Salyuとは、神奈川県出身の歌手。岩井俊二によるインターネット小説と映画を軸に展開された『リリイ・シュシュのすべて』から派生した音楽ユニット・Lily Chou-Chouのボーカルとしてキャリアを開始し、透明感と力強さを併せ持つ歌声で広く評価されてきた。2004年にSalyu名義でソロデビューし、シングル『Valon-1』を発表。以降は音楽活動を軸に、舞台制作への参加やナレーション、ゲーム作品の声優などで幅広く活躍。複数の媒体を横断して独自の立ち位置を築き、幅広い層のファンを掴んでいる。
Salyu(サリュ)の概要
Salyu(サリュ)とは、神奈川県横浜市港北区出身の女性歌手。岩井俊二によるインターネット小説と映画を軸に展開された『リリイ・シュシュのすべて』から派生した音楽プロジェクトを起点にキャリアを開始し、透明感と力強さを併せ持つ歌声で広く評価されてきたアーティストである。音楽プロデューサーの小林武史に見出され、2000年に『リリィ・シュシュのすべて』プロジェクトに参加。劇中に登場する架空の歌手「Lily Chou-Chou」のボーカルとして活動し、アルバム『呼吸』のリリースなどを通じて注目を集める。
2004年にはSalyu名義でソロデビューを果たし、デビューシングル「Valon-1」を発表。続けて1stアルバム『Landmark』で本格的に音楽シーンへ進出し、繊細さとダイナミズムを併せ持つ、実力派ボーカリストとしての地位を確立した。
また、桜井和寿主導のプロジェクト・Bank Bandに参加し、2006年の楽曲「to U」でボーカルを担当したことで幅広い層の音楽ファンから認知を獲得。テレビ出演やライブ活動を通じて、その存在は一般層にも浸透していく。
キャリアを構築するにつれて、表現の幅を拡張。自身の内面や身体性にフォーカスした作品制作へと傾斜し、音楽性もより実験的・抽象的な方向へとシフトしていった。
2011年には、小山田圭吾との共同プロジェクトとしてsalyu × salyuを始動し、多重録音やエフェクト処理を駆使した「声の再構築」という試みに挑戦。実験的な発想で、従来のポップスの枠組みを越えた音響表現を提示した。
音源リリースやライブ活動などの音楽活動を軸としつつ、舞台作品への参加、ナレーションなど多方面で精力的な活動を展開。デビュー以来、一貫して小林武史との協働関係を軸にしつつも、コラボレーションや自主的な表現を通じて独自の音楽性を更新し続けている。
音楽性としては、アンビエントやエレクトロニカの要素を取り入れた浮遊感あるサウンドに、言語の壁を超えて感情に直接訴えかけるかのような、繊細かつ力強いボーカルが乗っているのが特徴。歌声は自身のファンのみならず、多くの同業者からも高評価と注目を集めた。
映画やインターネット文化、実験音楽といった複数の領域を横断しながら独自の立ち位置を築いた歌手の一人として、幅広い層のリスナーの心を掴んでいる。
Salyu(サリュ)の活動経歴
Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)としてデビュー
幼少期に肺炎で入院した際、医師からの「水泳か歌をやるといい」というアドバイスをきっかけに歌と向き合い、クラウン少女合唱団での活動などを通じて多くの音楽に触れて音楽性を培う。その後、高校時代に友人のバンド活動に触発され、本格的に歌手を志して多くのオーディションを受ける。Sony MusicのSDオーディションを受け、同時期に同社の歌手養成機関に通っていた際、資料として撮影したビデオが音楽プロデューサーの小林武史に見出された。
これをきっかけとして、2000年、岩井俊二主導による『リリィ・シュシュのすべて』プロジェクトに参加することになった。岩井が執筆するインターネット小説『リリィ・シュシュのすべて』の劇中の架空アーティスト、Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)のボーカルとして活動を始め、2001年にアルバム『呼吸』のリリースやライブ出演を通じて注目を集める。
フィクションの中の人物としてのこの活動は、彼女のキャリアの原点であると同時に、「声のみで世界観を体現する」という表現スタイルの基盤を固めるものとなる。
Salyuとしてのデビューと評価の確立
Salyuとしてデビュー
