ファイアーエムブレム 封印の剣(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ファイアーエムブレム 封印の剣』は、エレブ大陸を舞台に主人公ロイがリキア同盟を率い、ベルン王国と竜族と戦うシミュレーションRPGである。2002年に任天堂から発売された。プレイヤーは戦術とキャラクター育成を駆使し、物語を進める。ゲームはターン制で進行し、ユニットの独自のクラスや能力を活かして勝利を目指す。主人公ロイやその仲間たちが、戦いを通して成長し、世界を救うために奮闘するストーリーを描く。

『ファイアーエムブレム 封印の剣』の概要

『ファイアーエムブレム 封印の剣』は、任天堂が開発・販売しているシミュレーションRPG『ファイアーエムブレム』シリーズの第6作目である。
プレイヤーは、ロイを中心としたキャラクター(同シリーズではユニットと呼ばれる)を操作し、マップ上で敵軍と戦いながら進んでいくことになる。キャラクターたちは、戦闘で経験値を獲得しレベルアップすることができる。レベルアップすると、ステータスが上昇したり、上級兵種へとクラスチェンジすることもできる。

ストーリーは、エレブ大陸の南部のリキア地方。公爵家であるフェレ家の嫡男ロイが、留学先であるオスティアから帰省したところ、隣国ベルン王国の突然の侵略に直面するところから始まる。ロイは、リキアの軍を率いてベルン王国軍と戦い、様々な事件や人物と出会いながら、最終的にはエレブ大陸全土を平和を目指すようになる。

『ファイアーエムブレム 封印の剣』には、キャラクター同士の会話イベントや、戦闘において利用できる武器や魔法など、細かなシステムが多数存在する。その奥深さや戦略性が評価されている。また、シリーズではおなじみの「支援会話」システムを初めて採用した先駆的な作品であり、キャラクターゲームとしても多くのファンを獲得している。

『ファイアーエムブレム 封印の剣』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

物語の始まり

ストーリーの舞台であるエレブ大陸には、ベルンとエトルリアという二つの強大な国家、数々の諸侯が結束し形成されたリキア同盟、遊牧民が生活するサカ地方、氷に覆われたイリア地方、西方三島という辺境の地域、そしてかつて文明が栄えたと言われるナバタ砂漠が存在する。その昔、この大陸で人と竜の戦いが繰り広げられたが、その戦いは人間の勝利に終わった。勇敢な8人の英雄たちは八神将と称され、彼らが使用した武器は神将器として後世に伝わっている。人と竜との戦い「人竜戦役」から千年が経過し、物語はベルン王国がリキア同盟への侵攻を開始したことから幕を開ける。

1章〜8章 隣国ベルンよる侵攻を受けてのロイの旅立ち

リキア東部のフェレ領主エリウッドの嫡男ロイは、父に代わりベルンとの戦いに参加するため留学先のオスティアから呼び戻される。
官吏マリナスが手配した傭兵団と合流しようとする際、ロイは「女主人を助けて欲しい」と懇願するシスター・エレンに出会う。実は彼女の女主人はベルン国王ゼフィールの妹ギネヴィア姫であった。
彼女は兄の乱心に悲しむ心を抱え、王家の秘宝「ファイアーエムブレム」を持ち去りリキア同盟に接触しようと考えていた。ロイは、和平の保証はできないがリキア同盟の中心人物であるオスティア候ヘクトルのもとに連れて行くことを約束する。

ヘクトルがいるアラフェン城に到着すると、すでに城はベルン軍に占拠されていた。何とか城を奪還しヘクトルを救出するも、彼は既に致命傷を負っており、「ベルンは竜を復活させた」と告げ、死去する。
ロイたちは、亡きヘクトルに代わってリキア同盟軍として戦うことになった。

オスティアへの到着が間近に迫った際、オスティアでクーデターが発生したことを知り、恩師であるエトルリアの魔道軍将セシリアに急いで書状を送る。ヘクトルの娘でありロイの幼馴染のリリーナを無事救出し、彼女の手引きで勇将ローランの神将器「烈火の剣」デュランダルを手に入れる(外伝8章)。

