彩雲国物語(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『彩雲国物語』とは、雪乃紗衣によるライトノベル及びそれを基にした漫画・アニメ品である。原作は角川ビーンズ文庫より2003年10月から刊行されており、2006年4月からアニメ放送が開始された。またライトノベルの挿絵を担当していた由羅カイリにより、2005年7月から漫画の連載も始まっている。「彩雲国」という架空の国で、「官吏になりたい」という夢を抱く紅秀麗がその願いを実現させ、様々な困難を乗り越えていく中華風ファンタジー作品である。

屍人(キョンシー)

モチーフは香港や台湾のホラー映画である「霊幻道士」シリーズなどに出てくるキョンシーと思われる。

渡り蝶(わたりちょう)

魂を運ぶとされている蝶。黒く、紅藍のまだら模様をもつ。万里山脈から紫州に渡ってくる。

漢字(かんじ)

商家ならともかく、庶民は知らない者が多い。

『彩雲国物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

茈静蘭と茶朔洵がどちらが先に毒を飲むか賭けるシーン

左が茈静蘭、右が茶朔洵

テーブルには酒が入ったたくさんの杯が並べられている。そのどれかには毒が入っていた。茈静蘭と茶朔洵は、どちらが先に毒を飲むかの賭けをする。実は、全ての杯に毒が入っていた。
静蘭は毒の中和剤を既に飲んでおり、朔洵は毒の耐性ができている。
誰も割って入ることができない男同士の対決は、緊迫した空気が漂っていた。
静蘭が剣ではなく、静かに戦う貴重なシーン。

紅秀麗「私は、あなたを支えにきたのよ。あなたのそばで、あなたが王として立つのを支えるために」

政治をしない王の教育係として後宮へやって来た秀麗が、別の人物になりすましている王・劉輝に対して後宮に来た目的を話す。秀麗の「私は、あなたを支えにきたのよ。あなたのそばで、王としてあなたが立つのを支えるために」という言葉を聞いて、劉輝は必ず王に伝えると約束する。しかし秀麗は、目の前にいる人物が王だと気付いていた。
秀麗のこの言葉により、劉輝の意識が変わった。今まで流罪になった兄を待つだけだった劉輝が、ここから政治を行うと決意し、本領を発揮する。

李絳攸「これからお前を支えるのは、その望みだ。叶えられる場所まで、死ぬ気で這い上がってこい。待っている」

官吏となった秀麗は毎日厠掃除と雑用を押しつけられている。
秀麗の汚れた顔と荒れた手を見て絳攸は、秀麗が国試に合格したのは秀麗に強い思いと辿り着きたい場所があったからだろうと語りかける。「これからお前を支えるのは、その望みだ。叶えられる場所まで、死ぬ気で這い上がってこい。待っている」と声を掛けた。
その言葉に秀麗は勇気づけられた。

紅邵可「誰もなんの努力もしないで大切なものをその手に掴むことなんてできないんだよ」

秀麗達が食事をしていると、女性が国試を受けたらしいと話している客がいる。「女なんかが国試を受けてどうするんだ」と馬鹿にした態度に、秀麗も静蘭も邵可も腹が立っていた。それでもぐっと我慢をしていると、悪口を言っている客のテーブルと椅子の脚が折れてしまい、客は料理まみれになってしまう。実はそれは邵可が糸を飛ばして脚を折ったからだった。
その時に邵可が「誰もなんの努力もしないで大切なものをその手に掴むことなんてできないんだよ」と話す。その言葉に秀麗は元気をもらい、前向きな気持ちなることができた。
家族の温かさを感じるシーンでもある。

『彩雲国物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

秀麗役の桑島法子はツンデレ

主役の秀麗を演じている桑島法子は、共演者の静蘭役の緑川光や劉輝役の関智一から「リアルツンデレ」の称号を与えられた。
緑川光からは「ツンデレの師匠」と言われている。

webラジオはコーナーの内容が変更

『彩雲国物語』のwebラジオに、「双花菖蒲 花言葉ストーリー」というコーナーがあった。
お題に沿って新しい花言葉を作るコーナーだったが、途中から花言葉をテーマにしたショートストーリーを、出演者が自分の役で演じるコーナーに変更される。

劉輝のモデルは『三国志』の劉琦

劉輝のモデルは『三国志』の劉琦である。
ちなみに秀麗の名前は元々は「玉麗」だったが、綺麗すぎるので「秀麗」となった。

原作が大幅にカットされたアニメ版

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