はテレリとなる。
テレリは更に分けられ、大海を渡ったものはファルマリ、大海を越えずベレリアンドに残った者はシンダール。
ベレリアンドに入る以前に霧ふり山脈を西に越えなかった者はナンドールと呼ぶ。ナンドールのうち、
後になって霧ふり山脈を南に迂回して青の山脈を越えオッシリアンドに住んだ者はライクウェンディ(緑のエルフ)、霧ふり山脈の東に残った者はタワルワイス(シルヴァン・エルフ)となる。
また、旅を拒んだ者はアヴァリと呼ばれる。

ドワーフ族

身長は人間より背が低く120~150cmほど、非常にガタイがよく強靭な肉体と精神力を持ち、男女ともにヒゲを生やしている。
寿命は250歳ほどで長いと300年生きることもある。採掘と工芸の技術に優れ、時にはエルフの作品を凌駕することもある。
ギムリがこれにあたる。

魔法使い(イスタリ)

魔法使いというのは人間が呼んでいるだけで、正式な名称は「イスタリ」といい、神に遣わされた存在である。
サウロンと対峙する中つ国(ミドル・アース)の民を援助するために遣わされており、エルフや人間と対等な立場になるため人間の老人の肉体をまとっている。その為、堕落してしまうこともある。
ガンダルフ、サルマン、ラダガストがこれにあたる。

人間

エルフ族やドワーフ族より弱く、大きく劣るが、これは柔軟さの裏返しでもある。
狩りや見張りの力を持つなど、独自に特殊な能力を発達させている者が多い。一般の人間の寿命はおおよそ60~80歳。
アラゴルン、ボロミアがこれにあたる。ただし、アラゴルンは人間であるがエルフの血も入っており長命で210歳で世を去った。

オーク

初代冥王メルコールに捕らえられ、拷問や残忍な術によって心身ともにねじ曲げられたエルフの成れの果て。又はメルコールやサルマンがエルフや人間を真似て作り上げた存在。
醜い姿で体格は小柄、頭はあまり良くないが手先は器用。そのため戦争で使用する武器防具道具を作り出すことが出来る。好戦的で争いを好む。持久力は高いが、太陽の光を忌み、その下では混乱して力を失う。全ての他種族を強く恨んでおり、主人のメルコールやサウロンさえも憎んでいるが恐怖によって抵抗できず支配されている。その中でも小柄なものをゴブリンと呼ぶ事がある。ウルク、ウルク=ハイは全てオークの種類である。

ウルク

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