両儀式(空の境界)の徹底解説・考察まとめ

両儀式(りょうぎ しき)とは、奈須きのこ原作の小説およびアニメ作品『空の境界』の主人公である。名門・両儀家の次期当主。事故による2年間の昏睡から目覚め、万物の死を視覚化する異能「直死の魔眼」を得た。本来は肯定を司る女性人格「式」と、否定を司る男性人格「織」を宿す二重人格者だったが、事故で織が消滅。以降は織の男口調を補完しながら、不確かな生の実感を得るため異能との戦いに身を投じる。彼らの肉体には、根源の渦『 』(から)と繋がった第三の人格『両儀式』も眠っている。

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両儀式の概要

両儀式(りょうぎ しき)とは、奈須きのこ原作の小説およびアニメ作品『空の境界』の主人公である。1980年2月17日生まれ、身長160cm、体重47kg。退魔四家の一角に数えられる名門・両儀家の次期当主であり、交通事故による約2年間の昏睡状態から奇跡的に目覚めて以降、あらゆるモノの「死」を視覚的に捉える能力「直死の魔眼」を身につけた少女。起源は「虚無」。昏睡から回復した後は高校をサボりがちになり、家出同然にアパートで一人暮らしを始め、不確かな生の実感を得るために異能の者たちとの戦いに身を投じていく。

両儀家は人為的に複数の人格を持つ人間を生み出すことで超人的な能力を得ようとした家系であり、彼女も生まれながらの二重人格者だった。かつては陰と肯定を担当する女性人格「式」と、陽と否定を担当する男性人格「織(しき)」の2つの人格を宿していたが、黒桐幹也(こくとう みきや)への想いに葛藤した末に自ら道路に飛び出した自動車事故により、男性人格の「織」が精神死(消滅)している。さらに、これら2つの人格のベースとして、脳ではなく肉体に宿った第三の人格であり、万物の根源である『 』(から)に接続した『両儀式』が存在する。

両儀式のプロフィール・人物像

出典: prcm.jp

性別:女性
身長:160cm
体重:47kg
誕生日:1980年2月17日
起源:虚無
設定担当:奈須きのこ
ILLUST:武内崇
CV:坂本真綾(アニメ、Fate/EXTRA、FGO)、川上とも子(ドラマCD)

容姿は非常に端麗。見る者が男性であれば美女に、女性であれば美男に見間違えてしまうほど中性的な顔立ちをしている。黒桐幹也からは「綺麗というより凛々しい」と評されており、原作小説の第一章では終幕まで読者に性別が分からないような文章で記述されていた。普段着は対丈(ついたけ)の丈長(たけなが)の振袖や着物であり、寒い季節にはその上から赤い革のブルゾン(ジャンパー)を羽織るという「交わらない和洋折衷」をコンセプトとした特異なスタイルを好む。暑さ寒さに強く、真夏に革ジャンを着たり真冬に単衣で行動したりするため季節感があまりない。履物は編み上げブーツまたは下駄。

冷めた性格で万事に興味を持たないように振る舞い、ぶっきらぼうで排他的な受け答えに終始する。人間嫌いで自身への嫌悪感も抱いているが、根は寂しがり屋かつ姐さん気質であり、気に入った相手にはとことん面倒を見るなど少女らしい一面もある。一人称は「オレ」で男口調を用いるが、これは失った半身である「織」の人格を補完するための代替行為であり、仕草や自己認識、思考の根底は女性のものである。なお、モノローグや思考内での一人称は「私(わたし)」であり、昏睡以前はお淑やかな女性口調だった。名字で呼ばれることを嫌う。

殺人衝動を抱えており、常に殺したくなる相手を探しているものの、結果的に誰も殺したことがない「人を殺せない殺人鬼」でもある。祖父から受け継いだ独自の殺人哲学を持っており、彼女にとって「殺人」とは単なる生命の奪取ではなく、相手の尊厳を踏みにじるほどの強い感情の爆発によって引き起こされる一度きりの精神的断絶行為であるとされる。そのため、自覚や罪の意識がないまま人を殺める浅上藤乃(あさがみ ふじの)の行為を「殺戮」として激しく嫌悪している。

黒桐幹也に対しては不器用ながらも好意を抱いており、彼の無防備さを「怖いもの」として挙げている。黒桐鮮花からは一方的にライバル視されているが、式自身は気を遣わなくていい女友達として好意的に捉えている。

特技は和食を中心とした料理であり、良家の出身で舌が肥えているため、自身が作る際には妥協を許さず板前顔負けの腕前を発揮する。ただし、作り始めると止まらない一方で普段の食生活で自炊することは滅多になく、アパートの冷蔵庫にはボルヴィックのミニボトル程度しか入っていない。冷たい食べ物は基本的に苦手だが、幹也が買ってくるハーゲンダッツのストロベリーアイスだけは好み、冷凍庫にストックしている。趣味は刃物の蒐集で、本物の日本刀だけでなくナイフ全般を好み、礼園女学院のカトラリーナイフをくすねたこともある。非常に達筆。

両儀織

両儀式の中に存在する男性人格。両儀家は1人の人間に陰陽の人格を形成するという特異な血筋であり、彼も式が生まれた時からその内側に存在していた。「肯定」を司る式とは対照的に「否定」の性質を担当しており、その反動として出会うものすべてに対して殺意を抱くという、殺人鬼としての側面を持つ。ただし、彼自身は殺人を楽しむような快楽主義者ではなく、破壊という行為以外に世界と関わる術を知らなかったに過ぎない。黒桐幹也のことを「コクトー」の愛称で呼ぶ。なお、黒桐鮮花が正月に初めて遭遇した両儀式は、この織の人格だった。

