ハムナプトラ2/黄金のピラミッド(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』とは、スティーヴン・ソマーズが監督の『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の続編にあたる実写映画。
前作の主人公リックとエヴリンは結婚し、二人の息子のアレックスが新たな登場人物として活躍する。
リックとエヴリンは、アヌビス神と契約をしたスコーピオン・キングと再び甦ったイムホテップにさらわれた息子を取り戻すべく立ち向かう。
前作から2年後に公開された本作だが、前作以上に当時のVFXによる映像技術が採用されており、ミイラやアヌビスの軍勢がリアルに表現されている。

前作でもイムホテップがその魔術を駆使し砂漠の砂を操り襲ってきたが、今作ではナイル川を操り飛行船を撃退しようとした。イムホテップの怒号と共にナイル川が隆起し、壁のように高くそそり立ったかと思うと、まるで生き物のようにイムホテップの顔の形になり飛行船に襲い掛かる様は圧巻だ。今作では前作と対になるようなシーンがいくつか見受けられ、より作品を楽しむことができる。

メジャイの戦士の軍勢とアヌビスの軍勢が戦うシーン

砂漠の地下からよみがえったアヌビスの軍勢は圧巻

アーデス・ベイ率いるメジャイの戦士たちと、吠え声をあげ両端が斧のようになっている武器を振り上げ迫りくるアヌビスの軍勢とのバトルシーンは圧巻である。アヌビスの戦士はその首を落とすことで一瞬で砂と化すが、全て倒したとしてもすぐに砂漠の地下から甦ってしまう。永遠に封じ込めるには、スコーピオン・キングを倒すしか方法はない。

愛の深さが試されるシーン

ミラに裏切られ絶望するイムホテップ

黄金のピラミッドの崩壊が始まる中、リックに早く逃げるように言われるも自分の危険を顧みず助けにいったエヴリンとは対照的に、ミラは助けを求めるイムホテップを見捨て、自分の保身のために逃げ出してしまう。あまりにも対照的な自分たちの関係にイムホテップは絶望し、失意の中自ら冥界に落ちていった。この場面は2組の愛の深さが試されるようなシーンとなっており、非常に印象的である。

アーデス・ベイ「運命と偶然の差はわずかだ」

運命と信じ行動するかただの偶然と捉えるかは自分次第

飛行船で、エヴリンが自身の前世を見たことで運命を受け入れ、自分の役目を果たそうとするのに対し、自分の腕の刺青がメジャイの運命だと信じ切れないリックに、アーデス・ベイが言うセリフである。
運命は偶然と思うものにはただの偶然でしかなく、運命と思い行動するものにのみ未来が開けるという意味合いを込めた含みのあるセリフとなっている。結局、目の前の出来事をどう捉え、どう行動するかは自分次第だということをアーデス・ベイのセリフは示唆している。

『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ドミノ倒し

前作と対になる柱が倒れるシーン

前作でカイロ博物館の司書だったエヴリンが本棚にはしごをかけて登り、Sの書籍を整理している際、紛れ込んでいたTの本を、はしごをかけ替えることをせず横着をして向かいの本棚に入れようとしてバランスを崩す場面がある。その際、本棚がドミノ倒しになり全ての本棚が倒れてしまった。
今作ではそれと対になるシーンとして、発掘所の神殿でアレックスが登っていたやぐらを蹴り倒された際、神殿の円柱が順にドミノ倒しになり倒れていく。
前作と少し違うのは、前作では全ての書庫が倒れてしまったが、今作では一度にすべてが倒れず最後の柱が残り、ついに壁を突き破って倒壊した際、リックとエヴリンが九死に一生を得るというシーンとなっている。

アメノファス

前作と対になる象形文字を読むシーン

前作では、ジョナサンが「アメン・ラーの書」の最後の象形文字が読めないと叫び、敵の攻撃をかわしながらエヴリンが「アメノファス」と象形文字の読み方を叫ぶシーンとなっている。
今作では、アレックスが「死者の書」の最後の象形文字が読めないと叫び、ミラと戦っているジョナサンが「アメノファス」と叫び教えるシーンとなっている。
前作と今作のシーンは状況も同じだが、前作でジョナサンが寸でのところでエヴリンに教えてもらった「アメノファス」というコウノトリの形の象形文字を唱えて窮地を脱出したように、今作でも同じ状況下でアレックスが同じ文字を唱えてエヴリンを甦らせるシーンとなっている。
前作と違うのは、その書物が「死者の書」であるということ。前作では命を奪う「アメン・ラーの書」だったのに対し、今作では命を与える「死者の書」となっている。

『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング):エド・コワルチック/グレン・バラード「Forever May Not Be Long Enough」

ED(エンディング):エド・コワルチック/グレン・バラード「Forever May Not Be Long Enough」

サウンドトラックの最後にも収録されている『LIVE』の演奏による今作のエンディング曲である。『LIVE』は1980年代に結成され、エドワード・コワルチックを中心としたペンシルベニア出身の4人組ロック・バンド。今作ではエド・コワルチックとグレン・バラードが作曲を担当した。

オリジナルサウンドトラック

1 The Legend Of The Scorpion King
2 Scorpion Shoes
3 Imhotep Unearthed
4 Just A Oasis
5 Bracelet Awakens
6 Evy Kidnapped
7 Rick's Tattoo
8 Imhotep Reborn
9 My First Bus Ride
10 The Mushy Part
11 A Gift And A Curse
12 Medjai Commanders
13 Evy Remembers
14 Sandcastles
15 We're In Trouble
16 Pygmy Attack
17 Come Back Evy
18 The Mummy Returns
19 Forever May Not Be Long Enough

前作の音楽はジェリー・ゴールドスミスだったが、今作はアメリカ合衆国の指揮者で作曲家であるアラン・シルヴェストリが手掛け、シンフォニア・オブ・ロンドン管弦楽団が演奏した。アラン・シルヴェストリはこれまでに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『アベンジャーズ』シリーズなど、多くの映画音楽を作曲している。今作は、2001年5月にリリースされ、オーケストラによって冒険活劇音楽のダイナミックで臨場感あふれるものとなっている。

挿入歌:アラン・シルヴェストリ「The Legend Of The Scorpion King」

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