攻殻機動隊ARISE、攻殻機動隊 新劇場版（黄瀬・冲方版攻殻機動隊）のネタバレ解説・考察まとめ

cv.浅野まゆみ
元陸軍501機関の長。501機関は、本作ではハリマダラ重工所属となる。総理暗殺事件の時に総理と共にいた為、爆殺されたと思われていたが…。

『攻殻機動隊 新劇場版』の用語解説

デッドエンド

義体化した人間の義体の規格がバージョンアップされなくなり、やがて保守やメンテナンスも終了して、全身義体化した人間が緩やかな死を迎えるしかなくなった状態のこと。義体を乗り換えようとしても電脳の規格は時代によって変化していくので、旧式の電脳と最新の義体ではシステムが嚙み合わず旧型義体に留まらざるを得ない。
義体開発の結果、この時代の技術が行き着いた袋小路。

少佐は、生まれる前からの全身義体化であったことと育ての親である草薙博士のアイデアから成長と義体の乗り換えを前提とした電脳化・義体化を施されている為、デッドエンドには至らない。

ファイア・スターターの正体

事件を追う内に草薙は、クルツの最後のメッセージがある養護施設に送られていることを知る。そこはかつて自分が幼少の頃過ごしていた場所で、そこを訪れた草薙はクリスという少女と出会う。クリスは最後のメッセージを草薙に教える。そこにはクルツの遺産は全て孤児院の子供たちに贈られること、そして「第三世界でまた会える」という謎の言葉が残されていた。
実はクルツはクリスが遠隔操作で操っていた義体で、クリスこそがファイア・スターターのウィルスを作っていたその人だった。草薙と同じ容姿の義体を操っていたのも彼女であった。

クルツ（クリス）と草薙はデッドエンド問題を回避する為の二つの可能性だった。草薙は義体を次々乗り換えることで、クルツ（クリス）は遠隔操作で義体を操ることで乗り換えの問題を回避していたが、それにも限界がきていた。そこで『攻殻機動隊ARISE』中でファイア・スターターを進化させ、情報化された世界である“第三世界”にゴーストをシフトさせることで、デッドエンドを回避しようとする試みだったのだ。

真相に気付いた草薙は養護施設に向かうが、クリスは自身を水葬させるところだった。最後に二人は言葉を交わす。
「皮肉だな。一番自由だったお前がこんな世界に囚われることになるとは」
クリスは幼い頃に草薙と共に同じ養護施設で育った少女だったのだ。

草薙に見送られながら、クリスは水の中へ、“第三世界”へと消えていった――

草薙素子が“少佐”になるまでと、公安9課結成

『攻殻機動隊ARISE』と本作を通じて、草薙素子は超ウィザード級ハッカーという実力はあるものの精神的にはまだ未熟で、捜査で出し抜かれたり後手に回る場面もある。バトーには「世間知らずなお姫様」と言われ、部下との信頼関係もまだ出来上がっていない状態だった。本作の序盤でも事件を捜査するにあたり、「お前達は私が見つけたパーツだ。パフォーマンスを発揮できないヤツはパージする」と言い放ってメンバーの反発を受ける。

しかし、トグサの提案でたまには実際に会ってメシを食いながら話をしよう（普段は電脳空間で捜査内容を会話している為）と言われ、草薙はその提案を断ることなく用意されたサンドイッチをぶっきらぼうに頬張り、メンバーとの距離を縮めようとする。そして、物語中盤に部隊全員で潜水艦に乗り込んだ際、事件の真相に辿り着いた草薙は部下を巻き込むのを避ける為部隊を解散し一人で捜査を続けることにする。その際に「お前達は最高のパーツだ。全てが揃う事で、私一人では達成し得ないパフォーマンスを発揮してくれる」との言葉を残す。そして一人ハリマダラ重工に乗り込んだ草薙が501機関に追い詰められた時、荒巻部長に公安9課員として迎えられたバトーらが現れ草薙の窮地を救うのだった。

事件解決後、勤務をサボって9課の面々が花見をしている“桜の二十四時間監視”のシーンは、原作の冒頭や『攻殻S.A.C 2nd GIG』ラストにも出てくる。このシーンは公安9課のメンバーが打ち解けついに“攻殻機動隊”となったことを、そしてこのシーンで前髪が長くなっている草薙は、未熟だった〝草薙素子”が公安9課の“少佐”へと成長したことを示す、名シーンだ。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』

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『攻殻機動隊 新劇場版』の公式サイト

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