範馬刃牙(刃牙シリーズ第3部)のネタバレ解説・考察まとめ

『範馬刃牙』とは『バキ』の続編で、2006年から2012年まで板垣恵介が『週刊少年チャンピオン』で連載していた漫画。巻数は37巻で話数は312話ある。このシリーズの主人公で「範馬刃牙」とその父「範馬勇次郎」との闘いに決着がつく。『範馬刃牙』には「実戦シャドーファイティング編」「超絶!!監獄バトル編」「野人戦争(ピクル・ウォーズ)編」「強者達の闘い編」「地上最強の親子喧嘩編」の5章ある。2022年1月から3月に「実戦シャドーファイティング編」と「超絶!!監獄バトル編」がアニメ化された。

アメリカ合衆国国防総省のことをホワイトペンタゴンという。現実の世界では「ペンタゴン」と言われているが、『バキシリーズ』ではアメリカ合衆国国防総省のことをホワイトペンタゴンと表現している。

ドレス

ドレスとは人間を凄まじいスピードでヌンチャクの要領で振り回す技。範馬勇次郎(はんまゆうじろう)の父であり、範馬刃牙(はんまばき)の祖父である、範馬勇一郎(はんまゆういちろう)が使用した技である。勇一郎は太平洋戦争の沖縄戦終結後も単独で米軍に抵抗し、アメリカ軍が戦艦を放棄させるにいたった時に使用していた。その勇一郎が霊として刃牙と勇次郎の親子喧嘩の最中に突如として現れたことをきっかけに、彼の技である「ドレス」で勇次郎が刃牙を攻撃する。

虎王

範馬刃牙(はんまばき)が父の範馬勇次郎(はんまゆうじろう)との闘いで最後の切り札として勇次郎をギブアップ一歩手前まで追い込んだ最後の技。飛びつき逆十字の要領で相手の腕を捕らえながら、片方の脚で相手の首の後ろに巻きつき、もう片方の脚の膝で相手の顎に真下から打撃を加えたうえ、さらに落ちながら身体をひねって相手の肩の上に乗り、腕固めの状態で相手を頭部から地面に叩きつける複合技である。

『範馬刃牙』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

範馬刃牙「親父がもし地上最弱の生物なら 俺は二番目に弱い生物でいい」

神心会館長で空手家の愚地独歩(おろちどっぽ)との会話での一幕。刃牙(ばき)の周りにいる地下闘技場戦士やその他の刃牙と闘ったキャラクター達も全員が刃牙に対して勘違いしていたことを指摘した時に生まれたセリフであり、読者すらも勘違いしていたことである。刃牙に対し勘違いしていたこととは、刃牙は「世界最強」を目指して格闘技者となり訓練や鍛錬、実践を積んでいると周囲のキャラクターしいては読者も思っていた。だが実の所刃牙は父親に勝ちたいというのが最大の目的だったというのがこの「親父がもし地上最弱なら俺は二番目に弱い生物でいい」と言う発言で理解できた。これは、刃牙の価値観そのものであり、全員が「そうだったんだ」と思わされたシーンであり、名セリフとなった所以である。

範馬勇次郎「百聞は一見にしかず 百見は一触にしかず」

実戦シャドーファイティング編において範馬刃牙(はんまばき)が思い込みによるシャドーファイティングで巨大カマキリと闘ったことを聞いた時に発した名言。「百聞は一見にしかず」はことわざであり、意味は聞くより見る方が早いということ。勇次郎はそれにさらに「百見は一触にしかず」と追加した。これは見るより体験する方が、理解は早いという意味であらゆる武術に精通する範馬勇次郎(はんまゆうじろう)だからこその言葉。実際問題、体験することが1番記憶に残るのは納得する所であり、読者も痛感したところにこのセリフの意味深さがある。

範馬刃牙VS範馬勇次郎「エア夜食」

「エア夜食」は刃牙(ばき)と勇次郎(ゆうじろう)の長い長い因縁の対決が終わりを告げるシーンである。『バキシリーズ』通してこの2人の因縁が描かれてきて、その対決がこの「エア夜食」で終わる。正に名シーンとなったところである。親子での食事会から始まりここに至るまでの闘いを経て、最後はお互いの思い込みによる夜食となった。勇次郎が手料理を空想で作り、刃牙とともに食べる。最後に刃牙がこの味噌汁は「ちょっとしょっぱい」と机をひっくり返し、自分の我が儘を通した。世界最強の父親は決して他者の我が儘を許すことは無かった。だが息子をライバルと認め、今まで自分と対等に闘える人物がいない退屈な世界だった勇次郎はその強さを認めた息子との「エア夜食」の時に少しだけ手を抜いたことを見抜かれ指摘されたことに刃牙の我が儘を許してしまった。「エア夜食」だからこそ勇次郎は、刃牙のことを認めたのだとこのシーンから窺い知ることができる。

『範馬刃牙』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

範馬一族の先祖はエジプト人

エジプトの洞窟内で発見された「悪魔の壁画」の背中

範馬親子の喧嘩が行われているのと同時に探検隊たちがエジプトの洞窟を散策する最中に「悪魔の壁画」を発見する。そこには、背中に鬼の貌を持った人物の姿が描かれていた。背中に鬼の貌を持つ人物と言えば、範馬一族の祖先の可能性が高い。壁画には大きい背中に鬼の貌を持つ者と小さい背中に鬼の貌を持つ者が向かい合って威嚇し合っている。この壁画から範馬一族は代々親子で喧嘩をして、地上最強を一子相伝してきたのだと窺い知れる。こうしてエジプトから始まり受け継がれ続けてきたのが範馬一族なのだと言われている。この受け継がれてきた遺伝子を勇次郎(ゆうじろう)は「範馬の血」と表現した。

ジュン・ゲバルのモデルは革命家「チェ・ゲバラ」

超絶!!監獄バトル編の「ミスターセカン」として登場した「ジュン・ゲバル」にはモデルがいる。そのモデルとはキューバ革命を成し遂げた革命家である「チェ・ゲバラ」という男である。顔も雰囲気も似ているが、国の独立のために闘ったという背景が一番似ている。ジュン・ゲバルの独立といった背景は、チェ・ゲバラの革命からイメージされたものだと分かる。国家や体制から、弱き民を開放するといったところは共通のものがある。違う所とすればジュン・ゲバルは海賊で、チェ・ゲバラは海賊ではない所だ。

GPSで監視されている3人

範馬勇次郎、ビスケット・オリバ、ジュン・ゲバルの3名のうちだれか1人が走りカーナビがずれたシーン

範馬勇次郎、ビスケット・オリバ、ジュン・ゲバルは超危険人物として24時間GPSで監視されている。そのため時速4キロ以上で動くとアメリカの軍事衛星の半数以上が緊急動作を強いられるため軍事衛星を使用する世界中のカーナビゲーションが70mもずれてしまうと言われている。時速4キロ以上とは走ったぐらいのスピードである。3名のうちだれか1人でも走ったりすれば緊急動作を強いられるので、しょっちゅうずれていることになる。それほど、範馬勇次郎、ビスケット・オリバ、ジュン・ゲバルの3名は強いということを表現している。

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