映画版『リリィ・シュシュのすべて』の公開終了と共にプロジェクトは終了。その後も自身の音楽活動を継続し、2004年にSalyu名義でソロデビュー。同年にシングル『VALON-1』を発表し、続く2005年のアルバム『Landmark』で本格的にシーンへ進出する。以降は2007年に自身初のゴールドディスク賞をもたらしたアルバム『TERMINAL』などを精力的にリリース。透明感と力強さを併せ持った独特の歌声と、圧倒的な表現力で繰り広げるステージパフォーマンスで、実力派シンガーとしての評価を確立した。
また、小林武史とMr.childrenの桜井和寿主導の音楽ユニット・Bank Bandへの参加を通じて活動の幅を広げ、2006年の楽曲「to U」ではメインボーカルを担当。音楽番組やライブ出演を通じて広く認知され、日本のポップスシーンにおける存在感をますます高めていく。
新プロジェクト「salyu × salyu」の立ち上げ
salyu × salyu
キャリアを重ねる中で、Salyuは創作やコンセプト形成にも積極的に関与するようになっていった。2010年代前後からは自身の内面や身体性にフォーカスした表現へとシフトしていき、音楽性もより多層的、かつ繊細に自身の内面を吐き出すようなものに変化を遂げる。
2009年には沈黙を守り続けたLily Chou-Chouでの活動も再開し、配信限定楽曲「エーテル」をリリースし、同作のファンを大いに喜ばせた。
さらに、2011年には、小山田圭吾との共同プロジェクト「salyu × salyu」を始動。多重録音やエフェクトを駆使し、声を楽器として再構築する試みを展開し、従来のポップスの枠組みを越えた実験的な挑戦には多くの話題が集まった。このプロジェクトに端を発し、Salyuの活動はアート/サウンド表現の領域へと拡張していくことになる。
個人事務所設立と幅広いキャリアの構築
2020年、Salyuは自身の13枚目のシングル『新しいYES』と同名の個人事務所を設立し、ますます自由度の高い活動を行うようになる。
アルバムリリースやライブ活動、舞台音楽への参加やナレーション、コラボレーションなど、音楽を起点としつつも多岐にわたる分野で精力的な活動を継続。デビュー以来、一貫して小林武史との協働関係を軸にしながらも、自身の表現領域を更新し続けている。
Lily Chou-Chouという虚構の歌姫から始まったキャリアは、実在のアーティストとして確立され、さらにその枠すら越えていく段階へと到達している。2000年代初頭のJ-POPの文化に深く根ざしながらも、映画・インターネット文化・実験音楽といった複数の領域を横断し続けるその活動は、長きにわたって幅広い層のファンの心を掴んでいる。
Salyu(サリュ)のプロフィール・人物像
生年月日:1980年10月13日
出身地:神奈川県横浜市港北区
血液型:O型
アーティストネームのSalyuはフランス語の「Salut」(乾杯/親しい間柄の挨拶)に由来しており、命名は小林武史によるもの。
本名や学歴、詳細な家族構成などのプロフィールは公開されておらず、謎めいた雰囲気を持つが、マクロビオティック系の料理学校に通っていたことや、実の兄は元ラグビーの日本代表選手であることは自身で明かしている。
小学生時代、風邪をこじらせて肺炎で入院した際、医師からの「水泳か歌をやるといい」というアドバイスをきっかけに歌を始める。退院後はクラウン少女合唱団に入団し、多くの童謡や近代音楽、讃美歌などに触れて音楽性を培った。
高校時代に友人が組んでいたバンドのライブに触発されて歌手になることを決意し、オーディションを受け始める。Sony MusicのSDオーディションを受けたことを機に、同社の歌手養成機関に通い始めた。このころに資料用に作成したビデオが音楽プロデューサーの小林武史の目に留まり、小林プロデュースによってデビューすることが決定。同じく彼女の才能を見出した岩井俊二主導で始まった『リリィ・シュシュのすべて』プロジェクトに参加し、作中に登場する架空の歌姫・Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)としてデビューを飾った。
2001年の映画版『リリィ・シュシュのすべて』公開終了後はSalyu名義で活動を始め、2005年にソロとしては初のアルバム『landmark』を発表した。
歌声について、長きにわたってプロデュースを務める小林武史は「天に向かい地に響く声」「稀有な才能の持ち主」「もっと全国区、ある意味世界区になっていい人」と評している。また、Bank Bandでコラボをした経験がある桜井和寿は、「いいなぁその声」と言ったという逸話が残されており、このほかにも多くのミュージシャンが絶賛の声を寄せている。
