攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE(DUAL DEVICE)のネタバレ解説・考察まとめ

『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』とは、『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の続編に位置づけられるサイバーパンク漫画である。士郎正宗が1997年7月~9月までに『週刊ヤングマガジン』で「DUAL DEVICE」という副題で連載していた作品群に、大幅加筆修正を加え単行本として発行された。ネットも普及していない時代に、ネット全盛の世界感を描いた事で多くのSFファンを魅了した攻殻機動隊シリーズの中で、第一巻を超えると言われる難解さが今作の魅力ともいえる。

『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』の概要

『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』とは、士郎正宗が1997年7月~9月までに講談社『週刊ヤングマガジン』に「DUAL DEVICE」という副題で掲載していた作品郡に、大幅な加筆修正を加えて単行本として刊行した漫画作品である。『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の続編に位置づけられている。『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』とは異なり、これまでにアニメ化を含めたメディア展開は行われていない。単行本化に当たってはまず2000年に、ポスター・クリアファイル・フチコマ可動フィギュア等を同梱した豪華版「SOLID BOX」として発売され、翌年に通常版が発売された。現行では手に入りにくい豪華版「SOLID BOX」ではなく、一部性描写などが削られた「通常版」の内容で語られることが殆どである。

物語は、前作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の主人公草薙素子(くさなぎもとこ)が自称知的生命体現象と融合し公安9課を去ってから4年5ヶ月弱経過した後日談となっている。本作の主人公は荒巻素子(あらまきもとこ)を名乗る「草薙素子の11番目の同位体」で、所属は公安9課ではなくポセイドン・インダストリアル社の考査部長。自社の「豚を使用した、ヒトのクローン臓器培養施設」が襲撃された事件について、荒巻素子が調査を進める中で巻き込まれるトラブルを中心に描いている。所属が民間企業である為前作のような激しく華麗なガンバトルは影を潜め、その代わりに肉弾戦と難解な電脳バトルが描かれる。クライマックスの素子同位体との融合とその後のシーンなども含め、漫画史上最も難解な作品といわれている。

ちなみに公安9課からは荒巻大輔(あらまきだいすけ)部長とバトーのみが登場するがPROLOGUE(プロローグ)とEPILOGUE(エピローグ)に多少姿を見せる程度であり、士郎正宗も「公安9課の物語とは言い難い」と明言している。

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『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』のあらすじ・ストーリー

01 PROLOGUE「プロローグー霊視と事件の始まり」

秘書のグレス(左)とデコットを使って仕事のやり取りを行う荒巻素子(右)

既知限界サイボーグ素子が視る電脳網の概念。全ての物理的・情報的知覚は素子にとって同列に扱われる人生そのものである。素子が知覚している、性質が異なると感じられる巨大な2つと二回り小さな1つの光や樹状構造などはこの物語の骨子を語るヒントである。
霊能局の一室。そこに霊能局の局長である五十鈴(いすず)と局員と思われる数人、そして荒巻大輔(あらまきだいすけ)とバトーの姿がある。荒巻部長からの依頼により霊査を行うために呼ばれた魂合環(たまいたまき)が「複雑なる者」についての霊視を始める。それによると「複雑なる者の親と思われるラハムポル博士」は亡くなり、「もう一方の親らしき魂」は4柱の魂と既に融合を果たしており「荒巻素子(あらまきもとこ)」と名乗って活動中であることが告げられた。そして霊視の続きは「06 EPILOGUE(エピローグ)」へと続く。
霊能局で環が霊視をしている頃、海上都市ポセイドンの管制エリアに向かう艦上に荒巻素子の姿が有った。「ドクター」と接触し情報交換を行う為である。義体パーツやソフトなどの受発注やその情報交換を行った後にドクターから、中央ナジクで起きた暴動騒ぎを制止させて欲しいという依頼を受ける。ドクターの依頼を引き受けた素子は、秘書長グレスとの通信連絡で仕事の報告と指示を行いつつスケジュール調整を行い、ドクターからの依頼である中央ナジク-ハナヴァの件を優先でレポート中継するようにグレスに指示を行うのであった。

