昌平君(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
昌平君(しょうへいくん)とは『キングダム』に登場する武将で、秦国の右丞相(うじょうしょう)として、軍総司令を務める天才軍師である。秦国の実権を握る呂不韋(りょふい)が率いる呂氏四柱(りょししちゅう)の一人である。冷静な判断力の持ち主で、目的達成の為であれば、呂不韋の意向にそぐわぬ事もいとわない。自身の天才的な智略に基づいた的確な判断で軍総司令として戦の大局を操る。また、自身の運営する軍師学校で後進の育成も務めている。智略だけで無く反乱軍の鎮圧には自らが戦地に赴き敵将を討ち取る力量も兼ね揃えてる。
迫ってきた合従軍に対抗するため、数で劣る秦国が対抗できるあらゆるプランを文官達と、寝る間を惜しみ、何度も何度も模擬戦を繰り返し必死で検討した昌平君。ようやく、100戦中20勝できるプランを導き出した。可能性は1/5だがそもそもこのいくさ自体が賭けであったため、この結果を聞いた呂不韋は上出来だと、昌平君を労った。この策では、秦国一の武力を持つ蒙武(もうぶ)を、合従軍最大勢力である楚軍にぶつけ、敵将で最も強力な将軍、汗明(かんめい)を討ち取る事に成功した。また経験豊富な蒙驁を函谷関の守備につける一方で、奇抜な動きをする将軍・桓騎(かんき)も同時に函谷関の守備に配置するという奇策を設けた。結果的に昌平君のこれらの策が功を奏し、合従軍による秦国滅亡の危機から国を救う事となった。
呂不韋の袂を分かつ
嬴政加冠の儀の際に、呂不韋の策略により嬴政の母である太后と、宦官の一人として後宮に入った絶倫男・嫪毐が一時的に建国した毐国が反乱を起こすことを、昌平君は事前に教え子である飛信隊の河了貂(かりょうてん)に伝えていた。それは呂不韋四柱として秦国の執政を取ってきた昌平君が嬴政側についた事を意味する行為だった。そして、その反乱軍が咸陽へ迫った時、昌平君は立ち上がり、呂不韋に「世話になった。」と言い放った。
自ら戦場に出て反乱軍を討ち取る
決起した嫪毐(ろうあい)の反乱軍は勢いを増し、後宮の奥まで迫ってきていた。反乱軍は、戎翟(じゅてき)軍など手練れの兵に加え、多数敵軍に秦国軍は苦戦していた。戦っていた飛信隊の軍師・河了貂も、もはや活路を見いだせず焦っていたところに、突然貝笛の音が鳴り響き、昌平君一団が到着した事が知らされた。昌平君は軍の先頭に立ち、戎翟公・ワテギ目指して侵攻した。貝笛により昌平君の到着を確信した河了貂は、戦況を見ながら昌平君の戦術・包雷(ほうらい)を察知し応じた陣形を作った。河了貂の機転により陣形が整った昌平君は好機を逃さず、一気に前進してワテギの首を討ち取ることに成功した。
鄴攻めを考案
秦国は自国の体力を考慮し、短期間で中華統一を達成する計画を立てていたが、その事に気付いた趙国三大天の李牧は、防衛線として趙国西部に複数の城を築いた。昌平君の試算では、防衛線となる城を一つひとつ攻略すると、十五年を要する結果となり、正攻法で趙国を落とすのは困難である状況となった。そこで昌平君は、奇策として、趙国西部への攻略を囮にして王都・邯鄲(かんたん)の喉元である鄴(ぎょう)攻めをおこなう作戦を立て決行した。鄴攻めが成功すればわずか三年で王都・邯鄲を落とし、趙国を滅ぼすことができるというものだった。昌平君は秦国総大将に王翦(おうせん)将軍を任命、その王翦に対し「戦局の流れによっては攻略の策を捨てて、適宜判断してほしい」と伝えた。鄴を追い詰めた秦国は兵糧戦となったため、昌平君は秦国から補給軍を向かわせていたが、途中で趙軍に阻まれ食料をを次々に燃されてしまった。しかし昌平君が大量に運んでいた俵の中身は空だった。秦国は、王翦が昌平君に依頼し、本当の補給軍を、秦国内からではなく水路を用いて斉国から運んでいた。これにより、秦国は鄴まで食糧の供給を確保し、戦況を有利に運ぶことができた。
昌平君の関連人物・キャラクター
呂不韋(りょふい)
呂不韋(りょふい)は、元々一介の商人だったが、秦国の相国(しょうこく)にまで上り詰めた、秦国の重鎮。地位に対する貪欲さから富だけでなく秦国を動かすほどの権力を求める野心家である。秦の丞相(じょうしょう)の席を手に入れることに成功した呂不韋は、その財力と頭脳で秦の右丞相(うじょうしょう)、さらには相国(しょうこく)まで登りつめた。秦国内で最大の勢力を誇る呂不韋四柱を配下に置き、大王嬴政(えいせい)派と対立関係を取っている。昌平君はその呂不韋四柱の一人として仕えている。秦国が合従軍に攻められた際に、大王・嬴政から王座を奪い、自信の地位存続を条件に和睦する事を画策したが、昌平君には「今の秦国の危機を救う戦い以外は取るに足らない小事だ」と一蹴されてしまう。この後、秦国で起きた反乱を画策した張本人として、相国の職を解かれ、呂不韋とは決別している。
