ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア(FFTA2)のネタバレ解説・考察まとめ

『ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア』(FFTA2)は、2007年に発売されたニンテンドーDS用シミュレーションRPG。2003年に発売された『FFTA』の続編。
主人公ルッソは終業式の日、図書室で1冊の古い本を読む。その本のページにルッソが自分の名前を書き込むと、彼は不思議な世界へと飛ばされてしまう。ルッソはこの異世界で冒険しながら元の世界へ戻る方法を探す。

ルッソ、犯罪集団カミュジャに狙われる

ルッソたちがパブに行くとガリークラン宛に依頼の手紙が来ていた。
それは、デルガンチュア遺跡で待っている、という内容だった。その手紙と共に、奪われたはずの魔石が届けられた。
それでこの依頼がカミュジャからのものだとわかった。

罠だと承知で遺跡に行くルッソとガリークランのメンバーたち。
そこにはカミュジャのリーダー的存在のイルーアという女がいた。手紙はイルーアが出したものだった。
彼女はシドに親し気に話しかける。
シドは以前イルーアと同じカミュジャのメンバーだったと言い、2人の間にはなにやら因縁があるようだった。

イルーアはアデルの「優れし者」としての能力をも見抜いていた。
理由はわからないが、ベルトリ男爵を部下に命じて襲わせたのはイルーアで、居合わせたヴァンたちにベルトリ男爵襲撃の罪を着せたのも彼女の差し金だった。

カミュジャの冷酷さを知っているシドは危険だからと、ルッソとアデルにここから去るように言うが、2人ともシドと共にイルーアと戦うことを選んだ。
エンゲージの最中、イルーアによってロウが消され、ルッソたちはイルーアと生死をかけた戦闘が繰り広げることとなった。
イルーアの部下であるユエンがルッソたちによって倒されるが、冷酷なイルーアは気にかけるどころか彼を見捨てて死亡させてしまう。
イルーアは闇の力でルッソたちを圧倒する。
そんな戦闘の最中にイルーアはルッソの手帳を見て驚く。そしてその手帳のことをグリモアと呼んだ。
イルーアはルッソの手帳めがけて斬りかかった。
しかし手帳はその魔力で彼女の剣を弾いて彼女ごと吹き飛ばした。
その時、手帳の魔力が暴発し、ルッソたちは見知らぬ場所へと飛ばされてしまう。
それは夢で見たあの見知らぬ場所だった。
見知らぬ場所に来て戸惑うシド・アデル・ルッソの3人の前にラザフォードが現れる。しかしそれは実体ではなく、どこからか自分の姿をこの異空間に映していたのだった。

シドはここはどこだとラザフォードに問いかける。
その時、空間が裂け、巨大な右手が出現した。
ルッソたちは正体不明の謎の右手と戦うことになる。
なんとか右手を撤退させたルッソたちは、ラザフォードに導かれるままに、ラザフォードの館へと帰還する。
ルッソたちはラザフォードから、今までいた見知らぬ場所はハンターの間で禁域と噂される「ヤクト・ゼレイア」だと知らされる。
「ヤクト・ゼレイア」はミストが濃いため人は住めず不毛の地だとされている。
そしてそこには深遠の者ヌーキアが封印されているという。
先ほどの巨大な右手はどうやらヌーキアのものらしいが、なぜ右手だけが出現したのかはわからない。
ヌーキアは世界を揺るがす程の強大な力を持つと魔人だ言われている。
かつてその力を恐れた魔道士たちは、グリモアと呼ばれる魔道書を使って人の寄り付かぬ「ヤクト・ゼレイア」にヌーキアを封印した。
ルッソの持つ手帳は「封穴のグリモア」と呼ばれ、ヌーキアの封印をした魔道書だったのだ。

一方、アデルは自分の持つ特別な力についてラザフォードと話をする。
アデルは幼い頃から何でも出来る子供で、彼女の村で疫病が流行したときも彼女だけが無事だった。
自分だけが助かったことで彼女は負い目を感じ、ずっと孤独なまま生きてきた。
ラザフォードは、アデルから自分が「優れし者」だということに悩んでいるということを打ち明けられる。
「優れし者」は人より優れているがゆえに他者との確執に悩む者も多いという。
ラザフォードは、生まれ持った力は他の者と違っていても、その人生は自由なのだ、とアデルを諭す。

