ジュスティーヌ&カロリーヌ/ラヴェンツァ(ペルソナ5)の徹底解説・考察まとめ

ジュスティーヌ&カロリーヌ/ラヴェンツァとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の5作目に登場するキャラクターである。P5主人公の手伝いをする不思議な青い部屋・ベルベットルームの住人。本作のベルベットルームは「監獄」がテーマの為、ジュスティーヌ&カロリーヌは「双子の看守」としてP5主人公の「更生」を手伝っていく事となる。元はラヴェンツァという1人の少女であったが、本作の黒幕・聖杯/ヤルダバオトによって、ジュスティーヌ&カロリーヌの2人に分断されてしまう。

偽イゴールの発案で始まった「刑務作業」

P5主人公(囚人服姿の少年)に「刑務作業」の内容を説明するジュスティーヌ。

P5主人公がベルベットルームに訪れて以降、ジュスティーヌ&カロリーヌはイゴールと共に「P5主人公の更生」という名目で、彼のペルソナ使いとしての活動を手伝っていく事になる。その活動の裏には、ペルソナ使いとしてのP5主人公の活動が絶頂期を迎えた瞬間に、絶望の底へ叩き落とそうとする、聖杯/ヤルダバオトの企みが隠されていた。そんな企みに利用されているなど全く知らないジュスティーヌ&カロリーヌは、偽イゴールに言われたとおりに、P5主人公の更生の手伝い、そして監視に務めていく。

そんなある日、2人は偽イゴールの提案で、P5主人公に「刑務作業」として課題を与える役割を担わされる事となる。そこでジュスティーヌ&カロリーヌは、P5主人公に、自分達が特殊な縛り(条件)をつけたペルソナを持ってくるように指示する。「刑務作業」は強制的なものではなかったので、特にやらずとも良いものではあったが、後日、P5主人公はジュスティーヌ&カロリーヌに言われた通りのペルソナを持ってベルベットルームにやってくる。そんな彼の姿勢にジュスティーヌ&カロリーヌは、「彼には更生の余地があり」という、看守として嬉しい結論を導き出す。そうして、P5主人公の「囚人」としての謙虚な働き具合に感心したジュスティーヌ&カロリーヌは、褒美として様々なベルベットルームの機能を開放していき、それに伴う形で、P5主人公のペルソナ活動のさらなる手伝いに励むようになる。

以降、定期的に「刑務作業」をP5主人公に言い渡すようになる、ジュスティーヌ&カロリーヌ。P5主人公の方も彼女達に言われた通りのペルソナを作っては、2人のもとへ持っていくようになる。自分達から課せられる難しい条件のペルソナを作り上げてくるP5主人公の姿に、ジュスティーヌ&カロリーヌは次第に彼のペルソナ使いとしての力を認めていくようになる。だが反面、ジュスティーヌの方は、強いペルソナが作れるようになるからといって、それが本当にP5主人公の「更生」に繋がるのかと疑問を持ち出す。さらに、「刑務作業」が記載されているリストの内容が、P5主人公のような「複数のペルソナを使いこなせる」者向けであった事や、この作業を言い渡してきた偽イゴール自身が、P5主人公にそのような力が与えられている事を知っていない、という偽の情報がジュスティーヌ&カロリーヌの中にあった事から、2人はリストの存在そのものを怪しむようになっていく。だが、たとえリストに何かが隠されていたとしても、書かれている全ての課題をこなすという目標を成せば、リストに隠された真相を知る事ができるのではないか、という結論にたどり着き、2人はP5主人公に課題を与え続けていく事にする。

そんなある時、ジュスティーヌの方が、リストの役割についてある仮説を導き出す。それはリストを通す事で、P5主人公の力を引き出すと共に自分達の中にある「何か」を引き出す為のものなのではないか、という説だった。実は彼女達にはP5主人公が「取引」という形で人々と結んだ絆、そしてそこから誕生する、ペルソナへ通ずる「力」の存在が「アルカナ」という形で見えている状態にあった。そしてこのアルカナは、「刑務作業」という形でP5主人公と交流を図るようになったジュスティーヌ&カロリーヌにも存在し、2人の場合は「剛毅」と呼ばれるアルカナが存在していた。剛毅というアルカナには、「潜在能力が引き出される事」という意味が存在しており、それが自らの役割に近しい事に気づいたジュスティーヌは、そこにリストへの答えがあるのではないか、と推測したのである。そんなジュスティーヌの推測にカロリーヌは驚きながらも、P5主人公と交流を図る事で、何やら少しずつ胸のざわめきを覚えていた自覚があった為に、彼女の仮説を受け入れる。そうして、この仮説の正しさ、リストに隠された「答え」を見つける為にも、P5主人公に囚人として「刑務作業」へ励むように言い渡すのだった。