02 UNDER WATER「水面下の攻防」

海上都市ポセイドンの管制エリアで潜水艦航行中、素子は怪しい潜水艦と邂逅する。データを照会するとその艦は南シナ海の海賊の艦であることを確認、素子の指示により支援AI突撃班が首尾良く有線し機雷を設置した。その後、速やかに有線した艦内のある人物を電脳ハックした素子は、その人物を操作し艦内情報調査を開始すると、航海日誌と乗員の認識ファイルのみを入手した。支援AIに大至急で照会し、匿名でポセイドン保安部に転送するようにと指示する。その刹那、電脳ハックがばれてしまいやむなく接続解除。急速反転最大出力で離脱指示し、相手艦の魚雷射出に備えるよう支援AIに指示する。しかし衝撃は来ず、相手潜水艦内では有線ハックされている懸念で混乱し、素子が仕掛けたウィルスによってセンサー類等のシステムが次々とダウン。電脳戦に慣れていない海賊の潜水艦は素子の策略でまんまと沈められてしまい、脱出艇で逃げ出す始末。かくしてラハムポル博士を襲った海賊と目される連中が乗った脱出艇は素子が緊急通報したポセイドン保安部に発見されてしまう。素子の潜水艦はとっととその区域から離脱したのだった。
数時間後、素子は入手した海賊の日誌からラハムポル博士名義の小さなファイルを発見したが、なんとなく違和感を憶えた素子は検討を先送りし、硬電脳の隅にしまい込みその他の雑務を進めるのだった。

03 CIRCUIT WEAPON「ポセイドン本社会議と暴動調査」

素子はポセイドン・インダストリアル本社の会議に参加。ドクターに依頼を受けたメディック社のクローン臓器ブタ、所謂ヒトブタ培養施設襲撃事件について議論が進んでいた。素子の適切な指示により被害が最小限に食い止められたことへの評価とその後の処理を次の会合で決定する旨が社長から告げられ、一同は解散する。
素子は、ヒトブタ培養施設襲撃現場を調べる為に電脳ダイブして探索を進めていた。支援AIにアーム付き探索セボットでの探索指示を行い、ブタの脳の一部も回収するよう指示する。現地探索の結果を考察した素子は、襲撃の目的が略奪ではなく破壊であることに気付く。そして、回収できた監視カメラの映像から指揮官らしき人物を見つけ出すと、電脳ハックをしかける。ところが、その人物の脳は多量の脳内麻薬で電脳活性が掴み難く、麻薬迷路の様相で手間取ってしまう。その時逆探されていることを検知し、素子はその対応を行いつつ接触痕跡を残さずに撤収する。走査反応の発信源を検出した素子は、支援AIに指示しその発信源を追跡し反撃の攻性防壁の詰め合わせを射出させるのだった。
電脳戦で得られた情報解析から、指揮官らしい人物が囮だったことを突き止め更なる電脳戦を続ける。敵ウィルス反応・汚染予想からポセイドン施設の清掃ロボ「水中点検ロヴ」の一部が、敵ウィルス感染に該当したことを支援AIから告げられた素子は、その水中点検ロヴの居る該当地域にあるデコット:クラリスを起動、遠隔操作で該当地区の捜査に向かう。件の水中点検ロヴを発見すると後をつけ行動監視する。その水中点検ロヴが施設のケーブルに直接接続するのを見付けた素子は、対抗手段として施設ケーブルに直接接続し有線監視する。電脳戦攻防で仕掛けたプログラムで敵ウイルスの発信元を辿るはずが予想外にレブリス主任に反応してしまい、被害をもたらしたのであった。
被害状況を確認した素子は、支援AIの報告により作業用倉庫でサイボーグ24体が敵ウィルス感染被害を受けて暴れている事を知り、クラリスで状況収集すべく水上へ向かう。作業用サイボーグと肉弾戦を制した素子は、レブリスが居る部屋に辿りつく。ここまでの一連の騒ぎからレブリスが敵の標的にされていたのではと疑いを抱いた素子は、クラリスでレブリスに直接有線し電脳ハックをしかけ、レブリスの電脳にダイブするのだった。レブリス電脳を探索・解析するとメディック社のブタ工場の記憶を発見し、そのブタの脳からヒト脳遺伝子を検出した素子は、この一連の事件から得られた情報を精査し、「一人はメディック社のヒトブタを勝手にブタヒトにして脳を利用してた奴」と「もう一人はそれを襲撃した奴」の二手の敵がいると結論づけた。

