敵だけどその後が気になる『るろうに剣心』の八ツ目無名異

『るろうに剣心』原作最終章「人誅編」に登場したマイナーと言えばマイナーで、あまり活躍した感のなかった「敵キャラ」、八ツ目無名異。異形的な外見といい出自といい噛ませっぷりといい、気になりだしたら止まらないのは要素は多々あります。その後とか。

『るろうに剣心』人誅編に登場

幕末の動乱期と呼ばれる頃に最強の人斬りとして名を馳せた「人斬り抜刀斎」こと主人公緋村剣心。仕事とはいえ多くの人物を手にかけた分、恨まれてもいるわけです。原作でのラスト部分における『人誅編』に八ツ目さんは登場しました。抜刀斎に恨みを抱く「六人の同志」の一人として。

右の白髪の人物が「六人の同志」リーダー、雪代縁。姉を殺されたと剣心を恨んでいますが…。

といっても、「六人の同志」の大半が「かたき討ちの名目に殺人や戦闘を楽しみたい」ゲス野郎で、同情できるのは鯨波さんとこの八ツ目さんくらいなんですけどね。リーダー縁も…まあ目の前でお姉さん殺されたんじゃ仕方ない…といっていいものか。

奥の巨漢が鯨波さん。武士としての「死に場所」を奪われたという逆恨みしましたが、根はいい人なんですよ。

このメンバーが一堂に会した時、八ツ目さんは何故か天井裏から挨拶し、フードを被ってのご出陣。理由は「人前に姿をさらせない」としか言ってませんでしたが…。

八ツ目無名異

今回のメインは八ツ目さんなので、本題に入ります。

フードの下はご覧の姿。妙に腕が長いですが、本人が言うには「伸ばした」とのことです。詳しくは後述。

「抜刀斎」との因縁

さかのぼること幕末の時代。抜刀斎討伐という名目で単に強い奴を倒したいだけの連中とつるんでいたわけですが、戦いの場は森の中。しかもメンバーが一人脱落(自決)する際爆発を伴うことによって視覚や聴覚を麻痺させていくという卑劣な手段。八ツ目さんは異常に長い腕を使って死角などからの攻撃をしかけていたのですが、右手を刀でつぶされた上に「姿を見られた」として抜刀斎を恨むようになるのでした。「必ず殺す」と言い残して。

戦闘開始

劇中で彼が戦ったのは、積年の敵ともいる剣心、ではなく斉藤一。理由は、「化け物」と挑発されたため。まあ確かにイケメンではないどころか、見ようによっては不気味。しかし彼の現在の姿にはある事情がありました。

出自

元々は金を掘るための金堀衆を営む一族の出なんですが、金鉱に潜り込むため手足を長く「精製」するようになったそうです。一族秘伝の掟なので他者に見られたら殺すことになっているそうな。しかし、時代が幕末に移るや金もあらかた掘り尽くされてしまったとのこと。そこで「戦闘」の面に可能性をかけるようになったとか。歯がとがっているのも一族秘伝の精製術の賜物なんです。

結果

10数年「抜刀斎を殺す」ことだけを胸に生きてきたのに、全然関係ない相手にケンカ吹っかけてどうすると。左腕に刺された斉藤氏の刀を芯棒のごとく刺し直すなどして戦いに挑みますが、手の内見破られまくり。命まで取られそうになるや、「十数年殺そうとしていた相手」により助けられる始末。諭されるなどどこまで気の毒なんだ、と言いたくなるキャラでした。戦闘力は高めですよ、念のため。斉藤氏が強すぎた上に容赦ないキャラだっただけで。

それなりにカッコいいビジュアルだと思うんですけどね、八ツ目さん。「化け物呼ばわり」した相手をまず殺してきたそうで。

「愛をこめて」なんてセリフを天井裏からとはいえ投げかける(同志の名前として提案)辺り、結構ロマンチスト?いくら掟とはいえ10年以上も「姿を見た」相手を追っているわけですし、表紙の「妄執」という言葉が八ツ目さんのものだとすると、思ったより感受性が鋭いのかも。

その後

『ジャンプ』掲載時には「逃走」とありましたが、ホントどうなったんでしょうか。当時舞台を北海道に移す『北海道編』があるんじゃないかという噂や伏線があったのですが、リーダー縁と戦って終了。ひょっとしたら八ツ目さんも再登場があったかもしれないんですよね。一族が向かった先が「北」というのがどうにも。別に戦闘に参加しろとか言いませんけども、何らかのアドヴァイスをくれるくらいは…なんて期待もしたものです。

「再筆」、つまり描き直したキャラクター陣。八ツ目さん海外からの刺客になってます。これはこれで面白そう。でも因縁がない。

えどまち
えどまち
@edono78

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