I am Sam アイ・アム・サム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『I am Sam アイ・アム・サム』とは2001年に公開されたアメリカのドラマ映画である。監督はジェシー・ネルソン。知的障害で7歳児程度の知能しか持ち合わせていないサム。1人でルーシーを育て始めるが彼の養育問題が浮上し、児童福祉局に目をつけられてしまう。サムに対する社会の目は厳しく、ルーシーは施設で保護され2人は引き離されることとなった。それでも一緒にいることを諦めなかった親子の純粋の絆が描かれている。ネルソンの代表作の1つとなっている繊細な心模様の描かれた家族の愛の物語。

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Mr.ターナー(演:リチャード・シフ)

吹替:仲野裕(ソフト版)/郷田ほづみ(日本テレビ版)
検事。裁判でサムに父親が務まらないことを証明するため様々な尋問を行う男性。彼の弱点を的確に突く尋問により、サムは不利な状況へと追い込まれていく一方であった。証人として出廷したアニーの発言も封じてしまう。

マーガレット・キャルグローブ(演:ロレッタ・デヴァイン)

吹替:滝沢ロコ(ソフト版)/磯辺万沙子(日本テレビ版)
児童福祉局に勤めるふくよかな女性。売春未遂の件でサムたちの家を訪れた際、そこではルーシーの7歳の誕生日パーティーが行われていた。しかしそこでサムがクラスメイトの男子に対し反発していた場面に遭遇し、サムにルーシーを育てることは不可能であると判断する。その後、施設でサムとルーシーが抜け出した際には、リタがその事件を口外しないよう嘆願するが、マーガレットは報告。翌日、ルーシーへの質疑応答が行なわれた。

フィリップ・マクニーリー(演:ケン・ジェンキンス)

吹替:長克巳(ソフト版)/なし(日本テレビ版)
裁判官である初老の男性。リタが声を荒げることが度々あっても都度冷静に判断し、的確な言葉を投げかけていた。公正な裁判が行えるよう徹底してしている。

ライト(演:ウェンディ・フィリップス)

吹替:弘中くみ子(ソフト版)/なし(日本テレビ版)
裁判所にいた女性。前髪を真ん中で分けている。週に2回、2時間程しかルーシーと面談できないと告げられショックを受けていたサムの肩を優しく手を添えていた。

その他

リリー(演:ロザリンド・チャオ)

吹替:村竹あおい(ソフト版)/なし(日本テレビ版)
サムが偶然入ったレストランにいた娼婦。そばにいたサムに声をかけ、親しい雰囲気になったところで外に一緒に出るよう促した。サムにその気はなかったものの、警察に目撃されたサムは買春の容疑で警察へと連れて行かれる。

ジャスロウ(演:マイケル・B・シルバー)

吹替:蓮池龍三(ソフト版)/なし(日本テレビ版)
レベッカがルーシーを出産する際に、立ち会っていた男性看護師。病院に駆けつけたサムに間も無く産まれることを伝える。その後産まれたルーシーを嬉しそうに抱き上げていた。

『I am Sam アイ・アム・サム』の用語

知的能力障害

知的能力障害は知的障害、精神遅滞とも呼ばれている。18歳頃までに記憶、推論、判断、言語理解、問題解決など問題があらわれてくる。同年齢の人よりも認知や言語に関わる知的機能の発達に遅れが見られ、人との意見交換や、日常生活、仕事などの適応能力が不十分であり、外部からのサポートが必要な状態を指す。

『グリーンエッグ&ハム。』

サムがルーシーに読み聞かせようとしていた絵本。1960年に発売されたドクター・スースの有名な本である。冒頭は「I am Sam.(私の名前はサム。)」から始まっていく。全部で62ページあるが使われている単語は50単語のみであり、子どもの読みやすい絵本となっている。サムが緑の卵とハムを食べさせようと様々な手を尽くしていくストーリー。

『ロッキー・ホラー・ショー』

サムとルーシーが施設から脱走して帰ってきたら後、アニーが証人として施設を訪れるまでサムとリタや友人らは待合室で待機していた。そこにあるテレビで放送されていたアニメに登場するキャラクターが「映画の"ロッキー・ホラー・ショー"は…」と声に出していた。『ロッキー・ホラー・ショー』はリチャード・オブライエンによるミュージカル舞台劇『ロッキー・ホラー・ショー』を1975年に映画化した作品である。製作国はイギリスとアメリカ。ホラー作品であるが、コメディ要素の多いミュージカル映画となっている。

『I am Sam アイ・アム・サム』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

サム・ドーソン「神様がママを取るのはその人が特別だからだとアニーが言ってた。」

サムとルーシーは、それぞれに大きなものを背負っている親子である。サムは自身の持つ知的障害と妻がいない状態で、ルーシーを育てなければならないこと。そしてルーシーには物心ついた時から既に母親はおらず、知的障害を持つ父親と生きていくこと。ルーシーは純粋な疑問から、母親は帰ってくるのかとサムに尋ねる。その時のサムの答えが「神様がママを取るのはその人が特別だからだとアニーが言ってた。」というものであった。サムの答えから、ルーシーはサムが知的障害を持っているのも、特別であるからではないかと考えつく。彼女は1人でどんどん成長していた。

サム・ドーソン「僕ら姿はこんなに違うのに気持ちは同じだね。」

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