オスティアに戻ったロイたちは、ベルン王国の三竜将の一人ナーシェン率いる竜騎士団に包囲される。絶体絶命の危機に、セシリア将軍率いる魔道騎士団とエトルリア騎士軍将パーシバル率いる聖騎士団が救援に駆けつける。セシリアはオスティアがエトルリアの管理下に置かれることをナーシェンに告げ、不服なら自分たちが相手になると宣言する。圧倒的な数の敵に対して勝ち目がないと判断したナーシェンは、捨て台詞を残し撤退する。

こうして一旦は状況が落ち着いたかに見えたが、その後もリキア同盟軍は様々な試練に直面することになる。ベルンとの戦いが続く中、ロイは仲間たちと共に団結し、困難な状況を乗り越えていく。竜の復活という驚愕の事実を受け入れ、ロイたちは大陸全土の平和を取り戻すために戦い抜く決意を固める。

9章〜12章 西方三党で賊の襲撃や貴族による弾圧を巡る戦い

ロイたちはエトルリア王国からの要請を受け、西方三島に住む人々を苦しめる賊を討伐するために西方三島へ向かう。しかし、実際にはエトルリアから派遣された貴族が、現地の人々を酷使し苦しめていたのだった。
ロイたちは賊と対抗するレジスタンスと接触。途中で立ち寄った村でレジスタンスの参謀エルフィンを救出し、軍師として迎え入れることになる。
鉱山へ強制連行される島の人々を救出し、黒幕が西方三島総督アルカルドであることが判明したロイは、西方三島の大都市ジュトーへ向かうことを決意する。

ジュトーにたどり着いたロイたちが見たものは、ベルンが復活させたという竜であった。苦戦しつつもなんとか竜を倒すが、初めて見る異形の生き物に動揺を隠せないロイ。そこで、エルフィンは神将器を集めて対抗してみてはどうかと提案する。
ジュトーで八神将の一人、狂戦士デュハランの神将器「天雷の斧」アルマーズが眠っている洞窟の情報を手に入れ、アルマーズの入手に成功する。

13章〜16章 クーデター発生のエトルリア王城奪還

そんな中、ロイたちに驚愕の知らせが届く。「エトルリア宰相ロアーツによるクーデター発生」というものであった。ロイたちは急いでエトルリアへ向かう。
反クーデター派をまとめるセシリアが籠もる城へ向かったが、ベルン国王ゼフィールによってセシリアは敗北を喫してしまった。

セシリアの下で保護されていたギネヴィア姫は、ギネヴィア姫の親衛隊長であるミレディによって、ベルンに連れ帰られることになる。しかし、ミレディはギネヴィアとの会話の中で彼女の考えを尊重し、ベルンには戻らずロイに再び同行させる決断を下す。ミレディもそのままリキア同盟軍に参加し祖国ベルンと敵対することとなった。

ゼフィールより深手を負ったセシリアは、捉えられた牢獄で同じく囚われていた少女ソフィーヤの手当を受ける。彼女らを救出したロイたちは、ソフィーヤがナバタ砂漠の出身と知る。

ナバタ砂漠には、八神将の一人大賢者アトスが作り出したとされる、人と竜が共に暮らせる理想郷があると言われており、ソフィーヤは竜と人の血を引いているという。
ロイたちはナバタ砂漠へと進軍し、侵攻していたベルン兵を退ける。長い間この里で人と共に生活をともにしてきた竜の少女ファと出会い、大賢者アトスが遺した神将器「業火の理」フォルブレイズを入手。リキア同盟軍はナバタ砂漠を後にし、クーデターにより占拠されたエトルリア王都アクレイア奪還へと向かう。

ロイたちは、エトルリアの軍将であるパーシバルとダグラスを味方に引き入れ、王都アクレイアを占拠していたベルン三竜将の一人ナーシェンを倒す。そして、王都と国王モルドレッドを解放することに成功する。
その後、クーデター派が立てこもっている「聖女の塔」で残党を掃討。塔の中で八神将の一人聖女エリミーヌの神将器「至高の光」アーリアルを手に入れる。

