終わりのセラフ(終わセラ)のネタバレ解説・考察まとめ

『終わりのセラフ』とは、鏡貴也(原作)、山本ヤマト(漫画)、降矢大輔(コンテ構成)によって描かれているダークファンタジー漫画、およびそれを原作とした小説、アニメ作品。2012年9月から『ジャンプスクエア』で連載。
物語はウイルスによって大人たちが死に絶え、崩壊した世界を描いている。生き残った子供たちは地下都市で吸血鬼に囚われて生活。そこから主人公の百夜優一郎が脱出し、地上で生き残った人類と共に吸血鬼と戦いながら、崩壊した世界の真相に迫る。様々なキャラクターの戦闘や世界観などを楽しめる作品。

『終わりのセラフ』の概要

『終わりのセラフ』とは、鏡貴也(原作)、山本ヤマト(漫画)、降矢大輔(コンテ構成)によって描かれているダークファンタジー漫画、およびそれを原作とした小説、アニメ作品である。2012年9月から『ジャンプスクエア』で連載。本作は鏡貴也が手がけた、初の漫画原作の連載作品。『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』、『終わりのセラフ 一瀬グレン、19歳の世界再誕』、『終わりのセラフ 吸血鬼ミカエラの物語』などの漫画や小説での外伝も刊行されている。これらは講談社から出版され、出版社をまたがったメディアミックスが行われている。2015年4月から6月にはアニメの第1クールが放送。同年の10月から12月には第2クールの『名古屋決戦編』が放送された。第2クールの放送1週間前には、第1クールの総集編『特別編The Beginning of the End』が放送されている。
物語はウイルスによって大人たちが死に絶え、崩壊した世界を描いている。生き残った子供たちは地下都市で吸血鬼に囚われて生活。主人公の百夜優一郎(ひゃくやゆういちろう)は家族である百夜ミカエラ(ひゃくやみかえら)達と共に脱出を図るが、吸血鬼の手にかかりミカエラ達は死亡。一人地上へと脱出した優一郎は吸血鬼殲滅部隊である、日本帝鬼軍に入隊し吸血鬼達と戦う。その中で吸血鬼となって生きているミカエラと再会。一方で、人間同士での争いにも巻き込まれる優一郎達。本当の敵が誰なのか、なぜ世界が崩壊したのか、誰が優一郎のことを人体実験し、何を行おうとしているのかなど徐々に真相が明らかになっていく。様々なキャラクターの戦闘や世界観などを楽しめる作品となっている。

『終わりのセラフ』のあらすじ・ストーリー

鬼呪装備の武器との契約

地下都市から脱出した百夜優一郎(左)だったが、ミカエラ(右)は死亡した。

ウイルスによって大人たちが死に絶え、崩壊した世界。主人公の百夜優一郎(ひゃくやゆういちろう)は地下都市で吸血鬼に囚われていた。優一郎は家族である百夜ミカエラ(ひゃくやみかえら)達と共に脱出を図るが、吸血鬼の手にかかりミカエラ達は死亡。一人地上へと脱出した優一郎は、吸血鬼殲滅部隊である日本帝鬼軍に入隊し、吸血鬼達と戦うことになる。

吸血鬼殲滅部隊のエリートである月鬼ノ組(げっきのぐみ)に入るための研修教室にいる百夜優一郎(ひゃくやゆういちろう)、君月士方(きみづきしほう)、早乙女与一(さおとめよいち)の三人は鬼呪装備適性試験に挑戦する。挑戦するのは、鬼呪装備の中でも最上位の黒鬼シリーズ。鬼呪装備は精神力が弱い人間の精神に取り憑き体を乗っ取る。取り憑かれた人間は本物の鬼に成り果てる危険性があり、鬼の誘惑に打ち勝てる精神力が必要である。優一郎は吸血鬼を殲滅するための力が欲しい。君月は、本来大人だけを殺すウイルスに感染した妹の治療にお金がいる。与一は吸血鬼に殺された姉の復讐をするべく力が必要であった。一瀬グレン(いちのせぐれん)中佐が監視する中、鬼が見せてくるトラウマに打ち勝ち、優一郎は阿朱羅丸(あしゅらまる)、君月は鬼箱王(きせきおう)という鬼とそれぞれ契約に成功した。しかし、与一は鬼に体を乗っ取られてしまう。グレンから、鬼と化した与一を始末するように命じられる二人。グレンから「「ここをどこだと思ってる?月鬼ノ組だぞ あるのは修羅の道だけど それともてめえは復讐ごっこでもしにきたのか!?」と怒鳴られる。優一郎と君月の二人は、納得できないまま与一と戦う。しかし、優一郎は、仲間になった物を殺せないと武器を捨て説得する。実は与一のことを信じていたグレンの声掛けもあり、なんとか人間に戻った与一。こうして無事鬼呪装備と契約できた三人。晴れて月鬼ノ組として、初任務に向かうのであった。

