死霊館のシスター(ホラー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『死霊館のシスター』とは2018年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督を務めるのはコリン・ハーディ。本作は「死霊館ユニバース」の5作目にあたる。1952年にルーマニアの山奥にある修道院でシスター・ヴィクトリアが首吊り自殺をした。聖職者の自殺は大罪である。また事件には不可解な点も多く、教会はアンソニー・バーク神父とシスター志願者のアイリーンを修道院に派遣した。調査を進めていくうちに呪われた修道院の忌まわしい過去が明らかになり、アイリーンは悪魔のシスターに立ち向かうため信仰への覚悟を決める。

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『死霊館のシスター』の概要

『死霊館のシスター』とは2018年のアメリカのホラー映画である。原題は『The Nun』。アメリカの公開日は2018年9月7日。日本での公開は2018年9月21日。本作は「死霊館ユニバース」の5作目にあたり、シリーズのスピンオフとしては3作品目となる。監督を務めるのはコリン・ハーディ。「死霊館ユニバース」にハーディが参加するのは本作のみ。シリーズに度々登場しているヴァラクという悪魔のルーツに迫るストーリーが描かれている。また、シリーズで初めてIMAXと4D方式での上映が行われた。主演を務めるのはタイッサ・ファーミガとデミアン・ビチル。タイッサは「死霊館シリーズ」で心霊研究家のロレイン・ウォーレンを演じるヴェラ・ファーミガの妹である。2人は21歳離れた姉妹であった。またタイッサは『死霊館のシスター』と『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023年)に出演している。

1952年、ルーマニアの山奥にある修道院で、シスター・ヴィクトリアが首吊り自殺をした。事件を重大に受け止めたバチカンはアンソニー・バーク神父とシスター志願者のアイリーンを助手として同行させ、修道院で調査にあたるよう指示を出す。修道院までの案内役を遺体の第一発見者である村人のフレンチーが担った。こうして3人は村人や馬でさえも近づこうとしない修道院へと足を踏み入れていく。ヴィクトリアが死亡してから数週間が経っているにも関わらず、事件現場に付着した血痕は未だに乾いていない。バークはこの修道院を神聖さとは真逆のものと表現した。まずフレンチーが保存したヴィクトリアの遺体を確認するため配達物を置く冷却室へと向かった一行。しかし遺体はフレンチーが横にした位置から動いており、座った状態で見つかる。そして彼女の手には鍵が握られていた。アイリーンとバークは鍵に重要な手がかりがあると考え、修道院内で鍵穴を見つけ出そうとする。その間に様々な怪奇現象が彼らを襲い、アイリーンたちは呪われた修道院の抱える秘密を知ることとなる。

『死霊館のシスター』のあらすじ・ストーリー

呪われた修道院へ向かうことになったアンソニー・バーク神父とシスター志願者のアイリーン

1952年のルーマニア。山奥にある聖カルタ修道院のシスター・ヴィクトリアともう1人の尼僧は聖遺物を回収しに出向いた。扉には“神はここで死す"と記されている。ヴィクトリアの見守る中、1人は意を決して扉の中に進む。しかし彼女は、そのまま中へ引きずり込まれてしまう。逃げ出したヴィクトリアであったが、窓から首を吊り死亡。後日、修道院を出入りする村人のフレンチーにより、無惨な姿で発見された。
バチカンではヴィクトリアの死について議論がされていた。そこに呼び出されたのはアンソニー・バーク神父。バチカンはバークに真相の究明を依頼する。バークはシスター志願者であるアイリーンを助手として紹介された。2人は挨拶を交わしルーマニアにあるフレンチーの家を訪ね、彼に修道院までの案内を頼んだ。修道院に到着後、配達物を置く冷却室にヴィクトリアの遺体を見に行った一行。すると遺体は勝手に移動しており、手には鍵が握られていた。3人はヴィクトリアを埋葬し、自殺現場や修道院内部の調査を開始。建物の中に入ると修道長がいたが、彼女はヴィクトリアの自殺を知らなかった。来客用の部屋に泊まり翌朝まで待つよう促され、フレンチーはそこで別れ村に戻る。