王都アクレイアを奪還し、神将器を手に入れるも、クーデターの首謀者であるロアーツとアルカルドらは逃亡してしまったため、ロイたちは彼らを追跡することになった。

16章〜20章 クーデター残党を追いイリア・サカへ

クーデター派の首謀者アルカルドとロアーツたちはイリア地方に逃亡し、ロイたちは彼らを追跡することになった。エトルリア騎士団はリキア軍を受け入れることに難色を示したため、ロイたちは以降エトルリア軍として戦うことになった。

イリア国境付近のレーミー城に逃げ込んだアルカルドたちに対し、ベルン三竜将の一人であるマードックは冷たく彼らに自分たちの力で対処するよう命じた。後がないアルカルドは必死に抵抗するも、ロイ率いるエトルリア軍の前に敗れる。ロイとマリナスは、かつて西方三島の総督を務めたアルカルドがここで終わることについて語り、人間の運命は分からないものだと痛感する。その中で、マリナスからゼフィールが父王を暗殺し今の地位を手に入れたという噂を聞くロイ。

イリアを進むロイたちは、古代魔法を研究する闇魔道士ニイメと出会う。ニイメは竜についても研究しており、ロイにその知識を伝える。以降、ニイメも竜に関する知識を得るためエトルリア軍に同行する。

イリア南部のエデッサは、天馬騎士団の本拠地であり、傭兵騎士団の長ゼロットが城主を務めていたが、ベルン侵攻後はベルンの支配下に置かれていた。ロアーツは、城主ゼロットの妻であるユーノや市民たちを人質にし利用しようとするも失敗し、ついに彼もロイによって倒される。

ロアーツを撃破後、ベルン軍の残党が神将器らしき槍がある遺跡に立てこもっているとの情報を得たロイたちは、遺跡に急ぐ。そこで神将器「氷雪の槍」マルテを手に入れる。

21章 ベルン王国王都アクレイアの戦い

ついにロイたちはベルン本国に辿り着いた。王都アクレイアを出発する際、エリミーヌ教団の高司祭ヨーデルから竜に関する情報を共有するよう頼まれていたので、ロイはヨーデルに手紙を送っていた。ヨーデルは独自に調査を進めており、ベルンが魔竜を復活させた可能性が高いことをロイに伝え、軍に戦いに加わる。

大陸最強の竜騎士団を中心とするベルン本軍、そしてその指揮を執るベルン三竜将筆頭マードック将軍との戦いにいよいよ挑むエトルリア軍。ロイたちは封印の神殿を目指して進み、多くのベルン兵士たちを撃破ながら、なんとかマードック将軍の元までたどり着く。苦しみながらもマードックを倒すものの、彼は最後までゼフィール王のことを気にかけていた。

封印の神殿の奥を進むと、そこには神将器「黙示の闇」アポカリプスが眠っていた。しかし、その周辺はさらに厳重に封印されており、何か隠されているような雰囲気がある。
疑問に思ったロイたちはさらに注意深く調べると、1000年前に八神将の英雄ハルトムートが魔竜を封じた際に使用したとされる剣「封印の剣」が見つかる。ロイは「ファイアーエムブレム」で剣の封印を解き、剣を手にし、ゼフィールが待つベルン王都へと出陣するのであった。

22章 ベルン国王ゼフィールとの決戦

ゼフィールは最後の三竜将ブルーニャ将軍に暗黒の巫女イドゥンを託し、逃がすよう命じる。
ゼフィール王に密かに好意を抱いていたブルーニャは最後まで戦いたいと訴えるが、王はそれを却下。イドゥンが生き続けることで、自分の夢も生き続けると言い、二人を強引に出発させる。
そんな中ロイたちは王宮内に攻め込み、いよいよゼフィール王と対決することになる。ロイは王に疑問を投げかけ、「なぜ他国を侵略しようとしたのか?」と尋ねる。
ゼフィールは、「人が支配する世を終わらせるためだ」と答え、人の醜さと人竜戦役の結果が間違いだったと主張する。彼は竜に世界を譲ることで、公平で静かな世界になると信じていたのである。