月鬼ノ組VS吸血鬼 新宿防衛線

日本帝鬼軍の第二都市である新宿に、第七位始祖のフェリド・バートリー率いる吸血鬼が攻め込んできた。新宿を防衛するために一瀬グレン率いる吸血鬼殲滅部隊は交戦するが、圧倒的な力を持つフェリドの前に苦戦を強いられる。グレンにその前線に呼び出された百夜優一郎達のチーム。優一郎達が駆け付けた際には、グレンがピンチの場面であった。グレンに止めを刺そうとしていた吸血鬼と交戦する優一郎。その吸血鬼こそ、優一郎が死んだと思っていた百夜ミカエラであった。お互いに無事生きていることが分かり感動。ミカエラは優一郎が人間に利用されていると思い、優一郎を担いでその場から逃げようとする。そんな中、吸血鬼側に第十一位始祖のクローリー・ユースフォードも加わり、グレンたちは撤退を余儀なくされる。しかし、圧倒的な吸血鬼達の力により、グレンと優一郎のチームは全員捕まってしまった。それを見た優一郎の中の何かが暴走。優一郎は仲間である柊シノア(ひいらぎしのあ)にすら斬りかかろうとする。この暴走の原因を知っているのはグレンのみ。シノアが優一郎に抱きつくことでなんとか優一郎は落ち着き、気を失う。そこに柊暮人(ひいらぎくれと)率いる日本帝鬼軍の本隊が到着。ミカエラは優一郎が人間側に人体実験されていると知りなんとか助けようとする。しかし、フェリドはそんなミカエラを強引に捕まえ撤退する。吸血鬼達が撤退したため、優一郎やグレン達は助かった。

名古屋決戦編

1カ月後に吸血鬼本隊が東京に攻めてくることを把握した柊暮人。暮人は吸血鬼の貴族10名が拠点を作っている名古屋を攻めるようにグレンに指示。一瀬グレンは、百夜優一郎達のチームを含む100人の吸血鬼殲滅部隊を引き連れて名古屋に向かう。グレンのチームに柊深夜(ひいらぎしんや)、優一郎達のチームも合流。
優一郎達のチームは鳴海真琴(なるみまこと)率いるチームと共同し、第十五位始祖のルカル・ウェスカーを討つ。一方で、第十三位始祖クローリー・ユースフォード、チェス・ベル、ホーン・スクルドがいる名古屋市役所を襲撃した30人のチームが壊滅したことを知るグレン。優一郎達と鳴海達のチームと合流し市役所に向かう。圧倒的な力であるクローリーの前に手も足も出ないグレン達。グレンは自分を囮に人質を救出させ、隊員に撤退を命令。グレン一人がクローリーに捕まってしまう。クローリーとグレンの所にクルル・ツェペシとフェリド・バートリーが合流。逃げる優一郎達の前には百夜ミカエラが仲間であるはずの吸血鬼を殺し、一人で降り立った。ミカエラは優一郎だけを連れてその場を離れる。そこに暮人率いる日本帝鬼軍が登場。暮人は君月の妹の体を依り代とし、『終わりのセラフ』という実験を発動。発動には多くの人間が生贄として必要であり、軍の人間たちはその場で殺されていく。この実験に加担していた、グレンとクルル・ツェペシも現場に現れる。鬼に取り憑かれたグレンが深夜達を裏切る。戻ってきた優一郎はそれを目にする。すると優一郎の中にも存在した『終わりのセラフ』という天使が暴走。優一郎の中にいる鬼の阿朱羅丸が、なんとか天使を抑え込み優一郎は気を失う。混沌とした現場で、吸血鬼側でもフェリドとクローリーがクルルを裏切る。人間と吸血鬼の戦闘が激しくなり、様々な思惑が出てきたその場から、優一郎達はミカエラとともに逃げるのであった。

