嬴政(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
嬴政(えいせい)とは『キングダム』に登場する若き王で、後の秦の始皇帝である。若くして大王としての風格を纏う。400年続く戦乱の時代に誰もが成し得なかった中華統一を達成する事で、戦乱の世を終わらせようとしている。幼少時代は人質の子として趙国(ちょうこく)で育った。大王即位後も王弟・成蟜の乱で王宮を追われた王宮を奪還するため、主人公の信と出会い、信の「大将軍になる」という夢と共に、お互いが思い描く夢を成し遂げる事を誓い合いって、中華統一を目指す。
王騎(おうき)
秦国六大将軍として中華全土にその名を轟かせる唯一無二の大将軍。王宮で秦国へ攻め入ってきた趙国に対抗するための策を練っている所に王騎(おうき)が現れ、嬴政と二人で会話する機会を求める。その場で王騎は嬴政に対し、「どのような王を目指しているのか?」と問いかける。問いに対して嬴政は迷うことなく「中華の唯一王だ」と即答する。王騎は、昭王(しょうおう)の夢だった中華統一を口にする嬴政に興味を覚え、秦国総大将に任を受け入れる。王騎は 「昭王亡きあと 数多くの王が私を召しかかえようと声をかけてきましたが、中華だ天下だと軽々しく語る王ばかりで本物は一人もいませんでした。しかしこの若王の口から放たれる中華という言葉は異様なほどに重い。そしてその目は一点の曇りもなく内に強く光っている。悪くない。昭王とはまた違いますが悪くないですよォ」と嬴政を認める回想をしている。この戦で王騎は討たれ命を落としてしまった事に嬴政は大きなショックを受ける。
向(こう)
嬴政の正妻。貴族の家柄の出身ではなく貧しい身分の出身の者だったため、後宮で雑務を行いながら生活していた。向は嬴政の伽を任された事で出会う。しかし嬴政は向を三回呼呼んでも手すら触れず、ただ側にいてもらう事を望んだ。そしてその次に伽に呼ばれた時、向は初めて自分の名を名乗り挨拶をして寝所に入った。何故か嬴政は向に手を出さなかったが、毎晩伽に指名をし、その理由を「向が隣にいることの安心感に心地よさを感じたからだ」と嬴政は述べている。向と嬴政の関係が進展したのは、向が偶然、呂不韋と嬴政の母である太后(たいこう)の密会の現場を目撃してしまった事により、太后の護衛に剣で重傷を負わされた事件が発端となる。剣で刺された向は、生死を彷徨いながらも、嬴政の事を呼び続け、それを見かねた向の親友の陽(よう)が向の伽に扮して嬴政の寝室に入り、処罰を受ける覚悟で向を助けて欲しいと嬴政に哀願した。事態を把握した嬴政は国内の最高の医術を持つ者達を遣わせ、向の処置を行い一命を取り留める事に成功した。向が、うわ言のように嬴政を呼び続け伝えたかった事とは、自分が目撃した「呂不韋と太后が古くから男女の関係にあった」という事だった。それを知った嬴政は、その情報を元に翌日には重臣を集めて呂不韋の不貞の噂をばら撒く事を決め、王宮の至るところで、太后と呂不韋が不義の間柄にあるという噂が流れるようになった。この事で嬴政の対抗として力を増していた呂不韋陣営に対し、嬴政派は牽制を行う事ができたため政の陣営はこの機をチャンスとばかりに臣下の士気が上がった。そして、呂不韋派と勢力争いをしていた嬴政派の傘下に入る者達が増加する事となった。嬴政は向の命がけの情報伝達のお陰で「命が救われたやもしれぬ」と、向に対して感謝の意を述べている。この事がきっかけとなり、嬴政と向の距離が縮まる事となった。向との間に誕生した娘には麗と言う名を付けた。
太后(たいこう)
太后は嬴政の実母。かつては邯鄲(かんたん)の宝石と呼ばれた、絶世の美女。嬴政を産んだ以後も年を取らぬという噂が立つほど若く美しい容姿をしている。趙国の邯鄲では一流舞姫であり、その美貌に多くの貴族達は心を奪われた。しかし太后は呂不韋との恋愛の末、彼の許嫁になった。呂不韋との許嫁であった太后はある日突然、呂不韋から後の荘襄王(そうじょうおう)である子楚(しそ)と結婚するように言われ、太后は従い、子楚との間に嬴政を身ごもった。この裏で呂不韋は金をつぎこみ、子楚を王位に就かせ、秦の丞相(じょうそう)の席を手に入れた。つまり太后は、呂不韋の出世のために利用されたという事である。 呂不韋の裏切りに絶望し、子楚と呂不韋が彼女と嬴政を置いて趙国から秦へ脱出してしまった際は、世を呪いながら、体を売りつつ飢えをしのいだ。直前に秦国へ投降した趙国の兵士40万人を生き埋めにした「長平の戦い」があったため、その仕返しの矛先として、嬴政と共に太后も日々暴力に晒され、人の心を失ってしまった。趙国を脱出し、秦国で王妃の座に即位後も嬴政に対する興味は失せたまま過ごしていた。