トップをねらえ!(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『トップをねらえ!』とは、1988年にGAINAXによって制作された庵野秀明初監督のSFロボットアニメ作品。主人公タカヤ・ノリコが、努力と根性で苦難を乗り越え成長しながら未曾有の脅威「宇宙怪獣」と戦っていく。OVAの金字塔とまで言われ、いまだに多くのファンに愛され続けている。キャッチフレーズは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」。

宇宙怪獣

人類を脅かす脅威となる生物であり、基本的に本能で活動している。巣は銀河系の中心に存在し、恒星に卵を産みつけ繁殖しながら人類の文明目指して破壊を伴う進軍を行う。通常の生物のように繁殖を行動目標としておらず、その目的は人類文明の破壊そのもので、人類というバクテリアを駆除するための存在ともいわれている。電流が弱点で、そのためマシーン兵器やバスターマシンはプラズマランサーやバスターコレダーなど多くの電撃兵器を装備している。

トップをねらえ!の魅力

ノリコの成長と感動的な物語

トップをねらえ!の魅力の一つは、そのストーリーの中にある。
最初はマシーン兵器の操作すらまともに出来ずにいじめられたノリコが、努力と根性で様々な試練や苦難を超え、マシーン兵器の操縦はもちろん、宇宙怪獣と戦う能力だけではなく人間的にも成長していく姿は必見だ。

特にこのガンバスターが初めて二人で合体し、無数の宇宙怪獣と戦うシーンは屈指の名場面で、非常に熱い場面だ。
さらに、昔からのパートナーであるノリコとカズミの内面の変化や成長がよく感じ取れる、感動的な場面でもある。
戦意を喪失し、呆然とするカズミに対し、ノリコは「カズミ、戦って!!」と一喝する。
今まで雲の上の存在であったカズミに対し、「お姉様」ではなく「カズミ」と呼び、一喝したこの場面は、ノリコの確かな成長を感じさせてくれる。
また、合体し、必殺技のスーパーイナズマキックを放つ際の
「お姉様、あれを使うわ」
「ええ、よくってよ」
と掛け合うセリフは、カズミがノリコをパートナーとして認めたことや、「あれ」だけで何をするのかが伝わっていることから、2人の抜群のコンビネーションを感じ取れる名台詞である。

緻密に練られた設定と多くのオマージュ

また、濃厚なストーリーの中に多くのオマージュネタや、非常に深い設定が練りこまれていることも、この作品の魅力の一つだ。
オマージュネタは非常に多くの所にちりばめられていて、タイトルの「トップをねらえ!」が既に当時の作品であるトップガン、エースをねらえの二作品からのオマージュである。
ほかにも、マシーン兵器の名称である「RX-7」はマツダの有名な車からきていて、ノリコのマシーン兵器の愛称「ナウシカ」も、ジブリ作品の風の谷のナウシカからきている。
さらに、登場人物の多くは制作会社であるGAINAXやアニメ会社と何かしらの関係がある人物の名前からきている。例えばタカヤ・ノリコの名前は、スタジオジブリでハーモニー処理を担当している「高屋法子」さんからである。

また、「ウラシマ効果」という科学的な設定を使用しており、これが作品の中でも非常に重要な要素になる。
ウラシマ効果とは、光速度に近い速度で運動している系の時間の進み方は、静止している観測者に比べて遅くなる現象である。
このため、亜光速で移動する宇宙での任務に就いたノリコは、一年程度の任務に就いただけだが、地球上では10年もの年月が経っていて、友達や周りの人たちに取り残されていってしまい、その葛藤も物語の中では語られていくことになる。

トップをねらえ!は、たったの6話でいながらこれだけの濃厚さを持つ、不朽の名作と呼ぶにふさわしい作品だ。
また、6話という少ない話数なため、非常に見やすい作品となっている。
様々なオマージュネタ、科学的要素を紐解いていきながらじっくり見ても、王道の熱血ロボットアニメとして気軽に見ても、多くの感動を与えてくれる。
OVAの金字塔とまで言われ、いまだに多くのファンに愛され続ける要因である。

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