東方鳩（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ

憲助と花都の孫であり、常敏の息子。つまり鳩にとっては甥に当たる。年齢は9歳。長男が10歳になると奇病に罹るという東方家の呪いから逃れるため、女の子として育てられている（これは東方家に代々伝わる風習である）。年相応に無邪気であどけないが、同時に子供故に世間知らずで善悪の判別が曖昧なところがある。頻繁に「豆乳を投入」「氷らしたコーラ」等の寒いオヤジギャグを言う癖があり、見た目とのギャップから周りからは好評。無邪気ではあるが9歳児とは思えないほどに頭がよく、東方家に伝わる奇病のことを知っていて、それを治すべく行動している。上記の女の子として育てる先祖代々の行為が、ただの迷信にすぎないことも理解している。両親を筆頭に家族への思いは非常に強い。鳩とは作中で大きく絡むシーンこそないが、プアー・トムの攻撃に鳩が巻き込まれた時に必死に逃げるように叫んだり、15歳も年上の鳩を「鳩ちゃん」と気さくに呼んでいることから、普段の関係は良好だと思われる。
スタンドは折り紙の形をした「ペーパー・ムーン・キング」。能力は大きく分けて2つあり、まずは折り紙で作ったものを本物同様の特性を与えて操る（バナナの形にして相手の足を滑らせるなど）能力である。もう1つが、その折り紙に触れた相手に人相やデザインなどの区別をつかなくさせる能力である。こちらが主に使う能力であり、自動車を人間と誤認させて激突させたり、ただの梨の枝をロカカカと誤認させて相手を出し抜く等、幅広い応用が利く。ちなみに初期の呼称は「ペーパー・ムーン」であり、コミックス化された際に「キング」が付け足された。これはおそらく、東方家の家族のスタンドには全て「キング」というフレーズが入っているため、それに合わせたものと思われる（例えば常敏のスタンドは「スピード・”キング”」であり、鳩が「ウォー”キング”・ハート」）。

東方つるぎ（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

東方つるぎ（ひがしかた つるぎ）とは、『ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン』に登場する東方家の一人であり、東方常敏とその妻の東方密葉の息子。年齢は9歳。東方家の長男が代々罹患する、体が石化する奇病を避ける為の風習によって、女の子として育てられている。年齢相応の無邪気さと、特殊な境遇ゆえの善悪の曖昧さという危険さを併せ持つ。触れた者に対して認識を誤認させる効果を与える折り紙の形をしたスタンド、「ペーパー・ムーン・キング」を持つ。

