真田明彦(ペルソナ3)の徹底解説・考察まとめ
真田明彦(さなだ あきひこ)とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の3作目に登場するキャラクターである。P3主人公が通う私立月光館学園高等部の3年生。影時間を消滅させる事を目的としたペルソナ使いの集まり「特別課外活動部(S.E.E.S.)」の創設メンバーでもある。月光館学園中等部の際に、ペルソナ使いへの適性がある事が発覚して以来、ペルソナ使いとしての能力を使いながら、シャドウの討伐、ダンジョン「タルタロス」の探索を行っている。
明かされた、P3主人公にまつわる事実
修学旅行も終わり、12月に差し掛かったある日、P3主人公にまつわる衝撃の事実が発覚する。それはP3主人公の過去、そして桐条グループが起こした爆発事件にまつわる事実だった。
実は桐条グループが起こした爆発事件の際、四方に散らばってしまったデスの一部を破壊する為、シャドウ特別制圧兵装であり、現特別課外活動部(S.E.E.S.)のメンバーであるアイギスはデスとの戦闘を行っていた。だがアイギスの力だけではデスを制圧する事は不可能で、彼女はすぐ近くにいた少年の内部にデスを封印する。その少年というのが、幼き頃のP3主人公であったのだ。アイギスは今の今までその事を忘れていたのだが、幾月の件で封印が解かれてしまったデスが人型の姿となって特別課外活動部(S.E.E.S.)の前に現れた事により、その記憶を取り戻す。デスの人型である望月綾時(もちづき りょうじ)は、11月に入ってからP3主人公達のクラスにやってきた転入生であり、彼も影時間の中でアイギスとP3主人公と会うまで、その事を忘れていた。
記憶を取り戻した綾時は、真田達特別課外活動部(S.E.E.S.)にシャドウ達が暴れていた目的が「母なるもの」の復活である事を告げる。母なるものの名は「ニュクス」といい、デスである綾時に引き寄せられる形で今、この世に降臨しようとしているのだという。
ニュクスの復活は絶対であり防ぐ方法はない。そこで綾時はゆかり達特別課外活動部(S.E.E.S.)に、2つの提案をする。1、綾時を殺して「影時間」に関する記憶を消し、滅びの恐怖を覚える事のないままに死ぬ。2、それとも綾時を殺さず、「影時間」の記憶も保ったまま、避けられない滅びを待つ。次の春までに世界は滅びるだろうという綾時は、大晦日までに結論を出すように真田達に告げて去っていく。
避けられぬ滅びを前に、どう行動を取るべきか考える特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々。真田も他のメンバー同様に、どのような選択を取るべきか悩む。そうして、答えを探すかのように、かつて荒垣がよく居た路地裏に訪れる。するとそこには天田の姿があった。そこで真田は天田と共に、これからの事について語り合う。その結果、2人は共に「ニュクスと戦い、世界の滅びを防ぐ」と決心する事になる。
それは他の特別課外活動部(S.E.E.S.)のメンバーも同じで、皆、特別課外活動部(S.E.E.S.)で培ってきた経験から、各々に戦う意義、理由を手にしていた。
そうして大晦日、やってきた彩時に特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々は、ニュクスと戦う事を告げる。特別課外活動部(S.E.E.S.)の覚悟を知った綾時は、彼らに「ニュクスが復活するのは1月末」と告げると、その場から去っていったのだった。
ニュクスとの戦い
1月末。真田と特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々は、「卒業式の日に月光館学園の屋上にみんなで集まる」という約束を交わし、ニュクスと戦う為にタルタロスへ乗り込む。しかしそこで待っていたのはストレガだった。
ストレガは、ニュクスによる滅びを止めようとする特別課外活動部(S.E.E.S.)を阻止しようと、攻撃をしかけてくる。しかし結果として特別課外活動部(S.E.E.S.)に敗北。その場で事切れることになる。
ストレガを撃退した真田達特別課外活動部(S.E.E.S.)の前に現れたのは、ニュクスの一部であるニュクス・アバターだった。ニュクス・アバターは、デスであった綾時に引き寄せられる形でこの世に降臨した為、デス(綾時)とは融合状態になっていた。苦しい戦闘の末、なんとかニュクス・アバターに勝利する真田達。しかしあくまでも倒したのは「ニュクスの一部」であり、ニュクス本体はまだ倒せていなかった。ニュクス・アバターとの戦いに疲弊する特別課外活動部(S.E.E.S.)の前に現れたのは巨大な「月」。実はニュクスの正体は「月」だったのである。
