広瀬康穂（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ

植物鑑定人、豆銑礼（vsアーバン・ゲリラ）

定助と康穂は、憲助が紹介してくれた植物鑑定人、豆銑礼（まめずく らい）とバスの中で出会う。豆銑礼は自分の住んでいるスキーリフトに定助と康穂を誘い、自慢の料理を振る舞う。そこに敵が襲ってきた。岩人間のアーバン・ゲリラと、そのペットにして脚がキャタピラになっている岩動物ドレミファソラティ・ドである。アーバン・ゲリラのスタンド「ブレインストーム」は、溶血を引き起こす毒液を流し込む能力を持つ。豆銑礼もスタンド使いであり、彼のスタンド「ドギー・スタイル」は肉体をワイヤー状にして分解したり切断したり、編み込んでボウガン状の仕掛けを作ったりできる。豆銑礼が飛ばしてアーバン・ゲリラに命中したフォークにはガソリンが仕込んであり、引火して爆発。アーバン・ゲリラはドレミファソラティ・ドもろとも焼死した。

vs羽伴毅

岩人間プアー・トムとの戦いで果樹園が燃えてしまったため、東方家は今後の生活について家族会議を開く。TG大学病院では、東方密葉（みつば。常敏の妻）が医師の羽伴毅（うー ともき）の診察を受けており、ロカカカの実の投与による副作用を完全に治すには2億円が必要と言われてしまう。いっぽう生理痛の治療の為同じくTG大学病院を訪れていた広瀬康穂は、足が石化し車椅子に乗った密葉を目撃して不審に思い、密葉と接触する。すると康穂は謎の破片に襲われてしまう。破片の正体は羽伴毅のスタンド「ドクター・ウー」。彼は岩人間にして、自身の肉体を微粒子レベルに分解して犠牲者の体内に侵入できるスタンド能力を持っていた。密葉の病気は治癒するが、ロカカカの等価交換により彼女のお腹に宿っていた子供が犠牲になってしまう。密葉のスタンド「アウェイキング・IIIリーブス」（矢印を出現させ、物体をその方向に引っ張る能力）の活躍もあり一旦は羽伴毅を撃退するが、復活してきた羽伴毅に院内に保管された病原菌で逆襲され康穂は再び危機に陥る。そこに定助が救援に駆けつけてきた。医療用セメントを封じ込めた「ソフト＆ウェット」のしゃぼん玉を浴び、羽伴毅はセメントに閉じ込められ窒息死する。

vs明負悟

定助、康穂、豆銑礼はTG大学病院の院長、明負悟（あけふ さとる）を怪しいと睨んで追跡を続けるが、不可思議な妨害が幾度も起こり、院長に辿り着く事ができない。それどころか妨害のレベルは徐々にパワーアップしていく。すべては明負悟のもたらす「厄災」が原因である。この「厄災」は直接追跡している定助たちだけでなく、東方家の人々にまで及ぶ。東方つるぎにとうとう病気が発症し、肉体が折り紙のようになってしまう。一方定助は、どうしても近づけない院長に近づくため、わざとパトカーに乗り込んで怪我をし、TG大学病院に入院という形で潜入する作戦を取る（豆銑礼は警察に逮捕される）。いっぽう明負悟は講演会で新薬「LOCACACA6251」の発表をしていた。定助は吉良ホリーと遭遇。彼女は自分自身がロカカカの実の人体実験にされていた事を語り「院長を追いかけると、あらゆる『悪い力』が激突してくる」と忠告する。院長を追いかけるのはタブーで、こちらを追いかけさせるのは良いという事である。

vs透龍

いっぽう東方家に「新ロカカカの実」があると判断した広瀬康穂は、東方家を訪れる。しかし康穂は常敏に「ペイズリー・パーク」の入ったスマートフォンを奪われ、トイレに流されてしまう。スマートフォンの受けたダメージが康穂にももたらされ、康穂は絶体絶命に陥る。密葉も康穂を家族を害する災いと判断したため、彼女を裏切った。しかも明負悟が突如、東方邸に出現したため「厄災」が発動し、康穂は右腕を切断されてしまう。
憲助は常敏と意見が対立し、常敏は憲助を攻撃してしまう。ところがその常敏も「厄災」の力を甘く見てしまったため、スプレー缶のノズルが突き刺さり死亡する。そして明負悟が実はスタンド「ワンダー・オブ・U」であり、彼を追跡しようとする者全員に、無差別に「厄災」を振りかからせ、やがては死に至る流れに飲み込んでしまうという最悪の能力を持っていること、その本体は広瀬康穂の元カレにして岩人間の透龍（とおる）である事などが発覚する。定助は脱獄した豆銑礼と合流するも、豆銑の院長への狙撃は失敗。定助があらかじめ設置していた「ソフト＆ウェット」のしゃぼん玉までもが「厄災」として利用されてしまったのである。そして豆銑礼は「厄災」によって死亡した。

