荒川真澄(龍が如く)の徹底解説・考察まとめ

荒川真澄(あらかわますみ)は『龍が如くシリーズ』に登場する東城会系三次団体「荒川組」の組長。「殺しの荒川組」と称されるほど武闘派極道のトップでありながら仁義に厚い人物で、ただのチンピラだった春日一番を助け彼の人生に大きな影響を与えた。しかしその一番が服役している間に荒川組は関西一円のヤクザを束ねる近江連合の直参団体に。真澄も近江連合の若頭代行を任され、真意を問おうとやってきた一番に銃を向ける。

真斗が高校生になった頃、真澄のもとに抗争中の極道組織から「荒川組を名乗る男が自身らの組員を半殺しにしたから取りに来い」と連絡を受けた。真澄が指定された場所へ向かうと、そこにはまだただのチンピラだった一番がいた。その時、真澄は一番との面識もなかった。一番はヤクザの拷問に耐えかねて「自分は荒川真澄の子分だ」と嘘をついたのだ。しかし真澄は一番のことを本当の子分のように接し、落とし前として自分の小指を詰めて一番と共にその場を後にした。
一番は感謝の言葉を述べようとするも、真澄は彼を殴りつけ、「お前のためではなく荒川組の看板を守るためにしたこと」だと言った。しかし「事実を言って自分を見捨てても良かったはずだ」と言われると、「こんな俺を知ってくれてるクソガキの前でカッコつけたかったのかもしれない」とこぼしている。この一件で真澄に惚れた一番は、荒川組に入ろうと事務所を訪れるようになる。真澄は最初の頃は無視していたが、彼が天涯孤独の身であることを知るとついに折れて一番と親子の盃を交わした。
一番は義理人情に厚く、ヤクザ商売には向かない性格であったが、真澄は彼の気質を理解して寵愛した。やがて真澄は一番に真斗の介護を任せるようになる。

一番の出頭

2000年の大晦日、真澄は一番を誘い平安樓の神室町支店に赴く。しかし大晦日ということもあって店が早じまいしてしまい、北京ダックを食べる機会を逃してしまう。その翌日、真澄は沢城から「真斗が坂木組のヤクザを殺してしまった」ことを聞かされる。当時坂木組とは険悪な関係だった。しかも坂木組は東城会の直系組織でもある。この事態は荒川組が東城会に弓を引いたと捉えかねられず、真澄は頭を悩ませた。苦悩の末、真澄は一番を呼び出し、真斗ではなく沢城が殺したことにしたものの事情を説明したうえで「前年付で絶縁された一番が腹いせに坂木組のヤクザを殺したことにしてくれないか」と懇願した。一番は真澄に恩を返せるとしてこれを快諾。そして自首して長い間服役することになる。
真澄は釈放までに上と掛け合って一番の絶縁を解けるようにするとしており、服役中にも一番に手紙を送ったりしていた。

裏切りの演技

一番の服役中、真斗が東京都知事の青木遼として生まれ変わり、ヤクザを一掃する「神室町3K作戦」のために東城会の情報を渡すよう真澄に要求していた。真斗はあろうことか、「従わなければ暴対法を盾に組が立ち行かなくなるまで何度でも逮捕する」と真澄のことを脅迫していたのだ。
真澄はその話について、東城会会長の堂島大吾に相談した。この時、大吾は暴対法によって一部の極道が権力者の使いっ走りにされている現状を憂いており、近江連合の若頭・渡瀬勝(わたせまさる)とも相談して東城会と近江連合の同時解散を考えた。真澄は大吾の了承を得て真斗の要求を飲み、表向きは東城会の裏切り者として近江連合を神室町に呼び寄せる手引きを行った。結果、東城会は神室町から完全撤退に追い込まれ、東城会の幹部は行方をくらませることになる。また真澄はこの功績を持って、近江連合の若頭代行に取り立てられた。真澄は同時解散に備え、組織全体の動きに目を光らせつつ、近江連合の戦力を東と西に分散させた。

18年という長い刑期を終えた一番。しかしそんな一番を待っていたのは、真澄の裏切りであった。足立宏一という刑事から、荒川組が東城会を裏切り近江連合の直参組織となったことを聞いた一番は、当初は信じられなかったが、真澄が近江連合の先代会長の墓参りに訪れる姿を目撃したことなどから、それを事実として受け入れる。そして真澄にその真意を問うために平安樓と向かった。真澄は現れた一番に笑いながら「すまねぇなぁ、イチ…死んでくれ」と言って発砲した。真澄に一番を殺すつもりはなかった。しかし近江連合の幹部がいる手前、事情を話すわけも一番をただで返すわけにもいかず、異人町で救命活動が行われることを見越してギリギリ命が助かるような塩梅で撃ったのだ。さらに一番のポケットに、星野から貰った偽札をこっそりと入れ、一番が自分からの客であることを星野に示した。
異人町でトラブルに巻き込まれる中、一番は「ヤクザが笑うのは本当にヤバい時だけ」という真澄の言葉を思い出し、「何か事情があるはずだ」と真澄を信じて行動していく。そして星野からも「偽札は一番という男が真澄の大切な身内であるというメッセージ」だと聞かされると、改めて真澄を信じると決めた。

