人造人間16号(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ
人造人間16号(じんぞうにんげん16ごう)とは『ドラゴンボール』(DRAGON BALL)シリーズのセル編に登場する、ドクター・ゲロが作り出したすべてが機械でできている人造人間。ゲロ自身が最後まで起動を許さなかったほど危険な力を保持している。
人造人間17号・18号によって起動すると唯一プログラムされていた「孫悟空の殺害」という同一目的のため、行動を共にすることになる。セルが完全体へ進化後は悟空たちと共に「セルゲーム」に参加する。自然や動物を愛する心優しい性格。
人造人間16号の概要
人造人間16号とは『ドラゴンボール』セル編に登場する全身機械で造られたアンドロイド(人造人間)。
元レッドリボン軍の科学者ドクター・ゲロによって悟空を抹殺するために造り出された。
レッドリボン軍とは世界支配を目論む悪の武装組織。世界各地に悪名が知られており、警察も手が出せずにいる世界最悪の軍隊である。レッドリボン軍の強力な兵器はドクター・ゲロが製造したものである。影で軍を動かしていたドクター・ゲロは、レッドリボン軍壊滅に追いやった孫悟空を恨み人造人間を造り出す。
16号はドクター・ゲロに失敗作とみなされ長い間スリープ状態で保存されていたが、人造人間17号・18号によって起動することとなる。「孫悟空の殺害」という同一目的のため、起動後は17号・18号と行動を共にしている。
人造人間16号のプロフィール・人物像
CV:緑川光
『ドラゴンボール』のキャラクターの中でも上位に位置する高身長であり、屈強でたくましい肉体を持つ。鮮やかなオレンジ色のモヒカンカット。黒いウェットスーツのようなインナーにグリーンのプロテクターが特徴的。体内にはパワーレーダーが備わっている。17号・18号同様にスタミナが永久に減ることがない永久エネルギー炉を搭載。手は切り離し可能でロケットパンチを放てる。必殺技は両腕から放つ強力な気功波「ヘルズフラッシュ」と体内にある爆破装置を起動させる「自爆」。
口数が少なく寡黙であるが、自然や動物を愛する心優しい性格の持ち主。
戦闘を好まず17号たちが戦闘中のときも戦わず、小鳥たちと戯れる。人造人間セルが完全体になり、取り込まれてしまった17号・18号のためにセルが主催する天下一武道会をモチーフにした格闘試合「セルゲーム」に参加するなど仲間思いな一面もみられる。思いやりの心は仲間以外にも向けられ、同じくセルゲームに参加したミスター・サタンを助ける場面もある。しかし16号にプログラムされていた「悟空の殺害」には忠実であり、悟空とは一切馴れ合おうとはしなかった。いざ戦うとドクター・ゲロが「この世界そのものを滅ぼしたいのか!」の言葉通り、凄まじい戦闘能力を発揮する。実力は17号・18号以上であり、第一形態のセルと互角であった。大変有利な状況で戦いを進めていたが不意をつかれ、17号が取り込まれたことによりセルが第2形態へと進化。力及ばず倒れてしまうが、そのときに悟空の仲間の一人であり親友のクリリンに助けられたことによりクリリンには大きく感謝している。
最後はセルゲームの戦いでセルによって破壊されてしまう。破壊される間際に戦いを躊躇していた孫悟空の息子・孫悟飯を諭し激励の言葉を送っていた。悟飯は16号の言葉と自身の目の前で16号が破壊されたショックで覚醒することとなる。16号はこの戦いを大きく左右した重要な役回りでもあった。
人造人間16号の必殺技
ヘルズフラッシュ
両腕から強力な気功波を放つ破壊力抜群の必殺技。
セルを地面に埋め込み放った際は、地面内部から光が放出され地盤が歪んだ。威力抜群な上にかなりの広範囲に破壊が及んだ。
自爆
体内にある爆破装置を起動させて相手を巻き込み自爆をする技。
セルを倒すため起動しようとしたが、取り外されていたため失敗に終わる。正常に起動すればセルだけではなくかなり広範囲に被害が及んだ可能性がある。
