クロノ・クロス(Chrono Cross)のネタバレ解説・考察まとめ

『クロノ・クロス』は『クロノ・トリガー』の続編として1999年に発売された。
美麗なグラフィックやBGMは高評価を得たが前作との比較から賛否が別れることとなった。
前作のテーマが「タイムトラベル」であるのに対して、今作では「パラレルワールド」がテーマとなっている。
主人公セルジュは、「ホームワールド」と「アナザーワールド」という2つの世界を行き来し、パラレルワールドの秘密を解き明かしていく。

本作のラストボス。
とある時間軸でクロノたちによってA.D.1999年に倒されたラヴォスが、歴史が変わり、「無かったことにされた」ものたちや死んでいった者たちの無念や生命を取り込んでいくことで時空の闇の彼方に誕生した、「時喰い」という新種の生命体となった。それはラヴォスの進化した姿とも言える。

生命の憎しみや怒り、絶望などの負の感情を取り込み融合し続け、それが完全なものとなると「時喰い」は目覚め、時空を喰らいはじめる。時空が喰われると時が止まり、やがて全てが無に還る。
「時喰い」の目的は、無くなってしまった未来や存在をやり直すために、すべてを無に帰すことである。

ラストダンジョンに登場する「時を喰らうもの」は、龍神を取り込んで時空の闇の彼方に潜んでいる「時喰い」が本体であり、この次元に存在するための「時喰い」の仮の姿である。
セルジュたちが最初に戦う「時を喰らうもの」は第一形態で、龍神だったものの成れの果てである。
龍神はツクヨミが「凍てついた炎」を持ち去り六龍と合体した際、「時喰い」に取り込まれてしまったため、「時を喰らうもの」となった。

「時喰い」には龍神の他、ジール王国の王女サラが取り込まれている。
「時喰い」のビジュアルを見ればわかるとおり、サラが「時喰い」の主要な部分となっていると思われる。
そのため、サラや龍神たちの心を救うことでしか「時喰い」を真に倒すことはできない。
セルジュたちは時の闇の彼方に巣食う「時喰い」本体に戦いを挑み、調停者であるセルジュが「クロノ・クロス」を用いることでサラや「時喰い」に取り込まれた者たちの心を浄化できるのだ。

『クロノ・クロス』のゲームシステム

クロス・シーケンス・バトル

従来のターン制バトルやFFシリーズのアクティブ・タイム・バトルでもなく、操作キャラクターにスタミナが残っている限り、いつでも、誰からでもコマンド入力が可能となるシステム。

レベルスター

このゲームは一般的なゲームでいうところの「レベルアップ」の概念が無い。
ストーリー上で戦うことになるボスを倒すことで「レベルスター」を獲得すると一気にステータスが上昇する、というシステムが採用されている。
ボス以外の雑魚敵と戦っても、少しづつステータスが上昇するが、その上限もレベルスターによって設定されているため、雑魚敵とは全く戦わなくてもクリア可能である。

エレメント・連携技

「魔法」に相当するもので、キャラクターごとに「グリッド」と呼ばれる枠を持っており、その枠にエレメントを配置することで攻撃魔法や補助魔法を使える。
しかし、使用するためには敵に通常攻撃を当てて、パワーを溜める必要がある。

エレメントには青(水・氷)、黄(土・雷)、赤(炎)、緑(植物・風)、黒(闇・重力)、白(光・聖)の六色と属性がある。
各キャラクターには「先天属性」と呼ばれるものが設定されており、得意・不得意のエレメントがある。

戦闘中にエレメントを使用するごとにフィールドがそのエレメントの色になっていく。
フィールドが同じ色で染まるほど、その色のエレメントの威力が増すなど、見た目でその威力がわかるようになっている。

また、通常エレメントとは別に各キャラごと基本3つずつ「固有エレメント」と呼ばれる固有の技がある。
これらはレベルスター獲得によって取得するものと、キャラごとのイベントをこなすことで獲得できるものがある。

戦闘中、特定のキャラクターの組み合わせで、固有エレメント同士が使用可能な状態では、連携技が可能になる。連携技には前作同様に2人技と3人技が存在する。

renote.net

武器・防具の鍛造

本作では装備品を店で直接購入することはできず、手持ちの素材をもとに、「鍛冶屋」で有料で装備品を鍛造してもらうシステムとなっている。

セリフ自動生成プログラム

本作はプレイヤーキャラクターが45名と非常に多く、ある程度自由にパーティーを組むことができる。
パーティメンバーは主人公+仲間2名。
どのイベントでも、どのキャラクターがパーティーにいても違和感なくシナリオが進行するように、それぞれ特徴を持った一人称や語尾などを組み合わせて、各キャラクターのセリフが自動生成されるシステムを持っている。
特定の仲間キャラクターがいる場合は、自動生成ではなく、独自のセリフを言うイベントも存在する。

2周目以降の特典

強くてニューゲーム

クリアデータのレベルスターと一部を除いたアイテムおよびエレメントを引き継いだ状態で、最初からゲームをスタートできる。
クリアデータから直接引き継ぐ方式のため、前作のように任意のセーブデータの内容を引き継いでの「強くてニューゲーム」ではなくなった。

強くてコンティニュー

クリアデータとは別に、プレイ途中の「1周目のデータ」を用意しておくことで実行できる。
指定した「1周目のデータ」で、最初に選んだクリアデータのレベルスターを1周目のデータへ反映させることができ、アイテムとエレメントを追加できる。つまり、1周目のデータにクリアデータを合体させることができる。
なお、一度でもどちらかの「強くてニューゲーム、またはコンティニュー」を行ってセーブしている2周目以降のデータ、およびクリアデータは「強くてコンティニュー」で読み込むことができない。

クリア直前の1周目のデータを上書きせずに残しておくことにより、「強くてコンティニュー」とゲームクリアを繰り返す事で手軽にアイテムとエレメントを増殖させる事が可能となる。

試作時間変速器

2周目以降に始めから所持しているアイテム。
一度見たイベントやバトルなどを早送りできる周回用アイテムである。
R2ボタンを押している間は4倍速(バトル中は2倍速)、L2ボタンを押している間は1/2倍速になるなど、ゲームの進行速度をコントロールできるようになる。
ただし、ムービーやロード時間、エンディングの演出の一部分など速度を変更できない部分もある。

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