04 FLYBY ORBIT「ポセイドン社長襲撃事件と事件の真相」

ポセイドン社社長と東モナビア商務次官との調印式が始まる5分前、「標準戦闘体装備B1仕様の支援AI」の護衛を連れて、素子は考査部部長として到着した。そこへ、素子の予定外行動に不信感を抱いたリー保安部長が説明を求めて詰め寄る。素子は、2分弱程前までこの地域に国際電脳倫理違法電波が降り、何らかの介入が懸念される事と、遅効性のウィルスと思われるのでスタッフ同士の監視が必要と告げる。
素子からの情報を得たリー保安部長は、警戒態勢をとりながら警護体制を指示し、社長に調印式を10分間中断する事と電脳の関係者全員の再チェックの許可願いをする。社長は「5分間調印を遅らせる」旨応える。対話相手のブンナ武官長(ぶかんちょう)にリー保安部長が調印式の遅延を伝えている会話中、ブンナ武官長が突然社長に襲いかかる。間一髪取り押さえるも、保安部員も暴走しはじめてしまった。幸いにも事前の走査で察知していた素子が指示をした支援AIが保安部員を押さえ事なきを得る。他の保安部員が警護体制を立て直し厳戒態勢で移動すると、1人の少女が社長に花束を渡そうと近付く。少女は隠し持っていた凶器で社長の頭部に一撃を見舞い、社長は倒れてしまう。即座に少女を確保した標準戦闘体装備B1仕様の支援AIが有線し制圧すると、素子は少女に電脳ハックしダイブする。そしてそのまま素子は少女に感染していたウィルスの痕跡を辿っていくのだった。
社長襲撃事件付近のデコットの代わりに出動中のサイボーグ婦警を見付けると、電脳ハックし遠隔操作する。怪しい端末に繋がるロボットを発見し調査中に別のロボット多数に邪魔され応戦するのだった。あと一歩のところでサイボーグ婦警の同僚にロボット達を破壊され捜査はここまでとなる。どさくさに紛れて素子はロボットの制御主盤だけは確保し、ダイブから目覚める。すると、素子が居るのは移動中のヘリの中だった。居合わせたリー保安部長に社長がデコットであったことへの説明を求められるが、素子は「敵を出し抜く材料が足りない」とかわし、敵のウィルスが読み込みを拒むタイプであることを知ると再度電脳ダイブするのだった。
ダイブから醒めリー保安部長と別れた後に素子は、別の航空機に乗り込む。そして、そこに居合わせた社長室顧問のアンタレスとの会話をのらりくらりとかわしたのだった。そのアンタレスが去った後素子はデコットクロマを遠隔操作して、電脳探偵アルグリンの事務所に社長襲撃犯の足取り追跡調査の依頼をする為に訪問する。調査待ちの間にアルグリンの部下が用意した電脳フルダイブゲームに強引に誘われた素子だったが、あっさりとクリアしてしまう。素子が目覚めると、敵に乗っ取られたアルグリンのデコットが事務所を爆破し暴走。やむなく撤退しなければならない状況に陥ってしまった。そこに現れた別デコットのアルグリンに「調査依頼は受けられん」とサンプルを突き返され、調査失敗に終わる。アルグリンが立ち去った後には、敵と思われる黒ずくめの連中が4人現れ、クロマ=素子に襲いかかってきた。持ち前の格闘・戦闘センスで撃破に成功するクロマ=素子だったが、抹殺なら火器使用するだろうし捕獲なら殴りかかってこないだろうとの考察から、目的は尾行と判断しデコット=クロマを冬眠させることにする。素子は本体にデータを届けさせる為に、クロマに蜂型セボットを口から射出させた後に、クロマを冬眠モードへと移行させる。
本体素子の元に着いた蜂型セボットが発信器を掴まされているのを発見した素子は、蜂型セボットを投棄する。現在素子が居る場所が調査対象になった為引き払うことにする。取り急ぎロビーにヘリの用意を依頼すると、部屋の中に龍のような姿に見える霊能局の魂合環の霊体が現れ、サイバードームのスターバト・マーテルに関する件に素子がどう関係しているかを質問してくるが、「話が見えない」と素子は取り合わない。素子にとっては「サイバードームは興味ない」ものだという。「スターバトマーテル」のスタッフがさっきの4人を乗っ取ってたなら興味湧くかと環が持ちかけるも「別に」と突き放す素子。その後も執拗に付きまとう環の霊査思惟を無視しながらヘリに乗るのだった。
素子が乗ったヘリを監視していた連中が連絡したその先に「スターバトマーテル」のスタッフが乗っている飛行船の姿があり。聖母(マザー)と呼ばれる存在へと報告をすべく「レーザーで直接交信できる位置に」移動していた。暫くすると、ある施設の一室で義体が取り囲む様に繋がれた装置の中央にいる聖母に、件(くだん)の報告が入る。報告を受けて聖母は「キリーにゲートを設定しその狼を誘い込み毒羊を与えよ」と指示を出すのであった。

