プアー・トム（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ

「オゾン・ベイビー」の加圧は閉鎖された空間でないと発動ができないため、何らかの方法で攻撃とその条件に勘づかれた場合、敵は加圧から逃れようと空間から出ようとする。しかしこれが恐るべき罠であり、その空間から出ると加圧は止まるが、加圧の反動で一気に減圧が起きる。人体に急速な減圧が起きると体内の空気の体積が一気に膨張する。それによって血管が詰まったり、最悪の場合は内部からの圧力に耐えられずに体組織が破裂する。総じて、加圧状態を放置すれば緩やかに死に近づき、脱出を試みれば減圧で一気に死に近づくという、一度術中に嵌めてさえしまえば基本的に逃れられない強力なスタンドである。

本体が持つことによる直接操作

何らかの方法を使って密室内での加圧からも減圧からも逃れられた場合、本体であるプアー・トムがスタンドを掘り返すことによって、自動操縦からプアー・トム本人による直接操作に切り替えることができる。直接操作の状態では、本体であるプアー・トムに近付くほどに加圧の強さが増していく。また、プアー・トム本人が直接手を触れると急激な加圧が起こり、人体を即座に押しつぶすことさえ可能となる。この直接触れる能力は、自動操縦時と同様の閉鎖空間を用いると更に加速するようで、作中では折りたたみ式のナイフの鞘で相手を挟み込むことによって加圧を加速した。また、自動操縦時とは違い、直接操作時は屋外のような開けた場所であっても加圧攻撃を行うことができる。ただし、自動操縦からの切り替えは一方通行であり、一度直接操作にしてから自動操縦に切り替えるには、もう一度スタンドを地面に埋めて発動しなくてはならない。当然、戦闘中にそのような余裕があるはずはなく、そもそも能力がバレたら相手は閉鎖された空間に入らないように対策をしてくるはずである。直接操作への切り替えは、あくまでも自動操縦で仕留めきれなかった時の最終手段と言ったところである。

プアー・トムの関連人物・キャラクター

透龍（とおる）

プアー・トムも所属するロカカカ研究グループのリーダー。岩人間であり、本作のラスボス。普段はTG大学病院で下働きのアルバイトとして振る舞っているが、裏ではロカカカを改良・支配して莫大な富と名声を得るために暗躍している。リーダーではあるがプアー・トムたちとは同志という間柄であり、作中においても対等の立場で接しているような言動が見られる。
一見すると優男であるが、その実は自分たちの邪魔をするものを殺害することや、ロカカカによって等価交換させられて不幸を背負い込む者のことを気にも止めない非情な男である。自身を追跡する者（追跡しようという意思を持つだけでも対象となる）に、何かを激突させるという形で災厄をばらまき、最終的に死亡させるスタンド「ワンダー・オブ・U」を持つ。このスタンドは実体化しているのみならず、スタンド自体が戸籍と社会的地位を持って人間社会で生活しているという類を見ない特異性がある。彼らが拠点としているTG大学病院の院長・明負悟（あけふさとる）こそが彼のスタンドであり、事実上病院内のことは全て彼が支配していると言える。また、状況から推測すると、プアー・トムを見限って直接始末したのは彼の「ワンダー・オブ・U」である可能性が高い。

透龍（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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透龍（とおる）とは『ジョジョの奇妙な冒険 part8 ジョジョリオン』の黒幕にして、ヒトとは違った独自の進化を遂げた種族、岩人間。TG大学病院のロカカカ研究グループのリーダーであり、ヒロインである広瀬康穂の元カレだ。現在は病院で下働きのアルバイトをしている。ロカカカの実の秘密を知ると目されている院長を追う定助たちの前にタイミングよく現れては協力するキャラとして立ち回るが、院長の正体は彼のスタンドである。協力者を装って定助たちを始末し、ロカカカの力を独占せんと暗躍する。

羽伴毅（うーともき）

プアー・トムの同志で、TG大学病院に勤務する医師。「予測できる失敗には近づかない」を信条とし、「今までに一度の失敗もしたことがない」と豪語する。専門は整形外科・美容皮膚科であるが、実際は「失敗をしない」ことへの自信とこだわりから内科や外科や産婦人科といった専門外分野の治療も行っている。「ドクター・ウー」の通称を持ち、これは自身のスタンド名にもなっている。
彼がロカカカを求めるのは私利私欲のためではなく、これまでにない再生医療の発達による公益の為である（もっとも、金儲け自体に対しては否定的ではなくむしろ必要な行為と考えている）。しかし全体の利益のためであれば個人を犠牲にすることを厭わない等、非常に独善的な性格。仲間に対してさえそれは例外ではなく、リーダーの透龍（とおる）と共にロカカカの枝のみを回収するために戦場に駆けつけ、追い詰められていたプアー・トムを見限って始末した。
スタンドは自分の肉体を細胞レベルまで細かくして操作できる「ドクター・ウー」。小さい破片となるのでパワーはほとんどないが、羽の医学知識を応用することで相手の体内に侵入して操ったり、粒子状になることで喘息のような症状を引き起こしたりといった応用が効く。