人造人間16号の来歴・活躍
孫悟飯を殺すために造られた人造人間
16号は元レッドリボン軍の科学者であったドクター・ゲロによって造り出されたアンドロイド(人造人間)。
人造人間による世界支配を企んでいたドクター・ゲロだが、孫悟空に阻止され夢を絶たれていた。孫悟空とは、惑星ベジータで生まれ地球で育った戦闘民族サイヤ人。強い相手と戦うことが好きで、地球の平和を脅かす悪と戦うこの漫画の主人公である。ドクター・ゲロは夢を絶たれた復讐のために人造人間を造った。16号はその人造人間のうちの一人である。しかしドクター・ゲロは16号が争いを好まない性格であったため戦いには不向きであったことと、この世界を滅ぼすほどの強さであるため制御しきれない可能性を考慮し「失敗作」として扱い長い間スリープ状態で保存していた。
「孫悟空の殺害」のため、ドクター・ゲロ(自身を改造し人造人間20号と名乗っている)は人造人間19号と共に街に赴いたがベジータたちに返り討ちにされた。ベジータとは、サイヤ人の王子で天才戦士と呼ばれるエリートである。悟空との戦いで負けて以来、仲間でありライバルとして行動を共にすることになる。ドクター・ゲロは研究所に戻り人造人間17号・18号を起動した。17号・18号は無から造り出された全身機械の16号と違い、人間ベースで造られた元人間でありサイボーグである。ベジータたちを倒すための起動であったが17号・18号はドクター・ゲロの命令をまったく聞かず、最終的にドクター・ゲロは17号に破壊される結果となった。16号は17号・18号の興味本位により起動されることになる。16号は唯一プログラムされていた「孫悟空の殺害」という3人共通の目的のため行動を共にする。
孫悟空を探す穏やかな旅
人造人間たちと戦いたいというベジータが3人を追いかけてきたが、ベジータは戦闘力に圧倒的な差がある18号に完敗した。応戦にきたトランクスたちはまとめて17号に打ち負かされてしまった。トランクスとは、ベジータとブルマの間にできた息子で別次元の未来からタイムマシーンに乗ってやってきた。トランクスのいる未来では17号・18号によって主要キャラクターたちは殺されているので強い恨みがある。好戦的な17号・18号とは違い16号は戦いには全く関心を示さず小鳥たちと戯れていたようである。
その後悟空を探す旅に出るのだが、旅の途中で16号にパワーレーダーが備わっていることがわかる。体に内蔵されて相手の強さと位置がわかるようになっている。17号が「なぜいままでいわなかった?」と問うと「おまえがたずねなかったからだ」と答える描写がある。かなりの無口だということが見て取れる。
旅そのものは穏やかで16号自身も楽しんでいた。17号たちのために車強盗を手伝うシーンなども描かれている。
世界を滅ぼす秘めたるパワー
3人で比較的穏やかな旅を続けていたが、完全体になるために必要な17号・18号を探していたセルに見つかってしまう。そのときセルは17号・18号の力を遥かに凌駕していた。しかしその事実を認めようとしない17号は無謀にも戦いを挑んでしまう。16号は18号に「おまえだけでも逃げろ」と伝え、17号を救うためセルに戦いを挑む。
自然や動物を愛する性格のため無意味な戦いはしないが、このとき初めて16号の力を知ることになる。このとき誰にも止めることができなかったセルと互角の力を持っており、ロケットパンチを放つことも可能。16号の必殺技「ヘルズフラッシュ」という腕から発射される強力な気功波を放出し、有利な戦いを進めていた。
しかし地中に隠れたセルに不意をつかれた17号がついに取り込まれてしまい、セルは第2形態へと進化する。大幅にパワーアップしたセル相手に16号は為す術がなく頭部を損傷し戦闘不能となってしまう。