ロイはそれに反論し、人が竜に変わっただけでは意味がないと指摘。彼は人間の可能性を信じて戦う決意を固め、ゼフィールを撃破する。
ゼフィールは、「人が人を支配している限り、悲劇は繰り返される」と言い残し息絶える。

そして、暗黒の巫女イドゥンの行方が気になるロイたちの前に、集めた神将器と封印の剣が反応し、光の道が現れる。この光はかつての竜たちの本拠地である竜殿に続いているようだった。ロイたちは休む間もなく前進し続ける。

23章〜25章(終章) 歴史の真実と魔竜イドゥンとの最終決戦

ブルーニャがヤアンにイドゥンを引き渡した後、ロイたちが竜殿に向かい、火竜ヤアンと対峙する。ヤアンは自分が魔竜ではなく、魔竜が竜族に再び栄光をもたらすための存在であることを説明する。彼はまた、人竜戦役の隠された真実をロイたちに明かす。

「魔竜は竜の長ではなく、竜族に勝利をもたらすために作られたものである。
竜族は人間の繁殖力に押されて戦闘竜を作るために魔竜を作ろうとしたが、神竜族が反対し、一部が失踪。最終的にイドゥンが捕まえられ、魔竜となった。
人間は魔竜に対抗するために新たな武器、神将器を作った。神将器と竜の力がぶつかった結果、世界の秩序が壊れ、「終末の冬」が訪れた。
終末の冬以降、竜族はその姿を保てず、人間に石に封じられた力を使って人の姿になるようになった。
ベルンの建国王ハルトムートは、イドゥンを哀れに思い、封印の剣で斬ると魔竜が封印された。」

ロイたちがヤアンを倒すと、幼い神竜ファが不安そうに彼に語りかける。ファは自分も悪い竜になってしまうのではないかと心配するが、ロイはそんなことはないと答え、魔竜を救いたいと決心する。
ロイはファに、今はまだ分からなくてもいいと言い、最後の決戦に向かう。

イドゥンは亡きゼフィール王の残した命令、すなわち世界の解放を行おうとしていた。ロイはイドゥンに向かって、ゼフィール王が死んでいるのだから、戦う理由はもはやないと告げる。しかしその言葉を聞いたイドゥンは、陛下の望みを叶えるために戦わなければならないと答え、魔竜と化してロイたちに襲いかかる。
封印の剣を持ったロイが魔竜を貫き、イドゥン撃破するも、竜殿は神将器の力に耐えきれず崩れ始める。ファの叫びに答え、ロイはイドゥンを背負って地上へ脱出する。

エピローグ 戦争後の後日談

ベルン戦役が終わり、ベルン王国は一度解体されるも、ギネヴィアがエトルリア王国の助力の元、女王に即位し、ベルンを再興することになる。戦役に参加した者たちはそれぞれの道を歩むことになり、ロイもエトルリア・ベルン両国からさまざまな役職を用意されるが、リキアの地を離れることはなかった。

イドゥンはナバタの里で保護され、里の人たちに世話を受けていた。ファは毎日イドゥンを外に連れ出していたが、イドゥンは何も反応を示さなかった。里の長老は、イドゥンが感情の兆しを見せることを願っていた。

ある日、ファはイドゥンと外出し、美味しい実がなる木を紹介しようとしていた。しかし、ファが木を揺さぶって実を落とそうとすると、実はファの手に落ちてしまう。
痛がるファの姿に、イドゥンはクスリと笑う。彼女の反応を喜ぶファはロイに知らせに行く。イドゥンは一人風に吹かれながら、「風…」とつぶやくのであった。

『ファイアーエムブレム 封印の剣』のゲームシステム

マップ画面

Mao Kosaka
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