羽伴毅（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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羽伴毅（うーともき）とは、『ジョジョの奇妙な冒険 part8 ジョジョリオン』に登場するTG大学病院所属の医師であり、岩人間。病院にてロカカカの研究を行っていた透龍（とおる）が率いる岩人間グループの一員だ。スタンド能力を用いてロカカカの効果をある程度コントロールしたり、人体実験を行ったりと、一味の中でも中核を担う人物。東方家の長男である常敏（じょうびん）の妻、密葉（みつば）に被検体として目をつけたことで、彼女や広瀬康穂（ひろせやすほ）と交戦する。

アーバン・ゲリラ

プアー・トムの同志である岩人間。「ドレミファソラティ・ド」という岩生物を連れ、ドレミファソラティ・ドについている袋の中に入って移動するという奇妙な行動をする。人間としては「下里良（しもさとりょう）」と名乗り、TG大学病院で内科と消化器内科疾患専門の医者として勤務している。
基本的に冷静な性格だが、一方では人間を見下し、岩人間だけの世界に期待しているなどの選民思想を持っている。スタンドは敵の体内に毒素を流し込み、溶血（赤血球が崩壊する現象）を引き起こす「ブレイン・ストーム」。歪なルービックキューブのような形をした群体型スタンドで、対象に触手で穴を開けて毒素を注入する。毒素の注入に時間がかかることと、穴が空く前に水で洗い流せることが欠点。プアー・トムはアーバン・ゲリラからの連絡が途絶えたことから彼の敗北を察し、自らがロカカカを手に入れるべく動くこととなった。

プアー・トムの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「丸見えぢゃよ…あの女 ワシにワザと見せつけているんぢゃ」

東方家の長男・常敏（じょうびん）に接触するべく、とある駐車場にて常敏と待ち合わせをしたプアー・トム。しかし彼は協力に関する内容を話すのではなく、突如として少し離れた位置でベンツに乗り込もうとしている女性を指さしながら「丸見えぢゃよ…あの女 ワシにワザと見せつけているんぢゃ」と常敏に言う。脈絡のない発言に「一体何の話をしているんだ？」と、理解が追いつかない常敏をよそに、「自分の位置からは女のスカートの中が見える」、「あの女も隠そうとせずに自分を誘っているのだ」と言葉を続ける。小さな体をゲスなことに利用していることに常敏は呆れるが、その女性がベンツに乗り込んで二人のそばを横切る際、プアー・トムに対して連絡先が書かれた紙を投げ渡す。プアー・トムの言っていたことは真実であり、本当に女性から誘われていたのであった。

「ワシは去る。みんな全員それでハッピーで終われるぜ！」

最後の最後で定助が放ったしゃぼん玉。それはミルフィーユ状であり、プアー・トムに近づくごとに表層が割れて中身が出ようとしていくものだった。今までにも猛毒のイチイなど様々なものを仕込んでいたことに対する警戒、だんだんと追い詰められているかのような心理的圧迫、この時点で服毒していた恐怖などが合わさり、プアー・トムは定助に必死の懇願をする。大金が入った財布を渡すことをはじめ、自分が逃げれば（自分から離れれば）「オゾン・ベイビー」の加圧攻撃から逃れられることを話して「ワシは去る。みんな全員それでハッピーで終われるぜ！」と、自分を見逃すのが得なのだと主張した。あくまでも目的はロカカカの枝を手に入れることであり、相手を倒す必要は基本的にないという、所属グループ全体に共通する価値観が垣間見える。それと同時に、プアー・トムは「病院に行きたい」との発言や一方的に金を投げ渡す等、徹頭徹尾自分の都合を押し付ける発言しかしていない。岩人間独特の価値観なのか、あるいは単なるエゴイストなのか、なんにせよ自分から攻撃を仕掛けておいて都合の良すぎる発言であり、定助には全く聞き入れられなかった。