田最環（だも たまき）

鳩の彼氏。一見すると小柄で小太り、自称23歳とは思えぬ老け顔、小声でボソボソ喋る、と情けない冴えない男である。しかしそれらは全て相手を騙すための演技であり、本性は目的のためなら拷問や殺人すら何の躊躇もせずに（それどころか笑いながら）行う冷酷で残酷な男である。さらに、彼は人間ではなく岩人間（見た目は人間と同一だが体がケイ素で構成されている等、人間とは違った進化を遂げた謎の生物）である。岩人間は本名の他に人間社会で生活するための名前を持つ者がおり、田最環もその1人だと思われる。仲間の岩人間が「ダモカン」と読んでいるシーンが度々あることから、それが本名である可能性が高い。人間としての「田最環」という名前も、音読みすれば「ダモカン」と読める。4人の部下と共に、食べた者の体を等価交換という形で治療する（例えば肩を壊したピッチャーが食べると、顎が石化して崩れ落ちる代わりに再起不能とまでいわれた怪我が時速160kmを投げられるほどにまで回復する）不思議な果実・ロカカカを密売していた。
鳩は素性を知らずに本気で彼のことを愛していたが、田最は鳩に対する愛情など微塵もなく、ロカカカの情報と戦死した部下たちの仇（田最はかつてロカカカを巡って敵対していた空条仗世文だと推測していた）の居場所を得るために彼女に近づいていたに過ぎない。自身のスタンド能力で東方邸にて邸内にいた全員を術中に嵌めると本性を露わにする。それでも尚、自分のことを信じている鳩に縋られるも、「私が歩くのに邪魔だろうが」と無碍もなく足蹴にした。しかし東方定助（ひがしかた じょうすけ）が鳩を田最のスタンドの射程範囲外に逃したことで、裏切られて悲しみつつも敵対の覚悟を決めた鳩のスタンドで身体中を貫かれてしまう。岩人間の高い生命力ゆえに致命傷にはならなかったこともあり、憲助を人質にとって鳩を止めようとするが、射程外である屋根の上に登った鳩に定助が田最の位置を知らせる連携で頭部を貫かれる。これでもまだ致命傷には至らなかったが、大ダメージを受けて戦う余力はなくなり逃走を図る。しかし定助に先回りされ、「お前もロカカカが必要なら私と組むべきだ」と醜く命乞いをするも、もはや聞き入れられるはずはなく、頭部を粉砕されて完全に死亡した。
スタンドは予め予め結界を張るように指紋をつけておき、それに触れた生物（スタンド使いが対象の場合スタンドも含む）をドロドロに軟化させる「ビタミンC」。軟化した生物は物理強度が著しく低下し、紙や流水で容易に体を切断されたり貫通されたりする。さらに、軟化しても痛覚は元のままである。田最はこれを利用し、紙幣で体の一部だけを切断したり、軟化した体内に金魚を泳がせたりする等の拷問を行なっていた。スタンド自体の格闘能力も高いため、一度能力にはめてしまえば抵抗すらできない強力な能力である。欠点は射程範囲がそれほど広くなく、範囲外にさえ出てしまえば即座に軟化が解除されてしまうことである。そのため、飛び道具を持つなどの射程範囲外から遠距離攻撃を仕掛けてくる相手にはどうすることもできない。鳩の「ウォーキング・ハート」が正にその条件に当てはまる天敵であり、「騙しやすい単純な小娘」と侮って利用した鳩によって敗北を喫することとなった。

東方鳩の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「だってェ ハワイがアメリカっていうの誰も言ってくんなかったんだもんンン～っ 真珠湾とか漢字じゃん カメハメ波とかもォ～」

ある日定助が目を覚ましてリビングに行くと、常秀を除いた東方家の面々が水着姿で朝食を食べていた。大弥が言うには、ハワイ旅行を計画していたが鳩がパスポートを持っていなかったために中止になった。なので水着でパンケーキを食べてハワイ気分を味わおうとしていたとのことだった（常秀は「飛行機なんて危ないから乗りたくない。ハワイなんてどの道一生行かない」とのことで水着になってなかった）。
ではなぜハワイに行こうとしていたのにパスポートを持ってなかったのかであるが、鳩本人は「だってェ ハワイがアメリカっていうの誰も言ってくんなかったんだもんンン～っ 真珠湾とか漢字じゃん カメハメ波とかもォ～」と語った。なんとハワイに関する言葉が漢字表記だからという理由で海外だと考えていなかったのだ。24歳であるいい大人にあるまじき常識のなさには、娘を溺愛している父・憲助も「オレの娘がこんなにバカだったとは」と流石に呆れていた。

「一番人気だからとか…好きとか嫌い基準で選んじゃ駄目」

全ての戦いが終わり、戦いで負傷して入院していた憲助の退院日に東方家でパーティが催されることになった。そこで食べるケーキを選ぶことになり、大弥は憲助の好きなケーキを選ぼうとしていたが、それを鳩は制止する。なぜなら、このケーキは単なる退院祝いではないからだ。長男である常敏と母である花都が犠牲になってしまったが、一方で東方家が先祖代々苦しめられていた呪い（長男が10歳頃に体が石化する奇病に罹患する）を断ち切った。この日は東方家にとっての新しい始まりなのだ。「一番人気だからとか…好きとか嫌い基準で選んじゃ駄目！父さんの退院はお祝いというだけじゃあないッ！ケーキによって東方家の「新しい始まり」を意味しなくては…」と、常敏に代わる長子としてケーキを選ぶことの意味を毅然と説く鳩。普段はおちゃらけているが、内面はしっかりした芯のある女性であることが窺える一言である。