東城会と近江連合の同時解散

一番が異人町で生きていることを知った真澄は、彼の弟分であった安村光雄(やすむらみつお)を通じて近江連合の本部に招いた。期日まで待てずに乗り込んできた一番たちと、東城会の幹部がやりあっていたところに真澄は割り込むと、一番に大吾を紹介して改めて彼らを部屋に招いた。そこで一番は事の真相を知ることに。そして真澄や大吾は、東城会と近江連合が同時解散する際に何が起きるか分からないため一番たちに協力してほしいと頼む。一番は「これからやることが親っさんの信じる正解ならそれを信じる」と言って協力することになった。
その翌日、組員たちの前で出所してきた渡瀬と大吾の口から、近江連合、並びに東城会の解散が告げられる。「文句がある奴は解散届を届けに行くのを力づくで止めて見ろ」という渡瀬の言葉で反発する組員が襲い掛かってくるが、真澄は一番たちと力を合わせて撃退し、無事に同時解散をやり遂げた。真澄は疲労困憊で倒れ込む一番をねぎらい、「良く生きていてくれたな」と喜びをあらわにした。

最後の交流

天童に殺される真澄

東城会と近江連合の同時解散が成った後、真澄は一番と2人きりで会う。そこで一番に真斗のことを話した。近江連合をいいように扱っていた真斗は怒っているだろうと語る。真斗は権力の味を知って暴走している。「いい加減止めなければ破滅してしまう。俺はそんなあいつを見たくねえ」と言うと一番も思うところがあったのか、沈黙で答えた。
そして真澄は「解散して行き場のない奴らの合法的な受け皿を作りたい」というこれからの展望を語った。手伝ってほしいと言われた一番は了承しつつも、「これからまた親っさんの子分にしてくれますか」と真澄に熱く訴えかけた。だが真澄は「一番を真斗の代わりに刑務所に行かせた」として断ろうとする。なおも言い募る一番に、「そのうえお前を銃で撃った」と言った。真澄は一番を殺さないように銃で撃った。しかしそれは死ぬ公算の方が高かったのだ。そのことに対して罪悪感を覚えている真澄は、一番と再び親子関係に戻ることは考えられなかった。だがそれでも一番に「今後も自分の親であってほしい」願われ、涙ながらにそれを受け入れた。
その後、真澄は一番と明日も変わらず親子として交流することを約束し、星野との会食に向かった。会食ではうまそうに北京ダックを平らげたという。その後、「1人で夜風に当たりたい」といって星野と別れたが、そこで東京近江連合の中心派閥「龍童会」会長の天童陽介(てんどうようすけ)に殺されてしまう。
翌日、真澄の死体が港に上がったことを知った一番は大変なショックを受ける。真澄の死の裏には青木遼こと真斗の思惑があった。一番は自分の力で犯人を突き止め、自分なりのケジメを付けさせ、若である青木遼をぶん殴ってでも正気に戻すことを誓う。

『龍が如く8』

『龍が如く8』でも真澄は登場する様子。しかしすでに死亡していること、氷川興産の代紋らしきものを身につけていることから、回想だと窺われる。

荒川真澄の関連人物・キャラクター

春日一番(かすがいちばん)

『龍が如く7 光と闇の行方』の主人公。チンピラだった頃に真澄に救われて以来、彼に男惚れして子分になる。真澄が東城会を裏切ったと聞かされても信じられず、またそれが否定できなくなっても「何か理由があるに違いない」と考えるなど、彼への信頼は厚い。事情があったとはいえ真澄に撃たれてもなお、親子関係を取り戻そうとするほどである。
実は本当の真澄の子どもであることが示唆されている。

renote.net

荒川真斗(あらかわまさと)

真澄の息子。赤ん坊のころの低体温症による後遺症で車いすで生活することを余儀なくされており、それがコンプレックスになっている。またヤクザの息子という肩書もコンプレックスで、青木遼という戸籍を手に入れた後はアメリカで体を治すと、東京都知事になり表の権力に固執していくことになる。真斗の暴走は留まることを知らず、ついには真澄の暗殺を命じることに。真澄を殺された一番は、真斗を殴ってでも止める誓いを立てる。

沢城丈(さわしろじょう)

荒川組の若頭。実は真斗の本当の父親である。昔、行き場のなかった沢城が同じような境遇の女との間に子どもができた際に、身勝手な理由でコインロッカーに捨ててしまう。ちょうどそれは、真澄が茜とコインロッカーで赤ん坊の受け渡しを画策した同じ時刻、同じ場所だった。そして真澄は沢城が捨てた赤ん坊を自分の子だと思い、持ち去ってしまう。沢城は真斗を育ててくれた真澄に大恩を感じており、真斗に彼を殺すよう命じられてもそれだけはできないと断っている。
また沢城は真澄の本当の子が2人の男に保護される場面も目撃しており、一番の出生から「それが一番だろう」と本人に告げている。

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『龍が如く7 光と闇の行方』は、アクションバトルだった過去作とはゲームの仕様が変わり、コマンドRPGになったことでちょっとした騒動になったことがありました。この記事では、発売当時の情報や、ファンの意見などをまとめています。『ペルソナ』シリーズとゲームの操作が似ていることから、「汚いペルソナ」「ペルソナが如く」と言われ、ネタにされていたようです。

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