地獄先生ぬ~べ~(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『地獄先生ぬ~べ~』とは、真倉翔と岡野剛によるアクションコメディー漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。鬼の力を左手に宿す霊能力教師・ぬ~べ~こと鵺野鳴介が、生徒を守る為に妖怪や悪霊と戦うのが主軸。オカルト、ギャグ、お色気、友情、成長、恋愛、バトル、都市伝説、教養など多彩なジャンルを取り入れており、幅広い読者層の支持を得た。週刊少年ジャンプに1993年から1999年まで連載。JC全31巻。1996年から1997年にテレビアニメ化された。続編に『地獄先生ぬ~べ~NEO』がある。

妖怪博士こと百鬼久作に立ち向かうべく、広、郷子、美樹、克也、まことの5名が立ち上がり、入手したアイテム。厳密には妖怪博士の妻・恵子に託されたもの。通常は勾玉の形だが心の形に反応して光り、武器や防具、乗り物などに変形する。作中ではそれぞれ勇気(広)、友情(郷子)、虚栄心(美樹)、責任感(克也)、優しさ(まこと)に反応して変形した。いずれも妖怪を撃退しうる強い力を持つ。ぬ~べ~曰く「強すぎる争いの道具」であり、最後は究極の善妖怪・ケサランパサランに破壊される。

ヴィムク

『NEO』に登場。霊や妖怪絡みの事件の裏で暗躍する組織。メンバーが何人も童守町に潜入しており、「逢魔ヶ刻プロジェクト」なる計画を進めている。これは「境壊法術」と呼ばれる術で少しずつ現世と冥界(あの世)の境を壊し、逢魔ヶ刻を人為的に引き起こすというもの。これにより、童守町で霊や妖怪に関する事件が再び多発するようになった。
最終目的は童守町を冥現世決壊領域に陥れて「大羅刹鬼天帝」を降臨させること。プロジェクトの障害になり打つぬ~べ~を「N」と呼び、彼に組織の存在や活動を知られないように警戒している。
元々は人間の宗教秘密結社だったが、地獄人に乗っ取られ今の逢魔ヶ刻プロジェクトを進める強大な組織となった。財政界や大手企業の中にも信者が多く、彼らからの出資金を活動資源にしている。

『地獄先生ぬ~べ~』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「俺の生徒に手を出すな!」(鵺野鳴介)

出典: sayyoufun.biz

ぬ~べ~の代名詞とも言えるセリフ。普段はドジ、スケベといった面もあれど、生徒想いの点も描写される。時に優しく、時に厳しく生徒たちに接する姿勢がぬ~べ~の本質である。悪霊や妖怪に襲われる生徒を救う際、よく口にされる。相手が強敵であろうと、生徒を守るとの決意が見受けられる。

「私、分かったの。楽しいときの経験はもう一度繰り返すんじゃなくて、これからの未来への糧にするものだって」(稲葉郷子)