05 MOLD OF LIFE「電脳戦クライマックス」

「ヒトブタをブタヒトに変えていた黒幕」を捜査する為に、ポセイドン本社にあるスーパーコンピューター=デカトンケイルの演算能力を使う必要があると考えた素子が本社に到着してみると、デカトンケイルと光衛星通信網のアラクノサットの両方を保安部に封鎖されていた。電賊に対抗するため使用許可をリー保安部長に打診するも、断られてしまう。素子はもう一体の素子デコットを使い保安部を翻弄しながらデカトンケイル本体への接触を成功させると、デカトンケイルとリンク、捜索を開始する。デカトンケイルの演算能力によりあっという間に「スターバトマーテル」の追跡に成功し、フラクトと名乗る「スターバトマーテル」のスタッフが乗る飛行船を発見。電脳ハックに成功する。接続を辿りユニット28へと繋がるとそこは聖母の拠点だった。そのまま素子は聖母を走査・検索し、聖母がサイバードーム「スターバトマーテル」のアーチスト=ミレニアムであることを突き止める。そのミレニアムの完全防壁突破を仕掛ける素子に対して、ミレニアムは完全防壁を解除し電脳空間内の客間に素子を通すのだった。挨拶代わりにと、件の「読み込みを拒むウィルス」をミレニアムにぶつけたことを発端にして、素子とミレニアムは電脳バトルが繰り広げる。激しい攻防の果てに素子がミレニアムを制圧して勝利を納めるのだった。
ミレニアムの外周探査をし、襲撃の関連情報を集める。すると、光端末ゲートV7が異変をおこし、素子はデカトンケイル級のスーパーコンピュータの演算による攻撃を受けてしまう。敵からと思われる攻撃を走査追跡し衛星軌道上の大規模な施設に侵入したが、そこで激しい未知の敵と電脳戦を繰り広げることになる。素子は苦肉の策でポセイドン社社長の電脳を経由し、その権限でデカトンケイルの全機能を利用するルートへと切り替える。大規模な集団託体施設に社長の物理身体が眠っていることが判明し、その施設は90%の確率で敵のデカトンケイルと同じ座標であった。そこは軌道上託体施設「眠る宇宙」であり、更に「施設にとって特別な人物」である草薙素子(くさなぎもとこ)の存在を知る。
罠の可能性を感じつつダイブを試みると、待ちかまえていた草薙素子との電脳戦が始まる。身体制御の奪い合いでは荒巻素子が一枚上手で、草薙素子とデカトンケイルのメインプラグを外すことに成功する。しかし突如としてアンタレスとスピカという素子同位体の2体が荒巻素子の視覚に現れる。そして荒巻素子は、アンタレスが実は草薙素子その人で、魂合環が既に適時利用可能な駒であると気付く。更に環の言動からスターバトマーテルへと思考を巡らせ、支援AIとの対話によりヒトブタの改造でブタにヒト脳を移植したのは「ヒトに代わる機械生命の研究か、又は不老不死の研究か」であると帰結する荒巻素子に、アンタレスとスピカの素子同位体の2人はどちらも同じと返す。考察を進めた荒巻素子は「本質は脳の増設である」ことに気付く。そして「我が社のブタを無断で私物化した代償を支払うべきね」と詰め寄るのだった。それに対し「損失は出して無い」「襲撃や爆撃の方が重責では」とアンタレスとスピカがかわす。そんな会話中にも電脳戦が進み、隙をつかれた荒巻素子は制圧されて行動不能になってしまう。アンタレスとスピカが荒巻素子を走査中、彼女が偶然手に入れたラハムポル博士名義の小さなファイルを見付ける。解析してみると、そのファイル自体は一見宇宙人の哲学書の様相だが、その実体は「珪素ベースの高度知的生命体設計図」であった。意識を取り戻した荒巻素子が、環の姿になった素子同位体達と邂逅し会話を進め、荒巻素子の珪素生物の設計図を組み上げたい素子同位体は彼女と和解、お互いにホットラインを設置しその生物の取扱いを共同で進めることに合意し契約成立するのだった。
物理現実へと醒めた素子は、デカトンケイルから急ぎ撤収する。保安部が突入するも素子の姿は無く、そこへ足止めしていたデコット素子M2がやってくる。「時間稼ぎ策が尽きたのなら私はもう休暇に行くわよ」と立ち去ろうとする素子に、リー保安部長が専用機は安全確認の為保安部が預かる、と足止めを試みる。ところが素子の方が上手で、行き先が宇宙の貨物シャトルに空席があり、出港まで後19分と返す。保安部員ハブが「でも宇宙で休暇なんて退屈だと思う」と言うと、素子の方は「一足お先に未来を観に行くの きっと楽しいわよ」と笑顔とVサインで応えその場を去るのだった。