その後18号と共に逃げるのだが、最終的には18号も取り込まれてしまいセルは完全体に進化する。セルは天下一武道会と類似した試合「セルゲーム」を発案した。「セルゲーム」とは、天下一武道会をモチーフにした会場の中でセルが順番に挑戦者と戦っていき、誰も勝てなかったときは地球を滅亡させるという試合である。この試合に参加するため16号はクリリンたちに自身をカプセルコーポレーションに連れて行って修理してほしいと頼む。クリリンとは孫悟空の仲間であり親友ともいえる存在。18号がセルに取り込まれたときに激怒したりと、人造人間たちに好意的に接していた。この頼みにクリリンは応じたため、16号は大きな感謝を述べていた。
孫悟飯に平和を託した悲しき最後
セルゲームの戦中は、力のないミスター・サタンたちが爆破に巻き込まれそうになってたところを助けるなど心優しいシーンも描かれている。
そしてアンドロイドという気を持たない特性を生かしセルの背後を取ることに成功。16号の最終必殺技「自爆」をすることを決意した。しかし自爆しないことに動揺する。クリリンがカプセルコーポレーションで修理した際に、ブリーフ博士たちによって爆弾を取り除かれていたことを打ち明けた。決死の自爆は失敗に終わりセルに頭部だけを残して破壊される。
16号は頭部だけになっても意識は残っていた。そしてミスター・サタンに戦いを躊躇している孫悟飯のもとへ連れて行ってほしいと頼む。孫悟飯とは孫悟空の息子であり、好戦的な父とは違い戦いを好まない性格。だが内にに秘めている力は、この戦いにおいて悟空を超えるものであった。サタンはこれに応じ、16号を孫悟飯の目の前に投げ込んだ。16号は「正しいことのために戦うのは罪ではない」こと、「精神を自由に開放してやれ。もうガマンをすることはない」という激励の言葉を送った。最後に自身が好きな自然や動物たちを守ってほしいという心優しい願いを託し、セルに頭部を破壊されこの世を去る。これをきっかけに孫悟飯は超サイヤ人2へと覚醒した。超サイヤ人2とは、サイヤ人が戦闘力を一気に高めると髪が逆立った金髪に変わり、金色のオーラを放つ超サイヤ人をさらに超える2段階目の変身形態である。金髪がさらに逆立ち青いスパークを纏う。悟飯は超サイヤ人2に変身することでセルを遥かに凌駕する力を手に入れた。
セルに破壊されて以降は16号が蘇った描写はない。ドラゴンボールを7つ集めると願いを叶えてくれる神龍(シェンロン)に、無から造り出された人造人間であるためか「セルに殺された犠牲者たちを生き返らせてほしい」という願いの中に16号が入っていないとされている。
人造人間16号の関連人物・キャラクター
ドクター・ゲロ
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目次 - Contents
- 人造人間16号の概要
- 人造人間16号のプロフィール・人物像
- 人造人間16号の必殺技
- ヘルズフラッシュ
- 自爆
- 人造人間16号の来歴・活躍
- 孫悟飯を殺すために造られた人造人間
- 孫悟空を探す穏やかな旅
- 世界を滅ぼす秘めたるパワー
- 孫悟飯に平和を託した悲しき最後
- 人造人間16号の関連人物・キャラクター
- ドクター・ゲロ
- 人造人間17号
- 人造人間18号
- セル
- 人造人間16号の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「おまえたちがさわいだから小鳥たちが逃げてしまった…」
- 「おまえたちはいいやつだ。人間も動物もいたずらに命を奪わなかった。いっしょに旅ができて楽しかった…」
- 「オレはおまえを殺すために造られたんだ。そのことをわすれるな孫悟空」
- 「オレのスキだった自然や動物たちを守ってやってくれ…」
- 人造人間16号の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 16号のモデルは戦死したドクター・ゲロの息子
- ドクター・ゲロの息子の名は「ゲボ」
- 失敗作である16号を破棄しなかったのはドクター・ゲロの壊したくないという親心