東方鳩の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

名前の由来はトランプのハート

今作に登場する東方家の女性キャラは、全員トランプに関する言葉が名前の由来である。具体的には、鳩はハート、妹である東方大弥（ひがしかた だいや）はダイヤ、義理の姉（兄の妻）である東方密葉（ひがしかた みつば）はクローバー（三つ葉）、甥である東方つるぎ（ひがしかた つるぎ）はスペード（剣）、母である東方花都（ひがしかた かあと）はカードが由来である。また、東方家の男性陣は「じょう」という読みが名前に必ず入っている。憲助は当主が代々襲名している名であり、作中に登場している当代の憲助の本名は常助（じょうすけ）である。つるぎは男であるが、女の子として育てられているためトランプの法則に当てはまっている。

壁を登るシーンはセルフパロディ

田最環（だも たまき）戦にて鳩が硬質化した踵を壁に突き刺して壁を垂直に登るシーンがあるが、これは『ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド』のセルフパロディだと思われる。該当部におけるラスボスにしてもう1人の主人公（『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーン・オーシャン』までを通した宿敵でもある）でもある、ディオ・ブランドーが同様の行動をしているのである。彼は（この時点では）スタンド使いではないが、アステカ文明に伝わる謎の石仮面を被って吸血鬼となり、人智を超えた身体能力を身につけたことで生身でこれを行なった。当該シーンはPart1のアニメのOP映像にも使われている。
ちなみにジョジョシリーズはPart6までとPart7以降で別の世界となっており、Part7以降にはPart6以前のセルフパロディやオマージュが多く登場する。例えば、本作の舞台となっている杜王町（もりおうちょう）であるが、『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』の舞台も同名の地である。ジョジョシリーズの作者である荒木飛呂彦氏の出身地にして、「杜の都」との異名を持つ宮城県仙台市がモデルと言われている。

容姿がレオーネ・アバッキオに類似

鳩の容姿は『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』に登場する仲間の1人であるレオーネ・アバッキオに類似しているとファンの間では言われている。髪型、胸元が開いたワントーンの洋服、長身痩躯のシルエット等が共通しているためである。過去作のセルフパロディが多い本作であるが、鳩がアバッキオのセルフパロディと言えるのかは曖昧である。というのも、似ているのは容姿だけであり、同じ作者である以上は絵柄やキャラクター造形が意図せず似通うのは不思議ではないからである。実際に同作に登場する八木山夜露（やぎやま よつゆ）も、アバッキオが所属しているギャングのチームリーダであるブローノ・ブチャラティに似ていると言われることが多い。
容姿以外は鳩とアバッキオは異なる点が多い。まずアバッキオの性別は男性である。また、初対面の定助にも気さくに接した鳩とは違って、アバッキオは簡単に人を信用しない（ただし信用した者に対しては非常に義理堅い）。第5部の主人公であるジョルノとの初対面では警戒心をむき出しにし、以降も何かとジョルノに突っかかっていた。もっとも死と隣り合わせのギャングの世界で他人を警戒するのは当然のことであり、ジョルノとはたった5日間ほどの付き合いだったので無理のない話であるが（過去から未来への希望を失っていたアバッキオにとって真っ直ぐ前を向くジョルノが眩しかったという理由もあると思われる）。最後にスタンドであるが、鳩の「ウォーキング・ハート」は直接戦闘が主体のスタンドであった。アバッキオの「ムーディー・ブルース」は過去の特定の時間を指定し、その時に起こった出来事を再生する能力を持つスタンドである。再生能力を活かした味方のサポートが本領であり、直接的な戦闘は苦手である。それぞれの周りの人のスタンドを見ても、鳩は東方家のほとんどが直接戦闘に向かないスタンドの持ち主。逆にアバッキオはチームメンバーのほぼ全員が強力な戦闘力を持つスタンドの持ち主と、真逆の環境に置かれている。