修道院でアイリーンの見ていた幻覚

バークは過去にダニエルという少年を死なせてしまったことを悩み続けていた。そのダニエルが、深夜にバークの前に現れたのである。走り回るダニエルを追い、墓地に到着したバークは棺に閉じ込められてしまう。その後目を覚ましたアイリーンはバークを捜した。埋葬された後、息を吹き返した者の鳴らすベルの音がアイリーンの耳に届く。しかしいざ墓地に着いてみれば、ベルは複数鳴っていた。目を閉じ見事バークを見つけたアイリーンは彼を救出。空であったはずの棺には人骨と書物が入っていた。翌朝アイリーンが修道院に入ると、シスター・ルースが礼拝を行っていた。話を訊こうとするアイリーンを、シスター・オアナが止める。彼女たちが1秒も途切れることなく何世紀もの間、祈り続けていることや修道院の歴史をオアナはアイリーンに説明した。修道院は暗黒時代に公爵のマークィスが建てた聖カルタの城であり、公爵は悪魔を呼びだす儀式と魔術を繰り返していたのである。しかし召喚の直前に教会が攻め入りマークィスは殺害され、悪魔はイエス・キリストの血で封じられた。それから祈り続けることで悪魔が出てくることはなかったが、戦争の爆撃で城が被害を受け悪魔は再び動き出していた。
一方のアイリーンは悪夢を見てから暫く歩くうちに“神はここで死す"と書かれた扉の前にいた。開いた扉の奥で待ち構えていたのはヴァラクである。逃げ出したアイリーンは、身を潜めていたオアナに助けられる。そのまま彼女に促されアイリーンは礼拝堂に向かった。すると1人で祈り続けている尼僧のそばに、横たわるオアナの遺体を発見。そこに突如10名の尼僧が現れ、全員で祈りを始める。その最中に、アイリーンの肩には背後から五芒星の切り傷がつけられていた。そしてバークはというと冷却室に辿り着いたところで蘇ったヴィクトリアに襲われる。死を覚悟した時、戻っていたフレンチーに助けられ彼は生き延びた。その後、アイリーンと合流するも彼女が幻覚を見ていたことが発覚。10人の尼僧の姿はどこにもなかった。またオアナの横たわっていた場所には干からびた尼僧が横たわっており、そこでヴィクトリアが最後の尼僧であったことが判明する。ヴァラクは人間に憑依しなければ城から出られないため、ヴァラクを封じ込めるために彼女は自害したのだ。アイリーンはヴァラクを封じ、地獄の門を閉める決意を固める。そこで終生誓願を立て、彼女は神に生涯を捧げることを誓った。

『死霊館』へと繋がる悪魔ヴァラクの襲撃

それからアイリーン、バーク、フレンチーの3人は地下通道で鍵の差し込み口を見つける。そこでキリストの血を入手しヴァラクを捜した。“神はここで死す"と書かれた扉を見つけ中に入った3人は、次に地獄へ通じる扉を探す。別々の行動を始めた彼らをヴァラクは1人ずつ襲った。そしてアイリーンは地面に描かれた五芒星の中心に誘導され、ヴァラクに憑依されてしまう。フレンチーは彼女を救うため、憑依された彼女の顔面にキリストの血を付着させた。するとヴァラクは叫び声を上げながら彼女の体から抜け出していった。しかしヴァラクはそのまま今度はアイリーンを溺死させようとする。そこで口にキリストの血を含んでいたアイリーンは、ヴァラクの顔が近づいた瞬間に一気に吹き出した。顔面に血を浴びたヴァラクが苦しみ出すのと同時にヴァラクを中心に地獄の門が開き、中へと封じ込められていった。その後、気絶していたアイリーンは息を吹き返し、バークは片目を負傷しながらも生還。命懸けでアイリーンを救ったフレンチーは本名がモーリスであることを明かす。だが彼の首筋には逆さ十字が浮かび上がっていた。
それから20年後、マサチューセッツ州ウェイクフィールドにある大学の講演会でキャロリン・ペロンは農夫となったモーリスに悪魔が取り憑いている様子を映像で観ていた。モーリスのそばにいた心霊研究家夫妻のロレイン・ウォーレンが叫び声を上げた時、エド・ウォーレンは悪魔の憑依に関する説明を始めるのであった。