出典: twitter.com

進級、そしてクラス替えを控えた郷子のセリフ。5年3組での経験は色々なことがあったが郷子にとっては実りの多い一年だった。ぬ~べ~の九州への転勤やクラス替えで皆が離れ離れになることを拒んだ郷子は、桜と名乗る少女に「校庭にある花の咲かない桜の木に名前を彫ると、もう一度同じ学年をやり直せる」と言わ教えられた。
他のクラスメイトが「6年生になれば新しい友達も増えるし、修学旅行にも行ける」とクラス替えに対して前向きなのを知った郷子は、試しで名前を彫ると桜に吸い込まれてぬ~べ~が初めて赴任してきた日に戻っていた。一部の違いはあれど美樹はトラブルメーカー、克也は不良、まことは甘えん坊と今の郷子が知る姿とは違っており、妖怪との戦闘でピンチに陥ったぬ~べ~を助けることに尻込みする。郷子は、先の少女・桜から「ずっとここで同じ一年を繰り返そう」と言われるがあの頃と同じ気持ちで一年をやり直すことは無理だと悟る。
一方、他のメンバーはこの桜の木が「送らずの桜」と呼ばれる童守小七不思議の一つで、ぬ~べ~も助けようがないことを知る。木の近くに血が落ちており、郷子の名が彫られていた。ぬ~べ~が経を唱えると幹の中から木の根に拘束された郷子が見つかる。魂が拘束されており、無理に引き剥がすと郷子が死んでしまう。中に入るしかないと、広たちは自分たちの名を彫りつけて木の中に入った。少し遅れて桜に入ったぬ~べ~共々、魂だけの世界で念ずる。5年3組で過ごした日々は、皆素晴らしい思い出となっていた。桜はかつて童守小にいた児童で、仲の良かったクラスメイト、担任と共に思い出作りの遠足に行く途中で事故死した霊だった。居心地のいい時間を失うのが怖くて、この空間に閉じこもっていた」と言い、桜はクラスメイトと共に成仏をし、郷子たちは解放される。

「お前たちを世界で一番愛しているから、俺から卒業してほしいんだ」(鵺野鳴介)

出典: urc.rssing.com

九州への転勤が決まったぬ~べ~が生徒たちから「自分たちを置いていくのか」と言われた時のセリフ。生徒がぬ~べ~を慕っているからこそ引き留め、ぬ~べ~はそんな教え子たちの成長を認め、さらなる成長の為に別れを受け入れて自分たちの道を歩んでほしいと言うのだった。

『地獄先生ぬ~べ~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

読み切り版のタイトルは『ぬ~ぼ~』だった

『ぬ~べ~』は、連載前に掲載された読み切り版がある。そのタイトルは『地獄先生ぬ~ぼ~』であった。読者の人気を得て連載化が決まったが、森永製菓に「ぬ~ぼ~」なる菓子があった。『ぬ~ぼ~』がアニメ化をした際、森永製菓のライバル会社がスポンサーになる可能性への考慮から『ぬ~べ~』に変更になった経緯を持つ。

当時の流行を取り入れて話の幅を広げる手法を採用

出典: blog.goo.ne.jp

プリクラのシールに魂を16分割された広。これにより、シールが広の分身のようになって貼られている場所から物が見え、シールが破れる度に苦しみを味わうこととなった。一つでもシールが残っていれば魂を元に戻すことができる為最後の一枚を探すが、それは広によって郷子のプリクラ台帳に貼られていた。

『ぬ~べ~』の魅力はオカルト、バトル、成長、お色気と多岐にわたるジャンルである。ホビー系統のジャンルもまた、作品に彩を添えている。プリクラや育成ゲームなど、連載当時はやっていたものを取り上げ、妖怪や怪奇現象などを絡ませることで独自の展開を産んだ。

「トラウマメーカー」になる程の描写やリアルな噂のインパクト

出典: twitter.com

夢に現れ複雑な迷路を示すブキミちゃん(右)。彼女に襲われても助かるよう、道順を覚えたという読者は多い。

『ぬ~べ~』の魅力の一つが、後に「トラウマになった」と呼ばれるシーンやエピソードである。少年漫画らしい熱いバトル、教育、成長を描く一方、ぬ~べ~たちが戦う妖怪や悪霊の中には子供たちを容赦なく襲い、取り憑き、時に死の寸前にまで追い込む。物語初期にはモブキャラクターが惨殺される描写も多かった。血や臓物が出るグロテスクな描写の他、妖怪や悪霊の造形、設定が強いインパクトを与え、読者のトラウマとなった。
こうしたトラウマ要素は、何もビジュアルだけのものにとどまらない。ブキミちゃんやメリーさんといったリアリティのある噂話は「本当にいるかもしれない」「実際に自分も害に遭うかもしれない」との不安を抱かせるに十分なものだった。

「人の心が妖怪を創り出す」という概念から得られる教訓

えどまち
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@edono78

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