そして、自分が周りの人に政治の道具として使われた事に疲れて絶望していた。そんな中で、昔の許嫁である呂不韋に接近するが、性欲が激しい性分である太后に呂不韋も身が持たないと判断し、宦官の一人として後宮に入った絶倫男・嫪毐(ろうあい)を充てがった。太后と嫪毐の間には二人の子が授かったが、それは密通であったため、後に密告として秦王嬴政の耳に入った。もはやこれまでと思った嫪毐は、嫪毐の乱を起こした。成功すれば嫪毐は、太后との間に生まれた子供を王位に就けて、自分は、丞相として国政を執るつもりであった。しかし、嫪毐の反乱は、既に嬴政に察知されており、あっけなく鎮圧され、嫪毐は、王位を狙った大罪人として、車裂きの刑に処せられた。嬴政は、太后と嫪毐の間に生まれて残された遺児は、密かに場外に匿った事を太后に告げ、いつか必ず国内が落ち着いたら引き合わせると述べた。
成蟜(せいきょう)
成蟜は嬴政とは異母兄弟になる。嬴政の母親は平民出身の太后だが、成蟜の母親は公主の娘だったので、成蟜は生まれながらに「自分は嬴政とは違う」と思っていた。王族は純粋な血族である必要があり、平民の子である嬴政は汚らわしい存在だと述べている。成蟜は幼い頃から自らが秦の時期国王になると信じていたので、嬴政が国王に選ばれたことで、謀反を起こすことを決意した。丞相の竭氏(けっし)を仲間に引き入れ、国内最有力者である呂不韋(りょふい)の留守中を狙って反乱を起こした。反乱の結果、嬴政を殺したと思ったが、実際は影武者の漂が身代わりとなっていた。その後、嬴政は昌文君(しょうぶんくん)と主人公の信(しん)が協力して山の民を仲間に引き入れると、王座奪還のため成蟜の元へ向かう。その結果、嬴政の軍勢が勝利を収め、成蟜は国王の座から追放され、軟禁状態となった。その後、自らの地位を右丞相から相国に格上げし、権力増を画策した呂不韋に対抗する為、嬴政は幽閉していた成蟜の元を訪れ、3年間城に閉じ込めていた成蟜らを開放する事を条件に、成蟜の協力を取り付ける。そして、成蟜一派の力により有力者達が続々と政陣営の協力者となり、呂不韋が相国になったと同時に、嬴政は多くの有力者達を多く集め、昌文君を左丞相に任命させることに成功した。その後、秦国と合従軍との戦いが勃発し、秦国が壊滅状態になった時に、成蟜は戦場に立つ嬴政のために王座を守り続けた。嬴政と成蟜は良い関係になりつつあったが、再び呂不韋の策略によって屯留(とんりゅう)でクーデターを起こした首謀者にされてしまう。人質となった成蟜の妻の瑠衣(るい)を守るために戦い、最後は命を落とす事となってしまう。
嬴政の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「人の持つ本質は 光だ」
嬴政と勢力争いを繰り広げてきた呂不韋(りょふい)は、天下は金から成るもので、金で国を治めるべきだと考えていた。嬴政のように武力で制圧し中華統一しても、絶望や怨念うずまく闇の世となってしまうと嬴政を真っ向から否定。しかし嬴政は、それは「人へのあきらめだ」と一蹴し、「人の持つ本質は光だ」と言った。そして、「死んでいった者たちが持っていた光を、次の者が受け継ぎさらに輝かせる、そうして人は繋がっていくのだ」「その光を見失わないように、自分の代で戦争をなくす、そのためには暴君と呼ばれても構わないと」と語った。これにより呂不韋は嬴政を王として認め、長年に渡った政権争いが幕を閉じた。
「中華を統一する最初の王となる」
嬴政が山の民の王・楊端和(ようたんわ)に王宮奪還を協力を依頼するときに嬴政が放ったセリフ。中華を統一することによって平和な世界を成すという政の野望を伝える。これにより嬴政の意思の強さが楊端和にも伝わり、山の民の協力を取り付けた。
「全身全霊をかけて対策・打開策を模索しろ 合従軍だろうといいようにはさせぬ 戦うぞ」
前例のない規模で秦国に攻め入ってきた合従軍の対抗策にてんやわんやし、諦めの空気に陥っている文官達を落ち着かせ鼓舞した時のセリフ。「お前たちの目は節穴か? お前たちの頭は飾りか? この地図をちゃんと見ろ 今この瞬間、国のいたるところで、何千何万の民の命が、奪われようとしているのだぞ。起こっている事態の全容を知るのは、ここにいる我々だけだ。対策を講じられるのも我々だけだ。分かってるのか?今ここにいる30人程が、秦国全国民の命運を握っているのだ。強大な敵にも目を逸らすな 刻一刻と国が、民が陵辱されているのだ。全身全霊をかけて、対策、打開策を模索しろ 合従軍だろうといいようにはさせぬ 戦うぞ!」
嬴政の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