『死霊館のシスター』の登場人物・キャラクター

修道院に向かった人物

修道女アイリーン(演:タイッサ・ファーミガ)

出典: www.anemo.co.jp

吹替:清水理沙
ロンドンにある聖ビンセント病院にいる尼僧の志願生。バチカンが修道院内に男子禁制エリアがあった場合を考え手配された。またルーマニアの土地勘があるとしてアイリーンを紹介されたバークであったが、彼女はルーマニアに行ったことがない。しかしバチカンには必ず意図があると考えるバークは、共に修道院へ向かうことにする。見習いから尼僧として終生誓願を立てさせるために彼女は派遣されていた。またバークの知り合いであるフォーン司教は彼女の恩人である。幼い頃に幻覚を見ていたことから、虚言癖であると父に見放されたと過去を明かすアイリーン。その話が教会に伝わり、コンロイ枢機卿の指示でフォーンが彼女の幻覚の調査に当たった。アイリーンは様々な幻覚を見てきたが、最後はどれも"マリア様が示す"で終わっていたと話している。

アンソニー・バーク神父(演:デミアン・ビチル)

出典: lp.p.pia.jp

手前の男性。

吹替:てらそままさき
教皇庁の代表として修道院に出向いた神父。教義に関わる不思議な現象があると教会から依頼を受けるといい、自身を"不思議狩り"と自称している。ヴィクトリアの死を重大に受け止めたバチカンに呼び出されたバーク。彼がバチカンを訪れるのは従軍神父をやめて以来の7年ぶりであった。司教と親しげに話す様子から、面識のある間柄であることが窺える。司教から渡航書を渡され、バークは修道院へ向かうこととなる。自殺の調査は一端に過ぎず、バチカンの意図は修道院が神聖であるかを見極めることであった。またバークは過去にダニエルという少年の悪魔祓いを行った際、彼の身体よりも職務を優先し死なせてしまったことを悩み続けている。ヴァラクはバークの弱みに付け込み、ダニエルを使ってバークを襲う。

モーリス・テリオー/フレンチー(演:ジョナ・ブロケ)

出典: theriver.jp

吹替:岩田翼
ヴィクトリアの遺体の第一発見者。ルーマニアにあるビエルタン村の村人。修道院を頻繁に出入りしており、村と修道院の取り決めで3か月ごとに食料などの配達をしている。配達を始めて2年が経つが、ヴィクトリア以外の尼僧を見たことがないと彼は言う。フレンチー以外の村人は修道院を忌み嫌い、避けていた。彼はビエルタン村に住んでいるがフランス系のカナダ人。金の採掘のために村を訪れたが村人が好きになり、彼らの役に立ちたいと思うようになったと明かしている。また村人たちから唾を吐くことが魔除けになることを知らされており、バカげた迷信と言いながらも、修道院のそばでフレンチーは唾を吐いていた。

尼僧

シスター・ヴィクトリア(演:シャーロット・ホープ)

出典: ameblo.jp

左の女性。

吹替:内野恵理子
冒頭で首を吊り死亡した尼僧。"神はここで死す"と書かれた扉に聖遺物を取りに向かっていた。その際、同行していたもう1人の尼僧が扉を開けたが、1人は中へと引き摺り込まれ、ヴィクトリアは命からがら逃げ延びた。しかし背後から迫る気配に怯えながら、彼女はそのまま首を吊り死亡した。遺体をフレンチーに発見され、配達物を置く冷却室に横になった状態で保存される。しかしバークらが訪れた際には座った状態で発見され、右手には鍵が握られていた。その後彼女は恐ろしい姿で蘇り、フレンチーやバークを襲う凶暴な存在となっていた。

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