『鬼滅の刃』、その魅力は鬼にある
映画『鬼滅の刃』では興行収入400億1694円を突破し、歴代1位となる史上稀に見る結果となった。その『鬼滅の刃』に世の中の人が魅了されるのはなぜだろう。
主人公・竈門炭治郎の妹である禰󠄀豆子が鬼になってしまい、「必ず人間に戻す」と心に決めて様々な困難に立ち向かっていく様は、言わずとも誰もが知っている魅力であろう。炭治郎は鬼を滅殺する鬼殺隊に入隊、そこから鬼と戦って行くのだが、最初は鬼を切れず四苦八苦していた。その先で仲間に出会い、人の死に触れ、鬼殺隊として逞しく育っていくのだ。
鬼殺隊には並外れた能力を持ち合わせた柱が9人いるが、それぞれの個性も魅力の1つであろう。しかしながら、敵である鬼にもまた様々な個性があり、人間であったころの悲しみを描写しているのだ。
鼓の鬼、響凱は小説家を目指している青年だったが、お前の書くものはつまらないと罵倒されていた。鬼になってもなお、小説を書くことに未練は残った。
床に散らばった原稿を踏まずに戦っている炭治郎の姿を見て動揺しつつも、敗北した後には「自分が書いた小説はゴミではない」と行動で示してくれたことに涙して消滅するのだ。人間を喰う敵であるが鬼の悲しみを描写しているシーンはなんとも言えない気持ちになり、読んでいる人の涙を誘う。
それぞれストーリーがあり、どうして鬼になったのかを読み解いていけるのも魅力の1つ。特に上弦の参・猗窩座のストーリーはオススメなので、ぜひ漫画を手に取っていただきたいものだ。