町に戻ったルッソはハーディに誘われ、アデルとクエストに向かう。
その後アデルは気分がすぐれないと言い、先に帰ってしまう。
ルッソがクエストを終えて町に戻ると、アデルがシドのへそくりを奪ってクランを抜けていた。

自分勝手なアデルにルッソたちは怒って、もう知るものか、と彼女を追わなかった。
ルッソとシドは気晴らしにクシリ砂漠に出かけてモンスター退治をしていた。
そこへアデルが現れる。
ルッソはアデルに文句を言うが、彼女は虚ろな目でルッソにグリモアを渡せ、と言う。
シドはそんなアデルを見て、イルーアの術でアデルが操られていることを見抜く。
操られたアデルはルッソたちに襲い掛かってきた。
ルッソには仲間だったアデルを攻撃することができなかった。
アデルの攻撃を受け流しながら、ルッソは何度もアデルに呼び掛けた。
ルッソの呼びかけが功を奏し、アデルはイルーアの術に打ち勝ち、正気を取り戻した。
アデルに、クランに戻って欲しいと言うと、特別な力を持つことを理由に、アデルはそれを拒む。
だがそれが彼女の強がりだったことをルッソは見抜いていた。
ルッソは彼女の心情を察し、クランに戻るよう説得する。
アデルがいないと寂しい、とルッソが言うと、アデルは彼の説得に応じ、クランに戻った。

この世界での冒険が順調に進み、ルッソの手帳の空白部分が残り少なくなってきた頃、ガリークラン宛てに再びイルーアからのメッセージが届く。
指定された場所に来いというものだった。
シドはイルーアと決着をつけたいと言う。
シドは以前所属していた犯罪組織カミュジャが、手段を選ばず悪事を働くことに嫌気がさして抜けたのだった。
冷酷なイルーアは、抜けたシドを裏切り者として執拗に付け狙っており、部下のユエンに殺させようとしていたのだった。
ユエンがガリークランのジャッジを売れと言ったのも、シドをジャッジのないエンゲージで殺すためだった。
シドは、イルーアとのそんな関係に終止符を打ちたいのだった。

ルッソ、最終決戦を迎え、手帳を完成させる

指定された場所に行ったシドたちを待ち構えていたのは、イルーアと彼女の部下だった。
イルーアの手には、なんとルッソの持つ手帳と同じグリモアらしき魔道書があった。
イルーアもルッソと同じ「封穴のグリモア」の持ち主だったのだ。
それでルッソの持つグリモア(手帳)で自分の望みを邪魔されたくなかった彼女は、ルッソの手帳を奪おうとしたのだ。

イルーアの望みはヌーキアを呼び出すこと。そしてその力を自分のものにすることだった。
イルーアがベルトリ男爵を襲ったのも、男爵がヌーキアのことを知っており、それを聞き出すためだった。
イルーアはルッソたちにロウを封印したエンゲージを挑む。
前よりもずっと強力になっていたイルーアにルッソたちは苦戦する。
イルーアはルッソと同様にグリモアの空白を埋めていて、グリモアの魔力アップと共にイルーアの力もパワーアップしていたのだ。

イルーアは、物体を転移させる魔法「デジョン」を唱えた。
ルッソたちはそれに巻き込まれ、転移させられてしまう。

ルッソたちが気がつくと、禁域「ヤクト・ゼレイア」にいた。
近くにイルーアの姿はなく、ルッソたちはイルーアを探す。
ルッソの手帳は間もなく埋まってしまう。これからイルーアを倒せば、ルッソの手帳は完全に埋まって、元の世界に帰ってしまうことを、アデルは寂しく感じるのだった。

ルッソたちがデジョンで飛ばされた場所からそう遠くない場所にイルーアはいた。
イルーアはグリモアの力を使って封印を解き、ヌーキアを呼び出そうとしていた。
ルッソたちはイルーアを止めようとする。
だがイルーアはたとえ自分が負けても、イルーアのグリモアは彼女の死を綴ることで完成し、彼女の願いは成就しヌーキアの封印は解けると言う。
グリモアは埋まればそれぞれの持ち主の望みを叶えるのだ。