世界滅亡の真実

帝鬼軍と吸血鬼から逃げ出した優一郎達のチームとミカエラ、鳴海の7人の前にフェリドとクローリーが現れる。フェリドから世界滅亡はグレンが引き起こした出来事であることを聞く優一郎達。8年前グレンの仲間である柊深夜、五士典人(ごしのりと)、十条美十(じゅうじょうみと)、花依小百合(はなよりさゆり)、雪見時雨(ゆきみしぐれ)は死んだ。仲間を蘇生させるためにグレンは禁忌を犯した。その結果、ウイルスで世界中の人間が滅亡。衝撃の真実を知る優一郎達。フェリドと手を組むことにした優一郎達は、フェリドとグレンの待ち合わせ場所である大阪に向かう。
グレンとの合流前に、フェリド達の前に上位貴族である第二位始祖ウルド・ギールスと第三位始祖レスト・カー達一団が来日。フェリドとクルルが囚われ、日光拷問にかけられる。彼らを救うために、優一郎達は一度フェリド邸に向かう。そこにグレンが合流。そしてグレンの口からも世界滅亡の真実を聞く。グレンの目的が全人類の蘇生であることも知るのであった。

帝鬼軍VS吸血鬼VS百夜教

東京へ帰還した優一郎達とグレン。グレンは暮人と会い、柊家が吸血鬼の真祖である四鎌童子(しかまどうじ)に取り憑かれていることを知る。その四鎌童子はシノアを乗っ取ろうとしていた。四鎌童子はシノアの優一郎への恋心を利用。優一郎を助けるために力を使ったシノアは、四鎌童子に身体を乗っ取られる。シノアの身体は急激に吸血鬼化を始めた。真祖の目覚めを感じたクルル、ウルド、レスト達は東京へと向かう。それと同時に現れた百夜教。百夜教を率いるのは吸血鬼の第二位始祖のリーグ・スタフォード。百夜教の手によって優一郎のもつ鬼呪装備である阿修羅丸が奪われる。その一方でリーグは真祖との交戦を始める。同時刻、グレンのなかに潜んでいた柊真昼ではないもう一人の鬼、ノ夜(のや)が目覚めた。再び優一郎達を裏切るグレンはリーグと共に真祖に挑む。しかし、グレンとリーグはお互いに裏切りを考えていた。リーグの不意を突き、グレンとフェリドは謎のナイフ罪鍵(ざいく)をリーグに突き刺す。その後グレンと真昼、ノ夜は罪鍵を使い、真祖の一時的な封印に成功。シノアは意識を取り戻した。

ミカエラの鬼化

グレンに連れていかれる優一郎。その寸前ミカエラにより優一郎は救出される。優一郎とミカエラはグレンと交戦することになる。その中で優一郎は阿修羅丸を信じ、限界の中で暴走する。半分鬼化した優一郎とミカエラは、グレンと真昼、ノ夜と激闘。その中でグレンにミカエラは殺され、鬼となる前兆が始まる。兄である阿修羅丸を感じたクルルが登場。ミカエラを救う方法を知るクルルに導かれ、優一郎はシノア、君月、与一、三葉と合流する。ミカエラを救う方法、それは優一郎の鬼呪装備にすることであった。

『終わりのセラフ』の登場人物・キャラクター

月鬼ノ組(げっきのぐみ)

百夜優一郎(ひゃくやゆういちろう)

CV:朴璐美(VOMIC版) / 入野自由(テレビアニメ版)、嶋村侑(幼少期)
本作の主人公。孤児院で育ち、幼い時に吸血鬼の都市から脱出し、一瀬グレンに拾われる。家族を吸血鬼に殺され、何よりも家族を大事にする優しい性格を持つ優は復讐心に燃える。日本帝鬼軍の吸血鬼殲滅部隊である月鬼ノ組に入隊。早乙女与一や君月士方と共に、柊シノア隊に所属。吸血鬼を倒せる武器である鬼呪装備を手に入れる。武器の中には阿朱羅丸という鬼が存在。その鬼とも仲良くなろうとする優しい性格である。
実は幼いころ百夜教に人体実験されており、優の中には終わりのセラフという天使が存在する。

一瀬グレン(いちのせぐれん)

CV:浜田賢二(VOMIC版) / 中村悠一(テレビアニメ版)
吸血鬼殲滅部隊の月鬼ノ組の中佐。一瀬グレン隊の隊長24歳。鬼呪装備は「真昼ノ夜」。幼い優を拾い育て、日本帝鬼軍に導いた。たった一部隊で吸血鬼から新宿を奪還した英雄と言われている。日本帝鬼軍を率いる柊家の分家である一瀬家の当主。柊家とはとても仲が悪い。柊家の次期当主として評価されていた、柊真昼と幼い頃に恋人関係になるが、身分の違いから叶わない恋であった。真昼は鬼となり、グレンの武器に入っている。
八年前、チームのメンバーが死んでしまったことに対して禁忌を犯してしまう。その代償として、世界が一度滅んでしまった。その罪滅ぼしも兼ねて、全人類を蘇生させるために、吸血鬼や鬼となった真昼と協力し様々な出来事を起こす。

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