ニュクス・アバター／望月綾時／ファルロス／デス（ペルソナ3）とは【徹底解説・考察まとめ】

P3主人公と別れたファルロスは、全ての記憶を封印し、「望月綾時」という人間になる。そうして「長年海外で暮らしていた」という体で、月光館学園高等部のP3主人公のクラスへ転入する。デスとしての記憶もファルロスとしての記憶も失った綾時は、P3主人公達と共に、ただの学生として日々を過ごす。だが（ゲームの暦上で）12月に入ったある日、特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーとして活動していたアイギスに、自身の正体を見破られ、そこで己がデスであった事を思い出す事となる。
全てを思い出した綾時は、P3主人公と特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーに、己の正体を告げ、世界に滅びが迫っている事を告げる。予想外の事態に驚愕するP3主人公達。そんな彼等に綾時は、自分を殺せば、影時間やタルタロス、シャドウに纏わる全ての記憶を忘れられる、と述べる。世界滅亡を防ぐ事はできないが、代わりに迫ってくる滅びに恐怖せず、その時を迎えられるという綾時。だが、P3主人公達は綾時に突きつけられた選択に困惑し、答えに窮してしまう。それを察した綾時は、自分が綾時としての姿を保てなくなる年明けまでに答えを出して欲しいとP3主人公達に言い渡す。そうして、年末にまた答えを聞きに来ると言い残し、彼等の前から去る。

綾時が去った後、P3主人公達は自分達がどうするべきか話し合うが、答えは出ず、その日は解散する事となる。だが、各々に改めて自分のやるべき事を考えたP3主人公達は、年末、再び集まり「ニュクスと戦って世界を守る」という、新たな選択を導き出す。その事をP3主人公達の口から聞いた綾時は、本当にそれでいいのかと彼等に再び問う。そうして彼等を自分を殺すように説得しようとするが、P3主人公達の決意は固く、綾時の提案を断る。綾時は最後のチャンスとして、P3主人公の部屋で、彼と2人っきりで話し、自分を殺すように提案するが、断られてしまう。P3主人公達の決意に強さを認めた綾時は、致し方なく彼等にニュクスと出会う方法を教える。そうして綾時としての姿が保てなくなるその前に、彼等と別れる。

ニュクス・アバターとしてP3主人公達と戦う

P3主人公達特別課外活動部（S.E.E.S.）と別れた綾時は、綾時としての姿を失い、デスとなる。そうして地球に迫りつつあったニュクスと融合する。ニュクスと融合したデスは、その後、ニュクス・アバターとなり、ニュクスを倒しにやってきたP3主人公達の前に現れる。その時にはデスとニュクスの意識は、ほとんど境目がない状態にあり、デスというよりも「ニュクス・アバター」という新たな存在としてP3主人公達と対峙する事となる。P3主人公達はやってきたニュクス・アバターの顔が綾時に似ていた事で驚くも、世界を守る為、彼との戦闘を開始する。

激闘の末、P3主人公達はなんとかニュクス・アバターに勝利。だがそこで、ニュクス・アバターはあくまでもニュクスの「アバター（一部）」であり、本体は別にいる事が判明する。実はニュクスの本体は「月」であった。シャドウ達が満月に近づく程活発化するのも、「月」こそがニュクスであったが為の影響だったのである。特別課外活動部（S.E.E.S.）の面々は、その強大な存在感と力にやられ、体が動かなくなってしまう。だが、その時、P3主人公の精神のみがベルベットルームへ連れて行かれる。そこで彼は、今まで周囲の人々と築き上げた絆をもとにした力「ユニバース」を手にする。P3主人公はニュクスの内部に一人で乗り込む。そうしてユニバースを使い、大技「大いなる封印」を発動させる。それによりニュクスとデスは宇宙の彼方に封印され、世界の滅亡を防ぐ事に成功する。こうしてデスおよびニュクスや綾時達は再び封印され、世界の平和は守られる事となる。

