ジョナサン・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ

ジョナサン・ジョースターとは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part1『ファントム・ブラッド』の主人公で、波紋使いである。英国貴族の一人息子として生まれ本物の紳士を目指す少年・ジョナサンの運命は、義兄弟となるディオの出現で大きく変わる。石仮面の力で吸血鬼となったディオを倒すべく、ジョナサンは波紋と呼ばれる力を会得した。ディオとジョースター一族は一世紀以上に渡る因縁の歴史を刻むこととなるのだが、ジョナサンは因縁の始まりともいえる人物であり、死後も子孫たちの運命に大きな影響を与えている。

父ジョースター卿に毒が盛られているかもしれないと踏んだジョナサンは、ゴロツキがたむろする貧民街・オウガストリートに足を踏み入れる。立派な身なり故に絡まれるが、ジョナサンはゴロツキたちを退けた。鍛え上げられた体格故に、徹底的に叩きのめすこともできたが、ジョナサンはゴロツキたちに大きな怪我は負わせなかった。
その理由をジョナサンは「ぼくは…父のためにここに来た。だから蹴る瞬間!君にも父や母や兄弟がいるはずだと思った…。君の父親が悲しむことはしたくないッ!」と語る。相手を思いやるこの気持ちが、荒くれ者をまとめるスピードワゴンの心を動かすに至った。

「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!」

ジョナサンは、ツェペリの波紋を受けた切り裂きジャックのとどめを刺すように言われる。グラスに入ったワインをこぼさないとの条件付きで、ツェペリは「北風がバイキングを作った」との言葉と共にジョナサンを送り出す。
ジャックの逃げ込んだ地下迷宮は非常に入り組んでおり、灯りが届かない箇所が必ずできるようになっていた。どこに敵が潜んでいるか分からない状況の中、ジョナサンはワインが相手の位置を知る為の探知機であることを悟る。
ツェペリに教えられたことの意味を知ったジョナサンは「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!」と声を上げる。波紋により自身の呼吸や鼓動を意識した一言である。

「幸…わ…せ…に…エリナ」

エリナとの新婚旅行の最中、ジョナサンは肉体を失ったディオの襲撃に遭う。ジョナサンの持つ精神の強さに感服したディオは、敬意を持って彼の前に現れその肉体を乗っ取ろうとした。頭部のみでも戦闘が可能なディオとの戦いの果て、ジョナサンは致命傷を負ってしまう。ディオの配下のワンチェンによって船はゾンビだらけになる。
ジョナサンは波紋の力でワンチェンを操り、船の動力炉を抑えさせることで船の爆発を促す。エリナはジョナサンと共に死のうとしたが、乗客の赤ん坊を託された。ジョナサンはディオへの恨み言ではなく、「幸わ…せ…に…エリナ…」と妻が生き延びる願いを口にして息絶えるのだった。自身の運命を受け入れたジョナサンの諦めではない気持ちが分かる。

ジョナサン・ジョースターの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

絵柄の変化によりやせ型となったジョナサン

作者の荒木が描いたPart7までの歴代主人公のイラストがある。
この集合絵に描かれたジョナサンは、筋骨たくましかった本編とは違いやせ型となっている。Part1連載時、世間では筋骨隆々の男たちが戦う『北斗の拳』が人気を誇っており、漫画業界には派手なアクションとたくましい肉体を持った主人公が活躍する作品が溢れかえっていた。ジョナサンはそんな時代の流行期に生まれたキャラといえる。
荒木は「もう当時の絵は描けない」と公言しているが、絵柄の変化は長期連載作品の常である。今のスタイリッシュな画風でのジョナサンや絵柄の変化を見るのも、一つの楽しみかもしれない。

「ジョンサンの名前の由来はファミリーレストランから」という通説は方便

「ジョナサンの名前の由来は、ファミリーレストランから来ている」との通説がある。連載当時に荒木が打ち合わせに使用していた「ジョナサン」というファミリーレストランが元ネタだとされていたのだが、これは主人公の名前を覚えてもらうための方便であった。
ジョナサンで『ジョジョ』の打ち合わせをした時期もあったが、既にジョナサン・ジョースターのキャラクターが出来上がってからのことで、「キャラクターのジョナサンの名前は韻を踏んだごろの良いものを選んだだけ」だと後に荒木が語っている。

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