普段は基本的に式の内側で眠っており、式が剣術の稽古を行う際に呼び出す程度だったが、自身の明確な意思を持って表層へ現れたのは、幹也と初めてデートをした時である。自らを「式の中に眠る破壊衝動」と称しているが、式が愛用している赤い革製のブルゾンは、実際には織のお気に入りだった。1996年に起きた交通事故の際、式の身代わりとなる形で精神死を迎えた。

夢を見ることを深く好んでおり、彼が心に描き続けた夢とは「式が幸せに暮らしているという夢」そのものだった。事故に遭う直前の1996年1月、占い師である「観布子の母」と出会い、どのような道を選んでも近く死ぬ運命にあると断言される。しかし同時に「織自身は死を迎えるが、織の見た夢は生き続ける」とも予言されており、その言葉通り彼の願いは式と幹也の未来へと受け継がれることとなった。

『両儀式』

「式」と「織」という2つの人格の根底に位置し、それらのベース(本質および原型)となっている第三の人格。脳ではなく肉体に直接宿っており、性別は女性である。「式」と「織」を陰陽の関係とするならば、彼女はその中心たる「両儀」そのものに位置づけられる。本人曰く、本来であれば「普通なら生まれることも目覚めることもなかった」「生まれても意味がない」とされる極めて異質な存在である。

万物の根源である『 』(から)の一部そのものであるため、その気にさえなれば自身が思い描いた新しい世界によって古い世界を握りつぶし、世界を自由自在に変革できる万能に近い能力を持つとされる。ただし、ドラマCD『アーネンエルベの一日』においては、本人から「それほど便利なものではない」と明言されており、何でも完璧にこなせるような都合の良い力ではないことが示唆されている。式や織が抱える殺人衝動は彼女から流れ出したものであるが、彼女自身はその強大な能力ゆえに、無意識の中で「命の大切さ」を深く理解している。そのため、衝動自体は持ち合わせていても、無差別な殺戮に手を染めることは決してない。

通常、主格である「式」も、かつて存在した「織」も彼女の存在を認知していない。しかし、格闘ゲーム『MELTY BLOOD Actress Again』における遠野志貴との対戦時や、『Fate/EXTRA』におけるキャスター戦の対話など、稀に表層へと姿を現す瞬間がある。『アーネンエルベの一日』では、セイバーから「ぶっちゃけ神様」と称されたが、本人は「そんな頭の悪い比喩はするな」と一蹴している。また、『Fate/EXTRA』の作中ではアーチャーから「阿摩羅(あまら)の体現」と呼ばれ、自身もその表現を認めている。

両儀式の能力

直死の魔眼

2年間の昏睡状態で「死」に長く触れ続けたこと、自身の内から「織」が消滅したこと、そして根源である『 』(から)に触れたことで開眼した。あらゆる存在の「死の線」を視覚として捉える能力であり、その線を刃物などでなぞることで、対象の強度に関わらず概念的に「死」をもたらすことができる。通常、視認できるのは生きているモノ(生ける屍などの疑似的な生命を含む)の死の線であり、鉱物などの無機物の死の線を視るにはフルに集中する必要がある。

『月姫』の登場人物である遠野志貴(とおの しき)の魔眼とは異なり「死の点」を視ることはできないが、式の場合は肉体が元々持つ機能として魔眼が備わっているため、志貴のように脳へ過度な負担がかかることはない。普段は焦点をズラして物事を俯瞰することにより、魔眼殺しの眼鏡を使用せずとも精神的な平穏を保っている。また、志貴と同様に「淨眼」の特性を持ち、事象の視覚化に特化している。本来なら視覚できない霊体、概念、能力といったものの死まで目で捉えて斬り伏せることができるため、魔眼の有効対象としては志貴より数段上の使い手とされる。

ナイフ・日本刀での戦闘

普段はナイフを常備して戦うが、本来得意とする得物は日本刀である。日本刀(古刀「九字兼定」など)を装備した際のみ、自己暗示によって脳の機能を切り替え、肉体を戦闘用に「造り変える」ことで、限定的ながら未来予知などの潜在能力を発現させる。この状態においては、通常時とは段違いの戦闘能力を発揮する。剣術の腕前は全日本剣道連盟が定める「日本剣道形」の剣道五段相当に匹敵する。

浅上藤乃との戦闘で左腕を失ってからは、蒼崎橙子が製作した人形然とした義手を装着している。この義手は魔力が通うことで人体と同じ質感に変化するだけでなく、霊体を直接掴むことが可能であり、内部には予備のナイフが収納されている

合気道

非常に高い身体能力を誇り、丈長の着物姿であっても前方宙返り、バク宙、前転、ムーンサルトといったアクロバティックな動きで敵の攻撃を回避し、回し蹴りや前蹴りで相手を一掃する。父親から武術の鍛錬を受けており、普通の人間が相手であれば素手でも圧倒できるほか、達人レベルの合気道の心得もある。

両儀式の必殺技

『MELTY BLOOD』

双ね鐘楼(かさねしょうろう)

踏み込んで横薙ぎに斬り付ける基本行動。

鐘楼・清姫通し(しょうろう・きよひめながし)

双ね鐘楼の連撃からスムーズに移行する派生技。

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