だがその実、P3主人公が発動させた「大いなる封印」は、ユニバースの力だけではなく、P3主人公の命そのものも使う大技であった。その為、P3主人公の命が犠牲となってしまう。しかし、特別課外活動部（S.E.E.S.）の面々と「平和になった世界で、卒業式の日に皆で屋上に集まる」という約束を交わしていたP3主人公は、ギリギリの体の状態で、どうにか皆のもとへ帰っていく。

ニュクスとの戦いが終わり、デスも封印された事で、P3主人公を含む特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーは、影時間やタルタロスに纏わるこれまでの戦いの記憶を全て失い、それぞれの日々を過ごしていくようになる。だが対シャドウ特別制圧兵装であったアイギスだけは、全ての記憶を持ったまま、仲間との約束の日を待っていた。そうして卒業式当日、P3主人公の部屋を訪れ、彼を連れて屋上へ向かう。その頃、卒業式に参加していた特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーも、ふとした違和感から全ての記憶を思い出し、卒業式を抜け出して屋上へ向かっていた。屋上にやってきた特別課外活動部（S.E.E.S.）の面々に、涙するアイギス。だが、その時、P3主人公の体は限界を迎えており、アイギスの膝の上で眠りにつく形で、静かに息を引き取っていたのだった。

ニュクス／ニュクス・アバター／望月綾時／ファルロス／デスの関連人物・キャラクター

特別課外活動部（S.E.E.S.）

P3主人公／キタロー

『ペルソナ3』の主人公。愛称は「キタロー」、プレイヤーの分身にあたるキャラクターである。様々なペルソナを使いこなせる「ワイルド」と呼ばれる力を持っており、特別課外活動部（S.E.E.S.）の現場リーダー、指揮官を務めている。幼い頃にとある研究所で起きた爆発事故に巻き込まれる形で両親を亡くしている。
特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーが暮らす学生寮「巌戸台分寮」に、初めて訪れた際にファルロスと知り合い、彼を通じてベルベットルームを利用する為の契約を行う事になる。ペルソナ使い覚醒後は、特別課外活動部（S.E.E.S.）の活動の傍ら、記憶喪失のファルロスと仲良くなっていくが、ある晩、突如ファルロスから別れを切り出されてしまう。それからしばらくした後、彼が通う「月光館学園高等部」に綾時が転校生とやってくる。綾時とクラスメイトになった彼は、他の同年代の特別課外活動部（S.E.E.S.）メンバー達と共に、単なるクラスメイトとして友好関係を育む。この時、P3主人公と綾時は、互いに相手がどのような存在であるかを知らずに居た。綾時の方は、自分が何者であるかも忘れており、物語後半に入って、自分がデスであった事やP3主人公の中に封印されていた事、そしてファルロスとしてP3主人公と交流してきた時期の事を思い出す。
その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時と、ニュクスから世界を守る為に立ち上がったP3主人公は特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。

アイギス

特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバーであり、桐条グループが作りあげた人型の対シャドウ特別制圧兵装でもある。元は全6体いる内の1体だったが、シャドウの上位存在であるデスとの戦闘により、彼女以外の機体は全て機能を停止してしまった。ある理由からP3主人公を最優先保護対象と認識している。
物語中盤、転校生として自身のクラスにやってきた綾時と出会う。綾時の方はフレンドリーに話しかけてくるが、アイギスは直感から彼は警戒するに値する人物だと判断し、冷たい態度で接する。事実アイギスの直感は正しく、物語後半に、綾時がかつて彼女と姉妹機達が戦ったデスである事が判明する。その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時とニュクスから世界を守る為、特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。
なお、冷たい態度は取り続けていたが、綾時がアイギス達の事を本当に大切な友人として想っていた事も理解はしており、敵対する者同士として綾時と別れる直前、彼の事を友としてずっと忘れないと告げる等、アイギス個人としては綾時の事を「友人」として捉えていた事がわかる描写がされている。