イルーアの言う通りだとしても、ルッソたちは諦めなかった。
封印の穴が開いたなら閉じればいい、ルッソたちはそう前向きに考えてイルーアと戦う。
グリモアの力でパワーアップしたイルーアは強い。
しかし仲間の絆を信じるルッソたちによってイルーアは倒される。
イルーアは消滅するが、彼女のグリモアは埋まって完成し、ついに封印の穴が開いてしまう。
そしてそこからヌーキアが現れる。
望みを叶えたグリモアは消滅する。

ヌーキアの巨大さは、おそるべきものだった。
ルッソたちが以前戦った右手だけの時よりもずっと大きくなっていた。
その巨大さにルッソたちは恐れおののくが、仲間の力を信じ、ヌーキアに挑む。

これまで数多くの冒険と、エンゲージで鍛えた技と仲間の力で、ルッソたちはヌーキアのバリアを破り、ヌーキアの弱点であるコアの破壊に成功する。
ヌーキアは断末魔の叫びをあげながら消滅し、封印の穴は再び閉じられた。

ヌーキアを倒したことでルッソの手帳が埋まった。
それはルッソが元の世界へ帰れるということであった。
ルッソは、初めてイヴァリースに来た場所であるタルゴの森にいた。
ガリークランの仲間たちやラザフォードも、ルッソを見送るために集まっていた。
アデルも寂しがっていたがクランの一員として、ルッソを見送る。
ジャッジとの契約を解くと、ルッソはこの世界に来る前の元の服装に戻る。
さよならのかわりに皆に礼を言うルッソ。
そこへハーディがやってきて、ルッソのための曲が完成したという。
ハーディはその曲をさよならの代わりに披露する。
それを聞きながらルッソは光と共に元の世界へと帰っていった。

ルッソは、先生の声で目を覚ます。彼は学校の図書室の机で眠っていたようだった。
机の上には、ルッソがあの時読んでいた古い本は無くなっていて、代わりに自分の日記帳が置いてあった。
ルッソはイヴァリースでのことを先生に話す。
先生はそれを夢だと笑い飛ばしもせずに、「知っている、僕も昔行ったことがある」と語る。
先生の名前はミュート・ランデルという。
前作でグリモアを使い、イヴァリースを作った人物だった。
ランデル先生はルッソにもう帰宅時間だから帰りなさいと言う。
ルッソは日記帳を手に慌てて帰宅する。ルッソが後にした図書室にはオルゴールがあり、そこからはハーディが作った曲が流れていた。

『ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア』の登場人物・キャラクター

ルッソ・クレメンズ

主人公。
図書館にあった古い本に名前を書いたことからイヴァリースに飛ばされた少年。
楽天家で人懐こい性格。お化けが苦手。
イヴァリースに来た際、「封穴のグリモア」と呼ばれる手帳を持っていた。
イヴァリースでの種族はヒュム族。
ファーストネームのみ変更可能。

アデル

今作のヒロイン。
自称モンスターハンターの美少女。キャット・アデルと呼ばれ、金目のものに目がない。ブランド好き。
どのクランにも属さず一匹狼を続けてきたが、ルッソに会い、ガリークランに入る。
生まれながらに優れた才能を持つ「優れし者」であり、専門ジョブ「エアレス」を持つ。

シド

ガリークランのリーダー。
ルッソがイヴァリースに来て最初に出会う人物。
面倒見がよくクランメンバーの兄貴分的存在。イルーアとは因縁がある。
ジョブ分類はバンガ族。

ハーディ

モーグリ族の吟遊詩人。
吟遊詩人の修行の旅の途中でルッソたちと出会う。
ハーディの奏でる音楽がこの物語のテーマとなる。
ハーディの専門ジョブは「吟遊詩人」。

ヴァン

『FF12』『FF12RW』の主人公だったキャラクター。
今作では、終盤に発生するクエストをクリアすることで仲間にすることが可能。ジョブは空賊。

イルーア

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