史実での嬴政
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カイネ(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
カイネは『キングダム』に登場する、趙国軍総司令・李牧(りぼく)の側近の女剣士である。騎馬術や剣術を得意とし、李牧の護衛も務めている。李牧には全幅の信頼を寄せ尊敬している。秦国との戦の時に、飛信隊軍師・河了貂(かりょうてん)が戦場を見学している際に、カイネと偶然出会い親しくなった。その後、河了貂とは敵同士として闘う事もあったが、以後も気にかけており、たびたび仲間に引き入れようと誘う。カイネと同じく李牧の配下である傳抵(ふてい)に将来の嫁と呼ばれている。
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王賁(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
王賁(おうほん)は、『キングダム』に登場する秦国の武将で、幼少期から軍事教育を受けたエリートのみで構成される、玉鳳隊の隊長である。また、王賁は長年槍使いとして鍛錬を重ねてきた、槍使いの達人でもある。秦国大将軍・蒙驁(もうごう)の右腕的な副将である王翦(おうせん)将軍を父に持つ。秦国六大将軍・王騎(おうき)も属する王一族の本家筋の出である。自身の出自に誇りが強く、下人の出である主人公の信(しん)の事を見下している事が多いが、信と楽華隊隊長・蒙恬の同世代の武人と互いに競い合って成長している。
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キングダム 運命の炎(キングダム3)のネタバレ解説・考察まとめ
『キングダム 運命の炎』とは、原泰久の漫画『キングダム』を原作とする2023年公開の実写映画作品。同シリーズでは3作目にあたるため『キングダム3』とも呼ばれる。キャッチコピーは「大いなる夢を、新しい時代を、その手で掴め―」。監督は佐藤信介が務め、主役の山﨑賢人や吉沢亮など主要人物の役者は全員が前々作から続投している。 趙の大軍に攻められた秦は、六大将軍の王騎を総大将にしてこれを迎撃する。将軍を志す剣士にして秦の若き王嬴政の友でもある信も従軍し、師である王騎から重要な作戦を託される。
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蒙毅(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
蒙毅(もうき)は『キングダム』に登場する秦国の若き軍師である。祖父は秦国大将軍である蒙豪、父は中華最強を自負する秦国将軍の蒙武、兄は物語の主人公・信と共に切磋琢磨して己の実力で将軍となった蒙恬というエリート軍人一家の出身。突出した武の力を誇るもそれに任せた戦法を取ることが多い蒙武を、知略の面で支えたいと考えて軍師を目指し、秦国軍総司令・昌平君の軍師学校の門を叩く。信と生活を共にする少女・河了貂とは軍師学校の同期で、特別軍師認可を受けている彼女と軍略囲碁でまともに戦えるのは蒙毅だけである。
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目次 - Contents
- 嬴政のプロフィール・人物像
- 嬴政の武器・技・能力
- 剣術に優れる
- 王騎も認める程のカリスマ性の持ち主
- 嬴政の来歴・活躍
- 敵国・趙国で人質の子として誕生、過酷な幼少期を過ごす
- 王弟・成蟜による反乱で王宮を追われる
- 秦国六大将軍王騎(おうき)に認められる
- 蕞(さい)で李牧軍を迎え討つ
- 向(こう)と結婚し子を授かる
- 母・太后が起こした反乱
- 信を将軍に任命
- 嬴政の関連人物・キャラクター
- 信(しん)
- 漂(ひょう)
- 昌文君(しょうぶんくん))
- 紫夏(しか)
- 呂不韋(りょふい)
- 王騎(おうき)
- 向(こう)
- 太后(たいこう)
- 成蟜(せいきょう)
- 嬴政の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「人の持つ本質は 光だ」
- 「中華を統一する最初の王となる」
- 「全身全霊をかけて対策・打開策を模索しろ 合従軍だろうといいようにはさせぬ 戦うぞ」
- 嬴政の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 史実での嬴政
- 始皇帝の子供は複数いる