13デイズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『13デイズ』とは、2000年にアメリカで制作された政治映画である。アメリカの隣国キューバにソ連が核ミサイルを配備していることがわかり、核戦争の危険が一気に高まった。未曽有の危機に直面したケネディ大統領は軍事行動ではなく、海上封鎖の実施を決断する。アメリカと世界を、核戦争の瀬戸際にまで追いつめたキューバ危機の発生から回避までが緊迫感あふれるストーリー展開で描かれていく。主要キャストはブルース・グリーンウッド、スティーヴン・カルプ。ロジャー・ドナルドソンが監督を務めた。

ケネディ大統領はテレビ演説で、ソ連に対して断固たる報復措置を取ることを表明する。

1962年10月22日月曜日、ケネディ大統領はテレビ演説を行った。アメリカ隣国キューバにソ連がミサイル基地を建設していることを国民に伝え、キューバに向かう全ての船に対して厳しい海上臨検を実施することを表明した。そしてキューバとキューバにおける軍備増強に対する厳しい監視を引き続く実施することも国民に伝えた。さらに、「キューバから西半球のいずれかの国に対して核ミサイルが発射された場合はいかなるものであれアメリカに対するソビエトによる攻撃とみなし、ソビエトに対する全面的報復措置と要求するものとします」と表明した。
ソビエトとの全面戦争を避けたいと考えながらも、アメリカがソビエトから弱腰に見られないようにするケネディ大統領の断固たる決意が伝わってくるセリフである。

『13デイズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ケネディ大統領関連映画に2度目の出演を果たしたケビン・コスナー

映画『13デイズ』で大統領特別補佐官ケネス・オドネル役を演じていたケビン・コスナーがケネディ大統領関連の映画に出演するのは2度目である。
1991年に制作された『JFK』に出演したケビン・コスナーは未だ謎に包まれたケネディ大統領暗殺事件に独自の視点で迫る実在の地方検事を演じていた。
ケビン・コスナーは9年ぶり2度目であるケネディ大統領関連の映画『13デイズ』に出演し、実在の大統領補佐官を演じている。

ロジャー・ドナルドソン監督と2度目のタッグを組んだケビン・コスナー

映画『13デイズ』で大統領特別補佐官ケネス・オドネルを演じているケビン・コスナーは、ロジャー・ドナルドソン監督と2度目のタッグを組んだ。
最初にタッグを組んだのは1987年公開のサスペンス映画『追いつめられて』である。
アメリカ国防総省を舞台にしたサスペンス映画『追いつめられて』では殺人犯と疑われる海軍将校を演じ、名優ジーン・ハックマンと共演している。

ロバート・ケネディ司法長官役を2度演じた俳優スティーヴン・カルプ

俳優スティーヴン・カルプはロバート・ケネディ司法長官役を2度演じている。1996年公開の映画『ノーマ・ジーンとマリリン』で初めてロバート・ケネディ司法長官役を演じ、2度目は2000年公開の映画『13デイズ』で演じている。特に映画『13デイズ』では容貌と仕草がロバート・ケネディ司法長官本人と酷似していることが話題となった。

映画『13デイズ』の主題歌・挿入歌

主題歌:Trevor Jones 「The Knot Of War」

映画『13デイズ』の主題歌「The Knot Of War」は、映画のオープニングで使用されている。
空に向かって発射されてミサイルが地球の成層圏へ突入するシーン、原子爆弾が爆発してキノコ雲を作るシーンと共に映画は幕を開ける。
アメリカと世界を核戦争の瀬戸際に追いつめるキューバ危機の始まりを予感させる主題歌である。

挿入歌:Trevor Jones 「Death of Major Anderson」

挿入歌「Death of Major Anderson」は、アンダーソン中佐が操縦する偵察機U-2が、キューバから発射されたミサイルによって撃墜されるシーンで使用されている。
偵察機U-2に向けて発射されたミサイルを懸命に回避しようとするアンダーソン中佐の姿が目に浮かび、ミサイルを回避できるのかどうか一気に緊張感が高まってくる。

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