リストの役割と思い出した真の姿

リストに書かれた全ての「刑務作業」をやり遂げたP5主人公の力を認めたカロリーヌ。

リストに隠されたものを知る為、P5主人公へ課題を課していくジュスティーヌ&カロリーヌ。結果、彼女達は、このリストの内容が「P5主人公自身の成長」を促すと同時に、自分達自身を「変化」させるものであったのだという事に気づく。さらにジュスティーヌの方が、リストを書いたのが「私『たち』である」という記憶を思い出す。それは2人がラヴェンツァであった時の記憶だった。ジュスティーヌ&カロリーヌは、リストを書いた人物が自分達であると理解するが、しかしそれがどういう事なのかがまだ推測の域でしかない事や、それを認めてしまえば、これまでの出来事の全てを覆す事になるのではないか、という考えからP5主人公には詳しい事実を告げない事にする。だがP5主人公自身が成長した事や、それを喜ぶ自分達が確かに居る事から、P5主人公に最後の褒美を与えると同時に、自分達が気づいた「真実」にP5主人公自身が自分で気づくように告げる。この出来事以降、彼女達が「刑務作業」をP5主人公に告げる事はなくなり、2人は「刑務作業」が行われる以前の頃のようにP5主人公を手伝うだけの日々へと戻る事となる。

しかしそれからしばらくしたある日、P5主人公の更生が失敗する事件が起こる。実はP5主人公は、ペルソナ能力を用いて、同じ能力を持った仲間達と共に「心の怪盗団」という名で、「悪人」の改心を行う活動をしていた。しかし、これまでの一連の事件の黒幕として、聖杯が存在している事に気づいた事から、P5主人公は仲間達と共に聖杯のもとへ向かう。だが、その圧倒的な力を前に敗れ、さらには現実世界の人々が持つ「認知」の中から、「心の怪盗団」という認知を消されてしまった為に、現実世界から存在を消される事になってしまう。次にP5主人公が目を覚ました時、彼はベルベットルームに居た。そうして偽イゴールから「更生が失敗に終わった」事、その罰として「死刑」に処す事を告げられる羽目になる。だがそれに慌てたのがジュスティーヌ&カロリーヌだった。偽イゴールのやりすぎな刑に違和感を覚えた2人だが、主からの命令に従わないわけにはいかないと、P5主人公の処刑の準備を行う。だが、まだ死ぬわけにはいかなかったP5主人公は、彼らに自分の中にある「反逆の意思」を示し、生き残る為にジュスティーヌ&カロリーヌと戦闘を行う。するとP5主人公と戦った事が刺激となったのか、ジュスティーヌ&カロリーヌは次第に自分達の「本来の役目」を思い出していく。P5主人公を殺すのではなく、彼の手伝いをし、真実へ導く事が本当の役割だと思い出した2人は、それがきっかけとなり、ラヴェンツァとしての記憶と姿を取り戻す。そうして、真のベルベットルームの住人・ラヴェンツァとして、P5主人公と共に偽イゴールと対峙する。

取り戻した真の姿でP5主人公とその仲間達を支えるラヴェンツァ

封印が解けた事で、ベルベットルームに戻ってきたイゴール(机に伏している老人)の姿に声をあげるラヴェンツァ。

双子がラヴェンツァに戻ってしまった事で、味方を失った偽イゴールは、P5主人公達に己の正体を明かす。そうしてP5主人公に、「取引をしよう」と持ちかける。自らの運命に抗い、死を免れたP5主人公の実力を認め、望むのならば世界をメメントスと融合する前に戻してやろうと提案する偽イゴールこと、聖杯/ヤルダバオト。だがそれを選ぶと、大衆の心を改心させる事はできず、「誰かに全てを任せて、自分は特に何もせず何も考えず生きていきたい」という怠惰な願いを持たせたまま、メメントスの奥で聖杯/ヤルダバオトに統制され続ける世界になる事に気づいたP5主人公は、彼の提案を断り、聖杯/ヤルダバオトと戦う道を選ぶ。P5主人公の選択に失望した聖杯/ヤルダバオトは、P5主人公達を叩きのめす事を宣言し、彼らの前から姿を消す。

