両儀式(空の境界)の徹底解説・考察まとめ

両儀式(りょうぎ しき)とは、奈須きのこ原作の小説およびアニメ作品『空の境界』の主人公である。名門・両儀家の次期当主。事故による2年間の昏睡から目覚め、万物の死を視覚化する異能「直死の魔眼」を得た。本来は肯定を司る女性人格「式」と、否定を司る男性人格「織」を宿す二重人格者だったが、事故で織が消滅。以降は織の男口調を補完しながら、不確かな生の実感を得るため異能との戦いに身を投じる。彼らの肉体には、根源の渦『 』(から)と繋がった第三の人格『両儀式』も眠っている。

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無垢識・空の境界(むくしき・からのきょうかい)

剣士(セイバー)の霊基時に放つ全体対象の宝具。万物の死の線を完全に視覚化し、手にした日本刀による鮮烈な一撃ですべての存在を文字通り両断する。これは単に対象の肉体を切り裂くだけでなく、その存在が持つ命の繋がりそのものを概念から消滅させる絶対的な一撃となる。

両儀式の来歴・活躍

黒桐幹也との邂逅と連続猟奇殺人事件

1995年3月、両儀式は街中で黒桐幹也(こくとう みきや)と運命的な出会いを果たす。翌4月、観上高等学園の入学式で再会した二人は、周囲を寄せ付けない式の独特な雰囲気がありながらも、少しずつ距離を縮めていった。
その過程で幹也は、式の中に眠るもう一つの明るい男性人格「織」の存在を知る。出会うものすべてに殺意を抱き、「自分は殺人者だ」と告げる織に幹也は戸惑うが、それは織が破壊衝動そのものであり、物事を測る基準に「殺人」しか持ち合わせていないためだった。時を同じくして観布子市内では凄惨な連続猟奇殺人事件が発生し、不穏な影が二人を取り巻いていく。

身代わりの死と二年の昏睡

1996年1月、織は占い師「観布子の母」から近く訪れる死を断言される。しかし「織は死ぬが、織が見た『式が幸せに暮らす』という夢は生き続ける」とも予言されていた。その後、黒桐幹也への想いや殺人衝動との間で激しく葛藤した式は、道路に飛び出し自動車事故に遭う。本来なら式自身が死ぬはずの事故だったが、織が身代わりとなって消滅することを選んだ。この事故を境に式は、約2年間に及ぶ長い昏睡状態へと陥る。

覚醒と「直死の魔眼」の開眼

1998年6月、昏睡から奇跡的に目覚めた式だったが、視界に広がる万物の「死の線」に恐怖し、自らの目を潰そうとする。そこへ魔術師・蒼崎橙子(あおざき とうこ)が現れ、その眼が「直死の魔眼」であることを教えるとともに、半身であった織の喪失を指摘した。
生の実感を失い抜け殻となった式のもとへ、織の消えた隙間を狙って病院の悪霊たちが襲いかかる。橙子の手引きで自らの中へと悪霊を引き込んだ式は、ナイフを用いて自身の内側で悪霊だけを殺害。魔眼を受け入れ、生きる覚悟を決めて退院した。退院後は実家に戻らず自らがオーナーを務めるアパートで一人暮らしを始め、橙子が営む「伽藍の堂」の裏仕事を請け負うようになる。

痛覚の喪失と「歪曲の魔眼」との死闘

1998年7月、肉体をねじ切られた変死体が多数発見される事件が発生。「伽藍の堂」に犯人の保護、あるいは殺害の依頼が舞い込む。犯人は、不良グループに陵辱されていた少女・浅上藤乃(あさがみ ふじの)だった。
無痛症であった彼女は、一時的に痛覚を取り戻したことで秘められた異能「歪曲の魔眼」を覚醒させ、生の実感を得るために殺戮を繰り返していた。式は、自覚なきまま尊厳を奪う「殺戮」を行う藤乃を激しく嫌悪し、対峙する。激闘の末、藤乃の能力によって左腕を破壊されるものの、式はその「能力の赤色と緑色の軸」そのものを魔眼で視て切り裂き、藤乃の暴走を止めた。失った左腕には、以降、橙子製の特製義手を装着することになる。

巫条ビル上空の浮遊少女たち

1998年9月、観布子市内の巫条ビル周辺で、少女たちの連続飛び降り自殺が多発する。式はビルの上空に浮遊する少女たちの霊を目撃していた。
やがて、事件を調べていた黒桐幹也がビルの呪いに囚われて昏睡状態に陥ってしまう。式は幹也を取り戻すため、夜の巫条ビルへと単身で乗り込み、事件の元凶である巫条霧絵の二重存在(幽霊)と交戦。霊体を直接掴むことができる義手とナイフを用いて、霧絵が操る幽霊たちを完全に葬り去った。

小川マンションの矛盾螺旋

1998年10月、式は街頭で臙条巴(えんじょう ともえ)という家出少年と出会い、彼を自室に匿うことで奇妙な同居生活を始める。やがて巴が「親を殺した」と告白したことを機に、式は彼とともに、数々の怪異が渦巻く「小川マンション」へと向かう。
そこはかつて式を狙った宿敵・荒耶宗蓮(あらや そうれん)が作り上げた、住人たちが狂気の死を繰り返す太極の結界だった。
式はマンションの最深部で荒耶と対峙するが、彼の圧倒的な空間転移魔術の前に一度はコンクリートの結界内部へ封じ込められてしまう。しかし、後に巴の決死の行動や橙子の暗躍によって脱出。本来の得意武器である日本刀を手に取り、肉体を戦闘用に造り変えた式は、荒耶宗蓮を完全に切り伏せて因縁に決着をつけた。

礼園女学院への潜入

1999年1月、黒桐鮮花の母校である礼園女学院で、生徒の記憶が妖精に奪われる事件が発生。鮮花は師である橙子から調査を命じられ、妖精を視認できる助っ人として式を伴い学院へと潜入する。式は慣れない学院の制服に身を包み(その姿は橙子から「素晴らしい」と大絶賛された)、鮮花とともに事件の裏に潜む妖精の謎と魔術師の影を追った。

殺人考察の決着と『両儀式』の顕現

1999年2月、式は幹也の前から突如として姿を消す。それと同時に、3年前と酷似した連続猟奇殺人事件が再び街で発生した。幹也は式の無実を信じて捜査を続け、高校時代の先輩である白純里緒(しらずみ りお)が真犯人であることを突き止める。里緒は式と同じ殺人衝動を抱え、彼女を同類として狂愛する男だった。

里緒の手によって幹也が傷つけられたことを知った式は、激しい怒りとともに彼を追いつめる。人は一生に一人しか殺せず、それを超えれば人ではなくなるという死生観を持ちながらも、式は幹也のためにその一線を越える覚悟を決めて里緒を殺害。事件後、深い傷を負いながらも生き延びた幹也と再会し、二人は本当の意味で結ばれることとなった。

1999年3月の雪の降る夜、幹也の前に「式」でも「織」でもない、肉体に宿った第三の人格『両儀式』が姿を現す。万物の根源である『 』(から)そのものである彼女は、お淑やかな口調で幹也と短い会話を交わし、静かに世界の裏側へと消えていった。

両儀式の関連人物・キャラクター

黒桐幹也(こくとう みきや)

式の高校時代の同級生であり、不器用ながらも深い好意を寄せている男性。数々の事件を経て、後に彼女の夫となる。

蒼崎橙子(あおざき とうこ)

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