06 EPILOGUE「エピローグー魂合環が観たもの」

霊能局の一室、PROLOGUE(プロローグ)からの続きで時系列もその頃に戻る。霊視中の環が無想の中で幼少時の環の記憶にあった景色を見ている。そこで若い頃の素子の姿を目撃し、黄泉の国で素子と対話する。そこで、環と素子は御柱を見ている。そして環は素子ともうひとりの素子と非対称な影状のものとが樹を遡っていく様子を垣間見る。
霊能局長「五十鈴」は、その影について「天邪鬼と呼ばれている現象で誰でも皆共存しているもので、霊視ではっきりと確認できる例は極めてまれなもの」であり、更に今後千年間に大きな影響を持つ何かが誕生するのだと解説する。荒巻大輔とバトーは霊能局でそれを神妙に受け止めて見学している。そして、環が融合に巻き込まれたかと思われたところで霊視は終了。環は「この鏡は非対称…」と呟きうずくまる。五十鈴霊能局長と荒巻大輔・バトー達で現象の推論を進め、一通りの推論を追えた後に環の回復を待って調査再開する事にする。「今日これから起こることは始まりに過ぎず 通過点の一つで又終焉でもある」との五十鈴霊能局長の言葉に、「未来を観るんじゃないのか?」と荒巻大輔が質問すると「未来と過去は同じ物だよ 違うのは観る側だ」と応える五十鈴霊能局長。
そして環の瞳には象徴的な樹が映し出されて居るというところで物語は終わる。

『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』の登場人物・キャラクター

ポセイドン・インダストリアル

荒巻素子(あらまきもとこ)

本作の主人公。所属は公安9課ではなく、ポセイドン・インダストリアル社。考査部長として優れた電脳処理能力と多くの支援AIやデコット、セボットなどを駆使して本作で起きる事件を追っていく。実は草薙素子の11番目の同位体で既に4柱の魂と融合を経ている。

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