ベジータ(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ベジータとは、『ドラゴンボール』シリーズの惑星ベジータの誇り高き王子であり、主人公・孫悟空(そんごくう)の最大にして最強のライバル。その生まれからエリート意識が非常に強く、他人から指図されることが大嫌い。地球に定住後は、悟空を目標としながら自己鍛錬の日々を送る努力の人でもある。他人にも自分にも厳しく、当初は冷酷な態度が目立った。しかし、悟空や仲間たちと過ごす中で少しずつ人間らしい感情を見せ始め、愛する者のために戦う強さも身に付けていく。私生活では妻ブルマの他、息子と娘が1人ずついる。

ベジータとブルマの息子。セルゲーム時には赤ん坊の姿で登場している。子どもらしいやんちゃな性格であり、好奇心も旺盛。サイヤ人と地球人との混血ではあるものの、特に努力しなくても簡単に超サイヤ人に覚醒したりと、サイヤ人としての素質は受け継いでいる。ベジータのことは父として尊敬しており、ともに修行もしている。悟天とは1歳違いで、トランクスのほうが上。2人一緒に行動していることが多く、第25回天下一武道会の少年の部にも一緒に参加し、悟天を破って優勝した。

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ブラ

ベジータとブルマの娘で、兄トランクスとは14歳離れている。本編では特に目立った活躍はなく、『ドラゴンボールGT』において成長した姿で登場している。その外見は若い頃のブルマにそっくりであり、声も母親と瓜二つ。性格も母親に似たのか、ベジータに対しても臆することなくズケズケと物を言う。ベジータも娘には甘く、ヒゲが似合っていないことをブラから指摘された時には大きなショックを受け、ヒゲを剃っていた。

ベジータの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「た…たのむ…フリーザを…フリーザをたおしてくれ…た…のむ サ…サイヤ人の…手…で…」

涙ながらに願いを託すベジータ。

ナメック星編における1コマ。ベジータをはじめとするサイヤ人にとってフリーザは裏切り者であり、故郷を全滅させた張本人であった。なんとしてもフリーザを倒したいベジータだったが、その圧倒的な力の前にはまったく歯が立たない。自分の力に絶対的な自信を持っていたベジータも、フリーザのあまりの強大さと恐怖に戦意を喪失し、生まれて初めて自分の無力さを知った。フリーザに心臓を貫かれ、死へと向かう苦しみの中で、ベジータは悟空に「た…たのむ…フリーザを…フリーザをたおしてくれ…た…のむ サ…サイヤ人の…手…で…」と涙を流しながら願いを託す。ベジータの想いに応えるべく悟空はその後フリーザと激闘を繰り広げ、勝利した。なお、ベジータが悟空に頼み事をしたのは、これが最初で最後である。

「…まるで超サイヤ人のバーゲンセールだな…」

ベジータは、トランクスと悟天が超サイヤ人になれることに驚く。

トランクスとともに修行に励む中、トランクスが超サイヤ人に変身したことにベジータは驚く。悟天も超サイヤ人に変身できるのかをトランクスに問いかけるベジータに、トランクスは「はい…」と返答。その際のベジータの発言が「…まるで超サイヤ人のバーゲンセールだな…」である。超サイヤ人への覚醒は容易なことではなく、ベジータ自身もかなり苦労していた。それをいとも簡単にやってのけたトランクスと悟天に対し、戸惑いを隠せない様子が伝わってくる。

「がんばれカカロット…おまえがナンバー1だ!!」

ベジータは悟空の戦いぶりを振り返る。

魔人ブウ編におけるベジータの発言。悟空との戦いに敗れてからずっと悟空をライバル視し、厳しい鍛錬を重ねてきたベジータ。彼にとって悟空は追いつき、追い越すべき存在であった。しかし、どんなにベジータがストイックに鍛錬を重ねても、やっと悟空に追いついたと思っても、常に自分より先を行き強くなっていく悟空を目の当たりにして、ついにベジータは自分が悟空を超えられないことを悟る。ベジータは、悟空の強さの秘密に気付いたのだった。それは愛する人たちを、仲間たちを守りたいという想いだけではないこと。勝つための戦いではなく、絶対に負けないための戦い。そして、そのために限界を極め続け、相手の生命を絶つことにこだわらない。かつてのベジータは敵を殺すことを目的とし、殺戮という楽しみのために戦いを繰り返していた。自身も家庭を持ち、少しずつ人間らしい心を見せるようになったベジータは、悟空のような優しいサイヤ人も悪くないと思い始めていた。歴戦を乗り越えてきた戦友として、そして今までもこれからも良きライバルとして、ベジータは「がんばれカカロット…おまえがナンバー1だ!!」と心からのエールを悟空に贈る。そこに居たのはプライドで凝り固まっていたかつてのベジータではなく、他人の強さを認め、人間として大きく成長を遂げた1人の戦士の姿であった。

ベジータの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作では技の使用が一度きり

ギャリック砲、ビッグ・バン・アタック、ファイナルフラッシュはアニメでは頻繁に使われているが、実は原作ではどれも一度しか使われていない。理由としては、戦いの際にいちいち技名を叫んで使用するのはおかしい、という作者・鳥山明の考えによるものである。

作者の都合で省かれたベジータとブルマの恋愛描写

ベジータとブルマがどのように恋愛関係に発展したのか、作中では具体的に描かれていない。作者の頭の中には2人の恋愛劇はできあがっていたようだが、それを絵にするのが恥ずかしかったというのが理由である。ブルマは仲間の1人であるヤムチャと付き合っていたものの、浮気を繰り返すヤムチャに愛想を尽かしていた。ベジータを家に居候させたのはあくまでも好意からだったが、ただ純粋に強さを求め、鍛錬に明け暮れるベジータの姿が、ブルマの心の何かを動かした。サイヤ人は戦闘民族と説明されるように、女性や恋愛は眼中になく、ただ戦いに明け暮れる種族である。ベジータは典型的なサイヤ人気質だが、地球に降り立った自分を受け入れ、鍛錬中に重傷を負った自分にも寄り添い続けてくれたブルマに好意を抱くようになったのは自然なことといえる。

いじられキャラのベジータ

ステージでダンスを披露するベジータ。

自信家でプライドが高く常に強敵との戦いを好むベジータは、誰よりも先に敵のふところに飛び込んでいく戦士である。しかし、その態度が災いしてか敵の力量を見誤って返り討ちに遭ったり、後悔の念に襲われたりといった描写が多い。むしろ必ずといっていいほどセットで出てくる。これらの場面が積み重なり、悟空の永遠のライバルであり圧倒的な強さを誇るはずのベジータが、その威勢の良さとは裏腹に真っ先に倒されるというイメージが定着してしまった。これだけ聞くとあまり良いところがないベジータだが、不器用ながらも家族を大事に想う場面や、言葉少なに仲間を大切にしていることが感じられるシーンも見られる。心の内には熱いものを抱いていながら、その行動がいつも裏目に出てしまう。ベジータのこうしたギャップが、ファンの間で「カッコイイのに残念なキャラクター」として浸透することになった理由であり、よくいじられている。

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