しかし、ミステリアスなイメ―ジを抱かれがちな反面、非常に酒好きで、ファーストライブのツアー初日の打ち上げで飲み過ぎ、はしゃぎすぎて走りまわってる最中に足部を骨折。ツアー2日目以降、足を吊るしたままライブを続ける姿が目撃されているほか、洗顔の泡を誤って深呼吸して吸い込み、1時間自宅でむせたために2時間遅刻するなど、人間味のあるおちゃめなエピソードも多数残されている。
私生活では2024年に第一子を出産したことを発表した。
Salyu(サリュ)のディスコグラフィー
アルバム
landmark
2005年リリースの1stアルバム。Salyu名義では初のアルバムリリースとなった。
映画『人魚姫と王子』の挿入歌として起用された「landmark」「彗星」も収録されている。
1. landmark
2. アイアム
3. VALON-1
4. 虹の先
5. Peaty
6. 体温
7. ウエエ
8. Dramatic Irony
9. Dialogue
10. 彗星
11. Pop
TERMINAL
2007年リリースの2ndアルバム。前作『landmark』でも作詞を務めた小林武史に加え、今回はシンガーソングライターの一青窈も作詞に参加。一青は本作品中、6曲の作詞を手掛けている。また、収録曲「I BELIEVE」ではSalyuが単独で作詞を担当しており、様々な人物を通して見るかのような、Salyuの新たな魅力が詰まっている。
また、Mr.childrenの桜井和寿主導のプロジェクト・Bank Bandの楽曲としてSalyuがメインボーカルを務めた人気曲「to U」も収録されている。
1. トビラ
2. 風に乗る船
3. 鏡
4. プラットホーム 〜Merry Go Round〜
5. 故に
6. Tower
7. Apple Pie
8. I BELIEVE
9. 夜の海 遠い出会いに
11. name
12. be there
13. heartquake
14. to U (Salyu ver.)
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目次 - Contents
- Salyu(サリュ)の概要
- Salyu(サリュ)の活動経歴
- Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)としてデビュー
- Salyuとしてのデビューと評価の確立
- 新プロジェクト「salyu × salyu」の立ち上げ
- 個人事務所設立と幅広いキャリアの構築
- Salyu(サリュ)のプロフィール・人物像
- Salyu(サリュ)のディスコグラフィー
- アルバム
- landmark
- TERMINAL
- MAIDEN VOYAGE
- photogenic
- Android & Human Being
- salyu × salyu(サリュ バイ サリュ)のディスコグラフィー
- アルバム
- s(o)un(d)beams
- salyu × haruka nakamuraのディスコグラフィー
- アルバム
- 聖者の行進
- Salyu(サリュ)の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- プラットホーム
- Dramatic Irony
- 新しいYES
- VALON-1
- LIFE
- しあわせの箱
- Salyu(サリュ)の参加楽曲
- Bank Band with Salyu「to U」
- Salyu(サリュ)の名言・発言
- 「憂鬱だったりとか喜びだったりとか、そういうものに刹那的に翻弄される自分がいて、疲れることもあったし。でも、もっと丈夫な、自分を信頼できる〈船〉を造れたら、船って自分の心だと思うんですけど。〈海〉を日々の中で生まれるあらゆる状況に例えるとしたら、どんな状況でも天気でも渡っていける丈夫な〈船〉を造りたいなっていう気持ちが今回の『MAIDEN VOYAGE』のテーマなんです」
- 「弱い人が強くあり続けようとする力や責任や希望みたいなものが、人間らしさだし、エモーションだと思った。そういうところで、自分の弱さや、もともと自分が持っている人にはないもの、自分だけの強さみたいなものも同時に知っていったように思うんです。」
- Salyu(サリュ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「歌声とのギャップがすごい」と言われるお茶目な一面
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