予想外の展開に、真田と特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々は絶望する。しかしその時、P3主人公が今まで築き上げてきた周囲の人々との絆を元に、新たなるペルソナの力「ユニバース」を手に入れる。そうしてその力をもとに、「大いなる封印」を発動。ニュスクを宇宙空間らしき場所へ転送させ、封印する事に成功する。
結果、タルタロスと共に影時間は消滅。真田達は、ようやく本当の意味で特別課外活動部(S.E.E.S.)としての戦いに終わりを迎える事ができたのだった。
3月、果たされた約束
タルタロスと「影時間」が消滅した事により、それらに関わってきた人々の記憶から「影時間」中に起きた出来事は全て忘れ去られることになる。それは真田を含めた特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々も同じで、彼らは自分達のこれまでの戦いを忘れてしまうことになる。しかしロボットであったアイギスだけは例外だったようで、ニュクスとの戦いを前に交わした約束を守る為、「卒業式の日」にP3主人公の部屋へやってくる。そうしてP3主人公と共に屋上へ向かう。
一方その頃、他のメンバーは月光館学園の卒業式に参加していた。真田も卒業生として参加し、卒業生代表である美鶴の答辞を聞いていたが、美鶴が答辞と共に振り変える自分の記憶に違和感を抱き始めた事をきっかけに、真田はこれまでの仲間達との戦いを思い出す。それは美鶴を含む他の特別課外活動部(S.E.E.S.)のメンバーも同じだった。
全てを思い出したメンバーは卒業式を抜け出し、屋上へと向かう。だが、そこにいたのはアイギスの膝の上で目を閉じようとしているP3主人公だった。
実はこの時点でP3主人公の中には、「魂」がほとんど存在しない状態にあった。実はニュクス戦で彼が行った「大いなる封印」というのは、彼自身の魂、つまりは命を使った技だったのだ。再びニュクスがこの世界に現れないようにする為、P3主人公は自身の魂をニュクス封印のくびきとして差し出していたのである。
その為、本来ならばニュクスとの戦闘後に彼の命は尽きる筈だったのだが、特別課外活動部(S.E.E.S.)との約束を守る為、なけなしの魂で生き延びていたのである。
そんな事を知らない真田達は、屋上に居るアイギスとその膝の上で眠るP3主人公のもとへ駆け寄っていく。大事な仲間達との約束を果たす為、P3主人公が永遠の眠りについてしまった事には気づかず、彼らと合流するのだった。
真田明彦の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「シンジは納得して死んだんだ。ある意味、究極の”勝ち逃げ”だよ。」
荒垣死後、寮のエントランスにて聞ける真田のセリフ。
荒垣が亡くなり、意気消沈する特別課外活動部(S.E.E.S.)を見た真田が、そのしめったい空気を前にして思った事を率直に言ったセリフとなっている。
真田なりの荒垣の死に対する吹っ切れと割り切り、そして彼の死を前にペルソナ使いとしての決意を新たにしたその心情が深く感じられるセリフである。「究極の”勝ち逃げ”」という、どこか皮肉めいた言い回しも、友人に対する冗談を言う時のようなお遊びに近しいものが感じられる。真田と荒垣の間にあった固い友情を垣間見れる言い回しだといえるだろう。
なお、このセリフを聞く事ができるのは、荒垣死後にある学校イベント「中間試験」の前だけとなっている。このセリフの後に「そんな奴の事は程々にして、自分の事に集中したらどうなんだ?一週間切ってるぞ、中間試験。」と現実を突きつけるセリフが続く為、多くのプレイヤーを荒垣の死とは違う意味で絶望に突き落としていったセリフともなっている。
「あいつのケジメだ。どう生きるかは、自分で決めるしかない。」
荒垣の死後、天田が寮を出ていったと知り、騒然とする特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々に向かって、真田が言った言葉。
荒垣という特別課外活動部(S.E.E.S.)内初の死者に、動揺していた特別課外活動部(S.E.E.S.)。そこへ、今回の事件に1番大きく関わっていた天田が、自らの意思で寮を出ていってしまった事から、特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々はさらなる動揺の渦に突き落とされる事になる。しかしその中で真田だけは1人冷静に、これからの事は天田自身が決める事であると特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々に告げる。