ゴー・ビヨンド

一方、絶体絶命の広瀬康穂を救ったのはなんと東方常秀。彼女の失った腕を新ロカカカの枝の「等価交換」で自分と交換し、治療すればいいと提案。自己犠牲の精神かと思いきややっぱりそこは常秀、動機は不純であった。嫌悪感を乗り越え康穂はロカカカの実を摂取する事を決断。結果として等価交換は成立し、康穂の腕が元通りになり、常秀の右腕が小さくなるという結果に終わった。
逆上した常秀とひと悶着あったものの、どうにか切り抜けた康穂は虹村京に連絡を取り、虹村は定助の救援に向かう。スタンド「ボーン・ディス・ウェイ」の先回り能力によって明負悟に一矢報いた虹村だったが、攻撃した事で「厄災」の対象となり左目を攻撃され死亡。しかし康穂の「ペイズリー・パーク」入りのスマートフォンを定助に託す事はできた。定助は豆銑がかつて語っていた「ソフト＆ウェット」の能力について思い出し、それがしゃぼん玉ではなく「回転そのもの」という、この世に存在しない力である事に気づいた。存在しない力なら「ワンダー・オブ・U」に攻撃として認識されず、通じるのではないか。そう思いしゃぼん玉を飛ばすも、コントロール自体ができずあらぬ方向へ飛んでいってしまう。ところがしゃぼん玉は康穂の「ペイズリー・パーク」で「最善の方向」に導かれ、透龍に直撃、重傷を負わせる事に成功した。この「見えないしゃぼん玉」は、攻撃する意思もなければこの世に存在しない力でもあるため条理を越え、「厄災」も発生しない。
負傷した透龍は苦し紛れに最後の1つとなった新ロカカカの実を食べて傷を癒そうと試みる。だが新ロカカカで治療を完遂するには「等価交換」できる相手がいなければならない。康穂に接触しようとする透龍の前に再び「見えないしゃぼん玉」が現れ（この時「ソフト＆ウェット ゴー・ビヨンド（越えて行く）」と命名された）、彼を吹き飛ばした。その先には東方花都（憲助の元妻で、常敏たちの母）がいた。

透龍の最期

広瀬康穂は花都に「何もしなければ何も出来ないッ！ 彼はもう終わっているッ！」と的確な助言を行う。透龍は自分こそが息子の常敏を殺した張本人だと明かし、自分を攻撃するよう仕向けようとする。が、花都はスタンド「スペース・トラッキング」の使い手で、カードの間に挟んだ物体を隠す能力を持っていた。彼女がカードの中に挟んでいたのは、病気になった東方つるぎ。この機転により透龍はつるぎと接触し、傷を癒すどころか東方家が代々背負ってきた石化病の「呪い」をおっかぶる事になった。なおつるぎが「等価交換」で透龍から貰った瀕死の重傷には、つるぎにも新ロカカカの樹液を飲ませる事で、花都と「等価交換」を行う事で対処。透龍は見苦しく命乞いや悪あがきをするも、結局全身が石化して崩壊し、死亡した。そして「等価交換」のために花都も、つるぎから引き継いだ致命傷を受けて死亡する事となる。
透龍の死後、スタンド「ワンダー・オブ・U」は一人歩きして、実は生きていた憲助にとり憑こうとしたが、定助の「S&W GO☆Beyond」によって砕け散った。

最終回

新ロカカカは全て消滅してしまい、吉良ホリーの病気を治療する事は叶わなかったが、定助は「南の島に行けば、新しいロカカカの実が見つかるかもしれない」と言う。
康穂と定助は空条仗世文の母、聖美（きよみ）の存在に気づいたが、声はかけなかった。定助いわく「オレの最初の思い出は、空条仗世文でもなく吉良吉影でもなく…土の中からの『定助』なんだ」というのがその理由で、彼はもう過去にこだわるのではなく未来に生きる決意をした。それを受け康穂も「つまりその『思い出』っていうのは…『思い出』のもっと以前に『夢』というものが在るのかもね」と返す。最後の場面、定助が東方家の面々と一緒にケーキを囲む。その様子は彼が家族の一員として認められ、迎え入れられた事を示すものであった。

広瀬康穂のスタンド：ペイズリー・パーク

スタンドとは

「スタンド」とは、その人を守ってくれる守護霊のようなものである。スタンドはひとりの人間につき一能力。スタンドを自由自在に意志で操れる人間を「スタンド使い」と呼ぶ。
スタンドを傷つけられると、スタンド使いも傷つく。またスタンドはスタンドでしか倒せない。スタンドという名称は「立ち向かう者」という意味から来ている（マウンテン・ティム談）。
スタンドは基本的に普通の人間には見る事ができず、スタンド使いから離れれば離れるほどスタンドのパワーは弱くなる。

ステータス

破壊力 - なし / スピード - なし / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - C
（A-超スゴイ B-スゴイ C-人間並 D-ニガテ E-超ニガテ）

地図状の模様を纏った女性型のスタンドだが、姿自体は変形可能で、精密機器に侵入したり、影状に平べったくなる事も可能。ただし機械に入っている間、その機械が攻撃されるとスタンド（及び本体）もダメージを負ってしまう。
ステータスで「破壊力なし」となっているものの、作中の活躍を見る限り物理攻撃は可能であり、人間の足を捻ったり折ったりする程度のパワーは持っている。

スタンド名の由来は「プリンス・アンド・ザ・レボリューション」のアルバム『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』収録の楽曲「ペイズリー・パーク」より。

能力

自分や他人を最善の方向へ導く