蒙武(もうぶ)
蒙驁(もうぶ)は秦国の大将軍で、昌平君と共に呂不韋(りょふい)に仕える呂氏四柱(りょししちゅう)の一人。蒙武はこの中でも「武」を得意とする存在である。荒々しい性格と圧倒的な武力を誇る巨漢の猛将で、自身の事を「中華最強」だと自負している。楚・燕・韓・魏・趙が合従軍を組んで秦国に攻め入ってきた函谷関(かんこくかん)の戦いでは軍の指揮を取り昌平君が指示した、高等戦術である斜陣掛けを使い、楚軍総大将であった汗明を討ち取っている。昌平君と蒙武は若い頃から戦場を共にしてきた信頼関係にある。昌平君は軍略を駆使する知略型、蒙武は武で押し通す本能型の武将とされているが、昌平君はかつては蒙武に匹敵する武の持ち主であったと言われている。
介憶(かいおく)
介億(かいおく)は昌平君の側近。独特な髪型とヒゲが特徴の軍師。秦軍の総司令直下に配属されている。軍師学校の講師でもあるため、飛信隊の軍師である河了貂(かりょうてん)は昌平君の軍師学校で軍略を学んでいた時に、介億から教えを受けている。秦国随一の頭脳派である昌平君が側近に添えている介億は優秀な軍略家であるといえる。楚・燕・韓・魏・趙が合従軍を組んで函谷関に攻め入ってきた際に、別動隊として南道に侵入し、王宮目前の城、蕞(さい)にまで迫ってきた李牧軍を迎え撃つ際に昌平君は、介億を始めとした指揮官級五十名を含む兵百名を送り込んだ。これにより、蕞は李牧軍からの攻撃に数日間持ちこたえる事が可能となった。
嬴政(えいせい)
後の秦の始皇帝の本名。姓が嬴で名が政。秦国の若き大王。主人公の信(しん)と並ぶもう一人の主人公である。性格は常に冷静で武芸にも長けており、物語当初は信を片手で持ち上げるなど身体能力の高さを見せつける場面もあった。趙国三大天の李牧が、楚・燕・韓・魏・趙が合従軍を組んで秦国に攻め入ってきた際に、嬴政自らが秦の城市である蕞(さい)に出向き、市民を鼓舞して民兵に変貌させ、李牧軍に対抗する姿や、「自らが武の力を持って中華を統一し、中華最初の唯一王になる」という言葉を何度も言うのを聞き、呂不韋陣営から嬴政側についた。呂不韋と決別した昌平君は、嬴政と共に歩む道を進んでいくこととなる。
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蒙毅(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
蒙毅(もうき)は『キングダム』に登場する秦国の若き軍師である。祖父は秦国大将軍である蒙豪、父は中華最強を自負する秦国将軍の蒙武、兄は物語の主人公・信と共に切磋琢磨して己の実力で将軍となった蒙恬というエリート軍人一家の出身。突出した武の力を誇るもそれに任せた戦法を取ることが多い蒙武を、知略の面で支えたいと考えて軍師を目指し、秦国軍総司令・昌平君の軍師学校の門を叩く。信と生活を共にする少女・河了貂とは軍師学校の同期で、特別軍師認可を受けている彼女と軍略囲碁でまともに戦えるのは蒙毅だけである。
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目次 - Contents
- 昌平君のプロフィール・人物像
- 昌平君の武器・技・戦術
- 斜陣がけ
- 包雷(ほうらい)
- 蒙武にも匹敵する武勇の持ち主
- 李牧に匹敵する知略の持ち主
- 昌平君の来歴・活躍
- 総大将として蒙武ではなく、王騎を推薦
- 山陽を東郡とする事を宣言
- 合従軍に対抗するための策を徹夜で検討
- 呂不韋の袂を分かつ
- 自ら戦場に出て反乱軍を討ち取る
- 鄴攻めを考案
- 昌平君の関連人物・キャラクター
- 呂不韋(りょふい)
- 蒙武(もうぶ)
- 介憶(かいおく)
- 嬴政(えいせい)
- 蔡沢(さいたく)
- 李斯(りし)
- 河了貂(かりょうてん)
- 蒙毅(もうき)
- 蒙恬(もうてん)
- 昌平君の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「取るに足らぬ小事です」
- 「昌文君は昭王のとき長きに渡り最前線で弓矛を振るった生粋の武人だ」
- 「世話になった」
- 昌平君の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 史実での昌平君