聖杯/ヤルダバオトが消えた後、イゴールの封印が解かれる。以降、ラヴェンツァは戻ってきた本当の主と共に、P5主人公の手伝いを行っていく事となる。手始めに、ベルベットルームの外に広がる牢獄の中に閉じ込められていた「心の怪盗団」の仲間達をP5主人公に救い出すよう、指示する。P5主人公は言われた通り、部屋の外で牢屋にいれられていた仲間達を救い出し、再びベルベットルームへ戻る。そうしてラヴェンツァ、イゴールと話をし、彼らの助けを借りる形で、再び聖杯/ヤルダバオトに戦いを挑みに行く。

ラヴェンツァ達の助けを借りつつ、再び聖杯/ヤルダバオトのもとに辿り着くP5主人公。そんなP5主人公達を出迎えた聖杯/ヤルダバオトは、今度こそ本当に彼らを消し去る為、攻撃を開始する。聖杯/ヤルダバオトの強大な力に屈しかけるP5主人公達。だがその時、P5主人公がこれまで絆を結んできた人々を筆頭に、世界や人々を聖杯/ヤルダバオトの支配から救おうと奮闘する怪盗団に気づいた大衆が、怪盗団の事を支持し始める。結果、多くの人々の聖杯/ヤルダバオトへの「反逆の意思」が力に変わり、P5主人公達のもとへ届く。そうしてP5主人公がその力をもって、自らの初期ペルソナアルセーヌを新たなペルソナ・サタナエルへ覚醒させる。そうして驚く聖杯/ヤルダバオトへ、スキル「大罪の徹甲弾」を放ち、彼の頭を撃ち抜く。P5主人公の力、そして人々の「反逆の意思」に頭を貫かれた聖杯/ヤルダバオトは、人間が見せた可能性に感服し、そのまま消えゆくこととなった。こうしてP5主人公達は事件の黒幕を倒し、ラヴェンツァもベルベットルームの住人として、本来の役割を果たす事に成功したのだった。

ジュスティーヌ&カロリーヌ/ラヴェンツァの関連人物・キャラクター

心の怪盗団

P5主人公/ジョーカー

本作の主人公。プレイヤーの分身でもある。他のペルソナ使いには存在しない、複数のペルソナを使いこなせる「ワイルド」や「トリックスター」と呼ばれる能力を持っており、「心の怪盗団」のリーダー兼切り札として活躍している。ある時、酔った男に絡まれていた女性を助けたところ、男から傷害の濡れ衣を着せられてしまい、「保護観察処分」となってしまう。地元に居づらくなった事から、ほとぼりが冷めるまではと、東京にいる両親の知り合いのもとへ預けられる。東京へ来てしばらくしたある日、夢を通してベルベットルームに招かれ、そこでジュスティーヌ&カロリーヌ、それからベルベットルームの主だというイゴールと出会う。イゴールから認知世界に入れるアプリ「イセカイナビ」を渡される。その後、認知世界での出来事を通して、ペルソナ使いに覚醒。さらに、認知世界で現実世界の「悪人」の改心を行える事が判明した事から、自身と同じように認知世界でペルソナ使いに覚醒した仲間達と共に「怪盗団」を結成し、「悪人」の改心を行っていくようになる。
ジュスティーヌ&カロリーヌの2人とは、ベルベットルームに訪れる「囚人」とその「囚人の更生の手伝いを行う看守」という立場で接している。物語終盤まではラヴェンツァとの面識はなかったが、度々彼女のシンボルである青い蝶とは出会っていた。なお、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(P5R)では、度々彼女の助けを求める「声」だけを聞ける要素が追加された。

モルガナ

「心の怪盗団」の仲間。P5主人公と共に「心の怪盗団」を結成したメンバーである。猫のような姿をしたペルソナ使いだが、本人曰く「ニンゲンである」とのこと。とある事件で生身を失い、それを取り戻すべくダンジョン「パレス」内にあるオタカラを求めている。
だが物語後半、実はベルベットルームのイゴールが、P5主人公達人間を「より良き真実」へ導く為に用意した存在であった事が判明。「人々の希望」をかき集める形で創造されたものの、イゴールがラスボス・ヤルダバオトに封印される直前になんとか作り上げた為に、不完全な存在として生まれてしまい、自分は人間である、という勘違いをしてしまっていた。
物語終盤、「心の怪盗団」の仲間達と共に聖杯/ヤルダバオトのもとへ、最後の戦いを挑みに行くが敗北。現実世界から存在を消され、ベルベットルームの外にあった牢屋に閉じ込められてしまう。だがP5主人公により、危機を脱する事に成功。他の心の怪盗団の仲間達と共に、ベルベットルームに集結し、再び聖杯/ヤルダバオトを倒しに行く事を誓う。ジュスティーヌ&カロリーヌとの面識はないが、ラヴェンツァとはベルベットルームに訪れた際に出会う。なお、『P5R』では、裏ボスのジュスティーヌ&カロリーヌと戦う形で顔を合わせる事が可能となった。