一見すると大事な幼馴染を死に追いやる要因となった天田の事を見捨てているようなセリフに聞こえなくもないが、しかし「ケジメ」という言葉を使う辺り、彼が天田という少年を1人の男として認めているからこそ出てきたセリフだと推測ができる。大事な家族、幼馴染を亡くし、その度に自分自身で自分がどう生きるかを決めてきた真田だからこそ、口にする事ができたセリフなのだろう。
「あぁ、来週は進路相談だったな。俺は何も言わないぞ。何であれ助言を得た時点で、それを言い訳にできてしまうからな。さあ悩め悩め、大いに悩め。」
2010年1月末、寮のエントランスにて聞ける真田のセリフ。
『ペルソナ3』では「カレンダーシステム」と呼ばれるシステムが存在している。このシステムにより、作中にて日付の概念が生まれ、プレイヤーはP3主人公が過ごす日々を1日1日体験していく形でプレイ出来るようになっている。『ペルソナ3』では、P3主人公が巌戸台分寮にやってきた2009年4月から物語の終わりである2010年3月末までをプレイする事ができる。
物語序盤、2009年時点では高校2年生であったP3主人公も、年をまたぎ4月がくれば高校3年生になる。今後の人生に大きく影響する岐路の1つになるであろう学年を前に、物語が進む事にP3主人公の周囲では次第に今後の事を深く考えさせられるセリフが周囲からあげられるようになっていく。
2010年1月末辺りでは、ついに「進路希望」という言葉がP3主人公の周りを飛び交いだす。そんな時、寮のエントランスに居る真田に声をかけると聞けるのが、このセリフとなっている。悩める後輩にかける言葉にしては、なんとも雑で他人事な言葉に見えなくもないが、「助言を言い訳にするような人生を歩んでほしくない」という真田から後輩への思いやりが溢れたセリフにも聞こえなくない。
自分で悩み、自分で選びぬいた道だからこそ意味がある。これまでの人生を、自分が選びぬいた道だけで生き抜いてきた真田だからこそ、そうする事の「意味」を身をもって知っているのだろう。真田自身は「何も言わないぞ」と言っているが、真田自身の人生経験と後輩への思いやりが詰め込まれた、彼らしいアドバイスの言葉だといえる。
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愚者のペルソナ(P3)の由来・元ネタ・解説まとめ
『ペルソナシリーズ』の主人公たちが召喚するペルソナは、「愚者」や「魔術師」といったアルカナで区分されている。中でも愚者は様々なペルソナを使い分けられる「ワイルド」が最初に目覚める属性であり、主人公の初期ペルソナも愚者に分類される。 ここでは『ペルソナ3』においてアルカナ愚者に分類されるペルソナの由来・元ネタの解説をまとめた。
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目次 - Contents
- 真田明彦の概要
- 真田明彦のプロフィール・人物像
- 真田明彦のペルソナ能力
- ポリデュークス
- ソニックパンチ
- ディア
- ジオ
- タルンダ
- マハジオ
- ラクンダ
- ジオンガ
- スクンダ
- 電撃ブースタ
- ディアラマ
- マハジオンガ
- カエサル
- マハタルンダ
- 拳の心得
- ジオダイン
- マハラクンダ
- ディアラハン
- マハスクンダ
- マハジオダイン
- 電撃ハイブースタ
- 真田明彦の来歴・活躍
- 1991年9月22日、真田明彦誕生。両親を亡くし、妹と共に孤児院で暮らすようになる
- 2009年4月、P3主人公が私立月光館学園高等部にやってくる
- 2009年8月末、新メンバー天田乾が加わる
- 明かされた天田の「目的」、真田の最期
- 友人の死を前に覚醒した真田のペルソナ
- 居なくなった天田
- 本性を現した幾月修司
- 明かされた、P3主人公にまつわる事実
- ニュクスとの戦い
- 3月、果たされた約束
- 真田明彦の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「シンジは納得して死んだんだ。ある意味、究極の”勝ち逃げ”だよ。」
- 「あいつのケジメだ。どう生きるかは、自分で決めるしかない。」
- 「あぁ、来週は進路相談だったな。俺は何も言わないぞ。何であれ助言を得た時点で、それを言い訳にできてしまうからな。さあ悩め悩め、大いに悩め。」