岳羽ゆかり（たけば ゆかり）

特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバー。月光館学園高等部に通う高校2年生である。幼い頃に父が職場の爆発事故に巻き込まれ亡くなっている。しかしゆかり自身は父の死に疑問を抱いており、特別課外活動部（S.E.E.S.）に加わったのも「父の真相を探る為」という理由がある。
物語中盤、転校生として自身のクラスにやってきた綾時と出会う。女の子好きな上に海外育ちという事からか、フレンドリーに遠慮なく自分に話しかけてくる綾時に、クラスメイトとして相応な態度で接する。物語後半、彼が自分の父を死に追いやった原因の1つである、異形の存在・デスだと知る。その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時とニュクスから世界を守る為、特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。

伊織順平（いおり じゅんぺい）

特別課外活動部（S.E.E.S.）のメンバー。月光館学園高等部の2年生である。P3主人公と同時期にペルソナ使いに覚醒し、特別課外活動部（S.E.E.S.）に加入する事となった。ノリの軽いお調子者で、特別課外活動部（S.E.E.S.）のムードメーカーを務めている。
物語中盤、転校生として自身のクラスにやってきた綾時と出会う。フレンドリーな性格の綾時とは波長が合うのか非常に仲が良く、作中では共に馬鹿な事をしてはゆかりを筆頭とした女子達から冷たい目を向けられる事もある。だが物語後半、彼が影時間が生まれるきっかけとなった異形の存在・デスである事を知ってしまう。その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時とニュクスから世界を守る為、特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。

桐条美鶴（きりじょう みつる）

特別課外活動部（S.E.E.S.）創設時からのメンバー。世界有数の多国籍企業「桐条グループ」の社長令嬢でもある。月光館学園の生徒会長、さらにはフェンシング部の部長も務めるという、「文武両道」の4文字を地で行くお嬢様。
物語中盤、月光館学園に転校してきた綾時が、美鶴の姿を認めて口説きに言ったのが最初の対面。だがその時美鶴は、父を亡くしたショックから意気消沈しており、綾時に対しての態度はおざなりなものだった。本格的に綾時と関わるのは、修学旅行イベントの最中の事である。しかし、2泊3日の修学旅行中に入れる温泉にて、綾時が特別課外活動部（S.E.E.S.）の男子メンバーと共に行った「覗き」がきっかけの為、あまり関係性らしいものは築かれていない。むしろ、男子達が「覗き」を失敗した場合のルートを発生させると、翌日冷たい目を綾時、彼と共にいた特別課外活動部（S.E.E.S.）達に向け投げつけてくる。
物語後半、綾時が自身の祖父・鴻悦によって生まれた異形の存在・デスである事を知る。その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時とニュクスから世界を守る為、特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。

真田明彦（さなだ あきひこ）

特別課外活動部（S.E.E.S.）創設時からのメンバー。月光館学園高等部の3年生でもある。ボクシンブ部の主将も務めており、16戦無敗と驚異の戦績を誇る超高校級のボクサーとして全国に名を馳せている。「強さ」に固執した戦闘狂の一面を持っており、自分を鍛える事に余念がない。一見すると脳筋タイプの人物に見えるが、実は勉強もできる文武両道な人物でもある。
物語中盤、月光館学園に転校してきた綾時が、真田の隣に居た美鶴の姿を認めて口説きに来たのが最初の対面。その時美鶴は、父を亡くしたショックから意気消沈していたのだが、そんな事など意に介した様子を見せずに綾時は美鶴に話しかけてきた為、真田は驚愕させられる。
物語中盤で発生する修学旅行イベントの最中に、再び綾時と関わるが、それ以降は学年の違いもあり、あまり関わりがない。
物語後半、彼が影時間が生まれるきっかけとなった異形の存在・デスである事を知ってしまう。その後、デスとしてニュクスの一部、ニュクス・アバターと融合した綾時とニュクスから世界を守る為、特別課外活動部（S.E.E.S.）の仲間達と共に戦う事になる。