坂本竜司(さかもと りゅうじ)

「心の怪盗団」の仲間であり、自称「怪盗団の切り込み隊長」。P5主人公、モルガナと共に「心の怪盗団」を結成したメンバーでもある。P5主人公と同じ秀尽学園に通っている高校2年生。喧嘩っ早く、お調子者な面がある為、よくの他の怪盗団女性陣からたしなめられている。
物語終盤、「心の怪盗団」の仲間達と共に聖杯/ヤルダバオトのもとへ、最後の戦いを挑みに行くが敗北。現実世界から存在を消され、ベルベットルームの外にあった牢屋に閉じ込められてしまう。だがP5主人公により、危機を脱する事に成功。他の心の怪盗団の仲間達と共に、ベルベットルームに集結し、再び聖杯/ヤルダバオトを倒しに行く事を誓う。ジュスティーヌ&カロリーヌとの面識はないが、ラヴェンツァとはベルベットルームに訪れた際に出会う。なお、『P5R』では、裏ボスのジュスティーヌ&カロリーヌと戦う形で顔を合わせる事が可能となった。

高巻杏(たかまき あん)

「心の怪盗団」の仲間。P5主人公、モルガナ、竜司と共に「心の怪盗団」を結成したメンバーでもある。P5主人公と同じ秀尽学園に通っている高校2年生。アメリカ系クォーターで、自らの外見を活かして、読者モデルのバイトをしている。秀尽学園の教師・鴨志田卓(かもしだ すぐる)の教師とは思えぬ悪逆非道な指導により、親友が傷つけられた事をきっかけに、「悪人」である鴨志田と対峙する為、ペルソナ使いに覚醒する。
物語終盤、「心の怪盗団」の仲間達と共に聖杯/ヤルダバオトのもとへ、最後の戦いを挑みに行くが敗北。現実世界から存在を消され、ベルベットルームの外にあった牢屋に閉じ込められてしまう。だがP5主人公により、危機を脱する事に成功。他の心の怪盗団の仲間達と共に、ベルベットルームに集結し、再び聖杯/ヤルダバオトを倒しに行く事を誓う。ジュスティーヌ&カロリーヌとの面識はないが、ラヴェンツァとはベルベットルームに訪れた際に出会う。なお、『P5R』では、裏ボスのジュスティーヌ&カロリーヌと戦う形で顔を合わせる事が可能となった。

喜多川祐介(きたがわ ゆうすけ)

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【ペルソナ5】世界観が特徴的なPS4用ソフトを大特集!シュールさがクセになる!【風ノ旅ビト】

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ゲーム選びの際に重要視するポイントとして、ストーリーの面白さやキャラクターデザインにこだわっているというプレイヤーは多い。しかし「たまには一味違ったゲームを楽しみたい」という時には、世界観に注目して選んでみてはいかがだろうか。PS4には「シュールさにハマる!」とプレイヤーから評価された作品が多数あるのだ。本記事では世界観が特徴的なPS4用ソフトを、厳選して紹介する。

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ペルソナシリーズ歴代主人公の不幸な要素まとめ

ペルソナシリーズ歴代主人公の不幸な要素まとめ

『ペルソナシリーズ』では、主人公や仲間が困難に立ち向かい、成長していく様子が描かれる。主人公はストーリーの導入として序盤から不幸な目に遭っている場合が多い。中でも『ペルソナ2』の周防達哉は最後まで報われないことで有名である。 ここでは『ペルソナシリーズ』歴代主人公の不幸な要素をまとめた。

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ペルソナシリーズのシャドウとは?由来・元ネタとなったユング心理学を交えて解説!

ペルソナシリーズのシャドウとは?由来・元ネタとなったユング心理学を交えて解説!

『ペルソナシリーズ』に登場する重要な用語である「ペルソナ」や「シャドウ」は、ユング心理学に由来する言葉だ。ペルソナ4では仲間たちが自身のシャドウと向き合うことでペルソナを獲得するという流れになっており、これらの語句がストーリーと密接に関わっている。 ここではユング心理学ではどのように説明されているのかを交えて、「ペルソナ」や「シャドウ」について解説を行う。

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