死霊館(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『死霊館』とは2013年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督を務めるのはジェームズ・ワン。超常現象研究家のウォーレン夫妻が調査にあたった実話を基に作られており、数々の事例の中で最も邪悪で恐ろしい事件とされている。死霊館ユニバースの1作目にあたる作品。ある日、ウォーレン夫妻の元に5人の娘をもつペロン夫妻からの依頼が入った。次々と起こる怪奇現象に怯える一家を救う為、ウォーレン夫妻は悪霊に立ち向かっていく。悪魔の恐ろしさに震え上がるサスペンス・ホラー。

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吹替:後藤ヒロキ
ハリスヴィル署の警官。調査の手伝いをしてはいるが、霊の存在を信じていない。ドアが勝手に閉まっても風が吹いていたなどと言い、頑なに霊の存在を認めようとしないブラッド。しかし次々と彼らを襲う怪奇現象に、次第にその存在を認めざるを得なくなっていく。

ジョージアナ・モラン(演:マリオン・ギュヨ)

吹替:なし
ロレインの母親である白髪の女性。ウォーレン夫妻が調査に出ている間、家でジュディの世話をしていた。2人が家を離れていた間にジュディが悪霊に襲われるが、ジョージアナには危害が及ばなかった。

ゴードン神父(演:スティーヴ・コールター)

出典: happyeiga.com

奥の男性。

吹替:牛山茂
カトリク教会の聖職者。ヴァチカンとエドの間に仲介者として入っている。悪魔祓いの許可をヴァチカンから得る為エドは証拠の写真をゴードンに見せ、まず彼を納得させる必要があった。撮影した写真の中にはシンディの背後に潜むローリーの霊が写っているものもあった。

『死霊館』の用語

悪魔祓い

人に取り憑いた悪魔をカトリック教会の儀式や祈祷などによって追い払うこと。悪魔を退散させる為に聖なる象徴の十字架や、聖水、聖書などが使用される。実際に悪魔祓いは行われており、そのあまりの恐怖から後継者不足の問題が浮上している。

カトリック教会

ローマ教皇を最高指導者とするキリスト教の1つの教派。世界に13億人もの信者がいる。カトリック教会の始まりが記されている文書を「新約聖書」という。

透視能力

現実世界の通常目には見えないものを視覚化して捉える能力。対象のエネルギーから過去や現在、未来を視ることができる。霊視が通常視覚で捉えられないものを視ることに対し、透視は物質として存在しているものを視る時に使用される能力を指す。

『死霊館』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ロレイン・ウォーレン「私たちが結ばれたのには理由がある。」

エドはロレインに秘密でペロン一家の事件とは別件の調査に向かおうとしていた。しかし彼が車で向かおうとしていたところで、ロレインに見つかる。それでもエドは彼女を恐怖から遠ざける為嘘をつき、誤魔化そうとするもののそれは無駄な努力であった。透視能力をもつロレインに対し、15年間嘘がつけたことのないというエド。彼はロレインの透視による精神的負担を減らす為に、彼女を調査に連れて行きたくなかったのだ。そこで暫く現場に行くのは休み、彼女に本を書くようエドは提案をする。だがロレインは「私たちが結ばれたのには理由がある。」と言い、悪魔研究家のエドと霊能力をもつ2人が一緒にいる理由は、彼女が本を書く為ではないのだとエドに言い聞かせるのであった。

ロレイン・ウォーレン「神からの授かりものを殺すのは究極の冒涜。」

バスシーバが自分の息子を殺そうとしたことをキャロリンに話して聞かせていたロレイン。話を聞き驚きを隠せないキャロリンに対しロレインはさらに「神からの授かりものを殺すのは究極の冒涜。」と続け、魔女を非難する。ロレインの話によると魔女にとって子供は格を上げるための貢ぎ物でしかなかった。家族が自分の全てであると思うキャロリンにとって、バスシーバの行いは到底信じられるものではない。脅威から愛する家族を守ろうとするキャロリンと、離れた自宅に残した娘をいつも想っているロレイン。2人の魔女とは真逆の愛情が、魔女との対比となって描かれている。

悪魔をも打ち破った家族の愛や絆

出典: happyeiga.com

床下を移動しエイプリルに襲い掛かろうとしていたキャロリンの頭部を床に空いた穴から捉えたロレイン。彼女はキャロリンの意識を繋ぎ止める為、家族で出かけた思い出の地である海辺を思い出すよう叫んだ。直後、頭に家族の姿が浮かび、悪魔ともキャロリンのものともつかない叫び声が上がった。

悪霊が取り憑いたことで、キャロリンの自我は既に消失しかけていた。エドが悪魔を祓おうと聖書を唱え切る猶予もないほどに霊の力は凄まじく、暴れるキャロリンの体を押さえつけているのがやっとだ。しかし彼女は床下に身を隠していたエイプリルの存在に気付くなり、娘を生贄に捧げる為エイプリルに襲い掛かろうとする。既にキャロリンの口からは悪霊の言葉が発せられるようになり手遅れと思われた時、ロレインが能力を使いキャロリンの頭に過去の家族との思い出の風景を投影させることで、動きを封じることに成功した。それは以前キャロリンがロレインに見せた家族写真の光景である。叫び声はやがて悪霊ともキャロリンのものとも判別のつかないものへと変わっていく。その後叫び声は静まり、残されたのはキャロリンの弱々しい声だけであった。やがてキャロリンは自我を取り戻し、悪霊の支配から解放される。家族の愛や絆は、悪霊をも凌駕する強さを秘めているのであった。

『死霊館』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

映画に収まりきらない量の怪奇現象に襲われていたペロン一家

実在するペロン家の長女アンドレアは、実際は映画内で語られていないことも多く起きていたことを話している。キャロリンは古い英語を口にするようになり、日ごと衰弱し老婆のようになっていったこと。他にもアンドレアとキャロリンが同じ日に、首の捻れた女性の霊を夢で見ていたことなどが挙げられている。これらの怪奇現象はアンドレア以外にも起きており、シンディはある晩に誰かの話し声を聞いていた。内容は壁の向こうに7人の亡くなった兵士が埋められているというもの。映画はペロン家で実際に起きた怪奇現象を基に制作されているが、作品には収まりきらない量の恐怖が一家を襲っていた。

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